皆さん『もしドラ』はもう読みましたか?
今売れに売れている本ですから皆さんご存知でしょう。今本屋の目立つ所に平積みになっている『もしドラ』ですよ。
『もしドラ』。何の略か知ってます?
「もし塀内久雄がトラックドライバーになったら」の略なんですよ。覚えておきましょう。
「もし塀内久雄がトラックドライバーになったら」は、40歳を過ぎてプロ野球を引退した塀内久雄が日本一のトラックドライバーを目指す痛快アクション巨編で、2016年のアニメ化が早くも決まっています。さらに「もし塀内久雄がドラックバントを決めたら」や、「もし塀内久雄がドラ番記者と飲んだら」などのスピンオフ作品も続々出版予定とか。
ちなみに「もしドラ」の内容はこんな感じです。
久雄は第二の人生を歩みだした
久雄は大型免許の取得に取り組んだ
久雄はセールスドライバーになろうとした
久雄はデコトラとは何かを考えた
久雄は過積載の問題に取り組んだ
これを読めばドラッカーでもトラックドライバーになれます。佐川急便で残業代を稼ぎまくりましょう。
さて、「もしドラ」です。
世間で売れている方の「もしドラ」。このブログはいつも流行の最先端を走っていますから、当然船橋市の図書館で借りようとしてみましたが、何?予約が300件?
あきらめました。
結局ブックオフにも売っていないので立ち読みしたわけですが、結局買わないまま今に至ります。だって高いんだもん。
そして読み終わっての感想。とにかく文章が稚拙でした。非常に読みづらいです。
あれで金取っていいのなら、私だって『NAMEROU』書いて賞金を辞退しますよ。
野球を題材にしておきながら、高校野球の描写は突っ込みどころ満載でした。バントをしない、ボール球を投げない。これで甲子園に行くのは少々乱暴すぎるかと。
小説としての展開もベタすぎますから、野球小説、青春小説として読む本ではないでしょうね。あくまでもドラッカーの著書『マネジメント』の解説書、いわゆるハウツー本として読みました。
ドラッカーのマネジメント理論はいわば理想であり、どう実践したらよいのか分からない。そういった疑問に対し、「ドラッカーの理論で甲子園に行く」という明快な答えを提示しています。
ドラッカーの思想を引用、解説しつつ話を進めていますから、ドラッカーの入門書、いわばとっかかりとしてはアリでしょう。進研ゼミの付録のマンガのようなものです。
ただ、この本の内容をどう実践するかは別の話。一見分かりやすそうに見えても、本書の手法の応用は非常に困難です。不思議な本ですね。
で、この本が200万部も売れています。
ドラッカーと高校野球の組み合わせは斬新ですし、なによりもマネジメントを自らの課題として認識できるようなオッサン層にとって、高校野球は魅力的な題材です。
表紙の萌え絵も相まって話題性は抜群。きっといかにして売るかを周到に考えた上で出版されたのでしょう。
著者の岩崎氏は秋元康氏の弟子だそうで、AKB48のプロデュースにかかわっていたと言います。道理でそれっぽいにおいがするわけです。
また、著者の岩崎氏はドラッカーに相当心酔しているようです。本書を読めば読むほど「ドラッカーは偉大なり。ドラッカーの他に神は無し」という筆者の心の声が聞こえてきました。
「ドラッカー先生は聞く耳を持たない」という記事に著者のインタビューがありましたが、「ドラッカーのマネジメントを高校野球に当てはめるのはこじつけなんじゃないの?」と思ってしまうのは、著者に言わせれば「まだドラッカー先生の『マネジメント』の本当の力を理解されていないんだろうと思います」と言うことになります。
主人公の女子マネが、ドラッカーの著書『マネジメント』の「マネジメントの本質は『真摯さ』である」という一文を呼んで泣き出してしまうというくだりがどうしても理解できなかった私は、ドラッカーに対する信心が足りないのかもしれません。
それでも、いかにドラッカーが偉大であろうと、やはりこじつけはこじつけだと思います。全部ではありませんが。
高校野球の世界で、最終的な目的を勝利とするならば、もっと他に読むべき本があります。それは何か。
ずばりこれです。「実録!関東昭和軍」。高校野球の裏の裏まで描き切った問題作です。
この、「実録!関東昭和軍」は「野球部の目的とは何か」、「野球部にとっての顧客とは何か」という問いに対し、明確な答えを提示しています。
すなわち目的とは勝利。顧客とは自分自身。このマンガの主人公の一人が語るこのセリフに答えが凝縮されているのです。
「まさしくこれは戦争です。勝利と名誉のために! 己の人生を切り開くために! 一人でも多くの婦女子達からの淫靡な嬌声を得んがために!
