
ニューヨーク旅行記の第5回です。
3日目、2012年7月16日。
今日はJFK空港からニューヨーク州バッファローに飛びます。
そして空港から路線バスを乗り継いでナイアガラの滝を目指します。
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■ 3日目 2012年7月16日 月曜日
ニューヨーク旅行も3日目です。
今日はニューヨークからジェットブルー航空1204便に乗ってニューヨーク州バッファローに飛びます。
バッファローの空港からは路線バスを乗り継いでナイアガラの滝に向かいます。
ナイアガラの滝に関する詳しい情報はほとんど集められなかったので、ナイアガラ周辺の詳しい地図などは現地調達しなければなりません。
そして夜はバッファローのダウンタウンにあるコカ・コーラフィールドでのナイトゲーム観戦を予定しています。
今日の試合は19時からマイナーリーグのバッファロー・バイソンズ対トレド・マッドヘンズ。
元ロッテのヴァレンティーノ・パスクチが所属するバイソンズの本拠地球場に乗り込んでの観戦なので、とても楽しみです。
さて、旅行記の前にニューヨーク州バッファローについて簡単に説明しましょう。
ニューヨーク州バッファローは五大湖の一つエリー湖の東にある工業都市で、エリー湖とハドソン川を結ぶエリー運河の起点となっています。市内にはアメリカ有数のマンモス大学、ニューヨーク州立大学バッファロー校があります。また近くにはナイアガラの滝もあり、バッファローはナイアガラ観光のアメリカ側の拠点になっています。
20世紀初頭は工業で栄え、人口も50万を数える大都市でした。しかし主要産業であった鉄鋼、製粉業の衰退によりバッファローも衰退。市街地は大きく荒廃し、治安も悪化してしまいました。水運・道路網の整備によりエリー運河の輸送量が激減したことも衰退に拍車をかけたようです。
現在の人口は約30万。中心部の荒廃を嫌った白人層が郊外に移り住み、ダウンタウンなどバッファロー市中心部は黒人が多く住んでいます。
白人が多いバッファロー郊外は市街地の再開発と教育・医療分野の改革が功を奏し、全米でも住みやすくかつ治安の良い住宅地として知られるようになりました。
その一方でバッファローのダウンタウンは全米でも最も治安が悪い地域となっており、黒人やヒスパニック系がゲットーを形成し、殺人、強盗などの凶悪犯罪が多発しています。今日の夜に野球を観戦するコカ・コーラスタジアムはそのダウンタウンのど真ん中にあるのですが・・・。

治安の心配も大事ですが、まずは無事にバッファローまでたどり着かなければなりません。
今日の飛行機はJFK空港8:00発のジェットブルー航空1204便です。バッファロー・ナイアガラ空港着は9:22を予定しています。
空港まで地下鉄利用で1時間かかりますから、1時間前に空港に到着することを考えると6時には出発する必要があるでしょう。
5時半に起床し、パスクチの文字が書かれた千葉ロッテマリーンズのパスクチユニフォームを身に着けてホテルをチェックアウト。持ち出す荷物は最小限にとどめ、残りはホテルに預かってもらいました。
ポートオーソリティバスターミナルの地下鉄駅から乗った地下鉄E線のジャマイカ行電車の車内は空港利用者で座席がふさがっていました。
この路線はマンハッタンを出ると急行になるはずなのですが、朝早いせいか全区間各駅停車で、思ったより時間がかかりました。
終点の一つ手前の駅で降りてエアトレインに乗り換え、JFK空港のターミナルを目指します。

これから乗るジェットブルー航空はアメリカを代表するLCCの一つで、全米各地に路線を持っています。
JFK空港からの発着はすべて5番ターミナルです。
ニューヨークからバッファローまでは7,800円。1時間半かかることを考えると安いですね。
JFK空港5番ターミナルには7時ちょっとすぎに到着。見るとセキュリティチェックのゲートにものすごい列ができています。
あの列はいったいどこを通ってどこまで続いているのでしょうか。ものすごく嫌な予感がしてきました。
機械で自動チェックインを済ませ、セキュリティチェックの列に並びます。やはり長蛇の列です。しかもなかなか進みません。時間だけがどんどんすぎていきます。やがて7時半になりました。まだ列の途中で、セキュリティチェックまではかなり距離があります。時折係員が通るので、「あと30分しかないが大丈夫ですか?」と聞いてみるのですが、そのまま並んでいろとの返事。
大丈夫なのでしょうか。本当に乗れるのでしょうか。
そういえばアメリカでは時間までに搭乗しなかった客は容赦なく置いていかれると言う話を聞いたことがあります。焦りと不安が渦巻き始めました。
やがて7時40分になりました。8時の出発まであと20分です。まだ先は長いです。私は周りの人に「あなたは何時の出発ですか?」と聞いてチケットを見せてもらいました。余裕のある人もいますが、8:05発など出発が迫っている人が多く、皆焦っているようです。そして私の後ろに並んでいたおばさんに至ってはなんと7:50発です。私よりも出発が早く、あと10分しかありません。
「オーマイガー!あと10分しかないわ!このままじゃ間に合わない!なのに係員はだれも助けてくれない!」
おばさんは悲鳴をあげています。そりゃそうでしょう。私も叫びたいです。
おばさんは列を整理している係員に何事か尋ねましたが、そのまま並べとのそっけない対応に終始しています。怒るおばさん。なだめる周りの客。「いつもこうなんだよ」という声も聞こえます。
なるほど、これが悪名高いJFK空港。
7時50分になってようやくセキュリティチェックのゲートが近づいてきました。ゲートの前にいる係員がパスポートとチケットのチェックをしていますが、動きが恐ろしく緩慢で急いでいる客の神経を逆なでしています。
私とおばさんは前に並んでいた人たちの厚意で順番を早めてもらい、セキュリティチェックを受けました。ゲートを通過してなんとか搭乗口にたどり着いた時には7:55になっていました。あと5分です。あのおばさんは無事に乗れたのでしょうか。
搭乗口を見るとまだ並んでいる人が数十人います。どうやら間に合ったようです。
そういえば朝から何も食べていません。私は隣接した売店でサンドイッチを買いました。
結局飛行機に乗り込んだのは7:57、出発3分前です。私よりも遅れて登場した客もいて、飛行機は20分遅れてJFK空港を飛び立ったのでした。

