
オーストリア旅行記の第50回です。
9月24日、景色が良いことで知られるアールベルク線に乗って、インスブルックから国境の街フェルトキルヒに向かいます。
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2011年9月24日土曜日。
オーストリア旅行も終盤の9日目を迎えました。
今日はインスブルックから半日かけてウィーンに移動し、夜は楽友協会の豪華なコンサートホールでモーツァルトコンサートを鑑賞する予定です。
ただ、単にウィーンに移動するだけでは面白くありませんし、時間が余ります。せっかくここまで来たのですからアルプスを走る鉄道にもっと乗りたいです。
そこで、インスブルックからウィーンとは逆方向のスイス方面に向かうアールベルク線に乗り、適当な場所で折り返してそのままウィーンに向かうという行程にしました。
20:15からのモーツァルトコンサートに間に合わないのは困りますから、余裕のある計画を立てる必要があります。
時刻表を調べたところ、早朝にインスブルックを出て、フェルトキルヒというリヒテンシュタインに近い国境の街で降り、2時間後に出る特急列車に乗って引き返せば日暮れ前にウィーンにたどり着けるようです。
インスブルック中央駅(Innsbruck Hbf) 6:03発(OIC760) → フェルトキルヒ駅(Feldkirch) 8:14着
フェルトキルヒ駅(Feldkirch)10:12発(RJ163) → ウィーン西駅(Wien Westbahnhof) 16:44着
インスブルック中央駅(Innsbruck Hbf)からブルーデンツ(Bludenz)に至る路線はアールベルク線(Arlbergbahn)と呼ばれ、オーストリアを代表する景勝路線として知られています。
インスブルックからアルプスを横断してスイス方向に向かう幹線鉄道であり、チューリヒなどに向かう国際列車を含め特急が1時間に1本程度走っています。
景勝路線ならば見逃せませんね。せっかくここまで来たのですからぜひ乗りましょう。
折り返し地点のフェルトキルヒは地球の歩き方によれば「中世の佇まいが残る小さな街」とのこと。情報が少なく何があるかよくわかりません。
もっと先まで行けないことはないのですが、それだと乗継時間が短くなりすぎます。もし列車が遅れて乗継に失敗したら悲惨なことになりますから、今回は慎重を期しました。
乗り継ぎ時間は約2時間あります。待ち時間で旧市街を散策できそうですね。旧市街は駅から徒歩10分なんだそうです。

そんなわけで今日は5時に起きました。5時40分にホテルをチェックアウトして、6:03の特急列車に乗ります。
2両ある1等車の客は私一人。食堂車がなく、車内で朝御飯を食べる目論見が外れてしまいました。何も買っていませんので、フェルトキルヒで何とかしましょう。
列車はインスブルックを定刻に発車しましたが、車窓は真っ暗。40分ほど走り、エッツタール駅を過ぎたあたりでようやく明るくなってきました。

定刻の7:24にザンクト・アントンに停車。チロル観光の起点となる駅の一つです。ほぼ時間通りに走っています。

チロルアルプスの山々が朝日を浴びて輝いています。

今日も晴天に恵まれました。

ブルーデンツ駅に到着。ここまでが景勝路線のアールベルク線です。

8:14、定刻でフェルトキルヒ(Feldkirch)に到着しました。

駅舎は真新しくきれいです。地下通路を通って駅舎に向かいます。

ウィーン行の列車は10:12発。約2時間の余裕がありますので、フェルトキルヒの旧市街まで行ってみましょう。
幸いこの駅にはスーツケースを預けられるコインロッカーがあります。なんと日本語にも対応していました。

しかし、ボタンを押すと出てきたのはこんなメッセージ。
「ロシカーノ サーヒスヲ オコナシテイマセソソ」
なんでしょうかこれは。日本語?
2,3回読み返して、ようやくこのロッカーが使えないことがわかりました。英語版でやってみても同じ。
こうなったらスーツケースを引きずって散策するしかありません。

その前に朝食です。フェルトキルヒ駅構内のパン屋でパンを2つ買いました。英語が通じたので、あとは欲しいパンを指さすだけです。ベンチで食べ、いざ旧市街見物に出発!

