8.ベルガマ遺跡のアスクレピオン探訪

s-DSC_8559


トルコ旅行記の第8回です。
ベルガマの古代の総合医療センターを見学します。



人気blogランキング
にほんブログ村 野球ブログ 千葉ロッテマリーンズへ にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ


大きな地図で見る

2010年9月22日。

DSC_8470

ベルガマのアクロポリス遺跡の見学を終え、バスで山を降りていきます。
眼下にはクズル・アウルと呼ばれる神殿跡がありました。かつて古代エジプトのセラピス神を祀り、その後キリスト教の聖堂に改修されたといわれています。

DSC_8476

無残な姿をさらしています。

DSC_8484

次の目的地はアスクレピオンと呼ばれる古代の総合医療センターの遺跡です。バスは細い道に分け入りつつ、登っていきます。

DSC_8486

アクロポリス遺跡から15分ほどで到着。アスクレピオンは町外れにあります。
軍の施設に隣接しており、「軍施設は写真撮影禁止」と書かれた看板が立っていました。途上国では軍施設にカメラを向けただけで逮捕されることがあります。気をつけましょう。

DSC_8487

山の上には先程見学したアクロポリス遺跡があります。あんな山の上まで良く大量の石を運んだものです。

DSC_8489

遺跡の入口から遺跡までは10分近く原っぱを歩きます。左手には軍の施設があり、ラッパの音が聞こえてきます。

DSC_8495

ここが古代の病院の入口。聖なる道です。現在は約150メートルほどですが、昔はもっと長かったのだそうです。

DSC_8497

ところどころ回廊の遺構が残っています。この長い道を自力で歩ける者だけが治療を受けられたそうで、要は「数百メートルを自力で歩けないヤツは治せないから帰れ」と、そういうことですね。

DSC_8500

病院の建物への入口です。古代の人たちはこの病院に生贄や金品を捧げて参拝し、入浴して体を清めて宿泊します。そしてその夜に見た夢を神官が判断して治療法をし示唆したのだそうです。ちなみに、生贄や金品を持ってこなかった患者は病院に入れません。

DSC_8502

アスクレピオンの想像図です。

DSC_8504

聖なる道を抜けた広場に蛇の彫刻を施された円柱があります。古来蛇は脱皮することから生まれ変わり=再生のシンボルとされ、現在も医療の象徴となっています。病院に着いた患者たちはまずこの蛇の彫刻に祈りを捧げました。

DSC_8511

円柱が並んでいます。

DSC_8512

正面が図書館の跡。医学書なども集められていたそうです。

DSC_8513

コリント式の装飾が施されている柱の跡。

DSC_8516

円柱が並ぶ病院の遺構を歩きます。

DSC_8520

古代の総合医療センターには劇場もありました。音楽療法なども行われていたようです。

DSC_8521

正面が特等席です。

DSC_8525

聖なる泉。患者はここで水を飲みます。

DSC_8528

水が湧き出しています。

DSC_8530

治療所へと続く地下道に入ります。

DSC_8534

地下道の天井には穴が開いています。患者たちはここで神の声を聞きました。実際には神官たちがの穴から患者たちに向かって「あなたは必ず治る」と声をかけていたのです。地下道は暗闇ですから患者から神官たちは見えません。古代ローマでは今で言う心理療法を行っていたのでしょう。

DSC_8544

地下道を抜けるとドーナツ型の診療所に出ます。

DSC_8546

患者たちはこの円形の通路を疲れるまで歩き、通路の脇の宿坊で眠ったのだそうです。いい汗かいて快眠すれば体の調子も良くなるというものです。

DSC_8550

かつての水道管の跡。技術の高さをうかがわせます。

DSC_8551

肉体的な治療のほか、精神病の治療も行われていたそうです。

DSC_8557

古代の患者のようにぐるぐる回ってみました。

DSC_8563

かつては何階建てだったのでしょうか。

DSC_8571

地下道の上に出てみました。声かけ用の穴が開いています。

DSC_8576

自由時間が30分ほどできたので、遺跡の中をぶらぶら歩きます。劇場跡を違う角度から。

DSC_8577

小さな神殿の跡です。

DSC_8579

小高い丘の上からアスクレピオンを眺めます。

DSC_8590

劇場の観客席の最上段に登ってみました。結構な高さがあります。
のんびり空などを眺めていたら時間がなくなってしまい。バスの駐車場まで走って戻る羽目になりました。


ちょっと駆け足気味でしたが古代の総合病院を見学しました。心理療法や音楽療法など、古代の人々の医療に関する考え方が非常に面白かったです。この前に見学したアクロポリス遺跡よりも遺構が残っており、かつての様子を想像しやすくなっています。
ただ、ここはあくまでもお金持ちのための施設。この病院に入院したくても出来ない人がたくさんいたのでしょう。
次回は昼食を食べ、古代ローマの大規模遺跡エフェソスに移動します。

トルコ旅行記目次へ 次の記事へ 前の記事へ