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台湾旅行記の第1回です。
1月6日。羽田空港から台北松山空港に飛び、そのまま故宮博物院に向かいました。

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2012年の1月6日から1月10日までの5日間で台湾に行ってきました。
きっかけは些細なもので、正月に沖縄か北海道に旅行しようかとANAのホームページを眺めていたところ、たまたま調べた台湾へのチケット代の方が沖縄や北海道よりも安かったからです。
そういえば台湾には行ったことがありません。私は衝動的にチケットを抑えてしまい、それから情報収集を始めました。

色々と考えた結果、初めての台湾ですのでまずは鉄道で一周し、余った日数で台湾高速鉄道やローカル線に乗ることにしました。
台北は故宮しか観光しないという、カタギの皆様から見れば妙なプランですが、まあ鉄道オタクが考える旅行なんてそんなものです。
最終的にネットでホテルと鉄道の切符の予約、購入を行い、準備万端の状態で当日を迎えました。

1月6日朝8時。リムジンバスで羽田空港国際線ターミナルに到着しました。
いつも海外へ行くときは成田ですから、どうも海外に行くという気分になりません。
出国手続きはあっさり済み、台北松山空港行きANAのNH1185便は定刻9:40に出発しました。

台北には台北郊外の桃園空港と台北中心部の松山空港という2つの空港があります。
台北松山空港はながらく国内線専用の空港でしたが、近年は中国、羽田便などアジアからの国際線が発着するようになりました。台北からは地下鉄を乗り継いで30分ほどで、バスで1時間以上かかる桃園空港よりも格段に便利です。
おまけに建物が小さいですから手続きもすぐに終わります。12:40に到着し、入国審査は質問無しで通過、あっという間に手続き終了です。
空港内で日本円から台湾元に両替しました。30,000円が11,466台湾元。1円は約2.61台湾元、手数料30元です。

外貨に両替することでやっと外国に来たという気分になってきました。
でも水を買おうと入ったコンビニがセブンイレブンで、おまけに日本語が通じました。
売っているものは台湾オリジナルの物もあれば日本の物もあり、「関東煮」という名前でおでんが売られていました。

今日はまず台北の故宮博物院を見学する予定です。
台湾の故宮博物院はメトロポリタン、ルーブル、エルミタージュと並ぶ、世界4大博物館の一つと言われています。
所蔵品の数は膨大でなんと合計60万8985点。3ヶ月に1回の割合で展示品の入れ替えを行うため、全ての所蔵品を見るためには10年近くかかると言われています。

故宮博物館は台北市の北部にあり、台北松山空港からはMRTと呼ばれる地下鉄3路線とバスを乗り継ぐ形になりますが、それだと遠回りの上時間がかかってしまいます。
なので私は松山空港からタクシーでショートカットすることにしました。考えてみれば外国のタクシーに一人で乗るのは初めてです。
ちょっと不安ですが、地下鉄を乗り継ぐと3倍以上の時間がかかります。覚悟を決めて、タクシー乗り場に向かいました。

外に出ると大雨が降っています。日本よりも暑く、気温は15度近くありそうです。
並んでいたタクシーに乗り込み、メモ用紙に「故宮博物院」と書いて見せました。
運転手さんは「コキュウネ」と言い、車を走らせます。メーターはきちんと倒れており、ボッタクリではなさそうです。
13:15ごろに空港を出発し、故宮博物院に着いたのが13:35ですから約20分。だいぶ速く着きました。
料金は185元。日本円で約400円弱ですから安いです。しかも博物館の入口まで乗り入れてくれました。

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さっそく入ってみましょう。屋内は冬でも冷房が効いています。書画などは涼しい環境に置かないと劣化しやすいため、1年中冷房をつけるのだそうです。外よりも寒く、一度脱いだコートを着なおしました。

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入口はこの上になります。世界各地から団体客が押し寄せていました。日本の団体もいますが、それよりもいかにも中国大陸から来たらしい団体が目立ちます。
彼らは非常に騒がしく、悪い意味でも目立っていました。

