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金沢旅行記の第5回は新幹線開業の陰の部分です。
華やかな開業イベントの影で、新幹線と並行する金沢〜直江津〜長野間の在来線がJRから切り離され、金沢駅〜倶利伽羅駅間がIRいしかわ鉄道線に、倶利伽羅駅〜市振駅間があいの風とやま鉄道線に、市振駅〜直江津駅間がえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン、直江津〜妙高高原間がえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン、妙高高原〜長野間がしなの鉄道北しなの線となりました。
各地では輸送力低下により大混乱。新幹線の開業は地域交通の今後に暗い影を落としています。


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3月14日。今日は富山から長野まで在来線で移動し、新幹線に乗り換えて帰宅します。富山駅構内では今日も新幹線開業イベントが行われていました。

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富山地鉄ホテルで市電の無料券をもらったので乗車。実は新しくなった富山駅構内に市内電車が乗り入れたため、営業キロが変わっているのです。日本全国の鉄道を乗り潰すためには、この市内電車にも乗りなおさないといけません。

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これからJRから第3セクターに経営分離されたかつての北陸本線の区間に乗車します。まずは富山駅10:25発のあいの風とやま鉄道線の泊行き列車に乗車。2両編成で、座席はすべて塞がっていました。輸送力不足を心配しましたが、案の定平日の朝に積み残しが出てしまったようで、あいの風とやま鉄道は今後車両の増結などの対応を検討するようです。

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入善駅に到着です。
北陸新幹線開業前までは1時間に1本の特急列車が走っていましたが、新幹線開業後は特急列車は全廃。
魚津や入善といったかつての特急停車駅は新幹線の開業によって逆に不便になってしまいました。

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右手に立山連峰、左手に日本海を眺めつつ北東へ。

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終点の泊駅が見えてきました。あいの風とやま鉄道は県境の市振駅までですが、折り返しができる設備が泊駅にしかないので、この駅がえちごトキめき鉄道との乗換駅となっています。JR時代はほぼすべての列車が新潟県側の糸魚川駅まで直通していたので不便になりました。

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停止信号のため、一度停車しました。2番線にはえちごトキめき鉄道直江津行きの列車が停車しています。実はあいの風とやま鉄道の列車も同じ2番戦に入線し、直江津行き列車の後に停車するのです。
そのため赤信号ではありますがそのまま発車。ゆっくりと駅に近づいていきます。

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ホームに入線。

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11:16に泊駅に到着。直江津行きの列車がすぐ前に止まっています。乗り継ぎ客にとっては便利ですが、駅舎からは階段を登らなければならないので不便です。

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11:26発の直江津行きの列車はなんと1両のディーゼルカーです。座席が少ないので乗り換え客が我先にと走り出しました。

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富山から乗ってきたあいの風とやま鉄道の列車。

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直江津行きの車内。あっという間に座席が埋まります。

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泊駅の駅名票。

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えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの新しいディーゼルカーです。直江津までは電化されていますが、糸魚川駅までが交流、糸魚川駅から先が直流電化となっています。JR時代のように交直両用の車両を走らせるとコストがかさむ上、この区間はもともと乗客が少ない区間でもあったので、電車ではなくコストが安いディーゼルカーを走らせることにしたのです。本数自体は増えたものの、特急が全廃され、編成も1両に短縮されましたから、輸送力は低下しています。

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定刻どおり出発。きれいな日本海です。今は立ち客が数人いる程度ですが、運転手は「この先糸魚川駅から大変多くのお客様の乗車が見込まれます。ドア付近で立ち止まらず、奥へと詰めていただきますようお願いします」と何度もアナウンス。嫌な予感がします。

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11:55に糸魚川駅到着。新幹線との乗換駅です。この列車は糸魚川駅12:30発。35分も停車します。
お客さんはかなり降りたのですが、それ以上の人数がどんどん乗ってきてラッシュ同然の状態になりました。なにしろたった1両。たいした人数でなくともすぐにギュウギュウ詰めです。
あまりの混雑に、駅係員や運転手からはこんなアナウンスが何度も行われました。
「12:30発の直江津行き列車は大変混雑しています。お急ぎでないお客様は次の13:08発の列車もご利用下さい。次の列車は長い2両編成です。余裕を持ってご乗車いただけます」
次の列車といっても40分後です。ひどい話ですよ。
開業日で混み合うのは分かっているのですから、両数を増やすとか、臨時を出すとか、何か対策を立てるべきです。

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ギュウギュウ詰めのまま糸魚川駅を出発。2両編成の列車とすれ違いました。

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開業イベントとして全線500円で乗り放題となる記念切符を販売し、さらにスタンプラリーまで行っているのです。混んで当たり前。えちごトキめき鉄道の無策が腹立たしいです。
途中の駅からも多くのお客さんが乗ってきましたが、一部は乗り切れずに積み残したまま発車。次の列車は40分後です。最悪ですね。

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有間川。海に面した小さな駅です。

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13:18に終点の直江津に到着。混雑のため7分ほど遅れました。
ギュウギュウ詰めの車内からようやく解放されました。

