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オーストリア旅行記の第30回です。
ツェル・アム・ゼーからオーストリアを代表する景勝路線に乗り、ザルツブルクに戻ります。

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ピンツガウ地方鉄道の旅を堪能し、国鉄線を乗り継いでザルツブルクに戻ります。
次に乗る14:47発予定のヴェルグル(Wörgl Hbf)行快速列車(REX1508)は、予告された遅れよりもさらに遅くなり、11分遅れの14:58にツェル・アム・ゼー駅(Zell am See)に到着しました。

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ここから先はオーストリア屈指の景色を誇る区間とのことで、車窓風景が今から楽しみです。列車はしばらくツェル湖畔を進みます。

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草原とアルプスの山々をぼんやりと眺めます。

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牧場がありました。牛がのんびりと寝そべっています。その向こうには白い雪を戴いた山々が見えます。

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チロルの家々。一軒一軒ベランダの花の色が違います。

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チロルの谷間の村。教会を中心に、肩を寄せ合うように家々が集まっています。

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見晴らしの良い丘の上を走ります。曇っているのが残念です。

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キッツビュールに着きました。チロル州を代表するリゾート地のひとつで、アルペンスキーの大会会場として世界中にその名を知られています。
広大なスキー場が集まり、冬になると世界各地からスキーヤーがやってくる街です。

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きれいな湖が見えてきました。雪を戴いた山が湖面に映っています。

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ちょっと晴れてきましたね。気持ちのいい草原です。

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チロルの谷間に消えていく細い道。あんな道を自転車で走ったら気持ちいいでしょうね。

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列車は山の斜面に張り付くように、Uの字に大回りしながら谷間を下っていきます。正面には先ほど走ってきた線路が木々の間にのぞいています。

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5分遅れの16:28に終点ヴェルグル駅(Wörgl Hbf)に到着。素晴らしい景色を堪能できました。

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ヴェルグル駅(Wörgl Hbf)はインスブルックとザルツブルクを結ぶ幹線上にある交通の要衝です。
西に行けばインスブルック、チューリヒ、北へ向かえばドイツのローゼンハイムやミュンヘン、分岐してザルツブルク、南東はツェル・アム・ゼーからザルツブルク方面へと向かう山越えルートです。
ただ、大きな町ではなく、これといった観光資源もないため特急の半分が通過してしまい、2時間に1本しか停車しません。今度の列車は17:41発のウィーン行特急列車(OEC961)で、出発まであと1時間10分あります。
何があるかよくわかりませんが、ひとまず街を一回りしてみようと思います。

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駅前通りを歩きます。この辺りはお店が多く集まっているようです。車がスピードを出せないよう曲がりくねっています。

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落ち着いた商店街ですね。
ところで、このヴェルグル(Wörgl)の街は1930年代の世界大恐慌の際、独自の地域通貨を発行して地域経済の再生に成功した稀有な歴史を持っています。
その地域通貨は1932年に当時の町長が考案したものです。町長自身が借り入れた金を担保にして「労働証明書」という地域通貨を発行し、町職員や失業者対策事業の給与として使用しました。
この地域通貨の特徴は毎月額面の1%に相当する印紙を貼らないと無効になってしまうことで、つまり毎月1%ずつ価値が減っていくということです。このため町の人々は手元に持っていて価値が減ってしまうよりはと、できるだけ早くこのお金を使おうとするようになりました。
おかげで町内でお金が回るようになり、地域通貨は消費を大幅に促進する効果を上げました。記録によるとこの地域通貨は13.5か月間実施され、その間平均464回も循環し、本来の通貨の10倍以上の流通速度を誇ったそうです。
経済が活性化したヴェルグルはオーストリアで初の完全雇用を達成した街となり、アメリカをはじめとした恐慌に苦しむ世界中の都市から注目を集めるようになったのです。

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こうした輝かしい近代史を持つヴェルグルですが、特に旧市街や名所旧跡があるわけでもなく、景勝地があるわけでもありません。

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教会がありました。教会のそばに本屋があり、時刻表を探しに入ってみたのですがありません。うろうろしていたら店員に英語で声をかけられました。

「何かお探しですか?」
「えーっと、時刻表を探しているんです」
「はい?」
「タイムテーブルです」
「え?」

こまりました。タイムテーブルが通じません。ならばドイツ語です。時刻表はドイツ語で「Fahrplan」です。

「あの・・・、Fahrplanを」
「え?(困った顔)」

これも通じません。私の発音が悪いのでしょう。
ここでついに最終手段です。綴りを書いて店員に見せました。

「オー!ファールプラン!」

やっと通じました。アクセントが違っていたようです。しかし英語で返ってきた答えがこれ。

「時刻表なら駅にありますよ」
「そうじゃなくて、冊子のものが欲しいんです」
「冊子はありませんねぇ」

ウィーンに続き、ヴェルグルでも撃沈。
どうやらオーストリアの本屋では時刻表を売っていないようです。
数年前ロンドンでは駅構内の本屋で買えたのですが・・・。
わたしはすごすごと本屋を出ました。

