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台湾旅行記の第3回です。
台湾旅行2日目。今回の旅のメインはやはり鉄道です。
台北駅から特急自強号で台湾南部の大都市、高雄へと向かいました。

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2012年1月7日。
7時に起きて、ホテルのレストランでバイキング形式の朝ご飯を食べました。種類が豊富で、味は普通です。
今日は鉄道に乗って台湾の西海岸をを南下し、台湾第二の都市高雄に向かいます。

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今日乗車するのは台北を8:00に出発し、終点高雄には12:50に到着する自強171号です。
自強号は台湾鉄道の特急列車に相当します。名前の由来は1971年に台湾が国際連合を脱退した際の「恭しく自らを強め、状況の変化に驚くことなかれ」というスローガンなのだそうです。台湾にはこうしたスローガン的な地名が多く存在しています。

台北駅はたくさんの列車が発着しますが、ホームは少なく2面4線しかありません。本数が多い割にホームの数が足りないため、台北駅で列車が折り返す余裕はありません。そのため台北にやってきた普通列車も特急も台北駅をそのまま通り過ぎ、別の駅で折り返します。
そんなわけで台北は始発駅ではありません。ほとんどの列車は発車予定時刻ぎりぎりに入線してきますから、あまり早くホームに降りても意味はなく、発車10分前の7:50に駅に向かいました。

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ホームに降りるとすぐに自強171号が入ってきました。
台北から西海岸を南下し高雄に至る路線は西部幹線と総称され、台湾鉄道で最も重要な大幹線です。
西部幹線はいくつかの線区に分かれており、まず台湾北部の港湾都市基隆から竹南までが縦貫線 (北段)となっています。
竹南から彰化までは海側を行く路線と山側の台中を経由する路線に分かれ、海線が海岸線、山線が台中線となります。
彰化から高雄までは縦貫線 (南段) で、明日乗車予定の高雄から枋寮までが屏東線です。
特急に相当する自強号は縦貫線の基隆や七堵始発の列車に加え、台湾東岸の花蓮や台東からロングラン運行で乗り入れてくる列車が入り乱れ、かなり複雑なダイヤグラムとなっています。
私が乗る自強171号も台北始発ではなく、蘇澳という東海岸の街からやってきます。

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土曜日の朝。みなどこかに出かけるのでしょうか。ホームは列車に乗る人々で賑わっています。

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自強号に乗車。座席は7割ふさがっています。この列車は前方と後方に動力車が連結されるヨーロッパ型の編成で、機関車は南アフリカ製、客車は韓国製です。
座席番号を確かめ、私の席を見つけましたが、残念ながら通路側でした。
台湾の鉄道の座席番号の付け方は日本と異なり、原則山側が奇数、海側が偶数で、隣同士の番号が1つ飛んでいます。
具体的には以下のようになっています。

↑高雄
1 3  4 2
5 7  8 6
9 11  12 10
13 15  16 14
17 19  20 18
21 23  24 22
25 27  28 26
29 31  32 30
33 35  36 34
37 39  40 38
41 43  44 42
45 47  48 46
49 51  52 50
53 55  56 54
↓台北

残念。44は窓側じゃありませんよ。ちなみに、明日以降乗る予定の列車の切符もほとんどが通路側です。
ただ、台湾の優等列車は原則全席指定ですが、一部の例外を除き座席指定なしの「無座票」という切符を売っています。
いわゆる立ち席特急券とは異なり、席が空いていれば座ってもよく、指定券を持った客が来たらその席を譲らなければならないことになっています。
幸い私の隣の窓側の席が空いています。私は窓側に座り、誰か来たらどくことにしました。

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定刻の8:00に出発した自強号はしばらく地下を走り、地上へと出ました。台北近郊の市街地が続いています。
車内はほぼすべての座席が埋まっています。私の隣にも女性が座りました。娘さんを2人前の座席に座らせています。
しばらくすると女性から英語で話しかけられました。
「どこから来たんですか?」
「日本です」
「この路線は85年前に日本の手によって建設されました。昔台湾は日本が支配していたんですよ。知っていましたか?」
「はい。知っています」

そうです。台湾の主要幹線は日本統治時代に建設されました。そのため鉄道は左側通行、道路は右側通行という妙なことになっています。

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天気は曇り時々雨。カラフルな看板が目立ちます。

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桃園駅に到着。台湾を代表する桃園空港への最寄駅です。台湾ではプラットホームのことを月台と言います。日本の1番線、2番線とは異なり、同じホームの両側は1A、1B。隣のホームが第二月台となります。

