あの日以来、自分は本当にどうかしていたと思います。
とにかく感情が暴走して、自分ではどうにもなりませんでした。
ファンになって12年。短いのか長いのかよく分からない期間で、こんな状態になったのは初めてです。
今日は本拠地最終戦。日程の都合上、かなりの雨にもかかわらず試合が強行されました。
冷たい雨に打たれながら、試合を、そして試合後のセレモニーを静かに見つめていました。
やっぱり、自分にもバレンタイン監督への感謝の気持ちはありました。
自分の中のどうにもならないドス黒い感情、わだかまり。
そういったものを、今日の雨が洗い流してくれたのかもしれません。すべてではないにしても。
今日の朝日新聞の朝刊の記事を読みました。
MVPの名前を出して、彼らの行動を批判しつつ、フロントの責任にも言及する、公平な内容の記事だったと思います。
記事の中で、バレンタイン監督残留の会のリーダーにしてMVPのメンバーでもある通称バスク大佐氏がコメントを出していました。
「自分たちはチームを勝たせたくて活動してきた。フロント批判もその一つ。でも、多くのファンの賛同が得られず、選手にも否定された。やったことは間違ってないと思うが、騒動になったのは申し訳ない」
私は彼らのこういう言葉が聞きたかった。
他のメンバーはともかく、バスク大佐はきちんと名前を出した上で、ファンに謝罪しました。責任ある大人の行動だと思います。
また、応援団も今日の試合の1回裏に一列に並び、ファンに向かって頭を下げていました。
応援団からの謝罪。そしていつも以上に盛り上がるライトスタンド。
禊は済んだのか、私には分かりません。
それでも、ファンやフロントがバレンタイン監督や小宮山やベニーを気持ちよく送り出すため、手を取り合おうとしているようには見えました。それだけにフロント、球団サイドから何もないのが残念です。
試合は両チームともロッテ野球でした。
2回表、成瀬は山崎にヒット、草野に死球、リンデンに四球を与えて無死満塁。宮出を空振り三振にしとめるも聖澤に1塁ベース直撃のタイムリーツーベースを打たれて2点を先制されます。なおも1死1,3塁のピンチが続きますが、中谷がスクイズを失敗。さらに2度目も空振し、飛び出した3塁ランナーリンデンを挟みます。ここでリンデンが守備妨害エルボーを福浦のミットにかまして3塁ランナーがアウト。そして中谷もショートゴロに倒れチェンジ。相手の変なプレーでなんとか追加点を防ぎます。
反撃したいマリーンズ。
2回裏はサブローが岩隈からソロホームランを放ちます。右中間スタンドに叩き込むパワー溢れるホームランですね。強打者誕生を喜びたいのですが、来年は.250、ホームラン10本ぐらいになってしまうのもまたサブローです。
そして3回裏には堀様がセンター前タイムリー。2−2の同点とします。今日は2番にセカンド堀様が入っていました!あと5年はやれそうです。これはありますね2000本。再来年みんなHORI2000のTシャツを着ることになりますよ。
その後は両チームともチャンスを作っては潰し、作っては潰しで進みます。
一方応援歌は懐メロが出ました。コーリンコーリンなんて久々に聞きましたし、早川の打席では垣内のテーマも流れました。
2-2の同点のまま迎えた8回表。
マウンドには渡辺俊介が登場します。あと2アウトで規定投球回のはずだったのですが、2四球を与え1死1,2塁で降板。ダメでした。
このピンチで荻野が草野をショートゴロゲッツーに仕留めて無失点。危ない所でした。
そして8回裏。
2死ランナー無しの場面で福盛から大松がツーベースを放つと、続く今江がレフトにタイムリーツーベースを放ってついに勝ち越しに成功。さらに橋本四球の後、里崎が放ったライトへの打球をライト中村真が目測を謝って転倒。これが走者一掃のタイムリースリーベースとなります。この回3点を追加し2-5、勝利が近づいてきました。
9回表はシコースキーが登坂。ランナーを出しながらも勢いのあるピッチングで2アウトを取ると、ここでバレンタイン監督がベンチから出てきました。
場内は大盛り上がり。そうです。今日は小宮山の引退試合でもあるのです。負け試合でよく聞いたあのジャジーなメロディに乗って登場したのは、俺たちのヴェテラン、小宮山です。
大歓声に迎えられてマウンドに登った小宮山は代打セキノールに対峙。初球をライトフライに打ちとって試合終了。本拠地最終戦を勝利で飾ると共に、小宮山が最年長セーブ記録を達成し、引退に花を添えました。