ジェットブルー航空はLCCですが水とお菓子はタダでくれました。
配られたのはこの怪しいポテトチップス。紫です。

中身を出してみました。
何でしょう。この不健康極まりない色は。食べてみたところものすごく油っぽく、かつしょっぱいポテトチップスでした。まずくはないので全部食べましたが、こんなのを毎日食べていたら体を壊しそうです。

JFK空港から約1時間半。9:40にバッファロー・ナイアガラ空港に無事到着しました。
ここからナイアガラの滝に向かいます。

バッファロー・ナイアガラ空港からナイアガラの滝へのアクセス手段は数種類あります。
最もポピュラーなのはナイアガラの滝に直通するシャトルバスに乗ることです。
運賃は片道約60カナダドル。約4700円もします。高すぎですね。
タクシーも料金はほぼ同じか若干高い程度ということらしいです。
そこで、交通費を浮かすために路線バスに乗ります。路線バスは1回2ドル。1日乗車券を買って5ドルです。約400円。シャトルバスの10分の1以下ですよ。いかにシャトルバスがぼったくっているかということですね。
問題は、空港とナイアガラの滝を直接結んでいた210系統の路線が2012年4月29日をもって廃止されてしまったため、空港からダウンタウン行きのバスに乗り、ダウンタウンからナイアガラ行のバスに乗り換える必要があるということです。
どこで乗り換えるのか。事前にグーグルで調べましたが、よくわかりません。誰かに聞くしかないでしょう。
私は空港の到着ゲートを抜け、バス乗り場を探して歩きました。
時刻表はこちらです。
24系統 バッファロー・ナイアガラ国際空港〜バッファロー中心部
40系統 バッファロー中心部〜ナイアガラの滝
バス会社NFTAのホームページ

バス乗り場は空港を出て左に曲がった、車などの乗降スペースの外れにありました。
今度のバスは10:04発のダウンタウン行き24番系統。運転手は黒人の若い女性でした。
10人ほど客を乗せ、5分遅れで発車。乗車時に運転手から5ドルの1日乗車券を買いました。車内には観光客らしき白人の若者数人と、あとは黒人です。
バスは寂れた住宅地の中をまっすぐ進みます。どうも雰囲気がよくありません。古い家、荒れ気味の家、空家が目立ち、窓や扉に鉄格子がはまった店をよく見かけます。鉄格子のある窓は治安が悪いことを示すそうです。
空港周辺からダウンタウンまでは黒人の居住地が広がっており、バスに乗ってくる客も黒人ばかりです。家族連れや老人。決して怪しげな客ではないのですが、ちょっと怖いです。
このバスに乗ってダウンタウンに行き、そこからナイアガラの滝に行くバスに乗り換えなければなりません。
アメリカのバスは次の停留所の案内をしません。いったいどこで乗り換えればいいのでしょう。
事前の調べではわかりませんでした。降りるまでに誰かに聞く必要があります。
運転手に聞けば教えてくれるでしょうか。私は不安に苛まれながら車窓を眺めました。
ダウンタウンに近づくにつれ車内の座席が埋まり、私の隣にも杖を突いた黒人のじいさんが座りました。
しばらくすると、私の千葉ロッテマリーンズのパスクチユニフォームを見たじいさんが声をかけてきました。
「それはどこのユニフォームだ?日本か?中国か?」
「これは日本の千葉ロッテマリーンズのユニフォームです」
「日本?日本なのか」
「そうです。ヴァレンティーノ・パスクチが2005年と2006年にプレーしていたんですよ」
「おお、パスクチがいたのか」
じいさんはパスクチの名前に反応しました。
例の3Aオールスターはここバッファローで開催されましたから、バッファロー・バイソンズから出場してホームラン競争で優勝したパスクチの名前は知っていたのでしょう。
「そのチームはチャンピオンになったのか?」
「2005年にチャンピオンになりました。監督はボビー・バレンタインでした」
「そうか。バイソンズもチャンピオンになったことがあるんだよ」
パスクチユニが会話のきっかけになってくれましたね。
せっかくの機会です。早速気になっていたことを聞いて見ました。
「ところで、私はナイアガラの滝に行きたいのですが、どこで乗り換えればいいんですか?」
「乗り換える場所はもう少し先だ。私もそこで降りるから、ついてきなさい」
なんとじいさんが目当てのバス乗り場まで案内してくれるようです。
通路の反対側に座っていた太ったおばさんも、「もうちょっと先で降りるのよ」と教えてくれました。
親切な人が多いですね。ありがたいことです。
そうこうするうちにバスはダウンタウンに入りました。正面には野球場のコカ・コーラフィールドが、左手には長距離バスのバスターミナルが見えています。じいさんが立ち上がって「ここだよ」と言うので、私も一緒にバスを降ります。太ったおばさんも一緒でした。

