
トルコ旅行記の第6回です。
トロイ遺跡の観光を終え、観光バスで今日の宿泊地アイワルクへと向かいます。
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2010年9月21日14時。
トロイ遺跡を出発。今日の宿泊地、アイワルクの町外れにある「グランドホテル・テミゼル」に向かいます。
所要2時間半、夕方まではひたすらバスの旅です。ぼんやり景色を眺めながらバスに揺られました。
ふと携帯電話を見るとメールが何通かきています。はるか日本からプロ野球の試合経過がリアルタイムで届くのです。
どうやら我らが千葉ロッテマリーンズは楽天イーグルスから大量リードを奪っているようです。日本との時差は6時間。日本ではちょうど20時を回ったところです。

丘陵地帯をしばらく走ると海が見えてきました。エーゲ海です。

街中を走ります。町のいたるところにトルコ国旗があります。

街中の飲食店でくつろぐおじさん達。のんびりした時間が流れています。

バス停がありました。いつの日か、バスを乗り継いで自力で旅をしてみたいものです。

バス停にはバスが何台か止まっています。

海沿いの道を走ります。リゾート地のような風景です。

海岸に建つモスクが見えました。こういうものを見ると「イスラム圏に来た」という実感がわきあがってきます。

トロイ遺跡から1時間半。3時半を回ったところでトイレ休憩をかねてオリーブオイルの店に寄りました。
ツアー客向けのお土産屋で、オリーブオイルやオリーブオイルの石鹸などが売られています。
現在地のエドレミッド周辺はオリーブが特産なのだとか。

店員の赤い髪のお姉さんがやたら美人です。私はここでお菓子と水を買いました。水は500mlが1リラでした。

16時前に出発。オリーブ畑の中を走ります。携帯メールをチェックするとどうやら試合が終わった模様。12-2でマリーンズがイーグルスに大勝です。今日のホテルではインターネットが使えないそうですから、バスに揺られながら携帯電話でブログの記事を更新しました。
しばらく走ると検問があり、なぜか我々のバスが警察官に止められてしまいました。何事でしょうか。
見ると運転手がバスを降りて警官に何か書類を見せています。ガイドさんによると、抜き打ちで観光バスとして営業するために必要な保険加入の有無、運転手の免許、車歴などを確認しているのだそうです。幸い特に問題はなかったようで、警察官と運転手が10分ほど何事か会話した後、バスは無事走り出しました。

16時35分。今日の宿泊地。アイワルクの「グランドホテル テミゼル」に到着しました。
エーゲ海沿いに建つリゾートホテルです。アイワルクの街からはかなり南に離れており、周辺には家がありません。

添乗員さんとガイドさんがチェックイン手続きをしています。我々はぞろぞろとホテルのロビーに入りました。

「あ!プールがある」
「入れるんですかね?」
さすがリゾートホテル。ロビーのすぐ向こうに屋外プールがあります。とりあえず行ってみました。
しかし手を水につけてみると冷たい!水温20℃ぐらいでしょうか。
「だめっす!冷たすぎて無理っす!」
と叫びながら皆の所に戻りました。白人の太ったじいさんばあさんは普通に入っているのですが、日本人と体のつくりが違うのかもしれません。

しばらく添乗員さんからルームキーを受け取り部屋へと向かいます。夕食は18時30分からなので、1時間半ほど自由時間があります。4階の部屋から外を眺めてみました。遠くに街が見えます。せっかくなので行ってみましょう。

ホテルのプライベートビーチもあります。ああ憧れのエーゲ海。

というわけで早速プライベートビーチを見に行きました。風が少々肌寒く。海に入るのは気が引けます。しかしトルコ人のガイドさんはしっかりと水着持参で泳いでいました。「せっかく来たんだから泳がないともったいないよ」とのこと。たくましいです。

