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ポルトガル旅行記の第44回です。
10日目の9月24日は大移動。
前夜にポルトガルのコインブラを発ち、今日はフランス西端にある国境の町アンダイエからTGVに乗ってパリを目指します。


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■ 10日目 2012年9月24日 月曜日

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ポルトガルのコインブラから夜行列車に乗ってポルトガル、さらにはスペイン国内を横断し、フランスの国境の町アンダイエにやってきました。
時刻は7:10、外はまだ真っ暗です。これから7:42発のTGVに乗ってパリのモンパルナス駅まで6時間かけて移動します。
TGVはフランスの新幹線ですが、途中までは在来線と同じ線路を走り、途中のボルドーあたりから専用線になるとのことです。

まだ時間がありますので私はホームから駅舎内に移動しました。売店で水を買ったらエビアン500mlが1.8ユーロもします。ポルトガルでは同じものが0.6ユーロでしたから3倍です。物価の違いに驚かされます。
しばらく駅舎のベンチで休んでからTGVに乗ろうとホームに出たところで男に呼び止められました。
彼は私の前に立ちふさがり、警察手帳のようなものを見せています。
「警察だ。パスポートを見せろ」
なんでしょうか。別に怪しいそぶりは見せていないはずです。ひょっとしたら警察のふりをして盗みを働く偽警官かもしれません。
「ビザは?レジデンツカードは?とにかくパスポートを見せなさい」
男は矢継ぎ早に質問を浴びせてきます。私は警戒しながらパスポートを見せました。
「私は日本から来ました。ビザは持っていません。入国はミュンヘンです」
男は私のパスポートを見るとあからさまに態度を変え、急ににこやかになりました。
「オー日本人なのか。中国人じゃないんだね。なら行っていいよ」
どうやら中国からの不法入国を疑われたようです。そういえば戸籍のない中国人が歩いてユーラシア大陸を横断してヨーロッパに不法移民しているという話を聞いたことがあります。
寝起きで頭が回らずドキッとしましたが、無事に切り抜けてTGVに乗車しました。

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TGVの車内は基本的に向い合せです。向い合せの2人掛け席に、敷居のある向い合せの4人掛けの席が並んでいます。
座席の真ん中には机があり、コンセントもあります。持参したパソコンで画像の整理など色々できそうです。

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パリ・モンパルナス駅行きのTGVはアンダイエ駅を約8分遅れの7:50に発車しました。これから6時間。長旅です。ならば飛行機にしろよという話ですが、夜行列車に乗りたかったのです。

TGVはフランス国内を時速300キロで縦横無尽に運行します。しかし、私が乗ったTGVは一向に速度を上げません。それどころか、次に停車した駅では停車中何度か車内の照明が消えて真っ暗になり、机のコンセントの通電も途切れてしまいました。ようやく駅を発車しても徐行運転。何かのトラブルでしょうか。

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8:26、次のビアリッツ(BIARRITZ)という駅に到着すると、列車はピクリとも動かなくなりました。
車内放送が早口のフランス語で何を言っているかわからないのですが、かろうじてバイヨンヌという単語が聞き取れました。バイヨンヌは次の停車駅です。おそらくバイヨンヌで何かが起きているのでしょう。とにかく、待つしかありません。

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結局ビアリッツ(BIARRITZ)に40分も停車し、9:07に発車。1時間も遅れています。
今日はパリに着けばそれで終わりなので遅れてもいいのですが、せっかくですから観光もしたいです。
あまり遅くなるのは困ります。遅れを取り戻してくれることを祈りつつ、のどかな景色を眺めました。

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バイヨンヌの手前でもノロノロ運転となりました。そして最徐行のまま工事中の橋を通過。どうもこの橋が原因らしいです。