バッファロー空港を出て40分。バッファローのダウンタウンに到着しました。治安が悪いとのことなので気を引き締めます。
「さあ、ついておいで」
じいさんは杖をつきながら交差点を渡り、私はその後についてゆっくりと歩きました。
「ほら、あそこのバス停だよ」
信号を渡った先の少し離れた場所に芝生の広場があり、そこにバス停がありました。
「ここで待ってなさい。すぐにバスがくるよ」
じいさんはそう言って去っていきました。
色々と感謝の気持ちを伝えたかったのですが、結局「サンキューベリマッチ」としか言えずに、じいさんの後ろ姿を見送りました。
おじいさん、ありがとう。そして話をきっかけを作ってくれたパスクチ、ありがとう。
さらにバス停には先ほどの太ったおばさんが別のバスを待っており、
「左側からバスが来るからね。40番のバスよ」
と、教えてくれました。いい人ばっかりです。

バッファローのダウンタウンからナイアガラの滝に向かうバスは1時間に1本程度しかないのですが、幸いにもバスは数分でやってきました。席は半分ほど埋まっており、観光客は数人ほど、あとは地元の人たちです。若干黒人が多いですが、白人も乗っています。
バスはダウンタウンを走ります。立派な教会、歴史ありげなビル。過去の栄光を今に伝える建物が多いです。

これは1930年代に建設されたバッファローの市庁舎です。とても立派な建物ですが、街の衰退と治安悪化の話を聞いた後では少し不気味に見えます。まるで墓標のような・・・。

バスはしばらく郊外の住宅地を走ります。空港からのバスの車窓とは異なり、このバス路線の周辺には白人が多く住んでいるようです。しかしとてもこの先に観光地があるような雰囲気ではありません。本当にこの先にナイアガラの滝があるのでしょうか。
不安に思い始めたころ、左手の車窓に大きな川が見えてきました。

バッファローのダウンタウンから約50分。運転手が「ナイアガラの滝に行くにはここだよ」というのでバスを降りました。
何もない道路上に降ろされてビビりましたが、観光客と思しき白人のじいさんが道路の左手にある大きなビルに向かって歩いて行きます。あれはなんでしょうか。雰囲気からするとホテルかカジノです。
もしホテルならナイアガラの詳しい地図もあるでしょう。
中に入ってみたら正解で、カジノを併設したホテルです。レストランや売店もあり、トイレも無料で使えます。
今日は早朝からバタバタ行動し、空港からバッファローのダウンタウンに至るまで緊張し通しでした。ここまで気が休まるヒマがまったくありません。
正直少し疲れています。私はこのホテルでナイアガラの滝周辺の詳しい地図をもらい、ロビーのベンチで地図を見ながらしばらく休憩することにしました。
さて、ここでナイアガラの滝について少し説明しましょう。
ナイアガラの滝は南米のイグアスの滝、アフリカのビクトリアの滝と並び世界3大瀑布の一つです。五大湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川の途中にあり、世界最大の水量を誇ります。
カナダ滝とアメリカ滝という2つの滝からなり、2つの滝の間に両国の国境線があります。両国の間は滝壺の先にかかっているレインボーブリッジにより徒歩または自動車等で移動することができるほか、少しはなれば場所にも鉄道や自動車用の橋が架かっています。
滝周辺は観光地化されており、ホテルやカジノなどのレジャー施設が多数建っています。
特にカナダ側の観光開発が進んでおり、観光客のうちおよそ9割はカナダ側、残り1割ほどがアメリカ側から滝を観光しているそうです。
有名なアトラクションとしては滝壺近くまで行く遊覧船「霧の乙女号」が知られており、カナダ側とアメリカ側の双方から乗船できるようになっています。

一息ついて行動開始。カジノホテルから炎天下を10分歩き、ナイアガラの滝の公園に入りました。
公園の中心にあるのがビジターセンターです。

ビジターセンターにはインフォメーションや滝に関する展示や映像、土産物屋、ビュッフェがあります。地図などのパンフもありましたが、アメリカ側の情報しかなく、カナダ側の状況がわかりません。国を跨ぐせいか両岸の連携はあまりよくないようです。

公園を川に沿って歩きます。激しい流れが滝に向かって流れています。滝の向こうに見えるのはカナダ側に建つレジャー施設やホテルなどです。

ビジターセンターを出て遊覧船「霧の乙女号」の乗り場へとやってきました。
「霧の乙女号」はアメリカ側とカナダ側の両方から出発し、アメリカ滝のすぐ横を通ってカナダ滝の滝壺まで行きます。
料金はアメリカ側が15.5ドル、カナダ側が19.75カナダドル。カード利用可能です。
どちらに乗っても経路は変わらないのですが、アメリカ側の方がカナダ側よりも空いているそうです。

切符を買った後に簡単な荷物チェックを受け、崖の上からエレベーターで乗船場に降ります。
崖の上にあるエレベータへの塔からはアメリカ滝をすぐ横から見ることができます。大迫力ですね。