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日本に比べると外壁の汚れが目立ちます。掃除しないんでしょうか。それとも台風のせいでしょうか。

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台湾を出発して1時間。新竹が近づいてきました。新竹はIT関連の工場や企業が集中する大都市で、「台湾のシリコンバレー」と呼ばれているそうです。
台北の曇り空が嘘のように晴れ渡っています。

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まもなく新竹駅です。太平洋そごうデパートの白いビルが見えます。

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海水浴場の入口が見えます。中国風ですね。

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遠くに海が見えます。南国の海です。

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台北と高雄を結ぶ西部幹線は途中山線と海線に分岐します。この自強号は山線経由。海線の線路が遠ざかっていきます。

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9:40に苗栗到着。隣のホームに最新鋭の日本製通勤電車が止まっています。

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駅構内には小さな鉄道博物館があります。今度台湾を訪れるときに行ってみましょう。

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ヤシの木が生えています。

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のどかな風景が広がっています。

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北回帰線を過ぎれば、そこは熱帯。ますます南の島の雰囲気が出てきました。

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10:24に新烏日駅を通過。台湾高速鉄道の台中駅に接続しています。在来線の台中駅は別の場所にありますから紛らわしいです。

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台中周辺を通過します。看板と人でにぎやかです。

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菜の花でしょうか。1月なのに黄色い花が咲き誇っています。

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バザーかフリーマーケットか。多くの人が集まっています。台中駅では乗客の半分近くが入れ替わりました。

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台湾は原チャリで行動する人がとても多いです。

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員林駅付近の踏切。原チャリの群れが列車の通過を待っています。

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妙な行列を見かけました。寺院に向かっているようです。伝統衣装を着た人々の後ろにチアガール。祭礼でしょうか葬式でしょうか。

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11時を過ぎたあたりで車内販売のおじさんが駅弁を売りに来ました。乗客の半分以上が買っています。となりの女性も頼むようです。
台湾の車内販売は日本のようにゆっくり歩くことはせず、通路を足早に通り過ぎてしまいます。まごまごしていると注文できません。

「弁当を売りに来ました。80元です。あなたも弁当を頼みますか?」
「はい、頼みます」

隣の女性は自分たちの駅弁を買った後に私にも声をかけ、車内販売のおじさんに「この人も弁当を買いますよ」というようなことを中国語で説明してくれました。おじさんは日本語で「オベントウ、ハチジュウゲン」と言いながら私に弁当を手渡してくれました。
やはり台湾は親切な人が多いです。

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これが台湾の駅弁です。ご飯の上にハムと巨大な骨付き豚肉の揚げ物、エビフライが載っています。ブロッコリーやキャベツもあり、日本の駅弁より明らかに野菜が多いです。ご飯も0.6合はあるでしょう。
しかもまだ温かいです。おそらく作りたての弁当を途中駅で積み込み、すぐ売りに来たのでしょう。
味の方は若干油っぽく、濃い味付けですがおいしいです。
これで80元。日本円にして200円程度。安い!安すぎる!

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小さな寺院が見えました。

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駅弁を食べ終わり、再び景色を眺めます。11:30に嘉義駅に停車。比較的大きな駅です。

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街中を抜けると田んぼが広がっています。

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総統選挙が近いからでしょう。選挙の幟やポスターが目立ちます。

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台南駅に到着。車内はようやく空いてきました。新幹線ができた割に在来線の乗車率がいいのは、台湾高速鉄道が高運賃なのと、街の中心部から離れた位置に駅を作っているからでしょう。

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台南は高雄と並び台湾南部の大都市です。パソコン関係やエプソンのプリンターの看板が出ています。

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終点の高雄が近づいてきました。

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台湾高速鉄道が開通したせいか、沿線の開発が急ピッチで進んでいます。

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大きな寺院が見えます。高雄の観光名所の一つです。

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まもなく高雄駅に到着します。台北からほとんど途切れることなく市街地が続いていましたね。あまりきれいな風景は拝めませんでした。

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12:50、自強号は定刻で高雄に到着しました。台北から約6時間。車内は快適で、長いとは感じませんでした。
さて、これからどうしましょうか。高雄駅周辺には正直あまりそそられるものがありません。
「地球の歩き方」を読むと高雄の近郊に古い街並みが残る旗山という街があり、高雄からバスで1時間半なんだとか。行ってみましょう。


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