当ブログ内の記事が 『男泣きスタジアム!』(彩流社刊)の一部分において盗用された件について、その発覚の経緯と私の考え方についてご説明いたします。



まず、今回盗用されたのは当ブログ内の下記のエントリーです。

「初芝清 〜爆笑ホームランを打つ男〜」

当該エントリは初芝様の偉大なるカリスマ性を万人に知らしめるべく、昨年2005年2月27日に当ブログ上に掲載いたしました。
ついで『男泣きスタジアム!』の発売直後、ある方より「当該書籍の初芝様に関する註の部分が当ブログの文章に酷似している」、という指摘を受けました。早速購入してみたところ、確かに私が書いた文章とよく似ています。

問題の文章は『男泣きスタジアム!』116ページ、「熱きパリーグのファンによるヤジの飛び交う光景」にある註の部分です。以下に全文を引用します。

註1 初芝清

たとえば、2003年5月9日―
ロッテ対西武戦の千葉マリンスタジアム。平日のナイターのため観客は少ない。開幕から二軍落ちしていた初芝が5月5日に一軍復帰。初スタメン。4回裏、第二打席に勝ち越しの2ラン。ところが、直後にスタジアムを包んだのはなぜか観客の「爆笑」だった。初芝が打った・・・打っちゃったよお〜」
―今季初安打が決勝ホームラン。しかし、このままで「初芝」ではないのだ。5月14日、試合前、球拾いを兼ねて守備練習をしていた初芝。横っ飛びキャッチに失敗して寝そべったまま悔しがっていた。ところへ、ひじに打球が直撃。再び二軍落ちとなってしまった。その後、一軍に復帰した初芝は、代打の切り札として活躍。代打での7打席連続安打という日本タイ記録を打ち立てた。このような逸話が「初芝原理主義者」を育成する。ぜひとも球場へ行こう。初芝のメガネが光るとき、彼の舞台が開幕する。守備につく初芝を目撃できたら運がいい。あの体躯に似合わず華麗なプレーが拝めるかもしれない。あるいは長嶋バリのトンネルが見られるかもしれない。さらにはファウルフライを追ってとんでもない方向に行く初芝に、「そっちじゃない、左、左」とヤジが飛ぶのを聞けるかもしれない。もちろん落球するのだが。そんな初芝を、あなたはどう思う。「使えねぇ」と思うか、「やっぱり初芝だ、仕方ないなあ」と嬉しそうにグチるか。後者なら間違いなく「初芝原理主義者」だ。もはや普通のファンには戻れない。合掌。(引用ここまで)



内容も文章構成もそのものずばり、そっくりというレベルを通り越しています。
おりしも世間ではTBSホームページの盗作問題が話題となっている頃でした。下手に騒ぐとせっかくのロッテフィーバーに水を差してしまうような気がして当時は特に行動を起こさず、今まで静観をしておりました。
しかし、この文章をいったい誰が書いたのかという疑問はずっと消えませんでした。というのは問題の註のある「熱きパリーグのファンによるヤジの飛び交う光景」という文章は熱烈な日ハムファンである谷口さんという方が書かれた物だからです。真のパリーグファンなら初芝様を語る言葉の一つや二つは必ず持ち合わせているものです。そんな方が盗作をするとは思えません。

そして今年。ロッテも4位になったことだし、本の売り上げも一段落している頃だろうと言うことで、つい先日、彩流社あてにメールを出してみました。内容は「当該箇所が私の文章と酷似しているが、どなたがお書きになったのか、どのような経緯で掲載されたのかご教示願いたい」というものです。
すると翌日に彩流社編集部の蓮口バレンティノ氏(仮名)から返信が来ました。内容は以下の通りでした。

・問題の註は編集部の蓮口氏(仮名)が作成したものであること。
・註の作成に当たっては当ブログを無断引用したこと。
・上記について彩流社ホームページ上にて謝罪文を掲載すること。
・『男泣きスタジアム』該当頁(P116)に参考データの出典データの修正シールを貼り付けること。


