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フィンランド旅行記の3回目です。
航空券を無事入手し、いざフィンランドへ。

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 9月20日日曜日。千葉は朝から30度近い暑さです。

 しかしこれから向かうフィンランドは昼でも15度前後、夜は10度を下回る寒さだとか。コートが必要です。
家から厚手の格好をして出かけましたが、さすがにコートは着れませんから、手ごろな大きさだった白い恋人の紙袋にコートを入れていきました。京成津田沼から空港行特急に乗ってもそんな厚着の人はいません。北欧に行くんだという実感がわいてきます。

空港に着くと、リムジンバスで先に到着した友人が私を待っていました。
最近の技術の進歩はすばらしく、チケットレスである我々はKLMのカウンターにあった機械にパスポートのバーコードを読み込ませ、数回ボタンを押してチェックイン完了。出発時刻やゲートなどが英語で書かれた紙片が出てきました。
そじ坊でそばを食べ、11番ゲートへ。KLMの飛行機に乗り込みました。
飛行機はボーイング777-200。それぞれの座席にビデオスクリーンがはめ込まれているタイプで、3列、3列、3列のシートでした。国内線だと真ん中は4列ありますが、国際線だと椅子が若干大きいようです。しかし前後の間隔は狭く、窓際になってしまうとトイレに行くのも一苦労です。

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 11:15、KLMオランダ航空KL862便はほぼ定刻どおりに成田空港を離陸しました。まずはアムステルダムまで約12時間の空の旅です。機内食は2回。1回目の夕食は和食と洋食から選べます。あまり期待していなかったのですが、ホテルオークラが作っており味はなかなかでした。朝食は洋食のみ。他にはおやつとしてアイスクリームかカップヌードルのどちらかを選ぶサービスもありました。

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 飛行機は特に大きく揺れることもなく飛行を続けました。9時間ほどで荒々しくも単調なシベリアの上空を抜けると、眼下にはそこはもうフィンランドの上空です。どこまでも続く森の中に点在する湖。緑と青の美しい国をこれから旅するのだと思うと感動がわきあがってきます。しかし我々のチケットは乗り継ぎ。この飛行機でアムステルダムに向かい、同じルートをヘルシンキまで戻らなければなりません。ああここからパラシュートで飛び降りたい・・・。馬鹿なことを考えつつ、オランダまでの残り3時間を過ごしました。

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 フィンランド上空を通過した飛行機はスウェーデン、デンマークの上空を越え、いよいよオランダに差し掛かります。土地は平坦で、畑と風車とクリークが見えます。飛行機は徐々に高度を下げ出すと、サッカー場に併設された野球場が見えてきました。オランダには野球が根付いているのです。WBCでの健闘を思い出します。そしてほぼ定刻の16時20分ごろ、長い空の旅を終え、無事にオランダのスキポール空港に着陸しました。

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 スキポール空港はヨーロッパを代表するハブ空港の一つで、乗り継ぎがしやすい空港として広く知られています。
ターミナルビルが一つだけなので乗り継ぎ便の搭乗口まで歩いて移動でき、スーツケースも最終目的地まで運んでくれるため、一度引き取る必要がありません。ラウンジにはファッションからおもちゃからチューリップの種まで様々なお店が入っています。

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油絵が展示されたギャラリーやカジノまでありました。

 乗り継ぎの時間は2時間弱。お店をざっと見て回ったのち、ヘルシンキ行きの飛行機の搭乗口に向かいました。
オランダやフィンランドはシェンゲン協定に加盟しており、加盟国同士で行き来する場合はパスポートの確認がありません。日本などの非加盟国から入国する場合は、最初のシェンゲン協定加盟国への入国の際に入国審査を受けることになります。つまり、我々はオランダで入国審査を受け、フィンランドには入国審査を受けずそのまま入国するのです。

