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イタリア・スイス旅行記の第16回です。
4日目はローマに向け移動します。
ペスカーラからローカル線に乗ってローマを目指します。
イタリア半島を横断する、風光明媚な路線でした。


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■ 4日目 2012年5月1日 火曜日

ペスカーラの駅周辺を散策して駅に戻ってきました。次のローマ・ティブルティーナ駅行の列車まで30分ほど時間があります。
私はまだ買っていなかった分の切符を自動券売機で買い、昼食を買おうと売店に行きました。イタリアの普通列車の切符はかなり安く、ペスカーラからローマまで4時間半かかるにもかかわらず、運賃はたったの11ユーロ。約1200円です。日本で4時間普通列車に乗れば3000円以上かかります。

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駅の売店でマッシュルームのピザと水を買いました。サイズが日本のものとは比べ物にならないほど大きく、生地も厚いです。お値段は3.3ユーロ。約340円ですが、日本なら1000円以上はするでしょう。

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売店ではお菓子も売られています。
どこかで見たお菓子だと思ったら日本のポッキーですね。グリコの社名が書いてありました。
でもなぜ名前を「MIKADO」に変えているのでしょうか。

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14時過ぎにホームに上がるとすでにローマ・ティブルティーナ駅行き普通列車が入線していました。機関車が引っ張る4両編成の客車列車です。
ローマには2つのターミナル駅があり、メインはローマ・テルミニ駅です。私が泊まるホテルもローマ・テルミニ駅の近くにあります。
もう一つのターミナル駅はテルミニ駅の北東にあるローマ・ティブルティーナ駅。こちらはテルミニ駅に停車しない長距離列車やイタロと呼ばれる高速列車が発着します。
テルミニ駅とティブルティーナ駅は地下鉄とトレニタリアの路線で結ばれているものの、スーツケースを持っての乗り換えは面倒です。
そこで、途中のティボリという駅で一旦降りて、後から発車するローマ・テルミニ行きの列車に乗り換えることにしました。

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特急列車に比べると薄汚れています。

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先頭車両はかつての1等車を2等車として使用していました。座席が広く、ふかふかです。ただ、冷房が全く効いておらず暑いです。

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車両の入口の扉に書いてある1等車の文字の上、「2等車」と書かれた紙がセロテープで貼られています。手抜きです。

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14:24。ほぼ定刻で発車。列車はペスカーラの市街地を抜けると本線から分岐し、単線のローカル線をのんびり走ります。冷房はついているようですが全く効きません。検札に来た車掌が首をかしげて天井の吹き出し口に手を当てていました。

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列車は丘陵地帯をのんびり走ります。乗車率は40%程度。適度に空いていました。

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丘の上に古い建物や教会が建っています。イタリアの田舎の光景はなかなかロマンチックです。

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列車は右へ左へカーブしながら谷間を抜けていきます。

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景色が山がちになりました。こちらの山にはあまり植物が生えておらず、禿山のようです。

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川の向こうに小さな街、そして教会が建っています。

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15:10にSulmona駅に到着しました。この駅からローカル線が分岐しており、田舎にしてはやや大きい駅です。

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列車は高度を上げていきます。丘の向こうに白い雪を纏った山々が見えています。美しい景色ですが、曇ってきました。一雨来そうです。

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山に囲まれた盆地を見下ろしながら鈍行列車はローマを目指して走ります。
長いトンネルを抜けるとイタリア語の長い車内放送がありました。何を言っているのかわかりません。

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イタリア半島のちょうど中間の山岳地帯を走っています。崖に張り付くように建つ赤い屋根の家々。これは絶景です。晴れていればもっと最高だったのですが。

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丘の上に教会が建ち、その周りに家がひしめいています。天空の城ラピュタに出てくる街を思い出しました。
15:35、Gorianoという小さな駅で10分ほど止まりました。平日ならここで列車の行き違いをするようです。雷が鳴り響き、雨が降ってきました。
停車時間を利用してトイレに行こうとしたところ、停車中は使用禁止との文字が。
これはあれですね。直接垂れ流しですね。また今度にしましょう。

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15:55、Cocullo駅に停車しました。時刻表では通過となっていますから臨時停車です。
驚いたことにホームと駅舎周辺にはたくさんの人々がいます。場内整理の警官までいます。
これはどうしたことか。なにかイベントがあったのでしょうか。
4両編成の列車はたちまち満員となり、通路も人で埋まってしまいました。これではトイレに行けません。

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駅を発車。相変わらずのどかで美しい風景が広がります。
先ほどの駅で乗ってきた大量の客は皆顔見知りらしく、車内が騒がしくなりました。
列車はその後Pecsina駅、Cerchio駅に臨時停車しましたが、乗り降りはありません。列車が遅れだしました。
次のCelano-ovindoli駅には16:20に到着し、少し客が降りて若干余裕ができました。列車は10分遅れています。

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しばらくすると丘の上に城のような建物が建っているのが見えてきました。

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まるでドラクエの城のような建物です。
まったく無名の場所でも至る所にいい景色が転がっています。イタリア恐るべし。

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16:30に10分遅れでA Vezzano駅に到着しました。客がどっと降り、満員だった車内がやや空きました。

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少し客が乗ってきましたので、また座席がほとんど埋まりました。

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ここからは遅れを取り戻そうとスピードを上げました。
とりあえずトイレに行けそうなので行っておきます。

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遠くにいい感じの街が見えています。時間があれば散策してみたいです。

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列車は山の中の谷間を走っています。3度目の検札がありました。
坊主頭の車掌が10分以上客と雑談しています。上着は車掌の制服ですが、下はジーンズ。
ラフですがおしゃれに着こなしているあたり、さすがイタリアです。

