8533


ニューヨーク旅行記の第10回です。
5日目、2012年7月18日。
地下鉄でヤンキースタジアムに向かい、ニューヨーク・ヤンキース対トロント・ブルージェイズの試合を観戦しました。
ラッキーなことに先発は黒田です。ちなみにこの時点ではまだイチローはいません。

マリーンズ・日本ブログ村ランキング
にほんブログ村 野球ブログ 千葉ロッテマリーンズへ にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
プロ野球・人気blogランキング


■ 5日目 2012年7月18日 水曜日

DSC_8297

地下鉄の4号線に乗りヤンキースタジアムにやってきました。今日は午後1時からヤンキース対トロント・ブルージェイズ戦を観戦します。

DSC_8300

ヤンキースタジアムはマンハッタンの北のブロンクスと呼ばれる地区にあります。アクセスは地下鉄が一般的です。地下鉄駅を出れば、球場は目の前です。

DSC_8307

ここが、あのヤンキースタジアムです。試合開始まであと1時間。球場前は人であふれています。
ただし、今日は平日です。平日なのに大人がたくさんいますね。みんな会社はどうしたのでしょう。
私のように「今日は野球見るんで休みます」と言って球場に来ているんでしょうか。

空は晴れ渡り、太陽の光が容赦なく降り注いでいます。おまけに地面のコンクリートの照り返しで猛烈な暑さです。
早くチケットを引き換えて中に入ってしまいましょう。

DSC_8312

ネットで購入したチケットを引き換えます。私は3塁側の3塁ベース後方の1階内野席のチケットを買っていますが、ヤンキースタジアムはチケットの値段が驚くほど高く、なんと1万5千円します。マリンスタジアムなら定価3000円程度の場所です。
ボッタクリもいいところですが、それでも客が入るので強気の値段設定なのでしょう。

DSC_8316

球場に入ったら今日のスターティングメンバーが表示されていました。
ヤンキースのピッチャーは、黒田です!元広島カープの黒田です。
日本人選手の出場試合を観られるとは!これはラッキーでした。

DSC_8322

お腹が空いたのでご飯を買いに出かけました。

DSC_8323

ヤンキースタジアムは食べ物を売る店が充実しており、それほど並ばずに買うことができます。ただどれも高く、飲み物と食べ物で1000円近くになります。ただしかなり量が多いです。私が買ったのは豚ロース肉入りハンバーガー。10ドルぐらいしたのですが、食べても食べても減りません。味はまあまあイケます。

DSC_8328

私がハンバーガーをほおばっていると、奥の席にいたおっさんが早口の英語で話しかけてきました。
よくよく聞いてみると、私が座っている内野席のエリアは、球場係員に注文を頼めば席まで持ってきてくれるそうなのです。だからわざわざ買いに行かなくてもいいんだよ、とのことでした。

で、これがその注文用紙。この紙に書いて球場職員に渡せば自分の席まで持ってきてくれます。
しかも会計は現金だけでなくクレジットカードも使うことができます。これは楽ですね。
ただし、お値段は球場通路の売店で買うより若干高めに設定されています。手間賃込ですね。
しかも、チップを別に支払わなければなりません。支払総額の差を考えると、自分で買いに行った方がいいような気がします。もっとも、そんな小さな金額であれこれ考えるような貧乏人はこの席に座らないのかもしれません。

DSC_8334

スタメン紹介が始まりました。先発黒田!かっこいいぜ!

DSC_8337

しかし、試合開始予定の13時を過ぎても一向にプレイボールがかかりません。
実は、今でこそ晴れていますが、今日の午後は雨予報、しかも夕方は雷を伴った豪雨の予報なのです。
うーん天気は大丈夫なのでしょうか。開始を待つ間に空がどんどん暗くなり、雷の音もしてきました。
マウンドにはシートがかぶさっていますから雷雲の通過待ちなのでしょうか。
せっかくここまで来たのに雨天中止は困ります。
これからどんどん天気が悪くなるのですから、早く試合をやってくれ!
私は祈るような気持ちで試合開始を待ちました。

DSC_8344

ボーっと座っていてもしょうがないのでグッズショップに行きました。さすがヤンキース。グッズの数が多いです。様々な種類のTシャツがあり、デザインも洒落ています。ただし残念ながら黒田のグッズは無いそうです。

