
ポルトガル旅行記の第3回です。
2日目の9月16日はシントラ観光です。
リスボンのロシオ駅から郊外電車に乗ってシントラへ向かいます。
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■ 2日目 2012年9月16日
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リスボンに到着して初めての朝を迎えました。
今日はまずリスボン近郊の街シントラに向かいます。
シントラはリスボンの西にある観光都市で、通勤電車に乗って約40分かかります。
シントラは古くから別荘地として知られ、15世紀に建設されたシントラ宮殿や19世紀に建設されたペーナ宮殿、7世紀にムーア人によって建設された城跡など、多くの歴史的建造物が残っています。
その歴史的重要性と美しい景色から、シントラは「シントラの文化的景観」として世界遺産に指定されています。
またシントラはユーラシア大陸最西端のロカ岬への玄関口としても知られ、シントラ駅前からロカ岬に向かうバスが出ています。ユーラシア大陸の東の果てから訪れた身としては、ロカ岬に行かないわけにはいきません。
ロカ岬を訪れた後はロカ岬を経由するバスの終点である港町カスカイスに立ち寄り、電車でリスボンに戻る予定です。

9月16日。朝6時40分に起床。ホテルのレストランで朝ご飯をいただきます。まだ朝早いせいかレストランはガラガラでした。

「ホテル・フェニックス・リスボン(Hotel Fenix Lisboa)」の朝食は種類が多くおいしいです。
特にハムの種類が多く、パンは甘いものが多いです。

シントラに向かう電車はリスボンの中心部ロシオ広場に面したロシオ駅から発車します。
もともとロシオ広場に面したホテルに泊まる予定だったのですが、オーバーブッキングでロシオ広場から遠いホテルに飛ばされてしまったので、こうして地下鉄に乗って移動しなければなりません。面倒なことです。

朝食を食べ終え、ホテルの目の前にあるポンバル侯爵広場の地下鉄駅マルケス・デ・ポンバルから地下鉄に乗ってロシオ駅に向かいます。空港から空港バス(aerobus)に乗った人はバスの切符を見せれば地下鉄にも無料で乗れると聞いていたのですが、駅員に確認したところそれは切符を買った当日だけで、翌日以降は無効になるのだそうです。
それならばと駅員に教わりながら自動券売機を操作し、1日乗車券を買いました。
リスボンの地下鉄は運賃が安く、1回乗車券は1.25ユーロ、1日乗車券は5ユーロです。1日乗車券は市内のトラムやバス、ケーブルカーにも乗れる優れものです。明日の朝までに何回か地下鉄に乗るでしょうから、1日乗車券を買った方がいいでしょう。
指示に従って自動券売機を操作すると緑色の紙が出てきました。1回券も1日券も共通の紙になっており、現在の1日乗車券の期限が切れた後に自動券売機にこの券を入れてお金をチャージすれば、再び1回券や1日乗車券として利用できます。つまり再利用ですね。エコです。ただし券面には何も書かれていませんから、複数枚買う場合はメモを書いておかないと何の切符か分からくなってしまいます。
改札を通って地下鉄のホームに降りました。日曜日の朝なのであまり人がいません。
リスボンの地下鉄はステンレス製の新しい電車に統一されており、落書きもなく清潔です。ホームもゴミが落ちておらず、それほど怖い印象はありませんでした。車内は広く、次に止まる駅の案内表示もあって安心です。
リスボン地下鉄の路線図

マルケス・デ・ポンバル駅から2駅、ロシオ駅に近いレスタウラドーレス駅に着きました。
階段を上がると目の前にはレスタウラドーレス広場があります。人通りがあまりありません。

正面に見えているのはロシオ広場です。その向こうには丘の上にあるサンジョルジェ城があるのですが、霧でほとんど見えていません。天気も曇っています。今日はロカ岬に行くのですが、霧が出ていると何も見えませんから、なんとか天気が良くなってほしいです。

ロシオ広場に面して建つまるで宮殿のような建物。これがロシオ駅です。
とても駅には見えません。装飾がすばらしいですね。

ロシオ広場は丘に挟まれた谷間にあるのですが、駅舎は丘に張り付くような形で建っており、線路は丘の上です。なので駅舎に入るとまずエスカレーターで2階の切符売場まで上がることになります。2階は2階でまた地上に出る出口がありますから不思議な感じです。