365日を本気で野球に懸けた人間同士が、まさに生き死にを懸けた戦いであるかのような激しい死闘を演じているのです。
そこには、良いゲームができれば、良いプレーができればなんてセンチな考えは存在しません。
とにかく勝つ! 何をしてでも勝つ! ただそれだけなのであります」
野球で生きていくほか無い落ちこぼれ達の、実にすがすがしい、悟りの境地です。
そこにはもしドラにある「野球部=顧客に感動を与える組織」などというセンチな考えは存在しないのですよ。おそらくドラッカーも高校野球にそんな定義など与えないでしょう。むしろ高校野球が生み出す利権に群がる大人たちこそ、ドラッカーのいう顧客と言えるのではないかとすら思います。
「やっぱり高校野球ならドラッカーより関東昭和軍だよな」
実はもしドラを読み終わって最初に思ったことがこれでした。ウェッヘッヘ。
もしドラの主人公みなみちゃんも、ドラッカーの前に関東昭和軍を読むべきでしょう。
野球と関係のある本を読んだほうがいいです。
あとはあれですね。球界の中村天風と呼ばれた山本功児終身名誉監督の名言録を読むべきですね。
奇しくも明日は12月25日。偉大なる山本功児終身名誉監督がお生まれになった日です。メリーエカスマス。
そんなわけで、ちょっと「もし高校野球の女子マネージャーが山本功児名言録を読んだら」を考えてみました。
期末テストで赤点を取ったら夏の大会出場停止?野球部の危機にマネージャー喜多たか子が立ち上がった!
喜多は部員たちの尻を叩き、勉強させようとします。
「エンジンかけて、ムキになって、もっともっと気迫を出してやらんとダメだ」
試験直前、ようやく二塁手の堀君が勉強を始めました。
「堀が本気を出したら誰も敵わないんだ!」
しかし、期末試験ではあえなく撃沈。何人かが赤点を取り、追試に賭ける事に。
「こうなったら、恥も外聞もなく点を取りにいく!」
怒号にケツバットが飛び交う猛勉強。
追試?ヨユーッすよ。部員たちには自信すら芽生えていました。
「あの姿を見れば分かるだろ。そんなセリフは、自信の表れだ」
追試当日。
「やるよ。やりますよ。やるしかない!」
そして結果は・・・。
「終わりだ!終わりだ!終わりだ!」
え?野球と関係なくなってる?
ほっとけや! くだらん質問をするな! おまえの子供は満点取ってるのか!
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今売れに売れている本ですから皆さんご存知でしょう。今本屋の目立つ所に平積みになっている『もしドラ』ですよ。
『もしドラ』。何の略か知ってます?
「もし塀内久雄がトラックドライバーになったら」の略なんですよ。覚えておきましょう。
「もし塀内久雄がトラックドライバーになったら」は、40歳を過ぎてプロ野球を引退した塀内久雄が日本一のトラックドライバーを目指す痛快アクション巨編で、2016年のアニメ化が早くも決まっています。さらに「もし塀内久雄がドラックバントを決めたら」や、「もし塀内久雄がドラ番記者と飲んだら」などのスピンオフ作品も続々出版予定とか。
ちなみに「もしドラ」の内容はこんな感じです。
久雄は第二の人生を歩みだした
久雄は大型免許の取得に取り組んだ
久雄はセールスドライバーになろうとした
久雄はデコトラとは何かを考えた
久雄は過積載の問題に取り組んだ
これを読めばドラッカーでもトラックドライバーになれます。佐川急便で残業代を稼ぎまくりましょう。
さて、「もしドラ」です。
世間で売れている方の「もしドラ」。このブログはいつも流行の最先端を走っていますから、当然船橋市の図書館で借りようとしてみましたが、何?予約が300件?
