
オーストリア旅行記の第31回です。
9月21日。オーストリア旅行もこれで6日目。
ザルツブルクはようやく晴れました。待ちに待ったザルツカンマーグート散策。まずはバスでザンクト・ギルゲンに向かいます。
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2011年9月21日水曜日。オーストリア旅行もこれで6日目です。
朝7時に起床。窓を開けたら雲一つない青空が広がっていました。
昨日も一昨日も雨ばかりでした。うれしいですね。この晴天を待っていたのです。
朝焼けのザルツブルク旧市街とホーエンザルツブルク城塞をしばらく眺めました。
今日はザルツブルクの東にある観光地、ザルツカンマーグートを巡ります。
ザルツカンマーグートはハルシュタットとともに、「塩と共に発展を遂げた街、ザルツブルクの東南に広がる山岳・湖水地帯の真珠」として、1997年に世界遺産に登録されました。

ではまず今日の行程を説明しましょう。
ザルツブルク中央駅からバスでヴォルフガング湖畔の街ザンクト・ギルゲンに移動。そこからヴォルフガング湖の遊覧船で登山鉄道のあるザンクト・ヴォルフガングに向かいます。所要時間40分。
ザンクト・ヴォルフガングからはシャーフベルク登山鉄道に乗り山頂へ。昼食を食べて登山鉄道に乗り下山します。登山鉄道は片道45分。山頂での時間を入れると往復3時間はかかります。
下山後はザンクト・ヴォルフガングからバスに乗車。皇帝の別荘もある温泉地として有名なバート・イシュルに向かいます。所要40分。
バート・イシュルで街歩きをした後はバスで1時間半かけてザルツブルクに戻り、夕方の列車で2時間かけてインスブルックに移動する予定です。
私はネットでバス、船、登山鉄道の時刻を調べ、以下のような計画を立てました。
ザルツブルク中央駅(Salzburg Hauptbahnhof)8:15発 → ザンクト・ギルゲン(St.Gilgen)9:05着 (バス150番)
ザンクト・ギルゲン(St.Gilgen)10:15発 → ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)10:55着 (遊覧船)
ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)11:00発 → シャーフベルク山頂(Schafbergspitze)11:45着 (登山鉄道 Schafbergbahn)
シャーフベルク山頂(Schafbergspitze)13:10発 → ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)13:50着 (登山鉄道 Schafbergbahn)
ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)14:13発 → バート・イシュル(Bad Ischl Bahnhof)14:55着 (バス546番)
バート・イシュル(Bad Ischl Bahnhof)16:24発 → ザルツブルク中央駅(Salzburg Hauptbahnhof)17:57着(バス150番)
ザルツブルク中央駅(Salzburg Hauptbahnhof)18:53発 → インスブルック中央駅(Innsbruck Hbf)20:52着(鉄道)
普通、一人旅と言えば「きまま」というイメージです。
しかし「至高の乗継」を目指す鉄道オタクの性なのか、私の場合は一人旅でも「きまま」とは程遠く、いつも綱渡りになっています。
特に今日のスケジュールはこの旅行で最も失敗が許されないものになってしまいました。
ザルツブルクからザルツカンマーグートへは、鉄道を利用してアットナング・プッハイム駅(Attnang-Puchheim)からバート・イシュル、ハルシュタット方面行の列車に乗り換える方法と、ザルツブルク駅前からバート・イシュル行のバスに乗る方法の2つあり、どちらも1時間に1本程度の本数が確保されています。
問題はその先で、本日のメインであるザンクト・ギルゲンからザンクト・ヴォルフガングまでの遊覧船と、ザンクト・ヴォルフガングからのシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)の本数が非常に少ないのです。
まず遊覧船。6月下旬から9月上旬までの夏のシーズン中は9時から運航され、10時から17時までは30分間隔と大変便利です。
しかしシーズンオフになると運航便数が大幅に減ってしまい、9月下旬になるとわずか6往復しかありません。
10:15発が始発で、その次が12:00です。その後の便では日が高いうちにバート・イシュルにたどり着けません。
そして今日一番厄介なのがシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)。
9:15、10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00と約1時間おきに運行されています。
夏場なら9:00の船があるので10時の登山鉄道に乗れますからかなり余裕ができます。
ところが困ったことに、今はオフシーズン。ザンクト・ギルゲン10:15発の船が始発です。そんなわけで、オフシーズンである9月下旬はザルツブルクからどんなに急いでも11時以降の登山鉄道になってしまいます。
そしてさらに問題があります。10:15発の始発の遊覧船に乗れたとしてもまったく安心できないのです。
ザンクト・ヴォルフガング到着が10:55、11時の登山鉄道までわずか5分しかありません。5分で切符が買えるのでしょうか。おそらく無理です。しかしそれでも後の予定を考えると、どうしても午前中の11時の列車に乗らなければならないのです。
シャーフベルク登山鉄道は事前に予約ができないようで、当日切符を買うしかありません。行きの切符は乗車時に買い、頂上に着いてから帰りの便の整理券をもらうシステムとなっています。
しかし「地球の歩き方」やネット上のほかの旅行記を読むと、天気のいい日は朝のうちにすべての便の切符が売れてしまい、午後に駅に行っても乗れないことがあるのだとか。
しかも、運よく昼の便に乗れても帰りの昼に下山する便の整理券がすでになくなっており、夕方まで山頂で足止めを食らう可能性すらあるらしいのです。
それは困ります。バート・イシュルを散策できないばかりか、最悪インスブルックにたどり着けなくなってしまいます。
なにしろ3日ぶりの晴天です。ピークほどではないにせよ、かなり混雑するのは間違いありません。
朝のうちにザンクト・ヴォルフガングの登山鉄道の駅に行くには、現地に宿泊するしかないのでしょう。
もっとも11時の登山鉄道の次は12時の便がありますから、最悪それには乗れるはずです。しかし山頂で昼の下山便の整理券を確保できなければ足止めされてしまいます。
せっかくですからバート・イシュルに行きたいですし、バスオタクとしては景色が良いことで知られるザルツブルク〜バート・イシュル線を全区間きっちり乗りたいのです。
リスクを減らすには、なんとしても10:15ザンクトギルゲン発の遊覧船、そして11時発の登山鉄道に乗らなければなりません。しかし乗継5分では切符を買う時間が・・・。
思わず頭を抱えてしまいましたが、調べていくと切符に関してはなんとかなりそうな手段がありました。
ザンクト・ギルゲンからの遊覧船とシャーフベルク登山鉄道の乗車券がセットになった「コンビチケット」を、ザンクト・ギルゲンの遊覧船乗り場で購入することができるのです。
しかも登山鉄道の時間指定もできます。話によると、登山鉄道の駅で切符が売り切れていても、ザンクト・ギルゲンの遊覧船乗り場ならコンビチケットを購入できるのだとか。
これならば行けます。俄然光明が見えてきました。登山鉄道の駅がどこにあるのかわかりませんが、地図を見る限りそう離れてはいないはず。あとは船が遅れないことを祈るのみです。