アメリカ滝の反対側にはレインボーブリッジが見えます。あそこを歩けばカナダ側に行くことができます。

夏のオンシーズンですが平日のためかあまり混雑しておらず、すぐに船に乗れそうです。
乗船場の手前にテントがあり、ここで使い捨ての雨ガッパを支給されました。
これを着ないと滝壺付近でずぶぬれになってしまうのです。

さっそく船に乗り込みました。1階の船室なら濡れませんが、ここまできたからには多少濡れてでも2階で存分にナイアガラの滝を堪能したいものです。

霧の乙女号は頻繁に出航しており、何度もすれ違います。これは滝から帰ってきた船です。みんな青い雨ガッパを着ています。

乗船場を出発した霧の乙女号はアメリカ滝のすぐ横を通ります。
さっそく暴風雨のような水しぶきと強風が襲いました。すごい迫力。でもまだこれは序の口なのです。

アメリカ滝の横の風の洞窟が見えています。あのあたりの遊歩道を歩くのも面白そうです。

そしてカナダ滝が近づいてきました。
音と、風と、水しぶきがすごい!思わず悲鳴が上がります。

すごい!まるで台風のさなかにいるようです。あっという間にカメラがずぶぬれになってしまいました。
あわててカメラを持っていたビニール袋にしまい、タオルで拭きます。
最も滝に近づいた瞬間には集中豪雨のような水しぶきが襲い掛かり、周囲は真っ白。ほとんど何も見えなくなります。

ものすごい大きさ。ものすごい水の勢いです。この迫力は実際に行ってみないとわかりません。
パスクチのおかげで、ナイアガラの滝まで来るきっかけに恵まれました。来てよかったです。

大自然の驚異。月並みですが、そんな言葉しか浮かびません。

船はカナダ滝から乗船場まで引き返していきます。
乗客は先ほどまでの驚異的な光景の余韻に浸っているようです。
遠くには滝壺めがけて突っ込んでいく遊覧船が見えています。

よくこんなところに船を出しますよね。すごいです。

再びアメリカ滝を見上げます。カナダ滝よりも迫力は落ちるものの、それでも大きな滝です。

雲一つない青空です。今日は天気に恵まれてよかったですね。雨では魅力半減です。

船を降りた後はアメリカ滝の脇にある階段を登り、滝の真横に行ってみました。
水しぶきがもうもうと立ち上りすごい迫力です。

時刻は14時。まだ昼ご飯を食べていません。ビジターセンターでお土産を物色した後、お土産屋の下にあったビュッフェでハンバーガーとペプシを頼みました。チーズバーガーを頼んだのに野菜しかはさんでいないバンズを渡されて不思議に思っていたら、肉は別に焼いて後からはさんでくれるタイプのハンバーガーでした。そうならそうと説明してほしかったです。

ビュッフェの座席も近くのベンチも満席だったので、近くの芝生の木陰に座ってハンバーガーを食べました。気温は暑いですが、風が涼しいです。ハンバーガーもおいしいです。私はしばらく木陰で休憩しました。

霧の乙女号の大迫力を味わって十分満足したのですが、せっかくですのでレインボーブリッジを渡って対岸のカナダ側に渡ってみましょう。
公園から15分ほど歩き、橋の入口にやってきました。

橋の中ほどにアメリカとカナダの国境があります。

ナイアガラの滝を見ながら橋を渡り終えるとカナダ側の入国審査ゲートがあります。パスポートを確認され、アメリカの滞在日数と、以前カナダに入国したことがあるかどうかを聞かれました。

