ご存知ですか?
ドイツにもプロ野球のリーグがあるんです。
その名もブンデスリーガ!サッカーじゃありませんよ?野球です。
実は2013年の7月にドイツのシュトゥットガルトに行って野球の試合を観戦してきました。
知られざるドイツ野球の実態を3回に分けてレポートしますので、ぜひご覧ください。
第3回は試合の後半です。
シュトゥットガルト・レッズ対チュブリンゲン・ホークスの試合は、レッズのが大差をつけてリードしています。
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2013年7月13日。ドイツのシュトゥットガルトで行われている、ブンデスリーガ南地区の公式戦、シュトゥットガルト・レッズ対テュービンゲン・ホークスの試合を観戦しています。
試合は序盤からレッズの打線が爆発し。3回終了までに1−9と8点のリードを奪いました。
しかしホークスもやられっぱなしではなく、4回表に3点を返し、4−9となりました。
ドイツの野球はあまり守備が上手くないようです。
送りバントやカバーリングや守備の正確性など、細かい野球ならスペインの方がきっちりやっているようですね。
きっちりしているはずのドイツが打撃偏重守備軽視のブン回し野球で、ラテン系のはずのスペインが守備重視のスモールベースボール。
このあたり民族性とは真逆の野球で面白いです。
ヘルメットに燦然と輝くMLBのマーク。やはりアメリカはヨーロッパ野球の振興にとても力を入れているようです。
日本も野球の国際化に向け、より一層の努力をしなければなりません。
インコースのボールを避けるPedro Medrano。ドミニカ出身ですがドイツ国籍を持つ35歳のベテランです。
ドイツ以外ではプレーしたのでしょうか。資料が無いのでわかりません。
それはそうと、外野の方にあるバックネット裏の観客が半裸になっていますね。
暑いからでしょうか。
フライの捕り方が少し怪しいです。
いかつい体格のキャッチャー。ほとんど後ろにそらしていませんでしたので、いいキャッチャーだと思います。
ベンチで戦況を見守る選手とボールガール。
さあ、サッシャ・ルーツが出てきました。
素振りをするサッシャ・ルーツ。
その後ろでは3塁側観客席からファンが見守っています。
ほとんどのファンがレッズの赤い帽子をかぶっていますね。
数は少なくても、シュトゥットガルトには野球を楽しんでいる人たちがいる。
野球好きとして、とてもうれしいことです。
ルーツがまたタイムリーを放ち、点差がどんどん開いていきました。
大きなストライドで3塁へ。豪快な走り方で、結構速いです。
やはりほしい。日本で見たい選手です。
ホークスはピッチャーが代わりました。
Dennis Jeworowskiという23歳のドイツ人です。
今年は8試合、30イニングに投げて防御率10.09、かなりひどいです。
アメリカでのプレー経験は無いようで、まだまだこれからの選手でしょう。
Dennis Jeworowskiの成績
フォームは豪快ですが棒球です。
そしてセカンドのブラウンが今日2回目のエラー。
ついに10点差以上ついてしまいました。
試合も相当時間がかかっています。
今日はこの後スイスに移動する予定になっており、シュトゥットガルト中央駅発17:57発の特急に乗らなくてはなりません。
6回裏の途中の時点で14:20。あと1時間で終わってくれるでしょうか。
ピッチャーが炎上し、監督がマウンドへ。4−14とレッズが10点のリードを奪っています。
大量リードに喜ぶシュトゥットガルト・レッズのファン。
レッズもピッチャーが代わりました。Sascha Rauschenbergerというドイツ国籍の27歳です。
少々太めな体型から豪快なフォームで投げます。
球は結構速いです。成績は8試合に投げて防御率2.41。
この後第2試合があるからでしょうか。どんどんお客さんが増えています。トータルで300人近くいるでしょう。
7回表、ホークスの攻撃。ラッキーセブンのイベントは特にありません。
ショートがエラー。
苦笑いを浮かべます。ドイツの野球は守備面で課題があるようです。ゲッツーもあまり決まりません。
あっさり三者凡退で7回表が終了。するとレッズの選手がマウンド付近でハイタッチを始めました。
どうやら10点差がついたので7回コールド勝ちとなったようです。
考えてみれば16時からダブルヘッダーの第2試合がありますから、当然の話です。
時刻は15:35。17:57発の特急に乗る予定です。電車の時間がぎりぎりになるかと思いきや、余裕ができてしまいました。
喜ぶレッズのファン。その一方でグラウンド整備が始まりました。
ホークスの監督が2試合目のオーダーを審判に伝えています。
2試合目まで時間がありますが、帰るファンがあまりいません。
皆にぎやかに話し込んだり、ビールを飲んだり、何かを食べたりして時間をつぶしています。
飲食ブースのテントも賑わっています。
このまま第2試合も見たい誘惑に駆られましたが、最後まで見たら今日中にチューリッヒにたどり着けず、後の予定が全部狂います。
私は後ろ髪をひかれる思いで球場を後にしました。
球場を出る際に入場券を売るテントのおばさんから声をかけられました。
「次の試合は観戦するのですか?」
「今日は帰ります。ありがとう」
「そうですか。ありがとう」
日本人は珍しいのでしょうか。でも確かアジア系の客も何人かいたと思います。メルセデス・ベンツが本社を構える街ですし、現地在住の日本人が野球を見に来ていてもおかしくはありません。
本日の試合結果
球場の近くの広場では子どもたちが野球で遊んでいました。
ヨーロッパでこんな光景が見られるなんて!
