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ニューヨーク旅行記の第4回です。
2日目、2012年7月15日。
人生初のマイナーリーグ観戦。
ポータケット・レッドソックス対バッファロー・バイソンズの試合がいよいよ始まります。
ところで、この試合のポータケットの先発ブランドン・ダックワースが楽天入りしたとのこと。
びっくりしました。

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■ 2日目 2012年7月15日 日曜日

ニューヨークのマンハッタンから電車とタクシーを乗り継いで3時間半。
ロートアイランド州ポータケットにあるマッコイスタジアムに到着しました。
今日はここでレッドソックス3Aのポータケット・レッドソックス、略してポーソックス対メッツ3Aのバッファロー・バイソンズの試合が行われます。

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チケットは前から2列目のスペシャルリザーブド、11.5ドルのチケットを買いました。さっそく中に入ってみます。
今日はパスクチが4番指名打者でスタメン出場です。
試合中はたっぷりとパスクチの姿を堪能し、試合後は突撃インタビューですね。

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暑いので冷房が効いているグッズショップに入りました。
マイナーリーグの球場とは思えないほど立派です。ユニフォームや帽子、様々な種類のTシャツなどが売られていました。

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グラウンドではポーソックスの選手がキャッチボールをしています。天然芝のきれいな球場ですね。

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試合前のグラウンドでどうも別の試合をしているようですが、ユニフォームが変です。

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これは20世紀初頭の、ベーブ・ルースのころのユニフォームを復刻したものなのでしょうか。

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相手チームも大昔のユニフォームです。そして守備はキャッチャー以外グローブをつけていません。
どうやら20世紀初頭の野球を再現するイベントのようです。

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試合開始まで時間があるので球場内をぶらつきます。1塁側の後方では大きなテントがあり、飲食スペースになっていました。

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球場内通路。売店やATMなどがあります。私はここでホットドックとコーラを買いました。
カードで買ったのですが、「チップを入れてね」という小箱があり、1ドル札が何枚も置かれています。私も1枚差し出しました。

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これがホットドック。巨大ソーセージが入っている"だけ"のシンプルかつ豪快なホットドックです。
味もシンプルですが、おいしいです。一気に食べてしまいました。

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で、この人たちは何をしているのでしょう。バケツにひもを括り付けて、ベンチに向けて垂らしているようですが・・・。

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答えはこれ。選手たちにサインをもらうため、こうして客席からベンチに向かって紐で結んだ様々なものを垂らしているのです。ここはグラウンドレベルよりも客席が高いため、このようなことになるようです。

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ここマッコイスタジアムはアメリカのプロ野球史上最長試合が行われたことでも知られています。
1981年4月18日、ポータケット・レッドソックス対ロチェスター・レッドウイングスの試合は、午後8時に試合が始まりました。9回で決着がつかず延長戦に突入し、午前4時を回っても決着がつかないため延長32回で一度サスペンデットゲームとなりました。数日後の6月23日に続きが行われ、延長33回裏にポータケットが1点入れサヨナラ勝ちし、長かった試合がようやく終わったのでした。ちなみにこの試合にはウェイド・ボックスやカル・リプケンjrなどのちの有名選手が出場しています。

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試合開始まであと20分。バッファロー・バイソンズの選手たちがウォーミングアップを始めました。
指名打者で出場するパスクチはバットを振ったりランニングをしたりしています。

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さあ試合開始、ポーソックスの選手たちが守備に散っていきました。

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ポーソックスの先発Brandon Duckworthです。19試合に登板して8勝を挙げています。防御率は3点台なので、まあまあのピッチャーですね。

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さあ、我らがパスクチが登場です。私もロッテ版パスクチユニを着て応援します。

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4番、DH、ヴァレンティーノ・パスクチ!