入国審査が無事に済み、カナダ側に突入です。カナダ側の良いところはナイアガラの滝を正面から拝めることです。

青い空、白い滝。素晴らしい景色ですね。ここでしか見られない不思議な光景です。

カナダ側の滝付近は遊歩道として整備されており、世界中から観光客が集まってきます。

アメリカ滝を正面から。滝の向こうのビルの大きさと比べると、アメリカ滝がどれだけ大きいかわかります。

レインボーブリッジから徒歩15分。テーブルロックと呼ばれる展望台にやってきました。ここはカナダ滝のすぐそばにあり、カナダ滝の雄姿を間近で見ることができます。

ものすごい水量ですよ。テーブルロックから滝の裏側に出る通路もあるそうです。

カナダ滝が流れ落ちる場所にやってきました。ものすごい重低音が鼓膜を揺さぶります。そして雨が降っているかのように水しぶきが舞い、体とカメラがずぶぬれになりました。

ふと下を見ると、虹がかかっていました。
水しぶきが太陽に反射しているのでしょう。その下を遊覧船が通り抜けていきます。
幻想的な光景に、しばし言葉を忘れて見入りました。
野球観戦のついでに来ただけのナイアガラの滝。正直ここまで素晴らしいものだったとは予想外です。
地球の神秘を垣間見たような気分になりました。ちょっとニューヨークからは遠いですが、足を延ばさないのはもったいないですね。
ニューヨーク観光に来られた方にはぜひお勧めしたいです。乗換えが不安な方はニューヨーク発の日帰り現地ツアーもあるそうです。
さて、そろそろナイター観戦の時間です。バスで1時間かかりますから、時間に余裕をもってバッファローに戻らなければなりません。
私は炎天下の中レインボーブリッジに引き返しました。カナダ側の入口にはゲートがあり、50セント(25セント硬貨×2枚)を投入する必要があります。金を取るんですね。両替機もありますが、財布の中に硬貨がありました。
そして歩いてレインボーブリッジを渡り、アメリカ側の入国審査を受け、バスの時間までカジノホテルのベンチで時間をつぶし、バッファローに向かうバスのバス停へと向かったのでした。
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ニューヨーク旅行も3日目です。
今日はニューヨークからジェットブルー航空1204便に乗ってニューヨーク州バッファローに飛びます。
バッファローの空港からは路線バスを乗り継いでナイアガラの滝に向かいます。
ナイアガラの滝に関する詳しい情報はほとんど集められなかったので、ナイアガラ周辺の詳しい地図などは現地調達しなければなりません。
そして夜はバッファローのダウンタウンにあるコカ・コーラフィールドでのナイトゲーム観戦を予定しています。
今日の試合は19時からマイナーリーグのバッファロー・バイソンズ対トレド・マッドヘンズ。
元ロッテのヴァレンティーノ・パスクチが所属するバイソンズの本拠地球場に乗り込んでの観戦なので、とても楽しみです。
さて、旅行記の前にニューヨーク州バッファローについて簡単に説明しましょう。
ニューヨーク州バッファローは五大湖の一つエリー湖の東にある工業都市で、エリー湖とハドソン川を結ぶエリー運河の起点となっています。市内にはアメリカ有数のマンモス大学、ニューヨーク州立大学バッファロー校があります。また近くにはナイアガラの滝もあり、バッファローはナイアガラ観光のアメリカ側の拠点になっています。
20世紀初頭は工業で栄え、人口も50万を数える大都市でした。しかし主要産業であった鉄鋼、製粉業の衰退によりバッファローも衰退。市街地は大きく荒廃し、治安も悪化してしまいました。水運・道路網の整備によりエリー運河の輸送量が激減したことも衰退に拍車をかけたようです。
現在の人口は約30万。中心部の荒廃を嫌った白人層が郊外に移り住み、ダウンタウンなどバッファロー市中心部は黒人が多く住んでいます。
白人が多いバッファロー郊外は市街地の再開発と教育・医療分野の改革が功を奏し、全米でも住みやすくかつ治安の良い住宅地として知られるようになりました。
その一方でバッファローのダウンタウンは全米でも最も治安が悪い地域となっており、黒人やヒスパニック系がゲットーを形成し、殺人、強盗などの凶悪犯罪が多発しています。今日の夜に野球を観戦するコカ・コーラスタジアムはそのダウンタウンのど真ん中にあるのですが・・・。

治安の心配も大事ですが、まずは無事にバッファローまでたどり着かなければなりません。
今日の飛行機はJFK空港8:00発のジェットブルー航空1204便です。バッファロー・ナイアガラ空港着は9:22を予定しています。
空港まで地下鉄利用で1時間かかりますから、1時間前に空港に到着することを考えると6時には出発する必要があるでしょう。
5時半に起床し、パスクチの文字が書かれた千葉ロッテマリーンズのパスクチユニフォームを身に着けてホテルをチェックアウト。持ち出す荷物は最小限にとどめ、残りはホテルに預かってもらいました。
ポートオーソリティバスターミナルの地下鉄駅から乗った地下鉄E線のジャマイカ行電車の車内は空港利用者で座席がふさがっていました。
この路線はマンハッタンを出ると急行になるはずなのですが、朝早いせいか全区間各駅停車で、思ったより時間がかかりました。
終点の一つ手前の駅で降りてエアトレインに乗り換え、JFK空港のターミナルを目指します。

これから乗るジェットブルー航空はアメリカを代表するLCCの一つで、全米各地に路線を持っています。
JFK空港からの発着はすべて5番ターミナルです。
ニューヨークからバッファローまでは7,800円。1時間半かかることを考えると安いですね。
JFK空港5番ターミナルには7時ちょっとすぎに到着。見るとセキュリティチェックのゲートにものすごい列ができています。
あの列はいったいどこを通ってどこまで続いているのでしょうか。ものすごく嫌な予感がしてきました。
機械で自動チェックインを済ませ、セキュリティチェックの列に並びます。やはり長蛇の列です。しかもなかなか進みません。時間だけがどんどんすぎていきます。やがて7時半になりました。まだ列の途中で、セキュリティチェックまではかなり距離があります。時折係員が通るので、「あと30分しかないが大丈夫ですか?」と聞いてみるのですが、そのまま並んでいろとの返事。
大丈夫なのでしょうか。本当に乗れるのでしょうか。
そういえばアメリカでは時間までに搭乗しなかった客は容赦なく置いていかれると言う話を聞いたことがあります。焦りと不安が渦巻き始めました。
やがて7時40分になりました。8時の出発まであと20分です。まだ先は長いです。私は周りの人に「あなたは何時の出発ですか?」と聞いてチケットを見せてもらいました。余裕のある人もいますが、8:05発など出発が迫っている人が多く、皆焦っているようです。そして私の後ろに並んでいたおばさんに至ってはなんと7:50発です。私よりも出発が早く、あと10分しかありません。
「オーマイガー!あと10分しかないわ!このままじゃ間に合わない!なのに係員はだれも助けてくれない!」
おばさんは悲鳴をあげています。そりゃそうでしょう。私も叫びたいです。
おばさんは列を整理している係員に何事か尋ねましたが、そのまま並べとのそっけない対応に終始しています。怒るおばさん。なだめる周りの客。「いつもこうなんだよ」という声も聞こえます。
なるほど、これが悪名高いJFK空港。
7時50分になってようやくセキュリティチェックのゲートが近づいてきました。ゲートの前にいる係員がパスポートとチケットのチェックをしていますが、動きが恐ろしく緩慢で急いでいる客の神経を逆なでしています。
私とおばさんは前に並んでいた人たちの厚意で順番を早めてもらい、セキュリティチェックを受けました。ゲートを通過してなんとか搭乗口にたどり着いた時には7:55になっていました。あと5分です。あのおばさんは無事に乗れたのでしょうか。
搭乗口を見るとまだ並んでいる人が数十人います。どうやら間に合ったようです。
そういえば朝から何も食べていません。私は隣接した売店でサンドイッチを買いました。
結局飛行機に乗り込んだのは7:57、出発3分前です。私よりも遅れて登場した客もいて、飛行機は20分遅れてJFK空港を飛び立ったのでした。