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しばらく中心街をうろつき、観光案内所で地図をもらいました。観光地ではないため、特にこれといった場所はなさそうです。

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住宅街をプラプラ歩きます。

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きれいな水の川がありました。住みやすそうな街ですね。

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ヴェルグル駅(Wörgl Hbf)に戻ってきました。まだ時間があります。駅構内はそれなりに大きく、売店やピザ・ケバブの店があります。
これからザルツブルクに戻って夕食にする予定ですが、ピザ屋のカウンターにあるピザがおいしそうなのでつい頼んでしまいました。
一切れ2ユーロ。カウンターに並んだ様々な種類のピザを指さすと、店員がオーブンで温めてくれます。一切れのサイズが日本より桁違いに大きく、日本で同じものを頼めば1000円はするでしょう。
お値段がお得で、しかもおいしい。駅のグルメはなかなか侮れません。
ホームのベンチでピザをかじっていたら、17:41発のウィーン行特急列車(OEC961)がほぼ定時で入ってきました。私はそれに乗りザルツブルクに戻りました。
ヴェルグルを出るとすぐにドイツ国内に入りますが、オーストリア国鉄のウィーン行特急列車はドイツ国内のすべての駅を通過します。こうした列車は回廊列車と言い、かつてEUではなかったころも、ドイツ国内無停車といことで出入国手続きが省略されていたそうです。

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19:07にザルツブルク駅(Salzburg hbf)に到着。今日は昨日とは違う店にしてみました。駅前からバスに乗り、旧市街の手前のミラベル宮殿前バス停で下車。
今日はアルターフックス(alter fuchs)という店にしてみました。「歩き方」にも載っており、観光客だけでなく地元民からの人気の店なんだそうです。

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入ってみたら地下蔵風のレストランで、座席はほぼ埋まっています。日本人もいます。
店員に「カウンターでもよいか」と聞かれ、カウンターに案内されました。

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まずビールとターフェルシュピッツというウィーンの伝統料理を頼んでみました。
ターフェルシュピッツは牛肉の煮込み料理で、肉自体には味がほとんどありません。付け合せのソースタルタルソースかアップルソースをかけて食べます。
アップルソースは妙に酸っぱく、あまりおいしくありません。正直肉にかけるソースじゃないような・・・。
でもタルタルソースは普通の味で、付け合せの野菜はにんにく風味でおいしかったです。
ビールを出してくれた兄ちゃんが、「うまいかい?」ときいてきたので「うまいよー」と答えました。
そしてワイン。ハウスワインがデキャンタで2.4ユーロ。安い割においしく、赤と白両方頼んでしまいました。
ちなみにターフェルシュピッツが15.9ユーロ、ビールの500mlが3.6ユーロでした。

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ワインを飲んで、いい気分です。酔い覚ましに歩いて帰ることにしました。
夜のザルツブルク新市街、新市街と言っても歴史ある街並みです。

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教会の尖塔がライトアップされています。幻想的で美しいです。

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新市街を駅に向かって歩きます。この辺りはファッション関係の店が多いようです。

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カフェ兼お菓子の店。コックさんが空を飛んでいます。

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ちょっとした広場に出ました。

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旧市街へと向かう橋の近くに出ました。なぜか歩道に噴水があります。

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駅の方向に歩きます。

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マカルトプラッツのバス停。系統ごとに次のバスが何分後に来るか表示されています。

22時前にホテルに帰り、今日一日を振り返りました。
無事に列車を乗り継いだものの、実は少し後悔しています。
ピンツガウ鉄道の終点クリムルにある滝は、なんとヨーロッパで最大級の滝だったのです。
クリムル駅からクリムルの滝まで歩いて1時間、バス便もあります。もっとよく調べるべきでした。
クリムルでの滞在時間を2時間ではなく3時間にすれば、滝まで行けたかもしれません。

クリムルの滞在を2時間にして、12:33発の列車にした理由は、ヴェルグル到着が遅れた場合に備えて余裕ある日程を組んだためです。
次のクリムル駅13:33発の列車にした場合、ツェル・アム・ゼーの発車が1時間遅れ14:55着、ヴェルグル行は15:47となり、ヴェルグル駅17:23着。ザルツブルク方面は17:41発で、ザルツブルグ19:07着。
ヴェルグル駅での接続時間が18分になりますが、どうせ同じ列車です。ヴェルグルは予想以上に何もありませんでしたから街歩きする必要はなく、クリムル出発を1時間遅らせても支障はなかったのです。ましてやヴェルグルで1本逃したとしても2時間待ち、22時までにはザルツブルクに到着できます。

うーん失敗した。
列車が遅れた場合に発生するヴェルグル駅での2時間待ちを嫌った結果、絶景を見逃してしまいました。
でもまあこれも経験ですよ。初めての一人旅で、すべてがうまくいくはずないのですから。

明日は待ちに待ったザルツカンマーグート観光。
写真を一目見てどうしても乗りたかったシャーフベルクの登山鉄道に乗ります。
天気予報は晴れ。明日が楽しみです。


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