サッカーではなくて野球ですよ。野球好きとしてはうれしいですね。
ただ、公園の向かい側はアメリカ軍の基地が広がっていましたから、ひょっとしたらドイツ人ではなく、アメリカ兵の家族かもしれませんが。
ちょっと時間があるので、トラムの1日券を使ってぶらぶら街を巡ることにしました。
車内はきれいです。
坂を下るトラム。シュトゥットガルトの町は起伏に富んでおり、中心を外れると緑豊かな田園地帯が広がっています。
中心部に向かう坂を下っていきます。
17時過ぎにシュトゥットガルト中央駅に戻ってきました。
仏像を売る怪しげな店があります。
コインロッカーに預けておいたスーツケースを取り出します。
鍵を差し込むと10ユーロ払えとのメッセージがでてきました。あれ?最初1.5ユーロ入れて預けたはずなのに。
なんとこれは1回1.5ユーロではなく、1時間1.5ユーロのコインロッカーだったのです。
ちゃんと1日単位の料金で使えるコインロッカーもあったのに、注意書きを読まずに時間貸しのロッカーに入れてしまいました。痛恨のミスです。
駅の売店には日本の漫画が売られています。ドイツ人は日本の漫画が好きなのでしょうか。
そろそろ時間になったので17:57発チューリッヒ行きの特急列車に乗るべく、ホームの先端まで歩きました。
4両編成の客車列車で、売店もビュッフェも食堂車もありません。
普通国際列車なら何らかの形で車内で食べ物を入手できるのですが、チューリッヒまで3時間なにも食べられないのはきついです。
発車時間が迫っていたものの、急いでホームの付け根にある売店まで戻り、パンを買って車内に戻りました。
17:57に発車。夕暮れに染まるドイツの田園地帯を眺めつつ、今日の目的地であるスイスのチューリッヒを目指したのでした。
以上、ドイツ野球の観戦レポートでした。
試合は7回コールドと大味な展開で、しかも守備もミスが目立つなど、リーグとしてのレベルはそれほど高くはないのかもしれません。
ですがドイツ人メジャーリーガーが誕生していますし、実力は確実に向上していると言えます。
それに、野球場には野球が好きな老若男女が集まり、皆心から野球を楽しんでいました。
観衆は300人程度と少ないですが、ここはサッカーが盛んなヨーロッパなのです。
私はこれまでイタリア、スペインで野球を観ましたが、こんなにお客さんはいませんでした。
イタリアのボローニャは80人程度で選手の家族がほとんど。スペインのビラデカンスでは30人程度で、やはり選手の関係者ばかりでした。
ドイツという野球後進国で、純粋に野球を楽しむファンが100人以上集まってくるというのは私にとって新鮮な驚きです。
落ち着いた国民性に野球というスポーツが合っているのかもしれませんね。今は興行として成り立っていなくても、将来的なポテンシャルはかなりあるのではないでしょうか。ドイツ野球の今後がとても楽しみです。
こういったリポートは実際に現地で観戦した人にしか書けない文章ですね。
もっと言えば、今回の観戦記は薫友さんにしか書けない文章です。今度お会いした時に色々とお聞かせ下さい。楽しみにしております。