今日現在、彩流社のホームページ上では以下のように謝罪文が掲載されています。


お詫び
 このたび『男泣きスタジアム!』(2005年5月20日刊)につきまして、同書の註を製作するに際し、いろいろなプロ野球関係書、雑誌を参考にいたしました。同時にネット上でのデータも参考にいたしました。
 そのなかで、薫友さまのブログ(『マリンブルーの風』2005年2月27日掲載分)の文章も参考にさせていただきました。註を入れました「ヤジの飛び交う風景」という原稿の補足情報として、「初芝原理主義」というキャッチコピーに惹かれ、薫友さまのウェブ上の文章を参考にし無断引用したことは間違いございません。ウェブ上のものについて出典データを掲載することを怠ったことが原因です。誠に申しわけありませんでした。
 以上、ご報告し、お詫び申し上げます。また、今後このようなことがないよう、万全を期す所存でございます。

2006年11月14日
彩流社 オフサイド・ブックス編集部



あらかじめ申し上げておきますが、本件について法的措置を取る意思はありません
そもそもの発端となった「初芝原理主義」という言葉は私のオリジナルではありませんし、私の書いた文章が他人の文章に似てしまうこともあるでしょう。アマチュアの文章をパクってお金を稼ごうとするのはプロとしてどうなのよ、とは思いますがね。

むしろ問題は別にあります。これは熱烈パリーグ本であるはずの『男泣きスタジアム!』の根幹に関わる、大変重要な問題です。
みなさん、註の部分をよく読んでください。特に初芝様の守備に関する部分を繰り返し読んで下さい。この部分です。

あるいは長嶋バリのトンネルが見られるかもしれない。

長嶋バリのトンネル

長嶋




嗚呼!嗚呼!なんということか!
パリーグ本にもかかわらず、なぜここで長嶋茂雄の名前が出てくるのでしょう。

いいですか皆さん!
千葉ロッテマリーンズの象徴、ひいてはパリーグの象徴である初芝様は、神なのです。
神は唯一無二にして絶対、至高の存在です。
イエス・キリストは何人にも例えられることが無いのと同様、初芝様は他のどの選手にも例えることが出来ません。
初芝様は、ただ初芝という言葉によって形容されます。つまり初芝様は初芝様でしかないのです。

それをですよ。こともあろうにパリーグの対極的存在であり、讀賣巨人軍の象徴である長嶋茂雄を比喩表現として持ち出すとはいったいどういう了見か。
初芝様を、そしてパリーグを冒涜する行為ではないでしょうか。
彩流社、そして編集者の蓮口氏(仮名)はパリーグ本の『男泣きスタジアム!』を出版しておきながら、パリーグに対するリスペクトがあまりにも不足しています。

コンプライアンスの欠如ではなく、コンライアンスの欠如です。


教育が必要ですね。
特に長嶋の名を持ち出した彩流社編集の蓮口氏(仮名)には徹底した教育を施す必要があります。
もしできるなら今すぐにでも銚子のどこかの民宿に連行したい。
そしてそこで初芝様のすばらしさを骨の髄まで叩き込みたい。
俺を怒らすと大変なことになりますよ。もう朝から晩まで犬吠埼の突端に立たせて初芝様の応援歌を歌わせますよ。ちょっとでも初芝様への敬意に欠ける歌詞で歌ったら愛のムチを飛ばしますよ。こんな感じで。

「ロッテのゆーめーはー アイメトリクスが100万人」
「そりゃ古田だろうが!もう一回!」
「ロッテのゆーめーはー 最下位脱出五秒前」
「結局最下位じゃねーか! もう一回!」

んでもってひとしきり初芝イズムを注入したあとはいよいよ教育の総仕上げだ。
クリスマスイブの夜に初芝御殿のある北習志野駅へ行き、駅前広場で「きよしこの夜」を夜通し歌え!
俺と二人でな!



話が脱線しましたね。
ともかく盗作はいけません。ですがそれ以上に初芝様を表現するのに長嶋の名を持ち出すのはもっといけません。パリーグ本なんだから。
彩流社と編集者の蓮口氏(仮名)は良く反省し、再発防止に努めていただきたいと思います。


註:本文中に登場する彩流社の編集者である蓮口氏は仮名であり、千葉ロッテマリーンズ所属の外野手で、来季の活躍が期待されるバレンティノ・パスクチ選手とは一切関係ありません。