そんなわけで朝7時に起床。
晴れてくれたおかげで今日は予定通り動くことができそうです。よかった、まずは一安心。
さっそく着替えてホテルのレストランに朝食を食べに行きました。
しかし残念ながら満席。14階建てのホテルの割にレストランが狭いのです。
席が空くのを待っていたら今後の予定に支障が出ます。やむを得ません、朝食は昨日同様パンにしましょう。
私はすぐさま荷物をまとめ、フロントでチェックアウトしました。
ザルツブルク駅に戻ってくるのでホテルにスーツケースを預かってもらう必要があります。
フロントのお姉さんにその旨を告げたところ、フロントの横の空きスペースを指さし、そこにおくように言われました。
荷物室でも区切られたスペースでもありません。ちょっと心配でしたが、すでに他のスーツケースも置かれています。
私は意を決してスーツケースを預け、駅前のパン屋でパンを買ってからバス乗り場に向かいました。

駅前のバス乗り場に行ったら長蛇の列ができていました。どうも学校の遠足と重なったらしいです。

ザルツブルクからのバスに乗るには事前に自動販売機で切符を買う方法と、乗車時に運転手に運賃を払う方法の2通りがあります。どちらでもよいのですが、駅にある自動販売機はボタンが100個近くあって複雑なため、ほとんどの人が切符ではなく運転手に行先を告げてお金を払っています。
そのためか列がなかなか進みません。乗れるのか心配になってきました。