駅を出ました。時刻は8:40です。

旧市街に向け歩きます。静かな朝です。
フェルトキルヒ(Feldkirch)はオーストリア最西部のフォアアールベルク州にあり、人口は約31,000人。スイスやリヒテンシュタインとの国境に近く、中世から交易の中継都市として栄えました。
日本での知名度はありませんが、ヨーロッパでは中世の街並みがそのまま保存された都市として知られています。

歩くこと10分。旧市街の象徴である「猫の塔」が見えてきました。

交差点を曲がると大聖堂の尖塔が見えてきました。旧市街への入口に位置し、1287年ごろにロマネスク様式で建設されたもののその後焼失し、現在残る建物は1478年に完成した後期ゴシック様式のものです。

大聖堂の脇の道を入れば旧市街です。大聖堂はあとで見学するとして、まずは街歩きを楽しみましょう。

崖に張り付いて建っているのがシャッテン城です。1260年ごろから建設が始まった古城で、15世紀ごろに現在の姿になりました。現在は市の歴史博物館となっています。

旧市街をあてもなくぶらぶら歩いてみます。小さな街なので、1時間半あれば十分に回れるでしょう。

歴史がありそうな建物です。壁面の絵には1376年とありました。

石畳の道の両側に古い建物が並んでいます。

シャッテン城のすぐ下まできました。今日は時間がありませんので博物館には行きません。再訪する機会があるかどうかはわかりませんが。

朝早いせいか観光客の姿はまばらです。でもいい雰囲気の街です。

画廊の犬。こちらをずっと眺めていました。

旧市街のメインストリートに出ました。

朝市が開かれています。中世から変わらない光景なのでしょう。

メインストリートの突き当りに教会があります。時刻は9時を回りました。

花や野菜、果物など、様々なものが売られています。いかにもヨーロッパの小さな街という雰囲気で、心が温まります。

こちらは野菜やヒマワリです。買い物客で賑わっていました。

朝市を冷やかしながらメインストリートを歩いていたら、前方にこれまた由緒ありそうな建物が見えてきました。

1階はブティック、2階はGasthof Linggというレストランになっています。

この絵はいったい何なんでしょう。

メインストリートから少し歩くと猫の塔が見えてきました。この円形の塔はもともと要塞の一部で、1491年から1507年にかけて建設されました。
周囲は旧市街の入口となるバス停になっています。

観光案内所を見つけたので入ってみました。
「地図を下さい」と声をかけたところ、美人のお姉さんから地図だけでなく、町の歴史を書いた小冊子までもらってしまいました。
なんでも日本人はほとんどこの街に来ないらしいです。

旧市街の地図です。通りの名前や、見どころが書いてあります。

街の歴史を案内する小冊子。結構分厚いです。タダでもらうのが申し訳ないほどです。

中身は英語でした。あとでじっくり読んでみます。
美人のお姉さんに「この街を楽しんでね」と言われ、観光案内所を出ました。

まだ時間があるのでぶらぶら歩きます。

ずいぶん古そうな木造の建物です。ペンションのようですが。

市庁舎がありました。1493年に完成した歴史ある建物です。壁面のフレスコ画は街の出来事にちなんでいるそうです。

なにやらいろいろ描かれています。

この人たちも街にゆかりのある人たちなんでしょうか。
さて、そろそろ時間です。大聖堂を見学して、駅に戻らなければなりません。
しかし似たような古い建物が並んでいるせいか、現在位置がよくわからなくなってしまいました。
地図を見て目印を探していたら、犬の散歩をしていた夫婦に「どうかしましたか?」と声をかけられました。
私は地図を見せて「大聖堂まで行きたいんですが?」と尋ねたところ、奥さんはドイツ語しかしゃべれないようでしたが旦那さんが英語で教えてくれました。
親切な人たちです。

教えてもらった道順をたどり、大聖堂まで戻ってきました。入れるようなので入ってみましょう。

フェルトキルヒの大聖堂は1478年に完成した後期ゴシック様式の教会です。
華美な装飾があるわけではなく、どちらかと言えば質素な作りですが、ステンドグラスから降り注ぐ朝の光が七色に降り注ぎ、なんとも言えない神々しい雰囲気を醸し出しています。

後ろを振り返るとパイプオルガンがあります。広い教会ですが、見学者も参拝者も誰もいません。

薄暗い聖堂に七色の光が差し込んでいます。私はしばし言葉をなくし、聖堂に立ち尽くしていました。
しかし、のんびりしているわけにはいきません。時刻は9:55。そろそろ駅に戻らないと10:12発の特急列車に間に合いません。
後ろ髪引かれる思いで大聖堂を出て、急ぎ足で駅へと戻りました。
中世の香りが残る街フェルトキルヒ(Feldkirch)。
小さいながらも歴史的建造物が立ち並ぶ旧市街があり、街歩きを楽しむことができました。
別に行きたくて行ったわけではないのです。景色が良いことで知られるアールベルク線に乗りたいからという理由で選んだ街。
単に乗継が便利だから、ウィーンへの折り返し地点として選んだだけの街。
特に期待していませんでしたが、行ってみると実に趣のあるいい街です。
まさに思わぬ大当たり。一人旅は失敗もあれば大成功もあります。団体旅行では味わえない面白さです。
私はとても満ち足りた気分になり、一路ウィーンを目指したのでした。
フェルトキルヒ公式サイト
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オーストリアにも野球はあって、この町のチームに日本人がいるようです。
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