
11月1日と2日に台湾でLamigoモンキーズ対千葉ロッテマリーンズの試合を観戦してきたわけですが、ナイトゲームなので昼間は小旅行をしてきました。
1日目は彰化の機関庫を、2日目は台湾北東部の海岸にある金山温泉です。金山温泉には日本統治時代に作られた露天風呂があるとのこと。楽しみです。
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今回はチャイナエアラインの深夜便を利用しました。成田空港を21:40に出発し、桃園国際空港に0:30ごろ到着。急いで入国手続きを済ませ、深夜1時過ぎに台北駅行きの高速バスに乗りました。

ホテルに着いたのは2時過ぎです。台北駅から徒歩10分少々。謙商旅 - 總統府館というホテルです。窓がないのがアレですが、寝心地はいいです。

翌朝はコンビニでチケットを引き換えて台北駅へ。ネットで予約した切符を引き取るためです。
目当ての列車はEMU300形と言われる電車。
1989年に運用を開始したイタリア製の電車は製造元の倒産により部品の確保が困難になったため、いつ廃車になってもおかしくありません。
しかもこの電車。日本では絶滅危惧種となり、台湾でも残り少なくなった吊り掛け駆動の電車です。
低音をうならせる釣り掛け車はかつて東武野田線で活躍していましたが、今や江ノ電や箱根登山鉄道、筑豊電鉄などわずかな路線でしか走っていません。しかもこれらの路線はあまりスピードを出しませんから、迫力あるサウンドを楽しむのは難しいのです。
その点EMU300形は特急ですから、そりゃもうすごい音で走ってくれるはず。これはぜひ乗らなければ!
問題はどの特急がこのEMU300形で運行されるかです。時刻表には形式名など書いてありません。
ただ、ヒントがありました。この列車は古いのでバリアフリーに対応しておらず、時刻表に車椅子のマークがありません。
したがって、車椅子のマークがない特急列車「自強号」を探せばいいことになります。時刻表を見ると該当する列車がありました。
自強119号。七堵駅を9:48に出発し、台北駅に10:20、彰化駅に13:09、終点斗南駅に14:09に到着する列車です。終点まで行くと試合開始に間に合いませんが、彰化で降りて台湾高鉄の台中駅(在来線の新烏日駅)まで戻れば試合開始に間に合いそうです。
と、いうわけで、10:20発の台北発自強119号に乗りました。
列車は台北駅でかなりの客が降りたものの、それ以上の客が乗り込み満員。おまけに客室内は電車のモーターの音があまりしません。せっかく電車のモーター音を堪能しようと思ったのに・・・。

仕方がないので景色を眺めます。11時過ぎに駅弁売りがやってきて、出来立ての温かい弁当を食べました。ふと見ると車内は随分空いてきました。客室内は静かでも、車端部のデッキに出れば良い音が鳴っているかもしれません。
そんなわけで、前から4両目のデッキに行ってみました。私がいた6両目のモーターは気合が足りてませんでしたが、4両目の釣り掛けモーターはなかなか良い仕事をしています。思わず動画を撮ってしまいました。

彰化に到着。特急らしくない面構えです。ただ正面はやや傾斜しており、イタリア的なおしゃれを感じます。
今日はここから在来線で北上し、高速鉄道との乗換駅である新烏日駅に向かうのですが、30分ほどの開き時間があります。

駅前をぶらぶらしていたら「扇形車庫」と書かれた案内看板がありました。どうやら観光スポットになっているようです。列車の車庫が見学できるということでしょうか。案内表示にしたがって道を歩き、線路をくぐると車庫発見。駅からは徒歩10分程度でした。

受付で名前と電話番号を書いて入場。見学料は無料となっているようです。

鉄道の車庫ですからマニアしかいないのかと思いましたが、意外と若者が多く、子供連れの家族の姿も目立ちます。

ロボット発見。

順路に従って進むと扇形車庫の正面に出ました。円形の車庫で、本線から入ってきた機関車がターンテーブルで向きを変えて入庫するのです。

しかもディーゼル機関車の姿に混じり、蒸気機関車の姿も見えます。これはいい!しかし、こんなに近づいて見ても良いのでしょうか。

私が蒸気機関車の写真を撮っていると、後方からディーゼル機関車が走ってきました。
え?この車庫って普通に使ってるの?
驚く私をよそに、ディーゼル機関車はターンテーブルでゆっくり向きを変え、私の目の前を通って車庫に入っていきました。

営業中の車庫なのに、こんなに自由に見学できて良いのでしょうか。日本なら考えられません。

車庫の脇には展望台がありました。こちらは彰化駅の方向。

扇形車庫の様子。見学者が思い思いに歩き回っています。

パノラマ写真を撮ってみました。

蒸気機関車に近づいてみました。臨時列車として運行されることもあるのだとか。

ターンテーブルを正面から。

いやーいい物を見た。彰化で思わぬ収穫でした。在来線で新烏日に向かいます。

新烏日駅。高速鉄道の台中駅と繋がっています。駅構内には模型屋がありました。

なぜか日本の鉄道模型が売られています。

台湾の電車の模型もありました。

翌日は台北からバスに乗って台湾北東部の海岸沿いにある金山温泉を目指します。
反日租という垂れ幕が下がっていてびっくりしましたが、これは別にどこかの国のような反日活動を差しているのではなく、日租という悪質な木賃宿を廃絶しようという運動のことです。
ターミナル内には切符売り場がありますが、台湾版Suicaである悠遊カードも使えるようです。すでに金山に向かうバスが止まっており、運転手にカードを見せつつ「金山(ジンシャン)?」と訪ねると端末にタッチして乗れとのことでした。
バスは高速道路で基隆に向かい、海沿いを南西へと走ります。

