惜別球人の5回目は末永です。

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末永 試合 勝利 敗北 回数 三振 防御率
2006 E17 1 0 0 17 9 2.65
2007 E16 0 0 0 13 2/3 7 7.24
2008 E7 0 2 0 15 1/3 11 3.52




末永仁志。2005年高卒ドラフト3巡目で南京都高から入団。右投げ。
純正オーバースローから投げ下ろされるストレートはまさに一球品。背筋力270キロとパワーも抜群で、斉藤和巳2世と称されました。
夏の甲子園では地方予選1回戦負けでしたが、この時点ですでにプロ注目の素材でした。

「斉藤投手に近づきたい」 南京都・末永投手 (朝日)

そして1年目の2006年。末永は17試合に登板し17イニングながら防御率2.65。好成績を残しました。
この年のハイライトはなんといっても9月30日に山形で行われた阪神とのファーム日本選手権です。
6回に3番手として登場した末永は阪神打線をストレートで押しまくり三者凡退。150キロ近い剛速球にはどよめきと拍手が沸きました。
この試合は先発の成瀬が序盤に大量失点、さらにマリーンズ打線が沈黙という一方的な展開でした。唯一の見せ場がこの末永の好投だったと言っても過言ではないでしょう。
試合後にはファーム日本一を逃したマリーンズからただ1人優秀選手賞に選ばれました。

負け試合でまばゆい光を放った末永の剛速球。
そんなものを見せられたらどうしても期待してしまいます。
これは伊良部以来の豪腕投手の登場だ!今は素材でも、やがてマリーンズを背負って立つ本格派右腕になってくれるはず!
ただ、荒削りなだけに1軍に上がるのは時間が掛かると思われました。
末永の課題は決め球と制球。一球品のストレートとブレーキの利いたカーブを持ちながらも決め球が無いため追い込んでから粘られるケースがよくありました。また制球を乱して自滅する場面もあり、園川コーチは末永のフォーム改造に乗り出しました。

ところが、このフォーム改造がどうもよくなかったらしいのです。
2007年は16試合に登板して防御率7.24。観客を感嘆させたストレートの球威は影を潜め、力いっぱい投げても140キロ出ない試合さえありました。
2年目にして速くも壁に当たってしまったのです。

勝負の年となった2008年は小さなケガで離脱を繰り返したため出番がなかなかやってきません。それでも、徐々に1年目の球威が戻りつつあったようです。

今年の7月30日、成田大谷津球場のイースタンの讀賣戦に先発した末永を見ました。
1軍経験者が多い讀賣の2軍相手に4回2死まで投げて2失点。ストレートは140キロ台後半で空振りを相当取っていました。打球を詰まらせていましたから球威もありましたね。ストレートだけではなく大きく曲がるカーブやなにか落ちる球、おそらくフォークを投げていました。全体的に制球がアバウトでしたが、将来性を感じる投球でした。少なくとも、今年で戦力外を受けるピッチャーのボールではありません。

今年の戦力外の中で一番納得が行かないのはこの末永です。
去年に比べ球威が戻り、防御率は3.52。悪い数字ではありません。なのに出番は少なくわずか15回と1/3。
今まさに育てなければいけない投手であるにもかかわらず、登坂機会が少なすぎます。これでは実戦の経験を積めません。
マリーンズは末永をどうしたかったのか。どう育成するつもりだったのか。結局それが分からないまま戦力外になってしまいました。
一部では末永が米マイナーリーグに挑戦すると言う噂があります。あるいはトライアウトを受けるのかもしれません。
浅間のブログには浦和で投球練習をする末永の写真が掲載されていました。末永が野球を諦めていないのは確かです。

2年前の山形でのピッチング。
山形で末永を目の当たりしたファンは、皆あのストレートに夢を見ました。
それを夢のまま終わらせてはいけない。そう強く思います。

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それでは末永の写真です。




守備練習
守備練習

2006年ファーム選手権
2006年のファーム選手権に登板する末永

優秀選手賞を受賞
優秀選手賞を受賞

インタビューを受ける末永
インタビューを受ける末永

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