DSC_8345

日本食を売るブースもあります。左が寿司、右が麺類でしょう。

DSC_8360

一時厚い雲に覆われましたが、再び晴れてきました。
予定から遅れること1時間。午後2時になってようやく試合開始です。ほっと一安心。
とにかく中止は避けられました。あとは5回までやってもらえば試合成立です。

DSC_8365

先発の黒田がマウンドに向かいます。

DSC_8373

黒田の成績を説明する文章が出ています。

DSC_8374

黒田はここまで8勝7敗、防御率3.67です。

DSC_8376

内野も外野も混み合っていますね。繰り返しますが、今日は平日です。
平日なのにこの大観衆。日本とは違います。

DSC_8390

黒田投げた!

DSC_8392

今日の黒田は非常に調子がよく、ブルージェイズ打線を抑えていきます。

DSC_8408

アレックス・ロドリゲス、通称A・ロッドが1塁へ悪送球をかましました。
その後もA・ロッドはサードゴロをエラーをかまし、観客席から「Twoー!(2回目だぞ!)」というヤジが飛んでいました。おばさんから子供までみんな叫んでましたね。みんな厳しいです。

DSC_8420

こんにちは、デレク・ジーターです。

DSC_8433

4番のマーク・テシェイラ。
選手紹介の画面ないくつか種類があり、これはその一つです。地下鉄駅の案内表示を模したもので、左下のB,D,4はヤンキースタジアム駅を通る路線名です。なかなか洒落ていますね。

今日は来場者にテシェイラの人形がプレゼントされました。

DSC_8435

ブルージェイズ先発のロメロ。

DSC_8438

テシェイラ打った!

DSC_8441

スリーランホームランです。すごい打球でした。

DSC_8445

ベンチに迎えられるテシェイラ。ヤンキースが1回に4点を先制しました。

DSC_8454

この選手はいいスイングしていますね。
ぜひロッテに欲しい逸材です。1億円ぐらいで来てくれるでしょうか。

DSC_8458

球場のすぐそばを地下鉄が通ります。鉄道好きとしてはなんだか落ち着きません。

DSC_8464

今日の黒田は絶好調で、バッタバッタと三振を奪います。HIRO−K!

DSC_8470

この選手もいいですね。ロッテが獲得すればポスト今岡としてチームを支えるヴェテランとなってくれそうです。

DSC_8493

イニング間のアトラクション。こういう映像によるレースイベントでも日本と違って盛り上がります。
ニューヨークらしく地下鉄のレースです。複線ドリフトなどをやるのでしょうか。

DSC_8496

4号線が優勝しました。

DSC_8513

ヤンキースは序盤から5点を奪い、優位に試合を進めます。空が暗くなってきました。

DSC_8535

イニング間のイベント。ヤンキース語学講座の始まりです。

DSC_8532

ホットドックをカナダでは何と言うでしょうか。

DSC_8534

日本では?黒田が発音しています。
まあ、ホットドッグはホットドッグですよね。

DSC_8539

黒田はまったく危なげないピッチング。

DSC_8545

7回までわずかヒット4本、無失点で抑えています。

DSC_8575

せっかくなので例の注文用紙を使ってガーリックポテトを頼んでみました。
クレジットカード払いの場合は領収書にチップの額を書き入れる欄があり、後日チップ込みの金額を請求されることになります。
まあ見てください。この量を。
油とにんにくにまみれた大量のポテトを、チーズをたっぷりつけてほおばります。
ザ・高カロリー。でもしょっぱくておいしいです。

DSC_8586

7回裏。ゴッドブレスアメリカを歌い終わった直後に突如大雨が降ってきました。
観客があわてて屋根の下に走り、グラウンドにはシートが引かれました。
おまけに雷が鳴り響いています。ものすごい豪雨になってしまいました。
カメラなどが雨にぬれないよう、私は日本から持ってきた船橋市指定ごみ袋に荷物を入れました。

DSC_8607

これはもう試合続行不可能でしょう。17時過ぎに今日の試合は7回途中で雨天コールド勝ちとなりました。
0−6でヤンキースが勝利です。お決まりの「ニューヨーク・ニューヨーク」の歌が流れていますが、大雨だからか皆家路を急いでいます。