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相変わらずどっしりとした迫力のある構えです。

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残念。第一打席はライトフライでした。

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こちらはバイソンズ先発のCollin McHughです。シーズン途中に2Aから3Aに昇格しています。
良い時と悪い時がはっきりしており、トータルで見ればあまりよくないです。

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ポーソックスのバッター。バッターボックスのぎりぎり後ろで構えています。スイングすると完全に出てしまうのですが・・・。

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このリンという選手は台湾出身で、今年メジャー昇格経験もある期待の若手です。
メジャー昇格を目指して必死にプレーしていました。こういう元気で必死なプレーが見られるのもマイナーリーグの醍醐味です。

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パスクチの打席をもっとよく見ようと3塁側から1塁側に移動してきました。
通路に立ってカメラを構えていたら、場内整理のおばさんに「写真撮るなら空いている席に座って撮りなさい」というので、適当に座りました。マイナーリーグの球場は全席指定なのですが、この辺りはアバウトですね。
そして私が写真を撮っていると、さきほどの場内整理のおばさんが突然「レッツゴー!ポーソックス!」と叫びだしました。周りの観客も同調してコールしています。
どういうこと?球場係員が応援団にもなるのでしょうか。アメリカの球場はなかなか面白いです。

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そしてパスクチ登場。

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打った!

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見事ライト前ヒットを放ちました。

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ポーソックスベンチ。

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「アノ空ノ向コウニハ、日本ノプロ野球ガアルンダゼ!」

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球場内通路ではマスコットと子供たちが記念撮影しています。
ポーソックスにはオスの「Paws」とメスの「Sox」という2匹のマスコットがいて、こちらはメスの方です。
アメリカの野球チームにはあまり可愛くないマスコットが多いように見受けられますが、このマスコットは普通クラスですね。

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ボールボーイがバットを片づけています。
なぜヘルメットに紙コップが載っているのか。それは誰にもわかりません。

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試合は2−2の同点でしたが、6回裏に2点を取られ、バイソンズが2点のリードを許してしまいます。
その直後の7回表。ラッキーセブンの攻撃でパスクチに打順が回りました。
パスクチの第4打席。パスクチがフルスイングした!

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打球はレフトスタンド最上段にに一直線!打った瞬間それとわかる大ホームランでした。
4−4の同点です。

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ゆっくりとダイヤモンドを一周するパスクチ。

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ベンチで選手たちに迎えられるパスクチ。
球場全体が静まり返る中、私は一人で大興奮していました。
生パスクチが見られるだけでも幸せなのに、まさかホームランも目の当たりにできるとは。
なんという幸運でしょう。来てよかったです。
そして恐るべきはパスクチのパワー。やはり今のマリーンズに最も足りないものを持っています。
マリーンズで獲得すべきです。できることなら今すぐ日本に連れて帰りたい!
そうすれば即獲得即4番ですよ。強力打線の誕生です。

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ベンチでドヤ顔のパスクチ。その顔をマリンで見られる日がきっと来るはずです。

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セーフ判定に抗議するサードと監督。監督は退場になってしまいました。

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ショートの守備。動きは軽快ですが、ちょっと雑になることもあります。

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バイソンズの2番手ピッチャーManny Acostaです。パナマ出身の31歳で、150キロ台を連発する剛腕投手です。
成績を見ると防御率2.25。28イニングを投げて奪三振25、四球4。四球が少ないのは日本向きかもしれませんね。なかなか面白いピッチャーです。

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メジャーリーグの球場と違い、マイナーリーグの球場には家族連れ、特に子供の姿が目立ちます。
入場料も安いですし、手近な娯楽になっているのでしょう。
しかし、松坂のTシャツを着て熱心に応援する子供たちを見るとさびしくなります。本人は今何をやっているのか・・・。

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外野がボールをこぼした!ピンチを招きましたがなんとか無失点でしのぎます。

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ビジョンでは時折ボストン・レッドソックスの試合の途中経過が映されます。
相手チームのバッターをよく見たら松井じゃありませんか。びっくりしました。

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ボストン・レッドソックスが勝っているようです。

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バイソンズ3番手のFernando Cabrera。すごい投球フォームです。立ち投げなんてレベルではありません。