試合後にはまず小宮山の引退セレモニーがありました。
球団やチームメイトや監督への感謝を述べた後、いつかまたマリーンズのユニフォームを着てマリンに戻ってきてくれると約束してくれました。
今まで本当にお疲れ様でした。小宮山が負け試合で一服の清涼剤となってくれました。どんな試合でも見ていればいい事があるとシェイクをもって教えてくれたのです。小宮山が再びユニフォームに袖を通す日を待っています。
次に監督の日本語によるスピーチがありました。
オーナー代行や重光ファミリー、コーチ、スタッフ、選手に謝意を述べた後、監督はこう言いました。
「今年のシーズンはなかなか難しかったです。たくさんの問題がありました。でも僕にはすばらしいメモリーです。ナイスメモリーをくれた皆さん。本当にありがとうございました。
来年からは僕は千葉ロッテマリーンズのファンですね。
永遠に僕の頬は千葉の海風を感じています。
ロッテの応援歌がいつまでも僕の耳の中にあります。
ファンの皆さんの愛がいつまでも僕の心の中にあります。
僕は千葉ロッテマリーンズを忘れません。
愛しています。皆さん本当にありがとうございました。」
挨拶の後は花束贈呈。花束を渡す西村コーチとバレンタイン監督がしっかり抱き合いました。
そして球場を一周。
手を振る監督やベニーの後ろに、私服姿のランビンとバーナムがいました。
選手としての成績は残せませんでしたけど、良いヤツでしたよね。2人にもお疲れ様と言いたいです。
そして敵チームにもかかわらず最後まで残ってくれた楽天ファンに、心からありがとうと言いたいです。
最後は監督と小宮山、ベニーとランペンの胴上げをし、大雨の中のセレモニーはつつがなく終了しました。
すべてが終わった後、球場の外では球団職員が号外と名づけられたチラシを配っていました。それには監督の挨拶文が載っていました。
号外は監督がファンの声援に応えながら球場を一周する写真つき。多分セレモニーが終わってから急いで作ったのでしょう。
サービス低下が目立った今年でしたが、金を掛けなくてもファンのためにアイディアを出せる職員がまだいるのですね。来年に向けての希望が増えました。
一つの時代が終わった。
雨に打たれながら様々なことを考えて、しみじみと寂しさを感じています。
確かにバレンタイン監督について納得が行かない点があり、色々と批判しました。
しかし、バレンタイン監督ほどファンの心を震わせた監督はいません。
忘れもしない2004年の西武ドームでの開幕戦。
見事勝利を飾った後、監督や選手たちが、「今年から未来が始まる」と書かれた横断幕を持ってレフトスタンドまで来てくれました。
マリーンズは変わる!
私はそれを見て、期待で心が震えました。
その後、焦燥に心を震わせた後、2005年、叶おうとする夢の大きさに心を躍らせ、そして歓喜に心を震わせました。
喜びで、怒りで、楽しくて、哀しくて、心が震えたあの瞬間。
笑ったり、泣いたり、焦ったり、呆れたり、苦笑いしたり、淋しくなったり、およそ思いつくすべての感情をバレンタイン監督によって与えられました。
バレンタイン監督とともに過ごしたマリーンズファンとしての6年間は、12球団のファンのうち最も濃密な6年間だったと思います。
様々な経験と想い出をくれたバレンタイン監督には、いちファンとしてとても感謝しています。
嬉しくて泣いたのは2005年の福岡が初めてです。でも哀しくて泣いたこともありました。
ファンの心を大きく揺さぶって去っていくバレンタイン監督は、いいところも悪い所も全部ひっくるめて希代のエンターティナーだったということでしょう。
ありがとう、そして、さようなら。
ニッカン式スコア
人気blogランキング
写真をどうぞ。
いつもより多いです。重いかもしれません。
観戦お疲れ様でした。
私は遠方ですので、TVでの観戦となりました。
小宮山投手、ボビーのセレモニーを観ていると、自然と涙が溢れていました…。
来年はどのようになるかは、まだわかりませんが…、私個人としてはマリーンズを応援するスタンスは変わりありませんf^_^;
地元宮崎で行われる、フェニックス・リーグを観戦します。これからのマリーンズを支える選手たちのプレーに期待せずにはいられません。
ボビー、ありがとうございました。お疲れ様でした。
長文失礼致しましたm(__)m