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イタリア野球観戦記の後編です。前編はこちら
2012年5月5日、ボローニャで行われたボローニャ対ノヴァーラ戦は、15:30より試合開始となりました。
はたしてG.G.佐藤の活躍は?
イタリアのプロ野球の模様をご覧下さい。


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さあ試合開始です。今日は晴天に恵まれました。天気予報では雨の可能性ありとのことだったので一安心です。
実は私の他にもう一人日本からわざわざ野球を見に来た物好きな方がいたんですよ。せっかくですので一緒に観戦することにしました。

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ボローニャの先発はLuca Panerati、イタリア人の若手ピッチャーです。
パネラッティはまだ22歳ながら、2008年はEuropean Cupに出場。2010年には米マイナーのルーキーリーグで、2011年はルーキーリーグとシングルAで投げていました。
5月13日時点での成績は防御率2.20、3勝1敗。コントロールもよく、なかなかいいピッチャーですよ。千葉ロッテに欲しい逸材ですね。

アメリカ時代の成績はこちらです。

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対戦相手のノヴァーラ。リミニなどと首位争いを演じる強豪ボローニャとは対照的に、ノヴァーラはまだこの時点で1勝もしておらず、最下位を独走しています。

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ライト側。こうしていると日本の二軍戦を見ているような気分になりますが、時折鳴り響く教会の鐘の音が「ここはヨーロッパなんだ」と思い出させてくれます。

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ライトの選手。どうも捕り方が怪しいです。

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チームメイトと談笑するGG佐藤。うまくチームに溶け込んでいるようですね。

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観客席の様子。この日の入場者数は公式発表によると80人でした。近所に住む野球好きのオヤジたちと、若いファンが少々。あとは選手の家族でしょう。
私達の近くには現地在住の日本人の方も観戦しています。その中にやけに美人の子連れママがいると思ったら、G.G.佐藤の奥さんでした。ボローニャに住んでいるのでしょうか。
そしてGG佐藤の娘さんは他の選手の娘さんと一緒に球場内で遊びまわっていました。イタリア語と日本語なのにちゃんとコミュニケーションできているようで、なんだかほほえましかったです。

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さあボローニャの攻撃です。

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ランナーが一人出たのでGG佐藤まで回ってきそうです。

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4番指名打者GG佐藤。相変わらずスタンスが狭い独特のバッティングフォームです。

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残念ながら第一打席は内野ゴロでした。

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対するノヴァーラの先発はAntonio NOGUERA。5月13日現在防御率5.62、0勝5敗です。

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モーションの途中で完全に停止します。どう見ても二段モーションです。日本ならボークですね。
なにやら妙なピッチングフォームですがそこそこスピードがあり、この日はボローニャ打線を終盤まで抑えました。

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ノヴァーラのショート。色は黒いですがイタリア国籍らしいです。

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ノヴァーラのベンチ。

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体を動かすGG佐藤。

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イタリアの野球はあまりリードを取らないのでしょうか。他の選手もだいたいこれぐらいのリードです。そしてこのリードから盗塁を仕掛けていました。

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ボローニャのサード。強豪だけあって守備が堅いです。

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5-4-3のダブルプレー。

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ゲッツーが決まりました。弱いチームだとなかなか決まらないのだとか。

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4回裏1アウトランナーなし。GG佐藤の第二打席です。

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ファールで粘るGG。

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GG打った!

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打球はレフトフェンス手前でバウンドしスタンドイン。エンタイトルツーベースとなりました。
うーん惜しい!あと少しでホームランだったのに!

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2塁上で破顔一笑のGG佐藤。しかし残念ながら後続が倒れこの回は無得点でした。4回終わって0-0です。

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ボローニャベンチの様子。

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送りバントを決めたボローニャ。と思いきやノヴァーラから打球がバットに当たったと抗議され、アウトになりました。イタリアの野球はしっかり送りバントをやってきます。

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6回裏1死1,2塁のチャンスでGG佐藤の第3打席。

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強めのゴロがサードへ!まずいゲッツーだ、と思ったらサードが打球をこぼしています。エラーですが記録はなぜかヒット。

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形はアレでもヒットはヒットです。どうもピッチャーに比べ野手の、とりわけ守備のレベルはまだまだこれからのようです。

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GGのヒットで満塁となり、続くLIVERZIANIの犠牲フライで3塁ランナーがホームイン。ようやくボローニャが1点を先制します。

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ランナーをハイタッチで迎えるボローニャベンチ。

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2塁にヘッドスライディング。

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ユニフォームの片側だけが汚れています。あまりバランスのいいヘッスラではないようです。

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ショート後方へのフライ。非常に危なっかしいです。

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転びながらもキャッチ。やっぱり打球の追い方が怪しいですね。日本で教えるような基本技術はあまりイタリアで教えないのでしょうか。身体能力と反射神経だけで守っているようなものです。