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入館料は160元ですが、事前に台湾観光協会のキャンペーンに申し込むと無料券が送られてきます。
ただし日本語のオーディオガイドは有料で100元。借りる際にパスポートを預けなければなりません。
また、荷物やカメラの持ち込みは不可なのでクロークに預ける必要があります。
私は空港から直接タクシーで乗り込みましたから大荷物です。クロークの係員は私を見るとなんとクローク内の倉庫に入るよう手招きし、自分で荷物を棚に置くよう身振りで指示しました。
そう簡単に一般人を入れていいんでしょうか。なんだか適当です。

さて、見学開始です。
故宮博物館の展示エリアは1階から3階まであり、時期限定の特別展から常設展など、部屋ごとに様々な文物が展示されていました。
1階はまず清代の皇帝のコレクション。陶磁器やら玉、書画など様々な文物が展示されていました。皇帝が中国全土から収集して、きちんと目録を作って管理していたとのことです。
また清代の貴族の家具展、特別展示として清・中華民国の外交文書、条約文書などが展示されていました。日清戦争後に締結された下関条約の書面など、教科書に載っている事柄についての外交文書がほとんどで、歴史好きなら楽しめること間違いなしです。

2階は陶磁器と書画。
素朴なものからどうやって作ったのかわからないほどの精巧な細工が施された陶磁器まで、大量の所蔵品がありました。
書画は草書や楷書など、書道の発展についての展示、水墨画などの展示がメインです。
唐代の絵を清代に西洋技法を取り入れてリメイクした絵があり、比較できるのが面白いと思いました。

3階は青銅器、玉器、彫刻。
青銅器の展示にはあまり人が集まっていませんが、玉器と彫刻の展示コーナーには黒山の人だかり。たしかに素晴らしいです。台湾人、大陸人に最も人気があるようです。
玉器は様々な宝石を加工して出来上がった芸術品です。水墨画の世界を掘り込んだものや、どうみても白菜にしか見えないもの、豚肉の角煮の形をした玉など、見る者の心を鷲掴みにするお宝ばかりです。
玉、石、竹、木、牙、角、骨などで作られた彫刻工芸を集めた展示コーナーはとにかく「すごい」の一言。
5センチほどの大きさの象牙でできた船は、中に人が乗っており、窓が開け閉めできるのです。精密機械がない時代にどうやって作ったのでしょう。
そのほかにも、技術の粋を集めた芸術品が多数収蔵されています。圧倒されながら見学するうちに、あっという間に時間がたっていきました。

私が行ったのは金曜日ですが、午後1時以降に入ったら団体客でかなり混み合っていました。
日本の団体もいますが、目立つのは中国大陸からの団体客です。とにかくうるさく、玉や彫刻品などに興味があるようでした。
ただ彼らは玉と彫刻以外なら速足で見学しますから、日本語のオーディオガイドを聴きながら見学していれば団体に追い抜かれて静かになります。
ただそのオーディオガイドも展示物の3割程度しかカバーしていません。もっとも、一つ一つの展示物の説明をかなり丁寧にしますから、全部の展示物について説明を聴いていたら1日じゃすまないでしょう。

そんなこんなで16:40に見学終了。3時間以上かかりました。
展示物のすべてをざっとみるだけでもこれだけの時間がかかります。しかし、時間を忘れて見入ってしまうようなすばらしい収蔵品が多々ありました。
これは絶対に見る価値がありますね。主な収蔵品については故宮博物院のホームページに解説がありますので、ぜひご覧ください。

