
日本全国鉄道行脚。今回は青森の北の果てにポツンと残った青函トンネル記念館のケーブルカーに乗るべく、青森に行ってきました。
青森県の竜飛岬にある青函トンネル記念館には地上から海面下140メートルの体験坑道まで降りていくケーブルカーがあります。距離にして800メートル、博物館の施設の一部ではありますが、法律上は立派な鉄道です。鉄道であるからには乗らなければなりません。
実は去年の夏に青函トンネル記念館のすぐ前を通っているのですが、その時は私鉄完全乗車なんて考えていませんでしたから素通りしてしまったんですよね。おかげでまたこんな遠くまで行きなおす羽目になってしまいました。
とは言うものの、たかだか800メートルのケーブルカーに乗るためだけに青森に行くのは勿体無いので、ついでに恐山と奥入瀬も行ってみようと思います。調べてみると恐山の参拝は10月31日まで。ちょうどいい機会です。使った切符は青森・函館フリー切符。青森までの往復の新幹線に加え、三沢、弘前以北の青森エリアと函館エリアのJR線とJRバスが乗り放題、往復するだけで元が取れるお得な切符でした。
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10月31日東京発7:36発のはやて3号に乗り八戸へ。ここから「きらきらみちのく下北号」に乗って下北半島を目指します。この列車はシーズン中の土日に運転される臨時列車です。

3両編成で自由席は3号車のみ、1号車と3号車は海側1列、山側2列の変則クロスシート車で、海側の椅子は45度回転するので存分に陸奥湾の景色を眺めることができます。2号車は畳張りのボックスシートで、イベントスペースでは津軽三味線の演奏もあります。3号車の指定を希望した所売り切れとのことで、1号車の自由席に座り、車窓を眺めながら駅弁を食べました。

列車は野辺地から大湊線に乗り入れます。駅に着くたび車掌が観光案内を放送したり、陸奥湾が線路沿いに広がる場所では速度を落としたりしながら走り、13:05に下北半島の中心むつ市への玄関口。下北駅に着きました。

片面一線のホームに小さな駅舎があるだけの淋しい駅ですが、団体客が大挙して降り、駅前に止まっていた観光バスに乗り込んでいきます。ここから恐山やマグロで有名な大間などに散っていくのでしょう。

私は路線バス。恐山行のバスまで1時間あるので、駅から700メートル先のコンビニまで行ってお金を下ろしました。
途中旧国鉄の大畑線の廃線跡がありました。

恐山行のバスは14:15発。本日の最終バスです。1日3本しかないのですが、前の2本は東京からではどう頑張っても間に合わないためこのバスしかありません。しかも恐山が11月1日から冬篭りで閉山するため10月31日で今年の運行を終了。実は今年最後のバスでもありました。
駅から少し離れた乗り場にやってきたバスは10人ほどの乗客を乗せ、恐山に向け出発です。

バスはむつ市の中心部を抜け、恐山への山道を30分ほど登ります。途中には冷水という湧き水がありました。ここの水を1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返ると言われているそうです。運転手さんが振り返り、「ここの水を飲みたい方はどうぞ」と言ってバスを止めてくれたので、ぞろぞろと降りて水を飲みました。冷たくて美味しい水でした。

再び走り出したバスは紅葉の山道を行きます。

突如湖が開け、硫黄のにおいがしてきました。太鼓橋を過ぎると恐山到着です。

バスは広い駐車場の一角に到着しました。入口まで歩き500円の入山料を払い中に入ります。

山門をくぐります。

今日で閉山なので、冬篭りの準備が進んでいます。

境内には無料で入れる温泉もありますが、下北駅に戻る最終のバスまで50分しかないので入る時間がありません。

本堂で無病息災を祈りました。

境内の横には有名な賽の河原、いわゆる地獄が広がっています。

無間地獄

本堂を振り返ります。

大師堂。たくさんの風車が回っています。風車は小さな子供たちの霊を慰めるために祀られているのだそうです。

硫黄のにおいがたちこめた、荒涼とした景色です。

風の音、鳥の鳴き声、風車がカラカラと回る音しかしません。


なんとも不思議な雰囲気です。

紅葉が綺麗です。

賽の河原ということで石がいたるところで積まれています。

水のない血の池地獄。

小さな水溜りが木々を映しています。

湖に出ました。

このあたりは極楽浜と呼ばれています。強酸性で魚はあまり棲まないそうですが、透明できれいな水でした。

極楽から地獄に戻ります。

重罪地獄。温泉がわいているのか、湯気が立ち上る個所もあります。

五智如来

日が暮れてきました。
参拝を終えて急いでバスに戻りました。バスは来た道を引き返し大湊線の下北駅へ、さらに野辺地からスーパー白鳥30号で三沢へ向かいました。今日の宿は十和田市内のホテルなので、ここから十和田観光電鉄に乗り換えです。
明日は奥入瀬渓流を歩く予定です。奥入瀬渓流は十和田湖畔の子ノ口から十和田湖温泉郷に近い焼山までの約14kmの渓流で、全部歩くと5時間かかります。せっかく遠くまで来たのですから全部歩きたいものです。
奥入瀬、十和田へのルートは青森駅か八戸駅からJRバスに乗るのが一般的です。しかしJRバスだと奥入瀬到着が10時を過ぎてしまうため渓流を歩く時間が確保できません。十和田観光電鉄の終点十和田市駅から奥入瀬渓流の入口である焼山まで十和田観光鉄道バスが出ており、朝7時のバスに乗ると8時には焼山に着きます。十和田湖駅15:15発のバスで青森に抜ける予定ですので、これなら充分歩く時間を確保できるでしょう。八戸ではなく十和田市に泊まるのはそのためです。
古い三沢駅の構内で切符を買い、暇つぶしに明日乗るバスの時刻表を眺めていたら、お客さんどこ行くの?と駅員さんが声をかけてきました。
「明日奥入瀬に行くんで、今日は十和田市に泊まります」と答えると、「十和田市からのバスは焼山までしかいかないよ。焼山は奥入瀬渓谷の入り口だけど、焼山から途中の石ヶ戸バス停まではあんまり面白くない場所だから、市内の十和田美術館からJRバスに乗って石ヶ戸まで行くといいよ」と言ってくれました。要は十和田観光鉄道のバスは渓流の入口までしか行きませんが、JRバスなら渓流に沿って十和田湖まで走るので、渓流歩きをショートカットできるのです。焼山までの自社バスではなく、JRバスを進めてくれるとはずいぶん親切な駅員さんです。礼を言って電車に乗り込みましたが、この時点ではまだ焼山から5時間歩く気満々でした。
次回。奥入瀬渓流編に続きます。



