イギリス紀行2006 〜番外編〜
ロンドンの地下鉄
ロンドンの地下鉄は世界最古。100年以上の歴史を持ち、ロンドンの中心部を縦横無尽に走り回っています。 本数も多く、英語さえ読めれば誰でも簡単に利用することができます。しかし、設備が古いせいか運休や遅れが頻発し、あまり信用できないのが難点です。今回はそんなロンドンの地下鉄の利用法などをレポートします。
ロンドンの地下鉄
Monument駅にて
1.まずは路線図を入手
ロンドンの地下鉄は車内放送がない。したがって駅に止まったときに駅名をチェックしないとどこを走っているのかわからなくなる。地球の歩き方などのガイドブックに路線図がついているが、大きい本をかばんから取り出すのは面倒だ。そこで役に立つのが駅で配布しているポケットサイズの路線図。ポケットティッシュよりやや大きめでスタイリッシュな路線図だ。これで通り過ぎる駅を確認すれば乗り越すことはない。たいてい改札口の近くにおいてあるので入手しておくとロンドン観光がかなり楽になる。車内にも路線図があるので、不安になったらそちらもチェック。
駅で配布している路線図
路線図を開いたところ
2.切符買うよりトラベルカード
片道切符に回数券。オイスターカードにトラベルカード。一口に切符と言っても様々な種類がある。切符は窓口か自動券売機で購入する。現金の他にクレジットカードも利用可能。券売機は利用したいゾーンのボタンを押すタイプ、ずらりと並んだ駅名から行きたい所のボタンを押すタイプ、最新式のタッチパネル式など様々。どれもボタンで買いたい切符を選んでから最後に料金を投入する。券売機の上部に「CHANGE
GIVEN」と書いてあればおつりが出てくるが、「EXACT MONEY ONLY」と書いてあるとおつりが出ない。またクレジットカード専用機もあり、1日券などのトラベルカードとオイスターカードのチャージができる。また最新式のタッチパネル券売機では日の丸の表示を押すと日本語が表示される優れものだ。しかしなぜか同じ切符を2枚買おうとすると英語表記に戻ってしまう。
また運賃はゾーン制となっている。中心部がゾーン1、中心を離れるに従いゾーン2、ゾーン3とドーナツ状に広がり、最も外側がゾーン6となっている。各ゾーンをまたぐごとに運賃が変動し、切符に指定されたゾーン外に乗り越すと10ポンドの罰金を取られてしまう。切符の種類と運賃表は以下の通り。
(単位 ポンド) 2006年現在 |
片道運賃 | Oyster Card 利用時の片道運賃 |
Day travel card (1日乗り放題) |
3day travel card (3日間乗り放題) |
|||
平日7〜19時 | 左記以外 | ピーク用 | オフピーク用 | ピーク用 | オフピーク用 | ||
ゾーン1のみ | 3.00 | 1.50 | 1.50 | - | - | - | - |
ゾーン2〜6のうち1ゾーン | 3.00 | 1.00 | 1.00 | - | - | - | - |
ゾーン1〜2 | 3.00 | 2.00 | 1.50 | 6.20 | 4.90 | 15.40 | - |
ゾーン1を含まない2ゾーン | 3.00 | 1.00 | 1.00 | - | - | - | - |
ゾーン1〜3 | 3.00 | 2.50 | 2.00 | 7.20 | - | - | - |
ゾーン1〜4 | 3.00 | 2.50 | 2.00 | 8.40 | 5.40 | - | - |
ゾーン1を含まない3or4ゾーン | 3.00 | 1.80 | 1.00 | - | - | - | - |
ゾーン1〜5 | 4.00 | 3.50 | 2.00 | 10.40 | - | - | - |
ゾーン1〜6 | 4.00 | 3.50 | 2.00 | 12.40 | 6.30 | 37.20 | 18.90 |
ゾーン2〜6 | 3.00 | 1.80 | 1.00 | 7.40 | 4.30 | - | - |
〜2007年1月6日追記〜
ロンドンの交通機関は2007年1月に値上げを行いました。地下鉄の初乗り運賃が3ポンドから4ポンド。バスの初乗りが1.5ポンドから2ポンドになっています。地下鉄初乗り910円なんて高すぎです。このブログの情報は昨年のものですので、最新の運賃はロンドン交通局のサイトで確認してください。
Transport for London
運賃と切符の案内
・片道切符