故宮博物院 各フロアの案内

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故宮博物院の外観です。

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故宮博物院の近くは住宅街になっています。

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私は中庭を歩き、出口へと向かいました。強い雨が降っています。
あたりはだいぶ暗くなってきました。。今日のホテルは台北駅前のシーザーホテル。タクシーで行ってもいいですが、バスと地下鉄を乗り継いだ方が安いので、帰りはバスにしました。
「地球の歩き方」にはこの近くのMRT(地下鉄)の「士林駅」に行く系統の番号が出ています。博物館から駅へは10分ほどで着くようです。
ところが、地球の歩き方に書いてある系統のバスはいつまでたってもやって来ず、それ以外の番号の系統のバスばかりがやってきます。よくわからないまま数台バスを見送り、やがてやってきた何台目かのバスにはそれまで待っていた大勢の客がほとんど乗り込みました。
みんなが乗ったということは駅に行くのでしょうか。しかし側面の経由地表示には「士林駅」を通るという記載がありません。はたして乗っても良いものか・・・。
私が戸惑っていたら、先に乗った女性が私の方を見て「このバスはMRTの駅に行きますよ」と、手招きしてくれました。

バスに乗ると先程手招きしてくれた親切な女性が日本語で話しかけてきました。
「日本人ですよね。台湾は初めてですか?」
「さっきはありがとうございました。台湾は初めてです」
「初めてなのに一人で来たんですか?中国語はしゃべれますか?」
「ええ、まあ・・・。中国語はまったくしゃべれません」
「すごいですねー。それで、日本のどこに住んでいるんですか」
「千葉です」
「千葉?ディズニーランドがありますか?」
「よくご存じで」
「日本には何回か行ったことあります。台湾にはいつ来ましたか?」
「今日です。空港から故宮に直接行きました」
「故宮博物院へはどうやって来たんですか?」
「台北松山空港からタクシーで来たんです。だからバスの乗り方がわからなくて」
「タクシーは高いでしょう。バスやMRT(地下鉄)の方が安いですよ」
「時間を節約したかったので・・・」
「でもお金もったいないです。今度来るときはバスがいいですよ。今日はこの後どこに行きますか?」
「台北駅近くのホテルまで行きます」
「私もこれからMRTの台北駅の一つ先の駅の日本語学校に行きますから、いっしょに行きましょう」
「助かります!ありがとうございます」

なんて優しい人なんでしょうか。台北駅まで案内してくれるそうです。
聞けば故宮でガイドなどのボランティアをしており、日本語学校にも通っているそうです。
決して流暢な日本語ではありませんが、初めての国のバスはハードルが高いですから、ありがたい限りですよ。

バスは多くの立ち客を乗せて走っています。そういえば乗るときに運賃を払いませんでした。

「バスは士林駅まで15元です。降りるときに払ってください。おつりは出ません。」
「安いですね。でも5元の小銭あったかな?」
「小銭を払うのは面倒です。いちいちお金を払うより、悠遊カード(ヨーヨーカード)を買うといいですよ。駅に売っています。台湾に来た記念にもなりますから後で買いましょう」

悠遊カード(ヨーヨーカード)はEasycardといい、要はスイカやパスモのようなプリペイド式のIC乗車券です。
これにお金をチャージすれば台北市内のバス、MRT(地下鉄)、台湾鉄道局の台北近郊区間にも乗れるほか、台北市内の一部飲食店やコンビニ等でも使える非常に便利なカードです。

そうこうするうちに士林駅のバス停に到着。乗客のほとんどが降りました。駅周辺は繁華街になっており、服飾関係の店や飲食店が集まっています。
「MRT(地下鉄)はとっても便利です」という話をしながら数分歩くと駅が見えてきました。地下鉄と言ってもこの辺りは高架区間です。
駅に着き、さっそく悠遊カードの買い方を教えてもらいます。自動券売機で買えるそうなのですが、女性の指示に従ってボタンを押すと「デポジット込みで500元入金してください」とのメッセージが出てきました。
デポジットが100元で、残り400元がチャージ分です。
「400元分も乗らないんだけど、困ったな」
初乗りが数十元の世界ですから、1日乗りまわっても400元は使いません。何回か試しましたが結果は同じ。
すると女性は私を連れて改札の有人窓口に向かい、駅員に中国語で説明を始めました。するとデポジットとチャージ込みで200元でよいとのこと。どうやら駅の窓口なら安く買えるようです。
ともあれ親切な女性のおかげで無事悠遊カードを購入できました。一人だったら購入できたかどうかわかりません。
ちなみに使わなくなった場合は駅の窓口でカードを返却すればデポジットが戻ってくるそうです。