私はグッズショップでTシャツやらユニフォームやらを買い、地下鉄に乗ってホテルに帰りました。

DSC01041

ホテルで一休みした後、昨日のNY夜景観賞ツアーで日本人ガイドさんが薦めてくれたジャズクラブ、「ヴィレッジ・ヴァンガード」に行ってみました。
日本にある雑貨屋なのか本屋なのかよくわからない店とは何の関係もありません。ここはニューヨーク、いや世界を代表する名門ジャズクラブです。
私は今までジャズの生演奏を聴いたことがありません。やはりせっかくニューヨークに来たからには本場のジャズの生演奏を聴いてみたいものです。
ヴィレッジ・ヴァンガードはマンハッタンの南部のグリニッジ・ヴィレッジという場所にあります。ホテルのあるポートオーソリティバスターミナル周辺からは地下鉄で10分ほどでした。

DSC01044

周囲は落ち着いた住宅街で、レストランも多いです。

DSC01047

20時ちょっと前にヴィレッジ・ヴァンガードに着きました。すでに常連と思しきニューヨーカーや日本人女性たち、観光客数名が開店を待っています。

DSC01053

20時過ぎに店が開き、薄暗い地下ホールへと降りていきます。ヴィレッジヴァンガードのシステムはテーブルチャージが25ドルの後払い、それに加えてワンドリンク必須です。私はステージに近い席に座り、ビールの小瓶を頼み、ちびちび飲みながら本番を待ちました。

DSC01058
ホール内はかなり狭いですが、詰めれば100人程度は入れそうです。壁には新旧さまざまなミュージシャンの写真が貼ってあり、とても雰囲気があります。ジャズ好きにはたまらないでしょう。

DSC01056
今日のミュージシャンは「バリー・ハリス・トリオ」だそうです。ジャズはあまり詳しくないので、どんなグループかわかりません。待っているうちに開演時刻の21時が過ぎました。
ステージ上にはドラマーのじいさんが準備をしています。ベースとピアニストはまだ来ていません。どんな人なんでしょう。

すると、よぼよぼの黒人のおじいさんが私の横を「ハロー」と言って通り過ぎていきました。私も「ハロー」と返事しました。そしてそのおじいさんはステージに上がり、ピアノの前に座りました。え?このじいさんが?

私が驚いているうちにベーシストとドラマーの準備の完了し、演奏が始まりました。
アップテンポの曲では息をもつかせぬ早さの指さばき、よぼよぼのじいさんによる疾走するピアノ。
私は衝撃を受けました。
それでいてスローテンポの曲はしっとりと聴かせる。
ドラムとベースも一流です。重低音が体全体に響き、どんどん演奏に引き込まれていきました。
これがジャズの生演奏なのか!すごい!
ピアニストのじいさんは休むことなく次々と曲を繰り出していきます。
このじいさん、いったい何者なんだろう?

この人の名前はバリー・ハリス。御年82歳の老ピアニストです。
帰国してから調べたのですが、日本では若干知名度がなく、どちらかと言えば地味な印象を持たれているようですが、奇をてらわない実力派として知られているようです。
バリー・ハリスは1950年代から名脇役としてその名を知られるようになり、1960年にニューヨークに活動の拠点を移してからはジャズ黄金時代を担う活躍を続けました。80歳を過ぎてもコンサートやライブ、後進の指導など精力的に活動しています。昨年も来日してジャズを指導するワークショップを開いたそうで、その年齢を感じさせない活力には驚かされました。まさにジャズ界の人間国宝です。

バリー・ハリス・トリオの他の2人も実力派です。
ベーシストのレイ・ドラモンドは66歳、元日ハムのウィルソンが年を取って太ったような容貌です。
アフロアフリカンのル−ツと伝統を追求し、8枚のアルバムを残しているそうです。

ドラマーのリロイ・ウィリアムズは70歳、なにやらありがたいお説教をしてもらえそうな、渋みのある黒人のじいさんです。1960年代から活躍し、ソニ−・スティット、ジェィムス・ム−ディ、セロニアス・モンクらとも共演したいぶし銀の実力はなのだそうです。

軽い気持ちで行ったらすごい人たちにあたってしまいました。1時間の演奏があっという間に終わり、私は余韻に浸りながら会計を済ませ、ヴィレッジ・ヴァンガードを出ました。
そして地下鉄でホテルに帰り、スーパーで買った夜食を食べて就寝。明日はいよいよ帰国日です。


ニューヨーク旅行記目次へ   次へ   前へ