 日本からの便が到着するラウンジ3からEU各国に向かう便が集まるラウンジ1へ行く途中に入国審査のゲートがあり、大行列ができていました。しかも列がなかなか進みません。入国審査官からの質問は「エイゴワカリマスカ?(日本語で)」、「どこ行くの?」、「目的は?」だけでした。なので、「ちょっとだけ」、「ヘルシンキ」、「観光です」という具合に至極あっさり終わったのですが、その後の荷物検査が大変なことになっていました。とにかくほとんどの人間が金属探知器に引っ掛かり、荷物チェックもピーピー鳴って止まりまくっています。そして検査機の周辺には日本のペットボトルが散乱。日本からの乗り継ぎ客から没収したものでしょう。EU同士とは言え国際線なのでペットボトルの持ち込みはできません。とにかくトラブルだらけ。なるほどこれでは進まないはずです。

 辛抱強く列に並びいよいよ私の番がきました。日本でいつもやるように時計や財布や携帯やベルトなど金属製のものを外し、ノートパソコンをリュックから取り出してベルトコンベアーに乗せたものの、検査する気配がありません。なぜでしょう。
すると無愛想なおばさんがカバーに入ったノートPCを指差し一言。
「テイクオフ!」
テイクオフ?離陸しろ?
一体どういう意味なのでしょう。さっぱりわかりません。友人が「カバーを外して見せろってことじゃないの?」というのでその通りにしてみましたが、おばさんは首を振り、「テイクオフ!」と叫ぶだけ。いったいどうすれば?固まってしまった私を見たおばさんは顔をしかめて舌打ちする始末。
このままではラチが明きません。カバーを外してだめならば画面を開いて見せればいいのでしょうか。「おらNECのノートPCだぞ文句あるか?」と言わんばかりの勢いでおばさんにノートPCの黒い液晶画面を見せつけると、ようやく通過のお許しが出ました。

 よかったよかった。いきなり異国の洗礼を浴びてしまいましたが、これで荷物検査は終わり・・・、と思ったら甘かった。私のリュックが検査機器に飲み込まれるや否や「ピー」とブザーが鳴り再検査。もう変なものは持ってきていないはずです。しかし今度は男の係官が私のリュックを開け、折り畳み傘を取り出しました。「これ傘?トゥーロング!(長すぎる)」。それは私がオックスフォードで買った傘です。決して武器は仕込んでおりません。そしてやっぱりというかなんと言うかベルトを外しても金属探知器に引っ掛かり、ようやく解放された時にはもうぐったり。フィンランドに着く前から異国の洗礼を浴びてしまいました。

 なんとかセキュリティチェックを終えヘルシンキ行きの搭乗ゲートに到着しました。KLMの乗り継ぎ便ですが日本人は数人しかいません。搭乗が始まっても列がなかなか進まずやきもきしましたが、飛行機に入ってびっくり。なんと中央の通路を挟んで座席が3列3列で並んでいる中型のB737でした。まるでスカイマークの旅客機に乗ったかのようです。日本と違い座席番号で搭乗案内をずらしたりしませんから時間がかかるのでしょう。まるで国内ローカル路線のような雰囲気ですが国際線だけあって乗客は多種多様。フィンランド語に混じって英語やフランス語やスペイン語が聞こえてきます。我々もインド系と思しき男性の脇の席に座りました。

満席となった飛行機はほぼ時間通りに夕暮れのオランダ・スキポール空港を離陸しました。驚いたことに離陸後5分もしないうちにベルト着用が消えました。機体はまだ斜めですがいいのでしょうか。やがて飲み物のサービスも始まりました。重いワゴンを押しながら上り坂の通路を行くのは大変そうです。

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たった2時間半のフライトですが国際線だけあって食事が出ます。と言ってもサンドウィッチ二つだけでしたが、これがライ麦とチーズが効いていて美味しかったです。友人も「三食全部機内食ってすごいよね」と言いながらパクついています。そうこうしているうちに陽はとっぷりと暮れ、フィンランドの上空に入りました。やがて眼下に街の明かりが見えだし、ほぼ定刻どおりにヘルシンキ・ヴァンター空港に着陸しました。

