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イタリア・スイス旅行記の第19回です。
5日目はローマ観光です。
広大な古代ローマ遺跡、フォロ・ロマーノを見学します。


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■ 5日目 2012年5月2日 水曜日

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時刻は11:00、コロッセオの見学を終え、隣にあるローマ時代の遺跡フォロ・ロマーノにやってきました。
コロッセオと同じく長蛇の列ができていましたが、私はローマ・パスを持っているので並ぶことなく即入場。これだけでもローマ・パスを買う価値はあるでしょう。

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東側の入口から中に入りました。トイレがありましたが数は少なく、並んでいます。
入口を入るとすぐに上り坂。フォロ・ロマーノの南側にあるパラティーノの丘へと続いています。

パラティーノの丘はローマ建国の地。ローマ時代はパラティヌスと呼ばれました。建国の英雄ロムルスとレムスがここ住み、やがて城壁をめぐらせ都市を建設したのだそうです。やがてローマの歴代皇帝が丘の上に住居を構えるようになり、パラティヌスはイタリア語や英語で宮殿を意味する言葉の語源になりました。
現在は宮殿や貴族や皇帝の住居の跡が残る巨大遺跡として、世界中から観光客が訪れています。

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坂道の途中から巨大なコロッセオが見えました。

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坂を登りきると巨大な競技場の遺跡がありました。楕円形の競技場で、競馬や競争などが行われたのでしょう。
左手の建造物は皇帝の閲覧席です。

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競技場の横のには広大なドームス・アウグスターナがあります。かつての宮殿です。

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とても大きな建物です。
それにしても暑い・・・。今日は雲一つない青空で、5月なのに日差しが強く真夏のような蒸し暑さです。
おまけに日陰がほとんどありません。

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昔は池だったのでしょうか。遺跡の花畑に木が一本生えています。

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パラティーノ博物館。入場無料の小さな博物館で、パラティーノの丘から出土した文物が展示されています。
中は涼しく、暑い中歩いてきた身としては休憩所としても使えるありがたい存在ですね。トイレもありました。

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このあたりはドムス・フラウィアと呼ばれ、ドミティアヌス帝の公邸だった場所です。

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今はレンガの壁が残るだけ。強者どもが夢の跡です。

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池の跡。花壇のようになっていて、花がきれいでした。
池の周りにはローマ時代の美しいモザイクが残っています。

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さらに進むとアウグストゥス帝の住居や妃であるリヴィアのがあります。アウグストゥス帝の家は屋根に覆われていました。

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アウグストゥス帝の住居付近からドムス・フラウィア周辺を眺めます。

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暑さでフラフラになりながら歩きます。帽子を持ってくるべきでした。
これはローマ市街の風景です。

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丘の上から見下ろすローマ市街の風景。奥の方にヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂が見えます。

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さらに歩くと庭園に出ました。パラティーノの丘の北側にあるファルネジアーニ庭園です。庭園の地下にはローマ2代皇帝ティベリウスの宮殿の遺跡が埋まっています。

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パラティーノの丘から見下ろすコロッセオです。

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パラティーノの丘を1時間ほどで一通り歩き、次はフォロ・ロマーノに向かいます。
丘の上から見下ろした先には4世紀ごろに造られた巨大なマクセンティウスのバジリカが見えていました。

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フォロ・ロマーノは、古代ローマの中心部「フォルム・ロマヌム」の遺跡です。フォルムとは古代ローマの都市における政治・宗教の中心となった広場のことで、英語のフォーラムの語源でもあります。フォロ・ロマーノは首都ローマの最も重要なフォルムであり、長らくローマの中心であり続けました。
しかし、西ローマ帝国の滅亡後は人々から忘れ去られ、遺跡の大半は土に埋まり、周囲は牧草地となってしまいました。再び遺跡として脚光を浴びたのはほんの200年ほど前のことです。
遺跡の面積は大変広く、東西約300m、南北約100mにも及びます。現在も発掘作業が行われており、すべてを見学できるわけではないのですが、それでもすべて歩けば1時間以上はかかるでしょう。

フォロ・ロマーノにはたくさんの観光客がいます。学校の社会科見学や修学旅行のような少年少女の集団も目立ちました。
こちらはティトゥス帝の凱旋門。ユダヤとの戦いに勝利したことを記念し、西暦81年に作られたそうです。
暑い中歩き回って疲れたので、凱旋門のそばの木陰に座って少々休憩しました。
私の周りにもヘロヘロになった多くの観光客が座り込んで休んでいます。日陰が少ないフォロ・ロマーノでは貴重な場所です。

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木陰で少々回復したので散策開始。ここはヴェスタの巫女の家と言われる一角です。

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こちらは考古学博物館。入ってみたら12時だから出ていけと言われて追い出されました。昼休みでしょうか。

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マクセンティウスのバジリカです。高さ数十メートル。こんな大きなものを2000年前に作ったのですからすごいです。現在は北側の側廊のみが残っています。

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ティトゥス帝の凱旋門付近は高台になっていて、フォロ・ロマーノの全景を見渡すことができます。
素晴らしい景色ですよこれは。古代へのロマンが湧き上がる!

