マリーンズ 4 - 1 ファイターズ

CS出場のためには絶対に勝たねばならない今日の試合。札幌ドームのマリーンズ対ファイターズ戦は満員の観衆で埋まりました。
先発は藤井と成瀬。先発投手が左ならズレータ、オーティズ、ベニーの出番です。3人とも昨日の試合では打席でいい粘りを見せていましたから、今日のキーマンになるだろうと思いました。しかし、試合が始まってみると逆の意味でのキーマンになってしまいました。

1回表は早川ヒット、里崎がエラーで出塁しチャンスを作るもズレータライトフライ、オーティズ三振で無得点。3回表は西岡、里崎のヒットで1死1,3塁になるもズレータがショートゴロ併殺に倒れ無得点。嫌な流れです。

一方マリーンズ先発の成瀬は制球がとてもよく、外角のスライダーを軸にしてファイターズ打線を手玉にとっていました。
しかし3回裏に1死から高口に外角高目のクソボールをセンター前に運ばれるとペースを乱します。金子を歩かせ1死1,2塁となり、田中賢をライトフライに打ち取るも続く森本の打席で成瀬が牽制悪送球。2死2,3塁となってしまいます。危ない場面でしたがここは成瀬が踏ん張りました。森本をサードゴロに打ち取りチェンジ。得点を許しません。

マリーンズの拙攻は相変わらずで、4回には1死からサブローがヒットで出塁するもベニーがショートゴロ併殺に倒れチェンジ。ヒットは出るのに点が入りません。藤井は序盤こそボールが散らばっていましたが、中盤から尻上がりに調子を上げ良い球が低めにズバッと決まります。ますます嫌な流れです。

そして5回裏。
1死から高口を歩かせ、金子を空振り三振に仕留めて1死1塁。続く田中賢の打席で成瀬が1塁に牽制球を投げますが、この隙を高口に突かれて2塁に進まれてしまいます。うーん足が速い!嫌な予感!さらに成瀬は動揺したか次の球がワイルドピッチとなりランナーが3塁まで進みます。
田中賢介と言えばロッテキラー。ハムのスタメンのうち最もロッテ戦で打っている男です。このチャンスを逃すはずがありません。
田中賢の打球は無情にもセンター前に抜け0−1。田中賢介のタイムリーヒットで重い1点が入りました。

ここで負けたら明日はダルビッシュを崩さねばなりません。
厳しい状況ですが、マリーンズの拙攻はまだ続きます。
6回表。1死から里崎がレフト前ヒット、ズレータがショート内野安打で1死1,2塁のチャンス。しかしここでもオーティズがショートゴロ併殺に倒れ無得点に終わります。

外人3人衆が全員揃ってショートゴロゲッツー。最悪な展開です。
しかし、思い出してみましょう。マリーンズが栄光を掴んだ2005年PO第5戦でも、途中まではゲッツーばかり出る展開だったはず。
状況を変えたのは山本帳尻マリーンズのメンバー。YMCA(Yamamoto Marines Choziri Association)のメンバーなのです。

ならばこの局面を打開できるYMCAはいったい誰なのか?
そうだ堀様だ!堀様しかいない!

7回表2死、ヒットで出塁したサブローを1塁に置き、満を持して堀様が登場。ライトスタンドのボルテージは最高潮に達しました。
しかし、結果は惜しくもセンターフライ。フェンス際で失速してしまいました。

堀様の力を持ってしても状況を変えられないのでしょうか。7回裏にはセカンドゴロをオーティズが後逸するなど益々暗雲漂う展開。なるセナが何とか抑えたものの、あと2回しかありません。苦しくなってきました。

しかし8回表。状況が一変します。
ファイターズは好投していた藤井に代え、建山を投入しました。
建山はマリーンズ戦9試合に登板し無失点。マリーンズからすれば嫌な相手です。ですが今日の建山は制球が良くないように見えました。

マリーンズは1死から早川がショートに内野安打、里崎がピッチャー強襲内野安打を放ち1死1,2塁。
9回はマイケル。おそらくこれが最後のチャンスとなるでしょう。絶対に逃すな!続くバッターは誰だ!ズレータか・・・。
バレンタイン監督がここで動きます。いまいち打てないズレータに代わって代打福浦が出てきました。
バクチはいらない。ヒットでつないで欲しいと思ったら、建山の初球に福浦のバットが一閃!

いたー!いたー!YMCAがいたー!

福浦の打球はあわやホームランというライトフェンス直撃のタイムリーツーベースヒット。早川がホームインしマリーンズが1−1の同点に追いつきます。さすが福浦ですよ。あの不振はいったい何?どうしてこの場面であんな力強い打球が飛ばせるんだ?
それは帳尻だからだ!やってくれるぜ山本チルドレン!

流れが一変しました。
ファイターズは続く代打橋本を敬遠で歩かせ満塁とします。
おっといいんですかそんなことをして?続くバッターは今日猛打賞のサブローですぜ。
しかも今年のサブローはチャンスに強い。なめんなこの野郎!とばかりに初球を引っぱたくと打球は三遊間を抜けます。ランナー還り2−1、サブローのタイムリーで逆転に成功。ベニー倒れて2死となりますがなおも満塁。絶好のチャンスです。

ファイターズはここでピッチャーを建山から左の武田勝に代えました。先発の武田勝のスクランブル登坂。左の大松に対抗するためでしょう。
ですがここでバレンタイン監督は満塁男の大松に代え、代打大塚を起用してきました。

さあバレンタイン監督の勝負師采配!
大松の代打に大塚なんて無茶だと思いますか?
自分はそうは思いませんでした。大塚は9月になって絶好調、14打数7安打で月間打率はなんと5割です。
しかも今季マリーンズ戦相手に投げたことのない武田勝が、今季初めての救援として、満塁のピンチで登板する。
武田勝が平常心でいられるはずは無いのです。勝負師大塚はその隙をきっと狙っています。

いや、能書きはこれくらいにしましょう。要はいつもの初球フルスイングでタイムリーを打ってくれればいいのです。
大塚は初球を打ち損じますが、カウント1−1からインコース低目をすくい上げてレフト前へ!3塁ランナー福浦がホームインし3−1、さらに2塁ランナー橋本も3塁を蹴ってホームを狙います。レフトは強肩糸井。さすがの返球で、タイミングはアウトでした。しかしなぜかホームベース手前で武田勝が返球をカット。2塁に投げようとします。この間に橋本がホームイン。クロスプレーになるはずが肩透かしを食った橋本は不思議そうな顔をしています。キャッチャーの高橋信二はベース上で呆然と立ち尽くしています。それはそうでしょう。なぜ武田勝がキャッチャーの前でカットしたのか。信じられないミス。やはり平常心ではなかったのか。ハム痛恨のミスでマリーンズが決定的な4点目を入れました。

あとは勝つだけ。8回を川崎が、9回は荻野が劇場気味に抑え、大きな大きな1勝を手にしました。
4安打のサブロー、代打の期待に応えた福浦に大塚、YMCAのメンバーが悪い流れを代え、好投する成瀬に勝ち星をプレゼントしたのです。

さあCS争いもいよいよ佳境。明日ダルビッシュに勝ちさえすればCS進出がほぼ決まります。
右投手相手に起用されるであろう左バッターが勝負の鍵を握るでしょう。大松、橋本、そしてHISAOもです。
HISAOは2005年のプレイヤーズマッチでダルビッシュからホームランを打ってますよ。
コバヒロによる開幕戦のリベンジにも期待しましょう。


ニッカン式スコア
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