惜別球人の2回目は柳田です。
投手 | 試合 | 勝利 | 敗北 | S | 回数 | 三振 | 防御率 |
2006 | E24 | 1 | 3 | 0 | 31 | 24 | 6.68 |
2007 | E2 | 0 | 0 | 0 | 3 1/3 | 1 | 0.00 |
2008 | イースタンリーグ公式戦登坂なし |
打者 | 試合 | 打数 | 安打 | 打点 | HR | 打率 |
2008 | E2 | 2 | 1 | 0 | 0 | .500 |
柳田将利。2005年高校生ドラフト1位。左打ち左投げ。
高校時代は甲子園に3度出場。MAX149キロのストレートと通算本塁打36本という打棒でチームを引っ張りました。ドカベンさながらの巨体も話題になりましたね。
そして2005年のドラフトでマリーンズの指名を受けて入団。ロッテのお菓子に囲まれて満面の笑みを浮かべる柳田の姿が印象に残っています。
そして迎えた2006年のシーズン。入団前に話題となった二刀流はひとまず封印され、投手一本でいくことになりました。キャンプで減量指令が出されるなど自己管理能力が心配されましたが、この年はファームで体力づくりと減量に取り組みつつ24試合に登坂しています。
実際に見たのは数試合ですが、制球がいまいちでストレートもそこそこ、しかし7〜8球に1球素晴らしいストレートを投げる、と言う印象でしたね。少なくとも大器の片鱗は見せていました。
またこの年のファンフェスタではファンの前でバック転を披露し、巨体に見合わぬ身軽さをアピールしていました。
明けて2007年。
柳田は春先からファームやチャレンジマッチの試合に登板。さらにファーム公式戦で2試合に登坂しますが、MAX149キロと言われた速球は影を潜めていました。
どうしたのかと思っていたら、なんと柳田が膝の手術をしたというニュースが入ってきました。4月21日に右内側半月板の内視鏡手術を受けた柳田がその後のシーズンをリハビリと体力強化に費やし、5月以降試合に登板することなくシーズンを終えました。
そして2008年。
柳田は春先のチャレンジマッチに3試合登板しました。
フューチャーズとしては1試合に登板し、1回を投げて被安打0も5四球の2失点と散々。
マリーンズとしては2試合に登板し、1回1/3を投げて被安打5、1死球で3失点。
ケガの影響かストレートは130キロ台そこそこで、高校時代の豪腕は見る影もなくなっていました。
また、今年は試合前にファーストの守備練習をするなど野手転向をうかがわせるような起用をされていました。オープン戦や社会人との練習試合では何試合かDHとして出場しています。
しかし、打席での柳田の姿を見るとどうも迷いがあるように思えました。打つ気がないかのような空振りを繰り返す柳田には、まだ投手への未練があったのでしょうか。こうした中途半端な状態が良いはずありません。その後柳田は出場機会に恵まれず、投手としても代打としても出てこなくなりました。
9月になってようやく野手転向が発表されたものの、膝を壊したため守備は1塁のみ。よほど打たないと1軍での出場が難しいポジションです。
ファーストして2試合に出場し2塁打を1本放ったものの、走塁中に足を痛めて、全治1年の大怪我を負ってしまいました。
膝の手術のリハビリが終わったかと思えばまたしても大怪我。こうしてツキにも見放された柳田は、10月1日に戦力外通告を受けたのです。
野手転向直後とはいえ、結果を残していない選手の復帰を1年も待っていられないということでしょう。柳田にとっては厳しい結末となりました。
期待のドラフト1位がわずか3年で戦力外。高校時代の輝きがあっという間に失われたのはなぜなのか。
怪我に泣いたということもありますが、やはり育成に失敗してしまったということでしょう。藤井の悲劇がまた繰り返されてしまいました。どっちつかずではなく、最初から野手もしくは投手一本で育てていれば違う結果になったかもしれません。
大嶺、から川は別として、振り返ってみると高卒の投手はここ数年で成瀬しか育っておらず、2軍の投手陣は苦しい状況が続いています。
ドラフト戦略、育成手法の見直しが急務です。

それでは柳田の写真です。
ルーキーイヤー
2006年
2006年
2007年のマリンの楽天戦
2007年のマリンの楽天戦。この直後に柳田は膝を手術しました。
2008年鴨川キャンプ
打撃練習
守備練習
2008年3月 投球練習
2008年 ファーストの守備練習
2008年 打席に立つ
言葉にしてしまうと、今季の2軍戦で見た大嶺の印象と大差ないなあ、と思ってしまいます。
もっとも、大嶺の場合はスライダーとチェンジアップもそこそこ使える、というのはありますが。
柳田の場合、一言で言ってしまうなら、結局は「怪我にたたられた」ということになってしまうのでしょうかねえ。
残念です。