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バイヨンヌ着9:32。バイヨンヌはビスケー湾に近い港町です。
4分停車して9:36に発車。定刻は8:26発ですから1時間遅れています。本来であればアンダイエから40分で着いているはずなのですが・・・。
駅を出てすぐ車掌がやってきました。私を見てフランス語で話しかけてきます。「WHAT?」と聞いてもフランス語で何かを繰り返すのみ。英語が話せないのでしょうか。まあおそらく切符を見せろということでしょう。切符を見せて、検札を済ませました。

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バイヨンヌからはスピードが上がりました。乗客も増えています。
私の前の席にも若い男が座りました。東芝製のノートパソコンを持っています。
日差しが出てきたので向いに座った男に窓のカーテンを閉められてしまいました。
景色が見たいと言ってちょっとだけ開けさせてもらいましたが、田園地帯と森が続くだけの単調な景色です。
30分ほど走るとまたしても徐行運転。今度は踏切付近で工事をしています。もはや遅れを取り戻すのは無理でしょう。

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11:20にボルドーを発車。ワインで有名な場所です。曇ってきたのでカーテンを開けました。

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やや客が減り、通路の向かい側の4人掛け席が空いたので、私の前に座っていた若い男が席を移っていきました。隣に荷物を置きたかったようです。
再び日差しが出てきました。遠くに教会の尖塔が見えています。

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ボルドーからは無停車で、ブドウ畑の中を一気にパリまで突っ走ります。ますますスピードを上げました。

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晴れたと思ったら雨が降ってきました。天気が変わりやすいです。

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緑豊かな住宅地を通過します。12時を過ぎたのでビュッフェに行ってみたのですが、カウンターに長蛇の列ができているのでいったん席に戻りました。

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ちょっとした大きな町に入りました。

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真新しい通勤電車が止まっています。TGVは速度を落として駅を通過しました。

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小さな池が見えています。
1時を過ぎたので再びビュッフェに行ってみました。多少は行列が短くなっています。ですがメニューがフランス語で、何が書いてあるのかさっぱりわかりません。先ほどの車掌のように英語が通じない可能性もあります。私はメニューを見て5ユーロと一番安いものをメモに書き写し、カウンターのおばさんに見せました。
するとおばさんは背後の写真付メニューを指さし、「あれの真ん中か、左しかありません。あとは売り切れです」と英語で言いました。
なんだ、英語が通じるんですね。車掌がダメで食堂のおばちゃんが英語OKとはどういうことでしょう。
私はボリュームがありそうな左のメニューを指さしました。お値段は8.8ユーロ。現金が少ないのでカードが使えるのはありがたいです。

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レンジでチンされたものを席に持ち帰りました。
中身はコンビーフのようなもので、まんなかにどっかりとジャガイモをすりつぶしたものが鎮座しています。味はまあまあですが、ぜんぜん温まっていません。

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先ほどの雨が嘘のように晴れてきました。

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アンダイエから7時間。ようやくパリに入りました。

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アンダイエを7:50に出発したTGVは結局遅れを取り戻すことなく、1時間遅れの2:50ごろにパリ・モンパルナス駅に到着しました。

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スーツケースを引きずって駅舎内へ。

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モンパルナス駅はパリ中心部の南にあるターミナル駅で、コンクリート製の新しく無機質な駅です。

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頭端式のホームが並んでいます。
今日のホテルはモンパルナス駅から徒歩10分ほどの「ホテル・モンパルナス・ダゲーレ」です。
1泊155ユーロもするのですが、パリの3つ星ホテルならこの値段は安い方です。

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少々迷い、15分ほど歩いてホテルに着きました。フロントのおばさんはとても愛想がよくにこやかですが、建物は古びており、エレベーターの乗り場が階段の踊り場にありました。つまり、1階と2階の間にエレベーターの乗り場があるので、途中まで階段を登らなければならないのです。部屋はまあまあ広く、バスタブはありませんが清潔です。

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時刻は15:30。予定よりも遅くなってしまいましたが、ホテルに荷物を置いてパリ観光を始めましょう。



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