清水直行(34)と横浜ベイスターズ・那須野巧投手(27)、斉藤俊雄捕手(25)とのトレードが成立し、両球団から発表されました。
長年エースとしてチームを支え、今年選手会長も勤めた清水直行。マリーンズファンと後藤光尊にとって非常に残念なトレードでしょう。

交換要因となった那須野は入団時の契約金が5億3000万円だったことで有名になりましたが、その後の成績はあまり良くありません。
そしてこんなエピソードも。

「大島康徳公式ブログ」 ヤクルト伊藤秀範と横浜那須野より

駒場学園野球部のグランドは、多摩川河川敷にある。
そこには、かつてジャイアンツの桑田投手で有名になった“桑田ロード”ならぬ “那須野ロード”があるらしい。
偉大なる那須野先輩が残した、汗と涙のしみこんだランニングロードだ。
そしてもう一つ、偉大なる那須野先輩が秘密の練習をしていたであろう“秘密基地”もあるらしい。

その伝統は今も後輩に受け継がれている。
ウチの息子も那須野先輩にあこがれ、那須野ロードを走り、秘密基地にこもった。

聞いて驚くな!
“那須野ロード”とは、皆が走る周回の内側にあり、
“秘密基地”は、駒場学園名物“地獄の多摩川ランニングコース”の途中の草むらの中にある。

つまり、当時走るのが嫌いだった那須野がいかに楽をするかを考えてできたロードと、
苦しい多摩川ランニングをサボり昼寝をする為の隠れ場所だったのである。


うーん那須野は練習嫌いですか。
高額な契約金や入団後の体たらくからすると、横浜サイドは厄介払いできて喜んでいるのかもしれません。
だが、それでいいのか?那須野はこのまま終わっていいのか?
コバヒロだって最初は練習嫌いだったのです。それが周りの選手を見て改心し、ローテの柱まで上り詰めました。
あんまり期待はできませんが、那須野に野球人としての最後の意地が残っているのなら、それに賭けたいと思います。

斉藤は若くて打てないキャッチャー。橋本がFAで抜けるとマリーンズのキャッチャーは5人だけになりますから、2軍の頭数要員としての扱いになるでしょう。ただそれに甘んじることなく、金沢や青松と競争し、まずは里崎のバックアップとしての地位を狙ってほしいものです。


そして清水直行。
那須野と斉藤は交換要員として明らかにつりあっていません。

ロッテ・清水、複数年契約中の稀なトレード (サンスポ)

ロッテの清水直行投手(33)と横浜の那須野巧投手(27)、斉藤俊雄捕手(25)の1対2の交換トレードが9日、両球団から発表された。清水はロッテと来季まで2年契約。複数年契約中での放出は極めてまれだ。しかも今季年俸は清水の2億4千万円に対し、那須野と斉藤で合計3千万円。明らかにバランスを欠くが、ロッテの瀬戸山隆三球団社長は「互いのニーズが合った」と述べた。

 清水は今季6勝でも、4千万円増の2億8千万円の来季年俸が保障されていた。ロッテは依然、赤字経営に苦しんでいる。人件費がカットできる上に若手の台頭を促せるだけに、横浜の申し出は「渡りに船」だった。

 一方、横浜は先発陣の強化が最大の懸案。プロ10年間で通算93勝の右腕を獲得するためには金銭的な負担が大きくても、背に腹はかえられなかった。(金額は推定)

 ロッテ・瀬戸山隆三球団社長の話「横浜には何年越しかでラブコールを送ってもらっていた。セ・リーグで勉強して、いずれロッテのために帰ってきてほしい。穴埋めは大変だが、若手にはチャンスを与えられる」



直行についてはあれこれ言いましたが、長い間マリーンズで戦ってくれた選手がいなくなるのはやはり淋しいです。
思い出すのは2005年4月の「お花見ナイター事件」。
イベントで桜吹雪を撒いたところ、風がまったくなかったためなかなか落ちてこず、しかもグラウンド一杯に散らばった花びらを掃除するため試合が中断してしまったという事件です。このときの先発が清水直行。このアクシデントによる中断にもめげず、見事完封勝利を飾りました。
ヒーローインタビューで「大変なことが起きましたね。集中力が切れませんでしたか?」と聞かれた直行はこう言いました。

「今年は色々なことにチャレンジしようと皆頑張っているんです。あれも球団がお客さんのために考えてくれたこと。もし、その後調子が崩れてしまったら、今後球団が考えて実行しようと思っていることができなくなってしまうかもしれない。それだけに、何が何でも抑えてやろうと、逆に頑張ったんです」(『千葉ロッテマリーンズ変革の300日』より)

この言葉は球団スタッフに大きな感動を与え、チーム、フロント、ファンが一体となるきっかけとなりました。その後起こった奇跡は皆さんご存知の通りです。

すべてがうまくいっていた頃の、懐かしい記憶。
あれから4年たち、様々なことが変わってしまいました。フロントもチームもファンも、様々なものを失いました。

2008年オフ。メジャー挑戦への思いを熱く語る直行に対し、球団はメジャーに行きやすいよう単年契約を提示しました。それを直行は「誠意が無い」と突っぱね、結果として2年5億2千万円という破格の契約を勝ち取りました。来季の年俸は今年何もしなくても4000万円増の28000万になります。

直行の銭ゲバがトレードの原因の一つになったのは間違いないでしょう。
赤字に苦しむ球団にとって、10勝する可能性が低く年齢的にも衰えが来ている選手にそんな大金は払えない。コストに見合ったパフォーマンスが望めない。フロントはそのように判断したのだと思います。主眼はコスト削減。直行の来季年俸28000万を横浜が全額負担することからも、それが分かります。

まあ合理的な判断ですよ。合理的ですけど、ファンは減るでしょう。
なぜならファンは感情で動き、理で動いていないから。
いつまでたっても人の心を理解できないフロントは、これからもファンの心理を逆撫でし続けるのでしょう。
まったく因果な球団のファンになってしまったものです。

ともあれ、直行はまだやれるはず。新天地での活躍を祈ります。

■ 清水直行コメント

「これまで10年間、お世話になったオーナー、オーナー代行、そしてオーナーの家族の皆様、ロッテグループ関係者、千葉ロッテマリーンズ関係者に本当に感謝をしています。
また、この10年間、スタンドから温かいご声援を下さり、見守ってくださったロッテファンの皆様にも感謝の気持ちを伝えたいと思います。ファンの皆様の応援が僕をここまで育ててくれたと思っています。千葉マリンのマウンドからファンの方々の声援を感じながら投げる事が出来たのは本当に幸せな日々だったと感じています。
これから投げるマウンドは変わりますが、ロッテ時代と同じく野球の素晴らしさを伝えていくために投げていくつもりです。そして、これまで10年間、僕に最高の野球環境を提供してくれたオーナーをはじめとするロッテ関係者の皆様に対する感謝の気持ちを込めてマウンドに上がりたいと思います。
2010年、千葉ロッテマリーンズと対戦できる日を楽しみにしながら精一杯頑張ります。」


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