ケガからの現役復帰を目標にリハビリに励んでいた清水直行が現役を引退し、ニュージーランドのナショナルチーム統括コーチに就任するようです。
清水直行が引退&NZコーチ就任会見 「野球の交流に力を注ぐ」(産経)
ロッテなどで通算105勝を挙げた清水直行投手(38)が25日、東京都内で会見し、現役引退とニュージーランド野球連盟のゼネラルマネジャー(GM)補佐兼代表統括コーチ就任を発表した。
清水は「楽しい思い出、苦しい思い出がたくさんあったが、満足いく13年を送ることができた」と振り返った。2012年にDeNAを自由契約となった後、ニュージーランドの野球に興味を持ったという。今後は同国の子供たちとの野球交流に力を注ぎ、「20年東京五輪での野球・ソフトボールの競技復活に携われるのであれば挑戦したい」と話した。
ニュージーランドの野球人口は約6000人で、国際野球連盟(IBAF)の世界ランキングは28位。第3回ワールド・ベースボール・クラシックに初参加し予選で敗退した。
現役引退とニュージーランド・ナショナルチームの統括コーチへの就任 (清水直行公式ブログ)
自分自身、野球が好きで、いつまでも野球をやっていたいと夢を持っていました。しかし、一方で、ベストな状態に戻って、現役に復帰することが可能なのかと、自問自答したときに、次なる道を探すことも、考えなければいけないのではないか、という思いも、頭をもたげてきました。
そんなとき、ふと頭の中に浮かんだのが、アテネ五輪の日本代表メンバーに選ばれた時、長嶋茂雄日本代表監督から掛けられた一つの言葉でした。
「野球の伝道師であってほしい」
日本代表メンバーに選ばれたということは、広く世界に野球を伝えていく、そういう役割があることを自覚してほしいと、選手に呼び掛けられました。
「野球の伝道師」――。
現役を退いたのち、世界に野球の楽しさ、おもしろさを伝える、そういう仕事をできたら、それはそれで、意味のある、これまでお世話になった野球界に少しでも恩返しできることなのではないか、そんなことを考え始めたのです。
それが、去年の夏のことでした。
それからは、時間があれば、PCでネットサーフィン。世界で、野球はどれほど広まっているのか、自分が役に立てそうな国はないか、毎日のようにパソコンを開いて、行きついたのが、ニュージーランドの野球だったのです。
正直なところ、ニュージーランドのスポーツと言えば、「オールブラックス」のラグビーしか思い浮かばなかったのですが、前回のWBCの一次予選では、フィリピン、タイを下して2勝。最後、台湾に敗れ、予選敗退となりましたが、身体能力の高い選手が多く、おもしろいチームに見えました。
そうなると、頭の中はニュージーランドでいっぱい。なんとか、ニュージーランドにコネクトできる道はないか、と探しました。
そのうちに、以前から、野球界の同期選手の親睦会である「昭和50年会」に、イベントなどでご協力をいただいていた笹川スポーツ財団さんから後押しをいただくことができ、秋以降、ニュージーランドで野球の指導者を務める話が一気に進展したわけです。
正直なことを言えば、まだまだ現役に未練はあります。解説の仕事をいただいて、マリンスタジアムで、選手たちがプレーする姿を見ていると、今でもうらやましく思います。
自分自身の13年間のプロ生活を振り返って、一言では言い表せないほど、濃密な野球人生を送れたと思っています。あのころ、自分もあの中にいたんだと思うと、少々せつない気持ちになることもあります。
また、一昨日の会見では、6歳で始めた野球の、32年間の様々なことが走馬灯のように頭の中を駆け巡り、これまで大きなけがもなく野球を続けられた丈夫な体の生んでくれた母親への感謝、育ててくれた父親への感謝、祖父母、兄弟、家族、あるいは友人、知人への感謝、そんな思いが一気に浮かび、途中、言葉を詰まらせたりもしましたが、今回の会見で、そんな自分の野球人生にも一つの区切りをつけ、あらためて、ニュージーランドの野球の発展に力を注ぎたいと考えています。
WBCで日本と戦えるチームにしたい、これはニュージーランド・ベースボールの一つの目標です。また、2020年の東京オリンピックで野球競技が復活するという目標に向かっても、ニュージーランドでは、小さなか力かもしれませんが、一つのきっかけになることができるかもしれない。
