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オーストリア旅行記の第33回です。
今日はザルツカンマーグート散策。シャーフベルク登山鉄道で2000メートルの山を一気に登ります。

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ザルツカンマーグート路線図

ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)からはシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)に乗ります。
シャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)はザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)から標高1783メートルのシャーフベルク山頂まで40分かけて登る観光用の登山鉄道です。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」にも登場するので、鉄道ファンのみならず映画ファンにも知られ、世界中から観光客が押し寄せます。
しかしザルツブルクからのアクセスが悪く、登山鉄道の本数も少ないせいか、日本からのツアーには組み込まれないことが多いようです。

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10:58、ザンクト・ヴォルフガング(St.Wolfgang)の遊覧船乗り場に到着。登山鉄道の出発は11:00。あと2分です。
団体客が乗るのですから11:00発のシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)の列車は発車を待ってくれるでしょう。
しかし重要なのは窓際の席をゲットできるかどうかです。とにかく窓際に座って景色を!
私は遊覧船を降りるや否や猛ダッシュし、草野球で鍛えたフットワークを生かして団体客の列をを抜き去り、シャーフベルク登山鉄道の駅に入りました。
切符をすでに持っているので切符売り場に並ぶ必要がありません。ホームの入口で係員に切符を見せます。何やら写真を撮られましたが、そんなことを気にする余裕はありません。とにかく窓側です。

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ホームには2編成止まっていました。いずれも赤い客車2両を赤い機関車が後ろから押す形になっています。
客車に通路は無く、ドアを開けて横1列のベンチに腰掛ける形になります。
窓際が空いている席を探して前方の車両まで走って行ったら、幸いにも前方に止まっている客車の窓際に空きがありました。しかも車両の左側です。
ネットで調べた限りでは右側よりも左側の方が景色がいいらしいのです。走った甲斐がありました。発車にも間に合いましたしほっと一安心です。

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隣の線路では機関車が給水しています。急勾配に対応するため車体が斜めになっています。
ちなみに蒸気機関車のような形をしていますが、実際は重油で動く「なんちゃってSL」です。

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山頂への登山列車は10分遅れの11:10に発車。団体がいたので遊覧船との接続をとってくれたようです。
駅を出るとすぐに急坂に入りました。線路の間にあるギザギザのレールをラックレールといい、これに機関車の歯車を噛み合わせてのぼっていきます。このような方式をアプト式といい、勾配の急な登山鉄道に多く導入されています。
日本では静岡県にある大井川鉄道井川線の一部区間がアプト式ですね。かつては碓氷峠もそうでした。

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眼下にヴォルフガング湖が広がります。絶景かな絶景かな。

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湖面が輝いています。この辺りが「湖水地帯の真珠」と呼ばれる理由がわかりますよ。

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車内の様子。向かい合わせのベンチが狭苦しく並んでいます。みんな窓を開けて写真を撮っています。

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列車はじわじわと高度を上げていきます。機関車に後ろから押されるのですが、遅い割にかなり揺れます。
機関車はシュッシュッとSLのような音を立てており、煙突から煙も出しますからほとんどSLと言っていいでしょう。
しかし時たま油のにおいがしてきます。不思議です。

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途中駅に止まりました。列車の行き違いのため少々止まります。ここで降りてトレッキングを楽しむ人たちも多いのだとか。

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遠くまで広がる山並みが見えてきました。

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再び走り出しました。山頂まではあと少し。だいぶ高度が上がってきました。

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フッシュル湖周辺の集落が見えます。

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山頂は雪が残っています。少々かすんでいますが、それでもきれいな景色が広がります。今日は晴れて本当に良かった。山の天気は変わりやすいですし、昨日までずっと雨でしたから感激もひとしおです。

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あっという間に40分経ってしまったようで、気が付いたら終点の山頂でした。景色に見とれているうちに時間を忘れてしまったようです。
山頂駅では「列車から降りたらすぐに階段を上がり、窓口で帰りの列車の整理券をもらってください」と繰り返し案内しています。
そうなのです。この整理券をもらい忘れると希望の列車に乗れず山の上で足止めを食らってしまいます。私は階段に並び、予定通り13:10発の整理券をもらいました。これで一安心です。

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駅舎を出ました。皆思い思いに記念撮影をしています。

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それにしてもずいぶん高いところまで登ってきましたね。

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機関車が切り離され、列車の先頭に移動しています。

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山頂を目指します。山頂にはレストランやホテルがあるようです。標高2000メートル近いだけあってかなり寒いのですが、半袖短パンの人がいます。

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眼下には湖がきれいに見えています。

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下山する列車が発車の準備をしています。

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山頂のレストランやホテルに物資を引き上げるための線路。かなりの急勾配です。

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シャーフベルクの山頂。とんがっています。

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いくつもの湖が見えます。コバルトブルーの水面と緑の草原が絶妙なコントラストです。
このシャーフベルクの山頂は東アルプスでも最も眺めの良い場所の1つとして知られているそうです。
たしかに素晴らしい景色ですね。

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山頂の展望台をぐるりと歩きながら景色を堪能しました。眼下にはモントゼーの湖が見えています。
景色の写真を撮っていたら、現地ガイドとおぼしき日本人のおばさんから「写真をとってあげましょうか?」と聞かれ、お言葉に甘えました。
そうこうするうちに12:10発の列車が山を下っていきます。船で一緒だった日本人の団体はこれに乗ったようです。あわただしいですね。

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お腹が空いてきました。ご飯にしましょう。断崖絶壁の先にもレストランがあります。

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小さなレストランです。

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レストランはもう一軒あり、山頂の大きなホテルのレストランには空席がありました。
システムがわからなかったので開いている席に座ると、ほどなく店員のおばさんがメニューを持ってきました。
メニューがドイツ語なのでよくわかりませんが、水とクネーデルを頼んでみます。

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時刻は12時を過ぎたところです。ちょうど昼ご飯の時間ですね。徐々に客が増えてきました。

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屋内にもたくさんの席がありますが、テラス席もこのように用意されています。景色を見たければ断然こっちですね。

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右を向けばこんな光景が広がっています。眼福眼福。アルプスの大パノラマを眺めながらの贅沢な昼食ですよ。

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やがて13時発の列車が登ってきました。

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クネーデルがきました。小麦粉やチーズを練りこんだお団子です。おいしいのですが、付け合せの野菜が妙な味でした。
お代は29.9ユーロ。山の上ですから高いです。

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お土産屋さんがあります。

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昼食を食べた後は駅に戻り、13:10発の列車で下山します。
帰りの列車の整理券は発車前に車掌に回収されました。

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景色を眺めながらのんびりと下っていきます。

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かなりの急勾配です。

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13:50、ふもとの駅に到着。いやぁ最高でした。このシャーフベルク登山鉄道(Schafbergbahn)には万難を排しても乗る価値があると思います。

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掲示板に乗客一人一人の写真が掲示されています。駅構内に入る際に写真を撮られましたから、その時のものでしょう。
1枚5ユーロ。少々高いような気もしますが、記念に購入しました。乗る前は急いでいたのでカメラの方を向いていません。

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シャーフベルクの登山鉄道の駅前です。ここからバスに乗って次の目的地、バート・イシュル(Bad Ischl)を目指します。



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