今日のNHKラジオ第一に瀬戸山球団社長が出演し、球団経営についてコメントしています。
時間は約15分、インタビュー形式で行われました。今日はその模様を大まかにお伝えします。
しかし2003年の売り上げが20億、2007年が80億弱ですか。すばらしい辣腕ですね。

〜千葉ロッテの最近の活躍の中でも特に印象深いのは、バレンタイン監督の2度目の監督就任でしょうか?

そうですね。私は2004年の3月から就任していますが、バレンタイン監督は2003年の秋から就任されてますね。

〜マリーンズのファンにとっては、瀬戸山さんとバレンタイン監督が両輪となって回ってきた印象があると思いますが?

メインは当然バレンタイン監督ですが、私も少しはお手伝いできているかなと思います。

〜千葉ロッテマリーンズのここのところの活躍ぶり、31年ぶりの優勝ですとか、成績もここのところいい感じで来ているじゃないですか。これはチームを預かる方にして見ますと、選手の使い方、選手の獲り方が良いんだということになりますね。ところが後ろのフロントがしっかりしていないと、これが長続きしないと言うことになってしまいますね。

チーム強化と観客動員をはじめ、球団、球場の運営は車の両輪ですから、お互い上手く補完しあって、いい結果が出たと思います。

〜福岡ダイエー時代から培ってきた野球の経営哲学を言葉で表すと?

地域に対しては、「顔出せ声出せ頭下げ」。選挙みたいですけどね、地域の皆さんやファンの皆さんにマリーンズをよく知っていただく。元気を出して地域やファンの皆さんに接する、夢と希望を与える、これが大事なことだと思います。これはこういうスタンスでいけば地域もファンも元気になりますし、チームも元気になります。そうすると全体を活性化させることができます。

〜地域密着が成功の一つの鍵なのでしょうか。

そう思います。お客さんに喜んでいただくということで言いますと、ファンサービスは非常に大切だと思います。その延長に地域密着だとか、地域融合ということがあると思います。

〜瀬戸山さんはアイディアマンで、いろいろなことをなさったとうかがっていますが、例えばどんなことを?

できるだけ選手とファンを近づけることをたくさんやっていますね。

〜例えば360度全席自由席ですとか。

ビアスタジアムです。どこに座ってもいいですよ、一律1500円で、ビールも半額ですよと、こういうことをやってみたり、試合終了後に子供たちをフィールドに下ろして、自由に使ってくださいということをやったりしています。

〜そのほかに「カモメが跳んだ日」もお使いになりましたね?

たまたま球場長が非常に好きな曲でして、千葉ロッテマリーンズは鴎ですよね?その関係で最初は趣味というか、フロントの楽しみ的なもので球場でかけていたんです。ところが、ファンの皆さんから「これはいいな」ということになってきまして、これをどんどんアピールすることになりました。渡辺真知子さんがNHKのスタジオパークに出た時も、千葉はいたるところで非常に盛り上がりまして、放送時に千葉市長から「瀬戸山さん今見てる?」と電話が来ました。渡辺真知子さんも何度か球場に来ていただいています。

〜千葉県や千葉市、地元の自治体とのコラボレーションも大変意識していらっしゃるのですね?

もともとマリンスタジアムは市営球場で、土地は県の土地なんです。そういう意味では県・市とコラボレートして、一緒になってファン開拓、興行をしていく必要がありますね。そういう意味で、県と市には非常にバックアップしていただき、大変助かっています。

〜マリーンズの応援は独特の個性ある応援ですね。

もともとはサッカースタイル、非常にファンの数が少なかったんですね。しかし非常にスマートな応援をする。「ああいう応援だったら自分たちもしてみたいな」という人たちがどんどん広がっていきましてね、今はやっている人はもちろん、見ている人も「一緒に加わりたいな」と思わせる応援になっています。

〜またバレンタイン監督によるネーミングなどのキャッチも非常に巧みです。

バレンタイン監督も非常にアイディアマンですよね。我々もバレンタイン監督のアメリカンスタイルと、我々の日本の文化をミックスしていけばもっとよくなると思います。

〜この1年はどのような評価をされますか?

今年は出だしでつまづきましたが、最終的にはCSの第2ステージの最後まで戦えましたから、まあまあいいシーズンだったんじゃないかなと思います。観客動員もおかげさまで150万人を突破しまして、そういう意味でも来季につながるいいシーズンだったと評価しています。

〜右肩上がりですか?

2004年の売上高は20億円そこそこだったのですが、今年は80億円近くまで上がりました。これはさっき申し上げた千葉県や千葉市、特に千葉市からは指定管理者ということでロッテにマリンスタジアムの営業権を与えてくださった。ですので我々は球場運営球団運営の両方をめいいっぱい、思ったとおりにできております。そういうことで、地域のいろんな協力があって、今の所は右肩上がりです。

〜事業規模もいくつかのセリーグの球団を抜いていますね。

そうですね。

〜瀬戸山さんは球界全体に対する仕事もされていますが、CSについてはどのように思われますか?

レギュラーシーズンはレギュラーシーズンで評価すべきではありますけれども、やはりプレーオフをするならば、ガチンコ勝負、ハンデやアドバンテージ無しがいいと思います。私はクライマックス勝ち抜けをリーグ優勝とした方が盛り上がると思いますね。

〜選手のメジャー流出についてはどのようにお考えですか?

うちも小林雅、薮田の両投手がメジャーに行きました。メジャーリーグは30球団を統括するメジャーリーグそのものが、パイを大きくする、ビジネスに積極的に取り組んでいるんです。これはNPBも見習わなければならない。各球団が個別でやるのも大事ですが、やはり12球団が一つになって、NPBとしてパイを増やしていく、新しいビジネスを創造していくことが大事です。例えば中国をどう取り込むかを考えるとなると、やはりそういう必要性があると思いますね。

〜中国に関しては讀賣や阪神など個別の球団が取り組んでいますが、それではいけないということですか?

もちろん個別の球団の努力も大事ですが、NPBとしてどう取り組むかを考える必要があります。

〜野球協約の変化、リーグ事務局の統一については?

リーグ事務局の統一はするべきです。セとパの試合の独自性は大切ですが、ビジネストしてはセとパが一つとなって新しいチャンスを掴んでいく必要があります。

〜メジャーではドーピングが問題となっていますが、来シーズンの日本に影響はありますか?

さして影響は無いと思います。NPBでは今シーズン抜き打ちで非常にシビアな検査をしていますし、もし陽性であれば公表もしています。昨年から啓蒙期間を始めて、今年はNPBが非常に良くやってくれたと思います。これを続けていけば大きな問題にはならないでしょう。

〜オリンピックについては経営者としてどのようにご覧になりますか?

8月に約1ヶ月選手が抜けますが、星野JAPANに全面的に協力するということは、各チーム平等に選手を出すということになりません。現場の監督と今後軋轢があるかもしれませんが、選手にとっては素晴らしい勲章になりますし、ぜひ金メダルを獲って欲しいと思います。

〜プロ野球全体での野球人気を引っ張ってくれると?

そういうことです。今後国際試合はファンの興味をものすごく集めるものになると思います。経営者としては選手が怪我をせず帰ってきて欲しいと思いますが。

〜年明けの石垣島キャンプは決まりですか?

決まりです。


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