ジェットブルー航空はLCCですが水とお菓子はタダでくれました。
配られたのはこの怪しいポテトチップス。紫です。

中身を出してみました。
何でしょう。この不健康極まりない色は。食べてみたところものすごく油っぽく、かつしょっぱいポテトチップスでした。まずくはないので全部食べましたが、こんなのを毎日食べていたら体を壊しそうです。

JFK空港から約1時間半。9:40にバッファロー・ナイアガラ空港に無事到着しました。
ここからナイアガラの滝に向かいます。

バッファロー・ナイアガラ空港からナイアガラの滝へのアクセス手段は数種類あります。
最もポピュラーなのはナイアガラの滝に直通するシャトルバスに乗ることです。
運賃は片道約60カナダドル。約4700円もします。高すぎですね。
タクシーも料金はほぼ同じか若干高い程度ということらしいです。
そこで、交通費を浮かすために路線バスに乗ります。路線バスは1回2ドル。1日乗車券を買って5ドルです。約400円。シャトルバスの10分の1以下ですよ。いかにシャトルバスがぼったくっているかということですね。
問題は、空港とナイアガラの滝を直接結んでいた210系統の路線が2012年4月29日をもって廃止されてしまったため、空港からダウンタウン行きのバスに乗り、ダウンタウンからナイアガラ行のバスに乗り換える必要があるということです。
どこで乗り換えるのか。事前にグーグルで調べましたが、よくわかりません。誰かに聞くしかないでしょう。
私は空港の到着ゲートを抜け、バス乗り場を探して歩きました。
時刻表はこちらです。
24系統 バッファロー・ナイアガラ国際空港〜バッファロー中心部
40系統 バッファロー中心部〜ナイアガラの滝
バス会社NFTAのホームページ

バス乗り場は空港を出て左に曲がった、車などの乗降スペースの外れにありました。
今度のバスは10:04発のダウンタウン行き24番系統。運転手は黒人の若い女性でした。
10人ほど客を乗せ、5分遅れで発車。乗車時に運転手から5ドルの1日乗車券を買いました。車内には観光客らしき白人の若者数人と、あとは黒人です。
バスは寂れた住宅地の中をまっすぐ進みます。どうも雰囲気がよくありません。古い家、荒れ気味の家、空家が目立ち、窓や扉に鉄格子がはまった店をよく見かけます。鉄格子のある窓は治安が悪いことを示すそうです。
空港周辺からダウンタウンまでは黒人の居住地が広がっており、バスに乗ってくる客も黒人ばかりです。家族連れや老人。決して怪しげな客ではないのですが、ちょっと怖いです。
このバスに乗ってダウンタウンに行き、そこからナイアガラの滝に行くバスに乗り換えなければなりません。
アメリカのバスは次の停留所の案内をしません。いったいどこで乗り換えればいいのでしょう。
事前の調べではわかりませんでした。降りるまでに誰かに聞く必要があります。
運転手に聞けば教えてくれるでしょうか。私は不安に苛まれながら車窓を眺めました。
ダウンタウンに近づくにつれ車内の座席が埋まり、私の隣にも杖を突いた黒人のじいさんが座りました。
しばらくすると、私の千葉ロッテマリーンズのパスクチユニフォームを見たじいさんが声をかけてきました。
「それはどこのユニフォームだ?日本か?中国か?」
「これは日本の千葉ロッテマリーンズのユニフォームです」
「日本?日本なのか」
「そうです。ヴァレンティーノ・パスクチが2005年と2006年にプレーしていたんですよ」
「おお、パスクチがいたのか」
じいさんはパスクチの名前に反応しました。
例の3Aオールスターはここバッファローで開催されましたから、バッファロー・バイソンズから出場してホームラン競争で優勝したパスクチの名前は知っていたのでしょう。
「そのチームはチャンピオンになったのか?」
「2005年にチャンピオンになりました。監督はボビー・バレンタインでした」
「そうか。バイソンズもチャンピオンになったことがあるんだよ」
パスクチユニが会話のきっかけになってくれましたね。
せっかくの機会です。早速気になっていたことを聞いて見ました。
「ところで、私はナイアガラの滝に行きたいのですが、どこで乗り換えればいいんですか?」
「乗り換える場所はもう少し先だ。私もそこで降りるから、ついてきなさい」
なんとじいさんが目当てのバス乗り場まで案内してくれるようです。
通路の反対側に座っていた太ったおばさんも、「もうちょっと先で降りるのよ」と教えてくれました。
親切な人が多いですね。ありがたいことです。
そうこうするうちにバスはダウンタウンに入りました。正面には野球場のコカ・コーラフィールドが、左手には長距離バスのバスターミナルが見えています。じいさんが立ち上がって「ここだよ」と言うので、私も一緒にバスを降ります。太ったおばさんも一緒でした。