外は大雨。途中野柳という奇岩で有名な観光地があるのですが、雨がひどいのでパスしました。しかし考えてみれば大雨なのに露天風呂に行くのもどうなんでしょう。

そんなことを考えている内に金山到着。老街といわれる商店街を歩いてみました。入口にあった立派なお寺でトイレを済ませ、散策開始です。

雨がさらに強くなってきました。

清代からの歴史ある建物もあるそうで、古い町並みが続いています。

著作権的に大変問題がありそうな感じ。

おいしそうな屋台が並んでいます。

雨が降っていても賑やかです。

なにやら人だかりがする食堂がありました。いや、お店というより廟?ネットで調べたところによると、ここは有名な鴨肉屋で、廟の周りを取り囲むように建物が建っているのです。

店の前の様子。

広安宮と書いてありますが、ほとんど食堂と化した不思議な廟なのです。気になるので入ってみましょう。

店の奥には廟がありますが、その前は調理場や飲食スペースになっており、人々で混雑しています。

しかし、どうやって注文するのでしょう。お客さんはドンドン出てくる皿を持ってどこかに消えていきます。建物の中に入る人もいれば、出て行く人もいます。お金を払っていないようです。お金を払うタイミングは?分かりません。

仕方がないのでレジのおばちゃんに「鴨肉」と書いたメモを渡した所、出てきたのがこれ。良く分からないままに180元払います。

どこで食べようかと2階に上がってみたら大きなテーブルの椅子の一つに座るよう言われました。ここは相席なのです。
パックをあけて、肉汁たっぷりの鴨肉にしょうゆをかけて食べます。しかし周りの人たちはみんなお皿なのに、私だけパック。ひょっとして、これはお土産用の鴨肉なのではないでしょうか。まあ出来立てで温かいからいいのですが。
肝心の味はまあまあ美味しいのですが、骨が多くて食べにくいです。そして台湾の人たちは骨を机の上に直に置いています。汚いです。

店内の様子。

食べ終わって店を出るとき、こんな張り紙を見かけました。値段表だと思って写真を撮ったのですが、帰国後よく見ると下のほうに英語の注意書きが!
読んでみると「まず皿を持って自分で席まで行ってください。代金は食べ終わってから払ってください」と書いてありました。
つまり、勝手に皿を取って、食べ終わってからお金を払えばよかったのですね。分かりにくいです。

食べるものは食べたので、温泉に行きましょう。中心部から徒歩10分、舊金山総督温泉に向かいます。

舊金山総督温泉は日本統治時代の昭和14年に建てられた歴史ある温泉で、台湾総督府の招待所として使われました。独立後は国民党軍が使用しましたが、温泉としては使われなかったようで、軍撤退後は廃墟同然となったそうです。2003年になってこの建物を改築し、温泉施設として営業開始。今では金山の観光スポットの一つとなっています。
この舊金山総督温泉には様々なお風呂があります。1階は水着着用のプールとスパ。2階がレストラン、3階が家族用の個室風呂、4階が露天風呂です。台湾では水着着用の露天風呂が多く、日本のように裸で入れる露天風呂は多くありません。

早速入口から中に入ってみましょう。歴史ありそうな建物です。

中に入ると洒落た階段が目に飛び込んできました。

受付に行くと日本語で「4階?」と言われたので、そうだと答えて300元を払います。タオルとバスタオルも貸し出してくれるのがありがたいですね。

2階はレストランになっています。鴨肉を食べてお腹いっぱいなので、中には入りません。

3階の家族風呂。

そして4階。海が見える露天風呂です。幸い雨が小降りになってきました。あいにくの景色ですが、そのせいかお客さんが少なめですので、ゆっくりお風呂に入れそうです。

屋根もあり、雨の日でも安心して入れますね。浴槽はいくつかに分かれており、温度が違います。屋根の下が一番熱く、42度ほどありました。
泉質は世界でも珍しい海底ハロゲン温泉。ハロゲン元素のほかにも海水のミネラル分や鉄分など様々な成分が溶けこんでおり、とても体に良いのだそうです。30分ほどお湯に入っていたら、疲れが一気に取れました。

金山のバス停から淡水へ。20分ほど待ってバスに乗り、淡水駅まで1時間ほど海沿いを走りました。

淡水駅に到着。良いお湯でしたが、おもったより時間がかかってしまい、桃園球場での試合開始に間に合うかどうか微妙になってきました。私は急いで地下鉄に乗り、台北駅に向かいました。
というわけで台湾小旅行でした。
グルメあり、温泉あり。台湾は変化に富んでいて楽しいです。ぜひ皆様も台湾を訪れてみてください。
あの蒸気機関車は日本国内では梅小路機関区とJR高崎支社だけでしか動いていないD51ですよ。