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南イタリア旅行記の第4回です。
3日目の2013年9月17日。カゼルタから鉄道に乗りバーリ経由でマテーラに向かいます。
マテーラはサッシと呼ばれる洞窟住居が残る、不思議な景色の町です。


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■ 3日目 2013年9月17日


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朝7時に起床。3日目はカゼルタから特急列車に乗ってイタリア半島を横断し、アドリア海に面したバーリという街に向かいます。バーリからはアップルロカーネ線(Ferrovie Appulo Lucane線)というローカル私鉄に約1時間半乗れば今日の目的地であるマテーラです。我々はホテルで朝食を済ませ、9時前にチェックアウトしました。ホテルから駅までは歩いて1分ほどです。

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我々が乗る特急列車は9:15発。切符は日本でインターネットにて購入済みです。ゆったり座れる1等車にしたのですが、ホームのどこに止まるのでしょう。駅員に聞くとホームの後方後ろに行けとのこと。スーツケースを引きずって歩き出すと先ほどの駅員が走って追いかけてきました。後ろではなくホーム前方が正しいということです。わざわざ教えに来てくれたのですね。

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ほぼ時間通りにカゼルタ駅を発車。バーリ到着は約3時間後の12:08の予定です。イタリアの鉄道は時間通りは知らないことで有名ですが、最近はかなり改善され、特急に関してはトラブルが無い限りそれほど遅れなくなっています。
天気はあいにくの曇り。ローマ時代の水道橋をくぐりました。立派な橋です。

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列車はイタリア半島を西へと横断します。手前にはブドウ畑。奥には山が見えています。

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ベネヴェントという駅に到着しました。古代より栄えた交通の要衝で、魔女伝説の街として知られています。

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山を越え、さらに西へ。

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のどかな風景です。

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風力発電用の風車が回っています。

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アドリア海に沿って走る路線と合流しました。残念ながら海沿いを走らないので、あまり海は見えません。

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まもなくバーリです。

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12:06ごろにバーリ駅到着。アドリア海に面した港町で、駅もにぎやかです。

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ホームの先端部に無料のトイレがありました。

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バーリの駅前広場に出ました。ここからはアップルロカーネ線という私鉄に乗り換えです。切符は買っていないので、駅で買わなければなりません。

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駅前広場に面して別の路線の駅がありました。ここかな?と思いましたが違うようです。

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目当ての駅はさらにもうひとつ隣でした。工事中です。切符売り場が無いのですが、どうやって切符を買うのでしょうか。学校帰りらしい少年たちについていくと売店がありました。どうやらこの売店が切符売り場をかねているようです。時刻表があり、料金表もありました。カウンターのおばさんに「マテーラ」とつげ、切符を購入。4.8ユーロです。学校帰りの子供たちは切符ではなくお菓子を買っていました。お菓子と切符が同じ窓口で売られているのは不思議ですね。

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エレベーターが工事中なのでスーツケースを持ち上げて何とか階段を登りました。我々が乗る12:55発の列車はまだ到着していないようです。

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自動改札機が設置されるようですが、まだ工事中です。それにしても人が多い。ホームが人で埋まっています。

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ホーム後方は大変混みあっているので、比較的空いている前方へと進みました。

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12:30ごろに我々が乗る列車がやってきました。6両編成です。この路線は本数が少なく、1〜2時間に1本程度しかありません。おまけにマテーラまで直接行ってくれない列車も多いので、これから乗る12:55のマテーラへの直通列車は大変貴重な列車です。

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空席が無いのでさらに前へ。なんとか空席を見つけました。しかし切符に刻印をしていないのを思い出し、ホーム後方まで刻印機を探しに行きました。イタリアの普通列車に乗る場合はホーム備え付けの刻印機に切符を通して乗車日時等を印字しなければなりません。これをやらないと切符を持っていないのと同じなのです。

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出発は20分遅れ、13:15ごろでした。観光客や学校帰りの少年少女で満員です。古いディーゼルカーで、暑いのに冷房なし。仕方ないので窓を開けました。
座席に座って景色を眺めていると、通路に立っていた高校生らしい女子生徒から日本語で話しかけられました。
「すみません、日本の方ですか」
「そうです」
「どこに行くのですか?」
「マテーラ」
「私の夢は日本に行くことです」
「それはすばらしい。日本は好き?」
「大好きです」
リュックサックにX−japanの文字。Xのファンなのでしょうか。もっと話したかったのですが、彼女は離れた場所にいる友人のところに行ってしまい、それ以上話すことはできませんでした。

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比較的大きな駅に到着。6両編成のうち後ろの3両を切り離しました。
このあたりからだんだん空いてきました。

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小さな駅に停車しました。

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だんだん景色がひなびてきました。オリーブ畑が目立ちます。