今回のことは、世界の野球という観点から見れば、とるに足らない小さな事かもしれませんが、自分にとっては大きな決断であり、大きな一歩だと思っています。日本には、素晴らしい野球の指導者がたくさんいらっしゃいます。そんな方々にとって、あるいは、これから指導者への道を進んでいかれる方にとって、生意気な言い方かもしれませんが、自分の今回の決断が、いい意味で刺激になり、「清水にできるのなら、オレにだってできる。オレもやってみよう」と、思ってくれる人がいたら、こんなにうれしいことはありません。今度はほかの国で、また新たな野球伝道師を目指す日本のプロ野球OBが出てきてくれるかもしれません。そんなことを、考えてみたりしているのです。
一つ一つは、小さな力かもしれないけれど、それらが集まって、世界の野球普及につながる、あるいは五輪の野球競技復活の一助になるかもしれない。そんな風になれればいいなと本当に思っています。
しばらくは、ニュージーランドと日本を行き来することになると思いますが、条件が整えば、ニュージーランドでの生活を軸として、野球の普及に努めたいと思っています。
緊急企画! 清水直行(元千葉ロッテ・横浜DeNA)の引退表明と第二の野球人生 (アスリート街.com)
ニュージーランド・ベースボールとしても、日本のプロ野球で通算105勝を挙げた実績ある投手である清水を指導者として迎えることは、まさに渡りに船ともいえる状況だった。
今回の会見に同席したCEO(最高責任者)のライアン・フリン氏は、「ニュージーランドの野球人口は、この3年間で10倍近くに跳ね上がった。メジャー・リーグをめざしてプレーを続けている選手もいる。野球をもっともっと普及、発展させていきたいと思っていたところに、日本のプロ野球で人気、実績両面を兼ね備える清水氏がコーチ就任を希望してくれるとはありがたいお話で、すぐに実現に向けて動いた」と、夏以降の、清水のコーチ就任に関しての経緯を振り返っている。
さらに「ラグビーでは、多くの選手やコーチが日本で指導、プレーしてきたように、ニュージーランドは日本にとってのビッグ・ブラザーでした。しかし、野球では、日本がニュージーランドのビッグ・ブラザーになってくれる。清水さんがそのきっかけを作ってくれたと思います」と、清水への期待と感謝を口にした。
すばらしい決断だと思います。
現役復帰断念は残念ですし、あの公平で温かみのある解説は好きだったのですが、清水直行は日本での約束された地位を捨て、野球の伝道師として海を渡ることになりました。
このブログでもヨーロッパ野球について触れてきましたが、実は野球も世界中で行われています。
WBCでのオランダ代表やイタリア代表の躍進やアジアシリーズでのオーストラリアチームの優勝はご存知のとおりですし、フランスのプロ野球は元阪神の吉田氏が指導したことで知られています。
そしてドイツではケルン・カージナルスに日本人投手が入団して話題になりました。
沖学園高校を3月に卒業したばかりの広高竜世投手です。ヨーロッパ野球には外国人枠がありますから、助っ人外人です。
すごいですね。高校球児が海を渡ってヨーロッパ野球の門を叩くじだいになりました。
ケルン・カージナルスに日本人投手が入団!! (欧州野球狂の詩)
そしてヨーロッパで野球の普及のため大々的に活動しているのがアメリカメジャーリーグです。
MLBは各国でトライアウトやレッスンを行ったり、用具を供給したり、コーチを派遣したりしています。
なのでヨーロッパの野球選手たちの中にはメジャーやマイナーでのプレーを夢見る選手も多いです。
それに比べると日本の取り組みはだいぶ遅れています。野球だって面白いのですから、どんどん広めていけばいいのです。
そういう意味で今回の清水直行の決断はとても意義があると思いますね。がんばってほしいです。
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直行、格好いいなぁ。無論、本人は現役復帰を目指していたのですから、悔しい思いはあるでしょうけど、気持ちも体も元気なうちに、新しい世界で新しいことに挑戦できるのですから、幸せですよね。
野茂投手が選手としてのパイオニアなら、直行には指導者のパイオニアになって欲しいです。
薫友さん、次の旅行はニュージーランドでしょうか。
楽しみにしております。