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遺跡は現在も発掘、修復作業が続いています。神殿によっては全体にカバーがかけられて外から見えなくなっているものもありました。

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聖なる道を歩きます。2000年前に古代ローマ人が歩いた道をこうして歩く。感慨深いです。

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たくさんの神殿の遺跡がありますが、柱の一部が残るだけで、建物の大部分が無くなってしまっています。

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正面に見えるのはカストルとポルックス神殿です。西暦6年に完成した神殿で、度量衡の管理事務所が備えられ、古代ローマの金融の中心地だったのだそうです。今は3本の美しい柱が残るのみです

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フォロ・ロマーノの西側まで歩いてきました。これはサトゥルヌス神殿です。
かつては古代ローマの国家宝物庫でした。現在の神殿は497年に再建されたものだそうです。
神殿本体は無くなりましたが、ファサード(建物正面)だけはほぼ完ぺきな形で残っています。
下から見上げると何とも言えない迫力がありますね。

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サトゥルヌス神殿の脇の坂道を登ります。上にあるテラスはカピトリーノの丘。
あそこからフォロ・ロマーノを眺めたらいい景色が拝めそうです。

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坂の上から振り返りました。右手がセヴェルスの凱旋門。奥の建物がクーリアです。
クーリアとはユリウス・カエサルが起工した元老院議事堂。ローマ帝国の国会議事堂に相当します。建物は20世紀になって復元されました。

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セヴェルスの凱旋門は203年に完成。大理石製の立派な凱旋門です。

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凱旋門には非常に精巧な装飾が施されています。とても美しいですね。

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クーリアの建物内は博物館になっていました。

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モザイクや宝飾品、美しいガラス製品など、フォロ・ロマーノから発掘された様々な文物が展示されています。

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フォロ・ロマーノの北側にある、エミリアのバシリカと呼ばれる一帯です。
裁判所が置かれたほか、商店などが並び商取引に使われたのだそうです。

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そのまま北側の出口に向かって進み、フォロ・ロマーノを振り返りました。
時刻は12:40。日陰がない炎天下の中を1時間半歩き回ったことになります。
もうカラカラのクタクタですよ。だいたいの部分は歩いたのでもういいでしょう。これ以上歩くと干からびてしまうので、フォロ・ロマーノを出ることにしました。
出口周辺は混み合っており、トイレには長蛇の列ができています。
フォロ・ロマーノは観光客の数に比べてトイレが少なすぎますね。

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フォロ・ロマーノの外に出ました。道路の反対側にフォロ・トライアーノが見えています。
これもまた古代ローマ時代にトラヤヌス帝が造らせた広場とその周辺の建物群の遺跡です。

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さきほどフォロ・ロマーノから見上げたカピトリーノの丘に登りました。
露店で水を買い、チビチビ飲みながら坂道を上がるとカンピドーリオ広場に出ます。
ミケランジェロの設計で、17世紀に周囲の建物が完成、広場が完成したのは1940年なのだそうです。
正面にあるのはローマ市庁舎。左右の建物がカピトリーニ美術館です。
ここは昨日の夜にもきましたが、ライトアップされた夜とはまた違った雰囲気ですね。

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カンピドーリオ広場から少し下るとフォロ・ロマーノに面したカピトリーノの丘のテラスにでました。
うん。期待通りの光景が広がっています。立派な神殿の遺跡と人々の大きさを比べてみてください。
フォロ・ロマーノがいかに大きいかわかると思います。

よくガイドブックには「フォロ・ロマーノは必ず行くべきだが、パラティーノの丘は時間があったらどうぞ」と
書かれていますが、パラティーノの丘も見どころがたくさんありました。
どちらも素晴らしい遺跡でした。ただ、暑かったです。
全部歩けばどんなに急いでも1時間はかかるでしょう。のんびり歩いたら1日かかりそうです。
冬ならともかく、真夏に歩き回ったら熱中症で倒れかねないので、たくさんの水を用意して、体力と相談して歩くのがいいかもしれません。

次回は真実の口からトラステヴェレ地区に向かい、レストランで昼食です。
いい加減お腹がすきました。それどころか、頭が痛くて意識がもうろうとしています。



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