バッファロー空港を出て40分。バッファローのダウンタウンに到着しました。治安が悪いとのことなので気を引き締めます。
「さあ、ついておいで」
じいさんは杖をつきながら交差点を渡り、私はその後についてゆっくりと歩きました。
「ほら、あそこのバス停だよ」
信号を渡った先の少し離れた場所に芝生の広場があり、そこにバス停がありました。
「ここで待ってなさい。すぐにバスがくるよ」
じいさんはそう言って去っていきました。
色々と感謝の気持ちを伝えたかったのですが、結局「サンキューベリマッチ」としか言えずに、じいさんの後ろ姿を見送りました。
おじいさん、ありがとう。そして話をきっかけを作ってくれたパスクチ、ありがとう。
さらにバス停には先ほどの太ったおばさんが別のバスを待っており、
「左側からバスが来るからね。40番のバスよ」
と、教えてくれました。いい人ばっかりです。

バッファローのダウンタウンからナイアガラの滝に向かうバスは1時間に1本程度しかないのですが、幸いにもバスは数分でやってきました。席は半分ほど埋まっており、観光客は数人ほど、あとは地元の人たちです。若干黒人が多いですが、白人も乗っています。
バスはダウンタウンを走ります。立派な教会、歴史ありげなビル。過去の栄光を今に伝える建物が多いです。

これは1930年代に建設されたバッファローの市庁舎です。とても立派な建物ですが、街の衰退と治安悪化の話を聞いた後では少し不気味に見えます。まるで墓標のような・・・。

バスはしばらく郊外の住宅地を走ります。空港からのバスの車窓とは異なり、このバス路線の周辺には白人が多く住んでいるようです。しかしとてもこの先に観光地があるような雰囲気ではありません。本当にこの先にナイアガラの滝があるのでしょうか。
不安に思い始めたころ、左手の車窓に大きな川が見えてきました。

バッファローのダウンタウンから約50分。運転手が「ナイアガラの滝に行くにはここだよ」というのでバスを降りました。
何もない道路上に降ろされてビビりましたが、観光客と思しき白人のじいさんが道路の左手にある大きなビルに向かって歩いて行きます。あれはなんでしょうか。雰囲気からするとホテルかカジノです。
もしホテルならナイアガラの詳しい地図もあるでしょう。
中に入ってみたら正解で、カジノを併設したホテルです。レストランや売店もあり、トイレも無料で使えます。
今日は早朝からバタバタ行動し、空港からバッファローのダウンタウンに至るまで緊張し通しでした。ここまで気が休まるヒマがまったくありません。
正直少し疲れています。私はこのホテルでナイアガラの滝周辺の詳しい地図をもらい、ロビーのベンチで地図を見ながらしばらく休憩することにしました。
さて、ここでナイアガラの滝について少し説明しましょう。
ナイアガラの滝は南米のイグアスの滝、アフリカのビクトリアの滝と並び世界3大瀑布の一つです。五大湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川の途中にあり、世界最大の水量を誇ります。
カナダ滝とアメリカ滝という2つの滝からなり、2つの滝の間に両国の国境線があります。両国の間は滝壺の先にかかっているレインボーブリッジにより徒歩または自動車等で移動することができるほか、少しはなれば場所にも鉄道や自動車用の橋が架かっています。
滝周辺は観光地化されており、ホテルやカジノなどのレジャー施設が多数建っています。
特にカナダ側の観光開発が進んでおり、観光客のうちおよそ9割はカナダ側、残り1割ほどがアメリカ側から滝を観光しているそうです。
有名なアトラクションとしては滝壺近くまで行く遊覧船「霧の乙女号」が知られており、カナダ側とアメリカ側の双方から乗船できるようになっています。

一息ついて行動開始。カジノホテルから炎天下を10分歩き、ナイアガラの滝の公園に入りました。
公園の中心にあるのがビジターセンターです。

ビジターセンターにはインフォメーションや滝に関する展示や映像、土産物屋、ビュッフェがあります。地図などのパンフもありましたが、アメリカ側の情報しかなく、カナダ側の状況がわかりません。国を跨ぐせいか両岸の連携はあまりよくないようです。

公園を川に沿って歩きます。激しい流れが滝に向かって流れています。滝の向こうに見えるのはカナダ側に建つレジャー施設やホテルなどです。

ビジターセンターを出て遊覧船「霧の乙女号」の乗り場へとやってきました。
「霧の乙女号」はアメリカ側とカナダ側の両方から出発し、アメリカ滝のすぐ横を通ってカナダ滝の滝壺まで行きます。
料金はアメリカ側が15.5ドル、カナダ側が19.75カナダドル。カード利用可能です。
どちらに乗っても経路は変わらないのですが、アメリカ側の方がカナダ側よりも空いているそうです。

切符を買った後に簡単な荷物チェックを受け、崖の上からエレベーターで乗船場に降ります。
崖の上にあるエレベータへの塔からはアメリカ滝をすぐ横から見ることができます。大迫力ですね。

アメリカ滝の反対側にはレインボーブリッジが見えます。あそこを歩けばカナダ側に行くことができます。

夏のオンシーズンですが平日のためかあまり混雑しておらず、すぐに船に乗れそうです。
乗船場の手前にテントがあり、ここで使い捨ての雨ガッパを支給されました。
これを着ないと滝壺付近でずぶぬれになってしまうのです。