ザンクト・ギルゲン(St.Gilgen)までは5.9ユーロ。車内はほぼ満席でしたが、引率の先生の隣の席が空いており、先生に手招きしてもらってなんとか座りました。

8:20に発車。バスはザルツブルクの市街地を抜けると、ザルツカンマーグートに向け坂を登っていきます。車内では子供たちの話声でにぎやかです。

しばらくするとフッシュル湖が見えてきました。きれいな湖です。

遠足の子供たちはこの湖の近くのバス停で降りていき、車内が静かになりました。

車内の案内表示。次のバス停とこれから止まるバス停、行先を示しています。
欧米のバスは次に止まるバス停を案内しないことが多く、事前に下調べをしないと非常に利用しづらいのですが、ここはさすがに世界的な観光地。
英語とドイツ語で案内があります。

9:15、ザルツブルクから約1時間でザンクト・ギルゲン(St.Gilgen)に到着しました。10人ほどの客が降ります。日本人もいるようです。
バス停にはバスの転回スペースと待合所があり、上り下りとも同じ場所に止まります。
ザンクト・ギルゲンはヴォルフガングの北西の湖畔にある小さな町です。
モーツァルトの母の出身地であり、またモーツァルトの姉のナンネルがこの村に嫁ぎました。
しかしモーツァルト自身は一度もこの町を訪れていないのだそうです。

ふと上を見上げるとロープウェーが動いています。湖を見渡せる1522mのツヴェルファーホルンという山の上まで行けるそうです。
乗ってもいいですが遊覧船の出航まで1時間弱。そこまでの時間はありません。

「地球の歩き方」の地図を頼りに遊覧船乗り場まで歩いて行きました。バス停からは5分ほど歩いたでしょうか。湖畔の小さな黄色い建物がどうやら乗り場らしいです。

しかし建物は空いておらず、「チケットは船内で買ってください」という札が下がっていました。
買えないのは困ります。ですがまだ開く時間になっていないだけかもしれません。しばらく街を散策して、もういちどのぞいてみることにしましょう。

そういえばまだ朝ご飯を食べていません。私は遊覧船乗り場の近くのベンチに腰を下ろし、ザルツブルク駅前で買ったパンをほおばりました。

波もなく、静かな湖面に朝日が輝いています。少々冷えますが、心地よい朝になりました。

まだ朝早いせいでしょう。船着き場には人の姿がほとんどありません。

パンを食べ終わったのでしばらくザンクト・ギルゲン(St.Gilgen)の街を散策することにしました。
船着き場のそばにお土産屋があり、もう店を開けています。サウンド・オブ・ミュージックと日本語で書いてあります。

さらに歩くとモーツァルトの母の生家が見えてきました。姉のナンネルも結婚後の17年間この家に住んだのだそうです。
窓には母と姉のレリーフが飾られています。

現在は簡易裁判所として使われているのですが、その中の一室が夏場限定でモーツァルト記念室として公開されています。

さらに歩くと教会の尖塔が見えてきました。街の中心部のようです。

豊かな緑とカラフルな建物が印象的です。

それにしても大きな木です。樹齢何年でしょう。

歴史を感じされる建物です。保養地として知られるだけあって、ペンションや飲食店が目立ちます。

町の庁舎の前のモーツァルト広場です。広場の周りにはレストランやカフェが集まっています。まだ朝早いせいか店はやっていません。

中央の花壇には少年時代のモーツァルトの像があります。
花に囲まれながらヴァイオリンを弾くモーツァルト少年。絵になる像です。

出航20分前に遊覧船乗り場に戻りました。
よかった、オフィスが開いています。私はさっそく遊覧船と登山鉄道のコンビチケットを買いました。

これがチケットです。中央左にコンビカルテと書いてあります。
お値段は40.2ユーロ。別々に買うと船賃6.6ユーロ、登山鉄道29ユーロ、合計35.6ユーロですから少々割高です。
ですがこのコンビチケットには遊覧船の終点であるシュトローボルまでの運賃が入ってしまうのでやむを得ませんし、駅では買えないかもしれない登山鉄道の切符を確保できたと思えば安いものです。
それにしても見方がよくわかりません。右下に11時とありますからたぶん大丈夫でしょうけど、念のため「これで11時の登山鉄道に乗れますよね?」と聞いてみました。
もちろん「大丈夫です」とのこと。多少船が遅れても待っていてくれるということなのでしょうか。それも気になります。

切符も買ったし一安心です。いつの間にか遊覧船乗り場に人が増えてきました。

待つことしばし、湖の向こうから船がやってきました。あの船でシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)の乗り場があるザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)を目指します。
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