悠遊カードを改札にタッチし、エスカレーターでホームに上がります。

「エスカレーターは歩く人が左、立つ人は右です。左を開けて右に寄ってください」
「右?関西と同じなんですね。日本は関東が右を開けて、関西が左を開けるんですよ」
「そうなんですか。そういえば台湾が日本だったころ、日本から来た役人の多くは大阪から来たと思います」
「へー。それと関係あるかもしれないですね」

ホームに上がるとすぐに電車がやってきました。かなり混んでいます。

「混んでいますね」
「今は帰宅時間ですから混んでいます」

MRTの車両は日本の地下鉄に比べてかなり幅広いのですが、それでもつり革がほぼふさがる混み具合です。
車内は清潔で、落書きやゴミはありません。
私が現在乗っているのはMRTの淡水線。台北を南北に貫く主要路線で、日中でも4分間隔で運行されています。
駅間は短く、すぐに次の剣潭駅に着きました。

「剣潭駅は士林夜市の最寄駅です」
「夜市って屋台が集まっているところですよね」
「そうです。とても楽しいですよ。ぜひ行ってみてください」
「今日はちょっと無理なんです。明日の朝早く出発するもので」
「明日はどこに行くんですか?」
「高雄です。台湾を一周して、明後日に台北に戻ってきます」
「高雄ですか。高雄にも夜市がありますよ」
「なんていうところですか?」
「六合夜市です。大きいので観光におすすめです」

親切な女性は「六合夜市」とメモ用紙に書いて渡してくれました。なんて親切なんでしょうか。
さらにMRTのレクチャーもしてくれました。

「車内での飲食は罰金です。気を付けてください」
「日本とは違いますね。だから綺麗なのかな?」
「ドアの上に次の駅の名前が出ています。漢字は読めますか?」
「読めますよ。台湾の漢字は略されておらず、日本に近いですから。逆に中国の簡体字は読めないです」
「そうですね。大陸の簡体字は省略しすぎです。台湾人でも読めません」
「へー台湾の人も読めないんですか」
「大陸では漢字の美しさが忘れられています。あれは良くありません」
「その通りですね」

漢字の国のありがたさで、台湾の現地の読み方はできなくても、日本語読みで意味が通じます。
そうこうするうちに台北の駅が近づいてきました。

「今日は本当にありがとうございました。おかげで助かりました」
「どういたしまして。台湾の人は日本が大好きなんです。困っていたら台湾人が助けてくれますよ。だから何かあったら声をかけてください」
「台湾の人たちはとても親切ですね。東日本大震災の時もたくさん寄付していただいたし、なんとお礼を言ったらよいか・・・」
「困ったときは助け合うのですよ。台湾大地震のときに日本が支援してくれたことの恩返しでもありますから」

本当にありがたいことです。最後にもう一度お礼を言って、地下鉄を降りました。
それにしても、初日からとても親切な台湾人のお世話になりました。台湾って最高ですね。

私が泊まるホテルは「シーザーパーク ホテル タイペイ (台北凱撒大飯店)」です。台北駅の目の前にあり、地下鉄の駅から地下道を通って直接入ることができます。
地下1階は飲食店はレストラン街になっていましたが、せっかくなので台湾ならではの食事にしたいもの。荷物を置いてから街へと繰り出しましょう。でも故宮見学で疲れているので座って食べられる店です。
台湾と言えば小龍包の鼎泰豊ですから、まずはそこに行きたいです。決めました。
ただ、明日以降に備えて台北駅で鉄道の切符を入手しなければなりません。夕食の前に台北駅に寄っていきましょう。

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ホテルのフロントは日本語が通じ、簡単にチェックインできました。「グレードアップしておきました」と言われ、どんな部屋かと入ってみたらびっくり。

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ずいぶん広い部屋です。駅前のそこそこ高いホテルですから1泊1万円程度取られていますが、日本ならもっとするはず。やはり台湾は物価が安いです。

次回は鼎泰豊で小龍包です。

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