 しかし、着陸したのはいいのですが飛行機はターミナルを横目に進むばかり。あらぬ方向に向かっていきます。ひょっとしてバス?予感的中です。我々はターミナルから遠く離れた空港の端っこに下ろされました。タラップを降りると寒い!オランダと10度ぐらい違いそうです。慌ててコートを着込みました。飛行機の脇にはすでに大きなバスが2台待機しており、他の客と共にぞろぞろと乗り込みました。バスは数分でターミナルに着きましたが、ターンテーブルで無事にスーツケースを回収した頃には22時を回っていました。すでにオランダのスキポール空港で入国審査を済ませてあるため、ヴァンター空港ではノーチェックですんなり出られました。

ヘルシンキ郊外にあるヴァンター空港からヘルシンキ市内中心部まではフィンランド航空がフィンエアーバスというシャトルバスを走らせています。フィンランド航空のホームページで事前に調べたところ、ほぼ20分間隔で運行され、最終は深夜1:10まであるとのこと。これなら飛行機が遅れても安心です。所要時間は35分で、運賃は5.9ユーロでした。
我々がターミナルから出るとすでに22:20発のヘルシンキ行きのバスが待っていました。バスに近づくと運転手が降りてきてスーツケースをバスのトランクにしまってくれました。運賃の支払いはカードも使えるようですが、運転手に10ユーロ紙幣を渡し、おつりとチケットをもらいました。運賃箱の横にコインが積んであり、おつりを素早く払えるようになっています。

客は10人程度。車内は青い室内灯に照らされ、座席の上の天井には読書灯の赤いランプが点灯しています。なんとも近未来的な、しゃれたデザインです。そういえばフィンランドはデザインの国とも呼ばれているのを思い出しました。バスは高速道路を走り、やがてヘルシンキ市街に入ります。右側通行の街並み、深夜でも走っているトラム、外国に来たという実感がまた沸いてきました。

23時前にヘルシンキ中央駅前のバス乗り場に到着。ここからホテルまでは歩きです。
一般的にヨーロッパの駅の周りの治安は良くないとされますが、ヘルシンキはそうでもなさそうです。あちらこちらで若者がたむろしていましたが悪い雰囲気ではありません。夜の松戸駅前の方が怖いぐらいです。ですが異国の町、しかも夜ですから方向感覚がつかめません。広い駅前広場できょろきょろしているとおばさんがエクスキューズミーと声をかけてきました。ホテルの場所を探していると告げ、地球の歩き方北欧版の地図を見せましたが分からないとのこと。「実は昨日から何も食べていないのでお金を貸してもらえる?」と言ってきましたが、寸借サギかもしれません。「ソーリーソーリー」と足早に歩き出しました。スーツケースを引きずりながら石畳の道を行くのは骨が折れます。5分少々歩いたところで目指すホテル、HotelArthurが見えてきました。

HotelArthurはちょっと古めの3つ星ホテル。今日と明日の2泊する予定で、すでに友人が予約してくれています。料金は2人で110ユーロ。日本円で約15,000円ですから物価の高いフィンランドにしてはまあまあの値段でしょう。
観音開きの自動ドアをくぐって中に入るといきなり段差がありました。スーツケースを持ち上げなければならないのがちょっと大変です。フロントでは日本語は一切通じませんが、ゆっくりはっきり英語で喋ってくれたので問題なくチェックインできました。
部屋の鍵を受け取りエレベーターへ。これが実に珍妙なエレベーターです。まずドアが外開きの鉄の扉。そしてエレベーターの箱には扉がありません。壁や各階のドアがむき出し。女性が髪の毛を挟んだら大変なことになりそうです。

部屋はツインのはずが広い3人部屋でした。部屋は木の床で清潔ですが、道路に面しているため車の音がかなりうるさいです。少々古いせいかバスタブは無くシャワーを使うとトイレまで水びだしになります。もう深夜0時を回っています。我々は交代でシャワーを浴び、ベットに入りました。

ホテルアルトゥール

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