時刻は7:50、今度のシントラ行は8:08発です。シントラ行の電車はだいたい15分間隔なので便利です。
発車までに1日乗車券を買いましょう。ロシオ駅の窓口ではリスボン〜シントラとリスボン〜カスカイスを走る郊外電車、シントラのバス、シントラ〜ロカ岬〜カスカイスのバスが乗り放題になる1日乗車券を買うことができます。お値段は12.5ユーロです。
この1日乗車券はシントラやロカ岬を観光するのであれば絶対に買わなければなりません。なぜならばシントラの観光スポットはそれぞれ離れた場所にあり、それらの観光スポットを巡る循環路線バスの運賃が1回乗車するだけで5ユーロも取られるからです。リスボンからシントラまでの電車賃が2.05ユーロですからいかにひどいボッタクリバスであるかお分かりいただけるでしょう。この1日乗車券を買えばシントラを観光するだけで元が取れてしまい、なおかつロカ岬への往復も無料になるのですから、非常にお得な切符と言えます。
ところが、肝心の窓口に誰もいません。私の前にも「地球の歩き方」を持った日本人カップルが並んでいて、やはり1日乗車券を買おうとして立ち往生しています。隣の券売機では1日乗車券を買えないのです。10分ほどしてようやく駅員が窓口にやってきて、無事1日乗車券を買うことができました。クレジットカードは使用不可です。

自動改札をくぐってホームに向かいます。すでに8:08発のシントラ行電車が発車を待っていました。

8両編成の通勤電車で、トイレはありません。ドア横のボタンを押して、自分でドアを開けて車内に入ります。

8両もつないでいるので車内はガラガラでした。意外と清潔で、窓や椅子の汚れも目立ちません。
ポルトガルの経済状況は決して良いとは言えないので、てっきりイタリアの普通列車のように落書きと汚れだらけだとばっかり思っていたのですが、そうでもないようです。

8:08、ロシオ駅を発車。しばらく地下を走り、地上に出てからはリスボン郊外の住宅地を住宅地を走ります。
沿線は治安が悪いという話で、建物には落書き多数ありました。

駅に停車、頻繁に電車とすれ違います。すれ違う電車はどれも同じ形をしており、あまり面白くありません。

工事中のマンション街。ちょっと晴れ間が出てきました。

郊外電車の車庫が見えています。

リスボン郊外を抜け、緑が多くなってきました。まもなく終点のシントラです。

8:47、リスボンのロシオ駅から約40分で終点のシントラに到着しました。観光地の玄関口にふさわしい洒落た駅で、駅舎のタイルがとても美しいです。

トイレは駅の外れにあり、20セント取られました。

駅舎内の様子。壁面のタイルの装飾がとてもきれいです。これはアズレージョといい、ポルトガル独特の装飾です。

この美しい空間はいったいなんだと思いますか?
実はこれ、駅の切符売場です。宮殿や博物館と言われても信じてしまいますよね。

美しく、ちょっと素朴な芸術品です。ポルトガルには至る所にこのようなタイル装飾があるそうで、これからどんなものに出会えるのか楽しみになってきました。

駅舎の外に出るとカスカイス行きのバスが止まっています。ロカ岬に行く403番のバスもカスカイス行きなのですが、今止まっている417番のバスはロカ岬には行きませんから注意が必要です。

シントラ駅の駅舎を外から眺めます。かわいらしい駅舎ですね。

シントラの街中を歩きます。まだ朝早いせいか、あまり人がいません。

シントラには宮殿以外にも鉄道ファンにとっては外せない重要な観光スポットがあります。
それは観光用のレトロなトラムです。シントラの街中からマサス海岸までを40分かけて走っており、観光客に人気があるそうなのです。ただ日本ではほとんど情報がなく、地球の歩き方もさらっと触れているだけです。
ネットを見ると運行区間を短縮しているという情報もありましたが、シントラ市のホームページでちゃんと運行していることを確かめて、時刻表をプリントアウトして持ってきました。
地図によればまもなく乗り場が見えてくるはず。いったいどんなトラムなのでしょうか。次回に続きます。
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