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ホームには折り返しの泊行きに乗ろうとするたくさんの人たちがいます。ものすごい人数です。絶対に乗り切れないでしょう。いったいどうするのでしょうか。

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13:14発のえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン妙高高原行きは遅れてきた泊からの列車を待って13:20に発車しました。
こちらはJR東日本から譲渡された車両で、4両もつないでいます。こちらの路線はちゃんと対策しているのに・・・。

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上越妙高駅に到着。新幹線との乗換駅です。ホームには新潟行きの特急が停車していました。

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沢山乗ってきます。

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内陸に向かうにつれてだいぶ雪が積もってきました。

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雪国の景色です。

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雪山を望みつつ、坂を上っていきます。

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まもなく二本木駅。すれ違うはずの列車があらぬ方向に停まっています。ここは全国でも珍しいスイッチバック形式の駅なのです。

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ポイントを渡った右側が本線ですが、二本木駅のホームはこの後ろ。左側の引き込み線に入り、バックしてホームに進入します。
昔の非力な蒸気機関車では坂の途中で止まると動けなくなるため、平坦な場所にホームを作る必要がありこんな形になりました。

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ゆっくり引き込み線に進入。

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引き込み線の先は行き止まりです。

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運転手さんが後を見ながらバックしてホームに進入。こんな運転の仕方はなかなか見られません。

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ゆっくりホームに進入します。

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二本木駅に到着。直江津行きの列車は6両でした。
なんともうJRの車両ではなくなったのにJRマークがついたままです。

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妙高高原行きにもJRマークがついています。

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直江津行きが先に出発。地元の観光協会の方が手を振っています。

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スイッチバックの模様を写真に撮ろうとホームの先端に人が集まっています。

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引き込み線へ。

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推進停目ってなんでしょう。

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直江津行きが下っていきました。この列車も発車します。

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あとはひたすら雪景色の中を南下。

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白銀の世界です。

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きれいな景色ですね。

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14:12に妙高高原駅に到着。7分ほど遅れています。隣の番線に停まっているしなの鉄道北しなの線の長野行きに乗り換えました。こちらは14:08発ですが、遅れてやってきた直江津からの列車を待って発車しました。

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JRから譲渡された古い115系。

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長野に近づくにつれて雪が少なくなってきます。

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新幹線の線路が見えてきました。

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長野の車庫には高崎線や房総からやってきた211系が停まっています。

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南武線で使われていた電車も停まっていますね。改造されるのでしょうか。

列車は14:52に長野駅に到着。そのまま新幹線に乗り換えて東京へと向かいました。
長野始発のあさまなら空いているのではないかと思ったのですが、指定席は全席完売、かろうじて自由席に座りましたが、立ち客が出る大混雑でした。

以上、富山からの鉄道の旅でした。
北陸新幹線が華々しく開業した陰で、切り捨てられる形となった在来線は第3セクターに移管されてしまいました。輸送力が低下し運賃も値上げ。地元の人たちにとって、新幹線が開通したから便利になったわけでは必ずしも無いのです。乗客が多い区間ばかりでもありませんので、かなり厳しい経営になることも予想されています。
新駅開業など様々な改善策を検討しているようですので、なんとか運行を続けてほしいです。

ともあれ、乗るべき路線には乗りました。
北陸新幹線にも乗ったし、富山の路面電車にも乗ったし、並行在来線にも乗ったから、再び日本全国のすべての鉄道に乗ったことになったぜ!
と、この時は思っていたのですが、家に帰って愕然。これを忘れていました。

万葉線、高岡駅ビル延伸で停留場名を変更(レスポンス)

富山県高岡市内の路面電車を運行している万葉線株式会社は(2014年)3月29日、高岡駅ステーションビルのオープン(3月29日)にあわせ、同ビルへの乗り入れを開始する。これに伴い停留場名の変更とダイヤ改正も行う。

万葉線は、高岡駅前〜六渡寺間の高岡軌道線と六渡寺〜越ノ潟間の新湊港線を運営している第三セクター。法的には高岡軌道線が軌道法に基づく軌道、新湊港線が鉄道事業法に基づく鉄道に分かれているが、実質的には高岡駅前〜越ノ潟間を結ぶ「万葉線」として一体的に運営されている。

起点の高岡駅前停留場はJR高岡駅の駅舎から少し離れた場所に設置されていたが、駅周辺整備事業により建設された高岡駅ステーションビルまで軌道を延伸することになり、3月29日から同ビル1階に設けられた新しい停留場に乗り入れる。新しい停留場は高岡駅前停留場を移設する形で設けられるが、停留場の名称は「高岡駅」に変更される。同時に本丸会館前停留場も「急患医療センター前」に改称される。



そうなんです。金沢の近くの高岡から出る万葉線という路面電車が昨年3月に200メートル延伸されていたのです。乗っていない区間ですから乗らなければなりません。

たった200メートルのためにまた北陸まで行かないといけないのか・・・。
だが、それがいい。そのバカバカしさこそが、趣味に生きるということなのです。
こんどこそ北陸で寿司を食べたいですね。永平寺にも行きたいです。