前の試合ではノヴァーラにコールド勝ちしたボローニャですが、この日は終盤まで攻めあぐねています。
その理由は7回途中まで投げたノヴァーラの先発ノグエラが強豪ボローニャ相手に1失点と好投したからです。
ノグエラ降板時にはボローニャのファンからも拍手が起こっていましたね。イタリアのサッカーの試合だと相手チームにひたすらブーイングする印象がありますが、野球は違うようです。マイナー競技である野球を愛する者同士としての連帯感があるのかもしれません。

ようやくボローニャ打線がつながったのは8回裏です。ボローニャは2番手ピッチャーのORTAを攻めます。
まずは無死ランナー1塁で迎えたGG佐藤の第4打席。今度は携帯で動画を撮ってみました。


見事レフト前ヒット。GG佐藤はこの日3安打猛打賞です。

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このチャンスに後続のバッターもヒットで続き、ランナー一人がまずホームイン。2−0となります。

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ヒットで出塁したGG佐藤も3塁へ。

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またタイムリーヒットが出てGG佐藤がホームイン。3−0。

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ボローニャはこの回3番手のFORTUNATOからもタイムリーヒットを打ち4−0としました。

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9回表。最終回です。

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実はこの時点で18:15。試合開始から2時間45分が経過しました。
イタリアの野球は思ったより時間がかかります。7回裏に「Take Me Out to the Ball Game」が流れるぐらいで他にたいしたイベントはないんですが、ピッチャーの間合いが長いのでしょうか。

私はこの後ボローニャ中央駅に戻って19:22発のミラノ行き特急列車に乗る予定でしたので、バスで30分以上かかることを考えると、遅くとも18:30ごろには球場を出る必要があります。
ショートからのワンバウンドの送球を腰高のファーストが後に逸らしてヒヤッとしましたが、続くバッターを抑えてなんとか2アウト。

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このピッチャーは7回から登板している2番手のMatteo D'Angelo。今年24歳になる期待の若手です。2007年のヨーロッパ選手権など国際試合の経験もあります。
なるほど、イタリア人の優秀なピッチャーを何人も抱えているからこそ、ボローニャは強いのですね。

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最後のバッターをセカンドゴロに打ち取り試合終了。4−0でボローニャが勝利しました。

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勝利のハイタッチを決めるボローニャの選手たち。

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チームメートとハイタッチするGG佐藤。今日の勝利に大きく貢献しました。
実はこの後19:30からダブルヘッダーの第2試合が行われます。見たいのですが時間がありません。泣く泣く球場を出ました。しかし、バスに乗ってボローニャ中央駅に戻ったら目当ての列車がなんと70分遅れ。せっかく急いだのに・・・。

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しょうがないのでボローニャの街を散歩して時間を潰しました。ボローニャはレンガ造りの古い建物が並ぶ、とても美しい街ですね。時間があればぜひ1泊して街歩きを楽しみたいものです。


以上、イタリア野球観戦記でした。
ヨーロッパで野球を、しかもプロ野球を観るのは不思議な気分です。
特にサッカー全盛のイタリアでも野球を熱心に応援するファンがいるなんて、野球ファンとしてはとても嬉しいですね。

イタリアの野球はG.G.佐藤が言うように決してレベルが低いわけではなく、特にピッチャーのレベルが高いです。
そのピッチャーと対戦するバッターのレベルも上がっているようですが、1試合だけではなんとも言えない部分もあります。少なくともボローニャにパワーヒッターはいないようです。
一方、守備や走塁はかなり雑です。特に守備については基本的な技術を教えていないのか、身体能力とセンスだけで守っている選手も見受けられました。
なので、全般的なレベルはまだまだこれからと言えるでしょう。

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野球場のセンター後方には登録されている選手たちの出身国の旗が翻っていました。当然我らがGG佐藤の出身国、日本の旗もあります。G.G.佐藤は遠い異国で日の丸を背負って戦っているんですね。それもたった一人で。
それでもG.G.佐藤はとても楽しそうにプレーしていました。おそらくG.G.佐藤は野球ができる喜びを一心に味わっているのでしょう。
5月13日現在20試合に出場し打率.338、12打点、1本塁打という数字を残しています。
G.G.佐藤の活躍に触発されて、今後日本でもヨーロッパに目を向ける選手が増えていくのでしょうか。
試合前本人に聞いてみました。

「G.G.佐藤選手が活躍すれば、今後イタリアでプレーする日本人選手が増えるかもしれませんね」
「うーんどうでしょう。外国人枠の問題があるから、結構難しいですよ」

G.G.佐藤本人は意外にも厳しい見方をしています。
確かにメジャー経験者と3人の外国人枠を競うわけですから、傍から見る以上に大変な戦いなのでしょう。
それでも、私はG.G.佐藤に期待したいです。
G.G.佐藤の挑戦はプロ野球選手の新たなセカンドキャリアを開拓するものですし、なによりも今後多くの日本人選手が活躍すればヨーロッパ野球がより盛んになるかもしれません。夢のある話です。
G.G.佐藤はきっと日本野球とヨーロッパ野球との架け橋になってくれることでしょう。今後の健闘を祈ります。

ボローニャの成績
ノヴァーラの成績
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