あきらめました。
結局ブックオフにも売っていないので立ち読みしたわけですが、結局買わないまま今に至ります。だって高いんだもん。
そして読み終わっての感想。とにかく文章が稚拙でした。非常に読みづらいです。
あれで金取っていいのなら、私だって『NAMEROU』書いて賞金を辞退しますよ。
野球を題材にしておきながら、高校野球の描写は突っ込みどころ満載でした。バントをしない、ボール球を投げない。これで甲子園に行くのは少々乱暴すぎるかと。
小説としての展開もベタすぎますから、野球小説、青春小説として読む本ではないでしょうね。あくまでもドラッカーの著書『マネジメント』の解説書、いわゆるハウツー本として読みました。
ドラッカーのマネジメント理論はいわば理想であり、どう実践したらよいのか分からない。そういった疑問に対し、「ドラッカーの理論で甲子園に行く」という明快な答えを提示しています。
ドラッカーの思想を引用、解説しつつ話を進めていますから、ドラッカーの入門書、いわばとっかかりとしてはアリでしょう。進研ゼミの付録のマンガのようなものです。
ただ、この本の内容をどう実践するかは別の話。一見分かりやすそうに見えても、本書の手法の応用は非常に困難です。不思議な本ですね。
で、この本が200万部も売れています。
ドラッカーと高校野球の組み合わせは斬新ですし、なによりもマネジメントを自らの課題として認識できるようなオッサン層にとって、高校野球は魅力的な題材です。
表紙の萌え絵も相まって話題性は抜群。きっといかにして売るかを周到に考えた上で出版されたのでしょう。
著者の岩崎氏は秋元康氏の弟子だそうで、AKB48のプロデュースにかかわっていたと言います。道理でそれっぽいにおいがするわけです。
また、著者の岩崎氏はドラッカーに相当心酔しているようです。本書を読めば読むほど「ドラッカーは偉大なり。ドラッカーの他に神は無し」という筆者の心の声が聞こえてきました。
「ドラッカー先生は聞く耳を持たない」という記事に著者のインタビューがありましたが、「ドラッカーのマネジメントを高校野球に当てはめるのはこじつけなんじゃないの?」と思ってしまうのは、著者に言わせれば「まだドラッカー先生の『マネジメント』の本当の力を理解されていないんだろうと思います」と言うことになります。
主人公の女子マネが、ドラッカーの著書『マネジメント』の「マネジメントの本質は『真摯さ』である」という一文を呼んで泣き出してしまうというくだりがどうしても理解できなかった私は、ドラッカーに対する信心が足りないのかもしれません。
それでも、いかにドラッカーが偉大であろうと、やはりこじつけはこじつけだと思います。全部ではありませんが。
高校野球の世界で、最終的な目的を勝利とするならば、もっと他に読むべき本があります。それは何か。
ずばりこれです。「実録!関東昭和軍」。高校野球の裏の裏まで描き切った問題作です。
この、「実録!関東昭和軍」は「野球部の目的とは何か」、「野球部にとっての顧客とは何か」という問いに対し、明確な答えを提示しています。
すなわち目的とは勝利。顧客とは自分自身。このマンガの主人公の一人が語るこのセリフに答えが凝縮されているのです。
「まさしくこれは戦争です。勝利と名誉のために! 己の人生を切り開くために! 一人でも多くの婦女子達からの淫靡な嬌声を得んがために!
365日を本気で野球に懸けた人間同士が、まさに生き死にを懸けた戦いであるかのような激しい死闘を演じているのです。
そこには、良いゲームができれば、良いプレーができればなんてセンチな考えは存在しません。
とにかく勝つ! 何をしてでも勝つ! ただそれだけなのであります」
野球で生きていくほか無い落ちこぼれ達の、実にすがすがしい、悟りの境地です。
そこにはもしドラにある「野球部=顧客に感動を与える組織」などというセンチな考えは存在しないのですよ。おそらくドラッカーも高校野球にそんな定義など与えないでしょう。むしろ高校野球が生み出す利権に群がる大人たちこそ、ドラッカーのいう顧客と言えるのではないかとすら思います。
「やっぱり高校野球ならドラッカーより関東昭和軍だよな」
実はもしドラを読み終わって最初に思ったことがこれでした。ウェッヘッヘ。
もしドラの主人公みなみちゃんも、ドラッカーの前に関東昭和軍を読むべきでしょう。
野球と関係のある本を読んだほうがいいです。
あとはあれですね。球界の中村天風と呼ばれた山本功児終身名誉監督の名言録を読むべきですね。
奇しくも明日は12月25日。偉大なる山本功児終身名誉監督がお生まれになった日です。メリーエカスマス。
そんなわけで、ちょっと「もし高校野球の女子マネージャーが山本功児名言録を読んだら」を考えてみました。
期末テストで赤点を取ったら夏の大会出場停止?野球部の危機にマネージャー喜多たか子が立ち上がった!
喜多は部員たちの尻を叩き、勉強させようとします。
「エンジンかけて、ムキになって、もっともっと気迫を出してやらんとダメだ」
試験直前、ようやく二塁手の堀君が勉強を始めました。
「堀が本気を出したら誰も敵わないんだ!」
しかし、期末試験ではあえなく撃沈。何人かが赤点を取り、追試に賭ける事に。
「こうなったら、恥も外聞もなく点を取りにいく!」
怒号にケツバットが飛び交う猛勉強。
追試?ヨユーッすよ。部員たちには自信すら芽生えていました。
「あの姿を見れば分かるだろ。そんなセリフは、自信の表れだ」
追試当日。
「やるよ。やりますよ。やるしかない!」
そして結果は・・・。
「終わりだ!終わりだ!終わりだ!」
え?野球と関係なくなってる?
ほっとけや! くだらん質問をするな! おまえの子供は満点取ってるのか!
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野球でいえば、
試合の途中から雨でズブ濡れで大差で負けるってとこですかね。
来年もどこかでそんな光景が・・