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遠くに街が見えます。

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駅名にマテーラの文字。もうじき着きそうです。

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この先に世界遺産の街が本当にあるのか、ちょっと不安になる景色です。

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マテーラ中央駅には20分遅れの14:30に到着。

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殺風景な地下駅で、世界遺産の街の玄関としては貧相です。

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マテーラ中央駅の駅前広場。地上も殺風景です。今日のホテルは世界遺産のサッシ地区のど真ん中。かつての洞窟住居を利用したホテルです。ホテルまでは歩いてもいけますが、スーツケースを持っての移動は大変です。
タクシー乗り場に近づくとドライバーのおっさんが声をかけてきました。
「タクシー?」
「ホテル・レジデンス・サン・ジョルジョ」
ホテルの名前を言い、いくらと聞くと10ユーロ。まあいいでしょう。
タクシー車内では運ちゃんに話しかけられました。
「明日どこに行くんだ?」
「アルベロベッロ」
「鉄道だと大変だよ。一旦バーリに戻るから時間がかかるし」
「そうだね」
「タクシーにしなよ。アルベロベッロに行く日本人はほとんどタクシーで行くよ」
「いくら」
「80ユーロ」
「時間は?」
「1時間ぐらいでつくよ。俺は日本が大好きなんだ。ほら、これをみてくれよ」
運ちゃんはバックミラーにぶら下がっているキーホルダーを見せました。
それは日の丸と旭日旗をあしらったデザインでした。日本人観光客に親日家であることをアピールして長距離客をゲットしようということでしょう。

明日は午後もしくは夕方にマテーラからアルベロベッロまで移動します。アルベロベッロはとんがり屋根のかわいらしい家が並び、世界遺産に指定されている観光都市です。
実はここマテーラからアルベロベッロへの移動は公共交通機関が貧弱で、旅行者の頭を大いに悩ませるのです。
一応鉄道があるにはあります。先ほどバーリから乗ってきた列車に乗って1時間かけてバーリに戻り、バーリでスッド・エスト鉄道に乗り換えてアルベロベッロまで1時間半。しかも両鉄道の接続が図ったように悪く、4時間以上かかってしまいます。
これでは時間の無駄。確かに安く行けますが、気ままなバックパッカーならいざ知らず、我々には10日間という限られた時間しかないのです。ネットで調べたところタクシーをチャーターすれば1時間ぐらいでいけるということで、多少高くてもタクシーに乗るつもりでした。とある送迎サービスのホームページを見たところ、マテーラからアルベロベッロまでは85ユーロ。今乗っているタクシーの運転手は80ユーロだと言っていますから、このままお願いしてもよさそうです。
ただ、ホテルを予約するに当たってアルベロベッロへのタクシーの予約もお願いしています。ホテルに着いたら断らなければならないでしょう。

少し考えましたが、結局この運転手にお願いすることにしました。悪い人でもなさそうです。
「アルベロベッロはどこのホテルなんだ?」
「トゥルッリ・ホリデーなんだけど」
「そのホテルなら知ってる。日本人が良く泊まっているね。まかせて」
「じゃあお願いします」
「明日何時に迎えに来ればいい?」
「17時でお願いします」
ということで交渉成立、ホテルに向かいます。。


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タクシーは新市街を抜け、サッシ地区に入ります。普通の町並みからいきなり白い町並みに変わりびっくりしていると、急坂を下ってホテルの前に到着。10分ほどでした。運転手はホテルのレセプションまでスーツケースを運ぶと、電話番号を書いたカードを私に手渡し、「また明日ね」と言って去っていきました。

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レセプションでチェックインを済ませ、我々が泊まる部屋へ。レセプションからやや離れているらしく、ホテルの人に案内してもらいます。
「メールでタクシーを予約してほしいとお願いしたんだけど、実はさっきのタクシーの運転手さんにおねがいしてしまいました」
と伝えましたが、ちゃんと通じたでしょうか。

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我々の部屋はレセプションから少し歩くようです。

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これがサッシと呼ばれる洞窟住居が並ぶ街なのですね。不思議な光景に思わず目を見張りました。

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白い壁、入り組んだ路地。これは楽しく散策できそうです。

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我々が泊まる部屋に着きました。かつての洞窟住居を改装したもので、ホテルの部屋というよりも、家そのものです。

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中に入ります。これが洞窟住居・・・。ちょっと天井が低いですが、不思議な雰囲気がたまりません。これぞ旅の醍醐味です。

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バスルームは新しいです。

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キッチンもありました。おなべやフライパンもそろっています。冷蔵庫を開けると牛乳やジュースが入っていました。

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テーブルにはパン。明日の朝食用でしょう。なにやら楽しくなってきました。
さあ、マテーラの散策に出かけましょう。


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