ロンドンの地下鉄は恐ろしく高い。初乗り運賃が3ポンド。なんと約600円だ。日本で一番高いと評判の北総線でもとなりの駅まで最高300円だから常軌を逸している。窓口や券売機で購入できるが、あまり買っている人を見なかった。どうやら地元の人間は切符の半額で乗れるオイスターカードを使っているようだ。往復切符もあるが、往復切符を買うぐらいならトラベルカードを利用した方が安くなるだろう。
・トラベルカード
ロンドンの地下鉄とバス、中心部の旧国鉄などが乗り放題となる切符。ロンドン市内の観光ならゾーン1〜2用の1日券がもっともお得だ。ただしヒースロー空港はゾーン6にあるので、空港から地下鉄に乗る場合はゾーン1〜6用のトラベルカードを買う必要がある。3回乗れば元が取れるので、ホテルに荷物を置いてから観光したい場合はトラベルカードがお勧め。
気をつけたいのはピーク時とオフピーク時で料金が異なること。ロンドンの地下鉄は平日の朝9:30までをピーク、平日の9:30以降と土日祝日をオフピークと分けており、それぞれ異なる運賃が適用される。つまり平日の9:30より前に1日券を買うと料金が跳ね上がるのだ。オフピーク用のトラベルカードは平日の朝9:30以降と土休日に利用・購入可能。窓口や券売機で購入できる。-印の区間用のトラベルカードは販売していない。1日用の他には3日用。7日用もある。窓口で相談を。7日用は写真が必要である。
・オイスターカード
オイスターカードは日本で言うスイカやイコカのようなICカードで、地下鉄とバスなどで利用できる。金額をチャージして自動改札やバスの入口でタッチするだけ。地元民のほとんどがこのオイスターカードを使っている。ただし、旅行目的の短期滞在ならばバスにも使えるトラベルカードの方が手間がかからない。7日間乗り放題のトラベルカードはこのオイスターカードにデータをチャージして使うこともできる。
・回数券
ゾーン1のみ利用可能な10枚つづりの回数券。普通に切符を買うより安いが、トラベルカードよりも使い勝手が悪い。
Day Travel Card。上は旅行会社からもらったもの、下は駅で買ったもの。
3.改札脇の掲示板で運行状況をチェック
改札の脇には地下鉄各線の運行状況を示した掲示板が置かれている。地下鉄に乗る前に絶対しておきたいのがこの掲示板のチェック。ロンドンの地下鉄は突然運休、遅延が発生する。ひどいときには数日間にわたって運休してしまうこともあるので、しっかり確認しておかないと旅行の計画が狂ってしまう。筆者がロンドンに行ったときはよりによって帰国日に空港行きの地下鉄が運休するという事態に遭遇したが、事前にこの掲示板で確認できたため当日慌てずに済んだ。
4.改札を抜け、ホームへ
切符を買えば、あとは改札を通るだけ。ロンドンの自動改札は切符の取り出し口がゲートの前にあり、切符を取り出してからゲートが開く仕組みになっている。改札を入ると「○○線はこちら」という案内状字があるのでそれにそって進む。エスカレーターは急ぐ人のために左側を開ける関西方式。日本のものよりスピードが速い。ホームはほとんどの駅で方向別に分かれている。北行がNorth bound、南行がSouth bound、東行がEast bound、西行がWest boundと表記されるので、自分の行きたい駅がどの路線のどの方角にあるのか路線図で確認し、当てはまるホームに向かえばよい。ホームの入口にはその駅からの路線図が書いてあるので、目当ての駅の名前があるかどうか確認しておこう。
5.目当ての電車に乗る
同じホームなのに違う路線の電車が入ってくるので、よく確認しないで乗ると行き先を間違えてしまう。特にサークルライン内の駅ではディストリクトラインやハマスミス&シティラインなど他の路線も乗り入れてくるため行き先が5つも6つもあったりする。だから天井から釣り下がる表示板にどこ行きの電車が何分後に来るか書いてあるので目当ての電車がいつごろ来るのかをまず確かめる必要がある。。電車が来ても放送はないので、表示板と、電車の前面に出ている行き先をチェックして乗り間違いを防ぎたい。ディストリクトラインの場合電車の全面に路線名が書いてあるが、行き先で確認するのが無難。目的地の駅に着いたら「WAY OUT」の表示にしたがって改札に向かう。一方通行の階段が多い。改札を出ると駅周辺の地図がおいてある場合があるので入手しておくと便利。
駅で配布している周辺案内図。表紙はバス乗場案内。
中を開けると周辺地図。
参考リンク
Transport for London
ロンドンの地下鉄、バスなどの路線図や運賃、運休情報を見ることができる。
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仕方が無いので窓口に行くと「あー、はいはい」みたいな顔されるし。もうちょっと丈夫な紙にしてほしいものです。