海に突き出た遊歩道、のようなもの。

ホテルのプールです。しかし若い女の子がいません。ばあさんばっかりです。
そんなものを見てもしょうがないので、ホテルを出て近くの街まで行ってみることにしました。
「コニチワ!」
ホテルを出たところでいきなり話しかけられました。見ると20代と思しき背の高い男が親しげに話しかけてきます。
「日本人?英語話せる?」
やばい。英語です。
「日本人だよ。英語はあんまり・・・。」
自分の英語力は壊滅的です。畑の中をまっすぐ伸びる道を歩きながら、なんとか頑張って会話してみましょう。
「日本のどこから来たの?」
「千葉。知ってる?」
「知っているよ。自分はイタリアから来たんだ」
「へえ。イタリアには一度行ってみたいと思っているよ」
お前本当にイタリア人?あんまりそうは見えないよ。という言葉を飲み込み会話を続行します。
「僕は旅行で来てるんだ。さっきビーチに行ったんだけど、若い女の子が全然いないな!」
と若者。心底残念そうな顔をしています。
「そうだな!じいさんばあさんしかいないな。がっかりだよ!」
と私。こういう会話は語学力がなくとも通じるのです。
「君は何の仕事をしているの?」
うっ・・・高度な質問だ・・・。
「えーっと、オフィスワーカー」
「は?」
「だからそのー。パソコン使ったり・・・(キーボードを叩く仕草で)」
ごめんなさい。自分の英語力ではこれ以上説明できません。聞くと彼は学生らしいです。
その後自分はスポーツが得意で体を鍛えているとか、そんな話をしてくれましたが。自分の英語力では会話が発展しません。相槌を打って終わりです。
そのうちにこんな話題になりました。
「ところで、僕は世界中の色々な国の言葉を教えてもらうのが好きなんだ。良かったら教えてくれるかな?」
「いいよ」
「How are you?って日本語で何て言うの?」
「ご機嫌いかがですか?」
「ガ・・・キ・・・ガ・・ニ?」
「ノー!ご機嫌いかがですか?」
「ゴキガン?」
「うーん・・・」
どうやら日本語の発音がうまく伝わりません。困った若者は自分の携帯電話を取り出し、「これに入力してよ」
と言ってきました。ノキア社製の携帯電話です。私はローマ字で入力し、彼に渡します。
「ありがとう。じゃあI love youって日本語でなんて言うの?」
月が綺麗ですね、と説明するほどの英語力はありません。
「えーっと。愛してる、かな?」
「じゃそれも入力してよ」
そんなことをしている間に小さな街に入りました。私の後ろに路線バスが到着し、客を数人降ろして発車していきます。
ふと前方を見ると若い女の子とおぼしき3人組がいます。
「ヘイ!かわいい女の子がいるぞ」
「本当だ。ナイスだねぇ」
しかし彼女らは数十メートル先の角を曲がろうとしています。まずい!見失ってしまう。
こうなると若者のすることは一つです。
「今日はありがとう。楽しかったよ。それじゃよい旅を!」
さわやかな笑顔を浮かべた若者は、こう言って私と硬い握手を交わし、女の子めがけて走っていきました。
一人取り残された私は、「英語が出来れば一緒にナンパできたんだろうか」と思いつつ、彼の走り去った方向に背を向け、町の散策をすることにしました。

夕暮れの町。小さなホテルや住宅が並んでいます。

気がつけばホテルを出て30分ほどたっています。

夏の終わりの9月ですから、あまり人がいません。南国の、ひなびた田舎町といった雰囲気ですね。
ひとしきり散策をした後、夕食の時間が近づいてきたので戻ることにします。
うん、帰国したら英語の勉強をしましょう。

ホテルに戻ってきました。バスの数が増えています。ロビーでは日本の別の団体がチェックイン中。このホテルは日本のほかのツアーも使用するため、他のツアーとチェックインが重なると大変時間がかかってしまうとのこと。他のツアーの行動時間を予測し、早朝に出発し、道中もてきぱき行動した我々JTB軍団が一番乗りです。ガイドのセンギルさんが「遅刻は絶対しないでください。日暮れ前にはホテルに尽きたいので、ご協力お願いします」と
言っていたのを思い出します。なるほど、おかげでスケジュールにはなかった自由時間が生まれ、思わぬ出会いもありました。ガイドさんに感謝ですね。
夕食は普通にバイキングでした。10リラ払ってビールを頼み、ツアーのメンバーと取り留めのない話をしました。10リラは約700円。ホテル価格です。

満腹になった私は再び夜のプライベートビーチをぶらぶらすることにしました。
夕暮れのエーゲ海。こんな景色を眺められるなんて、旅に出てよかったと思います。

月が綺麗です。

猫が戯れています。

夜のプール。幻想的です。

いい!いかにもリゾート。ツアーじゃなきゃこんなホテルは泊まりません。
明日は古代ギリシャ、ベルガマやエフェソスといった、ローマ時代の遺跡を見学することになっています。
楽しみです。
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