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丘の上に街があります。家々の向こうに大理石の美しい教会がちらっと見えました。

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17:32にティボリ駅に到着しました。ティボリは古代ローマ皇帝ハドリアヌスの別荘があることで知られています。ローマからの日帰り観光で訪れる観光客も多いそうです。
私が乗ってきた列車はローマ・ティブルティーナ駅行きです。ローマの中心にある駅はローマ・テルミニ駅。今日泊まるホテルもテルミニ駅の近くです。ティブルティーナ駅からテルミニ駅へは地下鉄に乗り換えなければなりません。乗換えが面倒なので、ここで降りて17:44発のローマ・テルミニ駅行きの始発列車に乗って楽をしようと思います。

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駅の外に出てみました。

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黄色と白のおしゃれな駅舎です。

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鉄道駅からティボリの街はやや離れており、タクシーかバスになるようです。

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隣のホームに17:44発の列車がすでに入線しています。後ろの2両は扉が低い位置にあるので、ホームと同じ高さで乗り降りすることができます。

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車内の様子。先ほどの列車より新しいです。デッキから車内に入る扉がやたら重く、スーツケースを持って入るのに苦労しました。

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17:44、ティボリ駅を発車。車内はガラガラです。滝が見えました。いい景色ですね。

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丘の上のティボリの街。風情があります。今回は訪れることができませんが、いつか行ってみたいです。

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列車はしばらくこうした田園地帯を走りますが、やがてローマ郊外の住宅地に入りました。各駅停車のようで、小さな駅に止まりながらのんびり走ります。
間もなくローマ・テルミニ駅。今日のホテルはローマ・テルミニ駅から徒歩10分の場所にしました。

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18:40、ローマに到着。しかし様子が変です。ここはローマ・テルミニ駅なんでしょうか。
不審に思って駅名表を見ると、ローマ・ティブルティーナ駅と書いてあります。

あれ?テルミニ駅じゃない?

なぜティブルティーナ駅に到着しているのでしょうか?
わざわざティブルティーナ駅の列車を降りて、ローマ・テルミニ駅行きの列車に乗り換えたのに!
行先が変わってしまったのでしょうか。途中で車内放送は一切ありませんでした。
考えられるのは先日発生したテルミニ駅構内での列車事故の影響ですが、いずれにせよこれではティボリ駅で乗り換えた意味がありません。そのまま乗っていればよかったです。

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しかもホームには全身刺青の若い男4人組が、列車から降りた客を物色するようにうろうろしています。
私とも目が合いました。これは危険です。奴らに近づくわけにはいきません。
私は列車の写真を撮ると、ダッシュで駅の通路に向かいました。

さて、駅は違ってもローマはローマです。
ローマに着いたらローマパスを買うことにしていました。
ローマパスは3日間有効。ローマ市内の最初の2つの美術館・博物館施設が無料となり、3つ目以降のローマ市内すべての美術館施設が割引きとなります。またローマ市内の鉄道、地下鉄、トラムが乗り放題になります。
お値段は30ユーロとやや高く、相当動き回らないと元が取れませんが、行列がひどいと評判のコロッセオやフォロ・ロマーノで並ばずに入場できるのが大きな魅力です。

事前にローマ・パスのホームページを確認したところ、ティブルティーナ駅の構内でもローマ・パスを売っているらしいです。しかし売店に行ってみても売っておらず、売っている場所も知らないとのこと。
しかたなく売り場を探して駅前広場をうろうろしていると、さきほどの全身刺青の男をまた見かけました。どうやらあまり長居をせず、確実に購入できるローマ・テルミニ駅に移動した方がよさそうです。
とりあえずその場に居合わせた警官に近づいて難を逃れた後、地下鉄でローマ・テルミニ駅に移動することにしました。

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ティブルティーナ駅からテルミニ駅までは地下鉄で10分ほど。料金は1ユーロです。切符を買ってホームに並びます。ローマの地下鉄は治安に問題があり、かつスリが多いことで有名ですが、見たところ旅行者の姿が多いようです。

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やってきた電車を見てびっくり。
なにこの落書き!怖いんですけど!
消さないまま放置していることにもびっくりです。私はビクビクしながら地下鉄にのりました。

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幸いスリに会うこともなく無事ローマ・テルミニ駅に到着しました。
さっそく24番ホーム横のツーリスト・インフォメーションでローマパスを購入。無愛想な女の係員がローマパスを投げてよこしました。
時刻は19:20、ティボリからローマへの列車が謎の行先変更を行ったせいで30分以上時間を無駄にしてしまいました。ホテルは駅から600メートルほどあります。スーツケースを引きずって石畳の道を歩きました。

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駅から10分ほど歩いて宿泊するブリタニアホテル(Britannia Hotel)に到着。駅近くのこじんまりとしたホテルです。ちょっとわかりにくい場所にあるのですが、道順はグーグルマップのストリートビューで予習してきました。文明の進化とはすばらしい!
宿泊料金は2泊で380ユーロ。この時点では約4万円です。1泊2万円は高いですが、場所がいいので止むを得ません。
チェックインするとポーターが奪うように私の荷物を持ち、部屋まで案内してくれました。チップとして2ユーロをw足しました。
部屋は狭いですが、スーツケースを広げるスペースはありそうです。またバスタブもちゃんとありました。
バスルームには水槽があり、金魚が泳いでいます。

これからどうしましょうか。今日は移動が長くやや疲れています。
しかし様々な遺跡や歴史的建造物がライトアップされるローマの夜景はとても美しいのだそうです。
夜景を見るなら疲れたなどと言っていられません。
少々休憩し、日がとっぷり暮れた20:30に夜景見物に繰り出しました。


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