DSC_9896


フィンランド旅行記の第1回です。
旅のきっかけは友人の一言から・・・。



人気blogランキング
にほんブログ村 野球ブログ 千葉ロッテマリーンズへ にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

合唱の国エストニア。
バルト三国の1国であるエストニアは、1991年にソ連から独立しました。流血を避け、平和裏に行われた独立運動は「歌う革命」と呼ばれ、1989年11月には首都タリン近郊の「歌の原」に国の総人口の1/3にあたる30万以上の民衆が集まり、独立への思いを歌ったのでした。
エストニアでは合唱がとても盛んです。なかでもエストニア国立男声合唱団はグラミー賞を獲得するなど世界的に有名な合唱団です。一昨年には国立男声合唱団に日本人が所属しているということでNHKにも取り上げられました

「エストニアの国立男声合唱団の生演奏が聞きたい」
ある日の飲み会の席で、友人とこんな話になりました。友人は会社員として仕事をする傍ら合唱団に所属するほどの合唱好き。合唱好きにとって、卓越した技術を持つエストニア国立男声合奏団は憧れの存在です。待っていればそのうち日本で演奏会があるかもしれません。しかしどうせなら現地で生の歌声を聞きたいものです。私も音楽好きである点は変わらないので、俄然エストニアへの興味がわいてきました。

かつてエストニア人が独立を願って歌った「歌の原」では、現在も5年に1度合唱祭が行われています。いまやエストニアを代表する巨大イベントとなっており、参加する合唱団は総勢2万人以上、延べ観客数は10万以上、当然エストニア国立男声合唱団も参加します。2009年は幸運にも開催年に当たり、開催日は7月4日から7月5日までの2日間。行くならそこです。

しかし、残念ながら休みが取れません。友人も同様で、9月19日以降のシルバーウィーク近辺なら休みが取れるとのこと。7月に行くのはどうやら無理です。
エストニア男声合唱団は聴けないのか・・・、がっかりしつつネットで調べてみたところ、エストニアのコンサートを案内するホームページを発見。早速チェックです。
すると、運良くエストニア国立男声合唱団の公演がエストニアの首都タリンでシルバーウイーク中の9月24日にあるではありませんか!
これぞまさに天の配剤。エストニアまで行くしかありません。

ただ、エストニアでどこを観光すればいいのでしょうか。首都タリンの旧市街は中世ドイツの街並みがそのまま保存され、世界遺産として登録されています。エストニア国立男声合唱団の演奏会もタリンで行われるので、ぜひともその世界遺産となっている町並みを拝みたいものです。
しかし問題はそれ以外。「地球の歩き方バルトの国々編」を読みましたが、200ページと薄い上、エストニアに関する記述は90ページ弱。そのうち60ページがタリンについてです。要するにエストニアの観光情報、特にタリン以外の情報がほとんどありません。8日間の予定を組んだ場合、エストニアだけでは時間が余ってしまいます。

「で、どうするよ?エストニアだけでは時間余るし、エストニア以外の国にも行かないか?」
「そうだねぇ。じゃあどうしようか」
「北欧のフィンランドはどうだ?エストニアとバルト海を挟んで反対側だし、首都ヘルシンキからエストニアのタリンまで船で2時間で行けるよ」
「いいね。そうしようか」
「何かフィンランドで見たいものある?」
「せっかくヨーロッパに行くんだからオペラが見たいな」
「オペラね。ネットで調べればどこでやっているか分かるかもしれないな。他には?」
「うーん、任せるよ」
「いいのぉ?俺に任せちゃっていいのぉ?」
「いいよ。僕も電車乗るのは嫌いじゃないから」

友人のありがたいお言葉に感動であります。そんなわけで、エストニア隣国のフィンランドをまず観光し、その後エストニアのタリンに船で向かうことにしました。フィンランドは広くて観光地が色々ある一方、エストニアはタリン以外に見どころがなさそうですからフィンランドをメインにした方がいいでしょう。
それに、首都近郊以外は1日数本で使い物にならないエストニアの鉄道よりも、国土の南部を中心に様々な路線が張り巡らされたフィンランドの鉄道の方が計画を立てやすく、乗り応えがありそうです。また森と湖の国といわれるフィンランドですから、さぞかし景色も綺麗なのでしょう。鉄道ファンの私としても盛り上がってきました。

そんなわけで、9月のシルバーウィークを使ってフィンランドとエストニアに行くことになりました。
7月の某日。御茶ノ水のマクドナルドに落ち合った友人と私は「地球の歩き方」の北欧版とバルト3国版をめくりつつ、お互いの希望を出し合いました。

「さて、どうしようか。そういえばフィンランドのオペラについて何か分かった?」
「びっくりだよ。ヘルシンキの国立オペラ劇場のホームページを見たらさ、ちょうど23日にフィガロの結婚をやるんだって!」
「それは好都合。なら9/23の夜はヘルシンキでオペラ、9/24の夜はタリンで男声合唱ってことだな」
「あとはどうする?行きたいところはある?」
「まずオペラを見る9/23はヘルシンキ観光だろう。9/24はタリン観光で決まりだ」
「他には?」
「うーん鉄道に乗れるのならどこでも・・・、あ、ヨエンスーに行きたい」
「ヨエンスー?何かあるの?」
「いや別に何も。ただ地図を見るとヘルシンキからヨエンスーまでの線路沿いは湖が多いし、景色が良さそうなんだよね」
「なるほど。で、どれくらい乗るの?」
「なんと片道5時間も乗れる。すばらしい」
「5時間ね・・・、あとは?」
「サヴォイリンナなんてどうだ?ここはすごいよ。ドラクエに出てくる城のモデルになったオラヴィ城があるんだって」
「いいねぇ。行こうか」
「湖に浮かぶ古城って良くない?でも、ヘルシンキ〜ヨエンスーの路線と途中まで同じ経路ってのがどうもな」
「まあ細かい所は後で詰めるとして、まずは飛行機のチケットを取ろうよ」

まさか都合よくオペラまで観られるとは。異国の地で人生初のオペラ鑑賞というのも乙なものです。ヨエンスーはフィンランドの東部にあり、ロシアとの国境に近い水運の町です。きっと道中では「森と湖の国フィンランド」らしい風景を堪能できることでしょう。楽しみです。

旅の期間連休を最大限に生かした8日間。友人いわく「9月27日日曜日は用事があるとのことですので、9月25日金曜日にフィンランドを出発し、9月26日土曜日には帰国する必要があります。よってフィンランドで5泊した後、エストニアのタリンを観光し1泊。最終日は船でタリンからヘルシンキに戻り、そのまま空港に直行して帰国するプランを立てました。

行きたい場所を大まかに決めたら、いよいよ申込みです。一番手っ取り早いのはフリーのパックツアーに申し込むことですが、あいにく我々の希望に沿ったものがありません。どれもタリンで2泊以上するプランとなっており、宿泊地の変更はできないとのこと。
それならば、飛行機のチケットとホテルの予約は自分たちですることにしましょう。
シルバーウィークで混雑するかもしれませんが、フィンエアーによるヘルシンキ直行便は関空と成田から毎日出ています。直行便以外でもロンドン、パリ、アムステルダム、フランクフルト、コペンハーゲン、ウィーン、モスクワ、イスタンブール経由と多くの乗り継ぎ便が出ています。お値段は一番安くて往復11万程度、乗り継ぎ便でも10万円台です。計画を立てた時期は7月上旬で、旅行まで2カ月以上もあります。

だから大丈夫だと思っていたのですが・・・。



目次へ  次へ