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試合は9回で決着がつかず延長に入ってしまいました。
試合終了まで見たいのですが、帰りの列車の切符はもう購入済みです。
17:48プロビデンス駅発の特急列車で、ペンステーション着が20:44。発車時刻がだんだん近づいてきました。
どっちでもいいから点を取ってくれ!
そう思いながら粘ったのですが、10回は両チーム無得点。11回が終わっても無得点。試合は4−4のままです。

そしてついに時刻が16:50になってしまいました。駅までの移動を考えるともう球場を出なければなりません。
私はあきらめて球場を出ました。
試合が終わったらパスクチに会って話をしたいと思っていたのですが、今回はあきらめるほかありません。

球場を出た私はタクシー乗り場を探します。
実は路線バスで駅に行く場合はポータケットのバスターミナルを16:52に出るバスに乗らなければならなかったのです。
球場からバスターミナルまでは徒歩20分かかりますから、とっくに間に合いません。

しかし、あたりを見回して愕然としました。タクシー乗り場がありません。
それどころか球場前にも周辺道路にも一切タクシーがいません。ここマッコイスタジアムはポータケットの中心から離れており、周囲は住宅地です。観客はみんな車で来ますから、タクシーの需要はほとんど無いのでしょう。いったいどうしたら・・・。

そういえば行きに乗ったタクシーの運転手から電話番号のメモをもらっていました。
今から呼べば来てくれるでしょうか。
英語で電話したことなどありませんが、背に腹は代えられません。やってみましょう。
私は携帯電話を取り出して、メモにある電話番号をプッシュしました。

「ハロー」
「ハロー、今マッコイスタジアムにいるんです。迎えに来てください!」
「どこに行くんだ?」
「プロビデンスのアムトラックの駅です」
「プロビデンスの駅だな?了解」
「何分で来てくれますか?」
「10分で行く!安心して待ってろ」
「ありがとうございます」
「君は今球場のどこにいるんだ?」
「メインゲートの前にいます。お願いします!」
「了解」

あのドレッドヘアの黒人ドライバーでしょうか。つたない英語ですがなんとか通じたようです。
私は不安に思いながら球場の前で待ちました。
10分後、私の携帯が鳴りました。あのメモの番号です。あわてて電話に出ます。

「ハ、ハロー」
「ヘーイ!今どこにいるんだい?」
「マッコイスタジアムです。メインゲートの前です!」
こちらは今球場入口の道路にいるんだが、見えてるかい?」
どうやら来てくれたようです。駐車場の向こう側に目を向けると、確かに見覚えのある車が道路に止まっています。

「あ!見えました見えました!」
「今から球場正面に行くから、動かず待ってな!」

電話が切れるとすぐにタクシーがやってくれました。
窓から手を振ってくれています。私はタクシーに駆け寄りました。
よかったです。本当に来てくれましたよ。来てくれなかったらどうしようかと思いました。
帰り道も高速を使って10分少々。駅前に17時15分ごろ到着し、目当ての列車には余裕で間に合いました。
降り際にドライバーに礼を言い、チップを多めにはずんでおきました。

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しばらく待合室で時間をつぶし、17:44の列車に乗ります。アセラエクスプレスという特急列車で、ボストンとニューヨークを結ぶ高速列車です。
車内はほぼ満席で、私は列車の末尾から先頭まで歩いてようやく空席を見つけ、終点のニューヨークまで寝て過ごしました。色々な緊張から解き放たれたせいか、急に眠くなってしまったのです。
初めて一人で乗ったタクシー。初めての英語での電話。今日はいろいろなことがありました。
人生初のマイナーリーグ観戦は無事に終わりましたが、試合を最後まで見られなかったのが心残りです。
なお、試合は14回裏にポーソックスが1点取ってサヨナラ勝ちしたようです。

試合結果


ニューヨークには21時前に到着。ペンステーションのピザハットでピザをほおばり、軽食を買ってホテルに帰り、23時ごろに就寝しました。明日はいよいよバッファローに飛び、ナイアガラの滝を見た後バッファロー・バイソンズの本拠地で野球観戦です。


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