イギリス紀行2006 〜英国紳士への道〜 第6回
バッキンガム宮殿

2日目 2006年2月23日 (木)
バッキンガム宮殿で衛兵交代式を見るはずが・・・。
6.バッキンガム宮殿
バッキンガム宮殿には11時過ぎに着いた。すでに多くの観光客が宮殿前に集まっており、雪の降る中衛兵交代式の開始を待っている。冬の間は1日おきの実施とあったが、今日は交代式を行う日らしい。事実宮殿の門の内側に看板が立っており、
「次回の衛兵交代式 TODAY at 11:30 AM」
と日本語交じりで書いてある。
宮殿前にて待つことしばし。やがて馬に乗った警官らが交通整理を始めた。観光客は歩道に上がるよう指示され、門の前からどかされる。まもなく開始時刻となり、馬に乗った衛兵の一団がやってきた。皆灰色の軍服を着ている。ロンドンの衛兵と言えば赤なのだが、赤い軍服は夏服らしい。白馬に乗って赤いマントを羽織った隊長がラッパを吹きながら先導している。やがて衛兵の一団は見物客の前を静かに通り過ぎ、特に立ち止まることも無く宮殿内に入っていった。まだ11時35分。
なにやら拍子抜けだ。これで終わりだとは思えないが、かと言って宮殿内で何か始まる様子も無い。建物の入口脇に見張り役の衛兵が直立不動で立っているだけだ。やがて交通規制が解除され、宮殿前の広場に車が入ってきた。いよいよおかしい。ガイドブックでは宮殿前で吹奏楽つきのセレモニーを行うはずなのだ。看板には「雨天のため中止になることもあります」と日本語で書いてあったから中止になったのだろうか。そのようなアナウンスはなかったように思う。しかし今は雨というよりみぞれがかなり本格的に降っている。確かにこんな天気の下で吹奏楽は無理だろう。やむを得ない。
セレモニーは無くても見張りの交代は通常通り行われるようだ。数人の衛兵が宮殿の入口に向かい行進してきた。独特の歩き方だ。詰め所の前で立ち止まると、これから見張りに立つ衛兵からコートを脱がし、役目を終えた衛兵にコートを着せる。そして再び宮殿の奥に消えていった。今度こそ終わりか、と思っていたら騎馬警官らが再び交通整理を始めた。何かやって来るようだ。しばらくすると今度は2頭立ての豪華な馬車2台と、いかにも要人が乗りそうな黒塗りの車1台が警官隊に先導され宮殿内に入っていった。ひょっとしたら国賓が滞在中のため衛兵交代式が中止されたのかもしれない。
観光客が立ち去り始めたので我々も移動する。宮殿の脇にお土産屋があり、バッキンガムグッズが所狭しと並んでいた。中に入ると蒸し暑く、カメラのレンズが一瞬で曇る。品揃えは豊富で、傘やボールペンやお菓子といった定番物はもちろん、王冠のミニチュアやエリザベス2世の80歳を記念した食器類もある。反対側の壁に目を向けるとチャールズ皇太子とカミラ婦人の結婚記念グッズなんてものも並んでいる。記念DVDはあまり売れていないのか半額セール中だった。12ポンドが6ポンドだ。話のネタにと、友人が1本購入していた。私は折り畳み傘とボールペンを購入した。レジ係は気さくなおっさんで、私の前に並んでいた女性となにやら談笑している。
「あら、間違えてドル紙幣出しちゃったわ」
「ハハハ、キミはどこの国から来たんだい?」
「オーストラリアよ」
「それはいい!ようこそイギリスへ」
という会話だったと思う。私は無難に会計を済ませた。

バッキンガム宮殿

宮殿前の広場

衛兵達がやってきた。

衛兵達が宮殿の中に入っていく。

歩哨の交代

役目を終えた衛兵からマントを脱がし、交代する衛兵に着せる。

今度は馬車が来た。

今日は衛兵の交代式をやるはずだったのに。

お土産屋の店内。王冠が山積み。

チャールズ皇太子とカミラさんの結婚記念グッズ
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その国賓というのも、もしかしたらブラジルから誰かが行っていたのかもしれませんね。さくっと調べてみたところ、少なくとも大統領ではないようでしたが。写真の背景にブラジルの国旗が写っているのでそんなことを考えてしまったエセ・ブラジル人でした。