
トルコ旅行記の第13回です。
中世の面影が残る「第二のサフランボル」、シリンジェ村を散策しました。
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2010年9月23日。

10時過ぎにシリンジェ村に到着。昼食が11:15からなので、それまで自由時間となりました。
シリンジェ村は昔ながらの雰囲気を残す小さな村で、近年「第二のサフランボル」と呼ばれるなど観光地として人気上昇中です。サフランボルは中世の宿場町の家並みが残り、世界遺産にも登録されているのですが、いかんせん場所が首都アンカラの北200キロの所にあり、往復するだけで1日つぶれてしまいます。実はサフランボルにも行きたかったのですが、サフランボルが入ったツアーは上記の理由でかなりの強行軍になってしまうため、今回はあきらめました。シリンジェ村ならエフェソスからも近いため観光のメインルートから外れることなく余裕のある日程が組めるのです。人気の理由は立地条件にもありそうです。

シリンジェ村は5世紀頃から続く古い村ですが、かつてはトルコ人ではなくギリシャ人が住んでいました。しかしトルコ共和国成立に伴う戦争の結果小アジアからギリシャ勢力を撤退させ、1924年にはここシリンジェ村に住むギリシャ人とテッサロニキに住むトルコ人の間で住民交換が行われました。このため、シリンジェ村にはギリシャのような雰囲気が残ると言いますし、教会の跡ものこっています。そして犬や猫がうろうろしています。

かつてギリシャ人が生活していたこの村は今でもワインの生産が盛んです。

急坂を登り、村の上部まで行ってみましょう。

見てくださいこの角度を。

石畳の道が続きます。

おばあさんたちが井戸端会議を開いています。「ギュナイドン(こんにちは)」と声をかけたら、「ギュナイドン」と返してくれました。

丘の中腹まで上がってきました。教会の跡が見えます。

斜面に張り付いて家が並びます。

なんだか不思議な雰囲気ですが、観光地化されているわけでもなく、いい雰囲気です。

さまざまな露店が出ています。

露店の店先で寝る猫。店主のおばあさんは猫をどかすでもなく、じっと座っています。

色とりどりです。

小さな露店が並びますが、あまりがつがつしていないようです。

教会の近くまで来たところで、ワイン売りのお兄さんに、「チャイニーズ?」と声をかけられました。
「ノー!ジャパニーズ!」
「モウカリマッカ?」
「ぼちぼちでんな」
ここでなぜかお兄さんと硬い握手を交わしました。
ただ露店売りのワインは屋外に長く置かれているため悪くなっていることが多いと聞きますし、なにより割れ物を持って急坂を上り下りしたくはありません。「教会を見たらまた後で来るよ」と言い残してその場を離れました。
しかしなぜ中国人に間違われたのでしょうか。ガイドさんいわく、「観光客相手に商売をしている人間が日本人と中国人を間違えるはずが無い」とのこと。
実はこれ、日本人を釣るためのテクニックなのです。
「日本人ですか?」と声をかけても無視されますが、「中国人ですか?」と聞くと私のように否定してくる日本人が多いため、これをとっかかりにしてセールストークに移れるのだとか。良く考えたものです。

そんなことを考えている内に教会の敷地に入りました。

数年前までは廃墟同然だったそうですが、現在はアメリカの篤志家の手で修復が進んでいます。

教会内部。絶賛修復中です。

キリスト像などがわずかに残っています。

2階に上がると土産物屋の息子が遊んでおり、カメラを向けたらポーズをとってくれました。

教会を出て再びぶらぶらします。またしても猫発見。

教会を見上げます。

自由行動の出発点となった場所の尖塔が見えてきました。

このあたりはお土産ゾーンです。

犬が日向ぼっこをしています。

さあ歩き回ったらお腹がすきました。昼食は元学校の建物を利用したレストランです。

レストランからはシリンジェ村の家並みが良く見えます。ガイドブックに載っている写真ですね。

大きな松の木の下での昼食。最高です。

料理は肉料理にスープにパン。そしてワインの産地だけあってワインが美味しかったです。

食べ終わりましたので建物の中に入ってみます。掲示板に海部俊樹元首相のお手紙が。

昔のヨーロッパのような雰囲気です。

でも部屋はアラブの雰囲気。なんとも不思議な建物でした。
美しい町並みと美味しいワインを堪能し、次は世界遺産パムッカレに向け出発です。
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