さっそく船に乗り込みました。1階の船室なら濡れませんが、ここまできたからには多少濡れてでも2階で存分にナイアガラの滝を堪能したいものです。

霧の乙女号は頻繁に出航しており、何度もすれ違います。これは滝から帰ってきた船です。みんな青い雨ガッパを着ています。

乗船場を出発した霧の乙女号はアメリカ滝のすぐ横を通ります。
さっそく暴風雨のような水しぶきと強風が襲いました。すごい迫力。でもまだこれは序の口なのです。

アメリカ滝の横の風の洞窟が見えています。あのあたりの遊歩道を歩くのも面白そうです。

そしてカナダ滝が近づいてきました。
音と、風と、水しぶきがすごい!思わず悲鳴が上がります。

すごい!まるで台風のさなかにいるようです。あっという間にカメラがずぶぬれになってしまいました。
あわててカメラを持っていたビニール袋にしまい、タオルで拭きます。
最も滝に近づいた瞬間には集中豪雨のような水しぶきが襲い掛かり、周囲は真っ白。ほとんど何も見えなくなります。

ものすごい大きさ。ものすごい水の勢いです。この迫力は実際に行ってみないとわかりません。
パスクチのおかげで、ナイアガラの滝まで来るきっかけに恵まれました。来てよかったです。

大自然の驚異。月並みですが、そんな言葉しか浮かびません。

船はカナダ滝から乗船場まで引き返していきます。
乗客は先ほどまでの驚異的な光景の余韻に浸っているようです。
遠くには滝壺めがけて突っ込んでいく遊覧船が見えています。

よくこんなところに船を出しますよね。すごいです。

再びアメリカ滝を見上げます。カナダ滝よりも迫力は落ちるものの、それでも大きな滝です。

雲一つない青空です。今日は天気に恵まれてよかったですね。雨では魅力半減です。

船を降りた後はアメリカ滝の脇にある階段を登り、滝の真横に行ってみました。
水しぶきがもうもうと立ち上りすごい迫力です。

時刻は14時。まだ昼ご飯を食べていません。ビジターセンターでお土産を物色した後、お土産屋の下にあったビュッフェでハンバーガーとペプシを頼みました。チーズバーガーを頼んだのに野菜しかはさんでいないバンズを渡されて不思議に思っていたら、肉は別に焼いて後からはさんでくれるタイプのハンバーガーでした。そうならそうと説明してほしかったです。

ビュッフェの座席も近くのベンチも満席だったので、近くの芝生の木陰に座ってハンバーガーを食べました。気温は暑いですが、風が涼しいです。ハンバーガーもおいしいです。私はしばらく木陰で休憩しました。

霧の乙女号の大迫力を味わって十分満足したのですが、せっかくですのでレインボーブリッジを渡って対岸のカナダ側に渡ってみましょう。
公園から15分ほど歩き、橋の入口にやってきました。

橋の中ほどにアメリカとカナダの国境があります。

ナイアガラの滝を見ながら橋を渡り終えるとカナダ側の入国審査ゲートがあります。パスポートを確認され、アメリカの滞在日数と、以前カナダに入国したことがあるかどうかを聞かれました。

入国審査が無事に済み、カナダ側に突入です。カナダ側の良いところはナイアガラの滝を正面から拝めることです。

青い空、白い滝。素晴らしい景色ですね。ここでしか見られない不思議な光景です。

カナダ側の滝付近は遊歩道として整備されており、世界中から観光客が集まってきます。

アメリカ滝を正面から。滝の向こうのビルの大きさと比べると、アメリカ滝がどれだけ大きいかわかります。

レインボーブリッジから徒歩15分。テーブルロックと呼ばれる展望台にやってきました。ここはカナダ滝のすぐそばにあり、カナダ滝の雄姿を間近で見ることができます。

ものすごい水量ですよ。テーブルロックから滝の裏側に出る通路もあるそうです。

カナダ滝が流れ落ちる場所にやってきました。ものすごい重低音が鼓膜を揺さぶります。そして雨が降っているかのように水しぶきが舞い、体とカメラがずぶぬれになりました。

ふと下を見ると、虹がかかっていました。
水しぶきが太陽に反射しているのでしょう。その下を遊覧船が通り抜けていきます。
幻想的な光景に、しばし言葉を忘れて見入りました。
野球観戦のついでに来ただけのナイアガラの滝。正直ここまで素晴らしいものだったとは予想外です。
地球の神秘を垣間見たような気分になりました。ちょっとニューヨークからは遠いですが、足を延ばさないのはもったいないですね。
ニューヨーク観光に来られた方にはぜひお勧めしたいです。乗換えが不安な方はニューヨーク発の日帰り現地ツアーもあるそうです。
さて、そろそろナイター観戦の時間です。バスで1時間かかりますから、時間に余裕をもってバッファローに戻らなければなりません。
私は炎天下の中レインボーブリッジに引き返しました。カナダ側の入口にはゲートがあり、50セント(25セント硬貨×2枚)を投入する必要があります。金を取るんですね。両替機もありますが、財布の中に硬貨がありました。
そして歩いてレインボーブリッジを渡り、アメリカ側の入国審査を受け、バスの時間までカジノホテルのベンチで時間をつぶし、バッファローに向かうバスのバス停へと向かったのでした。
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