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チェコ・ハンガリー旅行記の第27回です。
7日目はブダペスト観光。
ヨーロッパ最大級の温泉施設がブダペストにあります。その名はセーチェニ温泉。室内浴場に露天風呂があり、たくさんの人々でにぎわっていました。

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■ 7日目 2014年3月19日

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ハンガリーの首都ブダペストを観光しています。国会議事堂の見学を終え、セーチェニ温泉へと向かいます。

が、その前にハンガリーという国がどんな国なのか、ここで説明させていただきたいと思います。
ハンガリーは中央ヨーロッパの内陸国。オーストリア、スロヴァキア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロヴェニアに囲まれています。
人口は約994万人。公用語はハンガリー語。首都はブダペストです。
国土は小さく日本の約四分の一。中央をドナウ川が流れ、広大な平原と丘陵地帯が国土の大部分を占めます。
国民のほとんどはマジャール人。彼らの祖先はウラル山脈から移動してきた遊牧民族です。
アジアの影響を受けているせいか、マジャール人は苗字が先で名前が後となっています。日本と同じですね。

ハンガリー人の有名人を即座に答えられる人はほとんどいないと思います。
しかし、以外にも有名人は多いです。
音楽家ではフランツ・リスト、バルトーク・ベーラ、コダーイ・ゾルターン。
またルービックキューブを発明したルビク・エルネーや、クリプトン電球を発明したブローディ・イムレ、コンピューターの開発に多大な貢献をしたジョン・フォン・ノイマンはハンガリー人です。

ハンガリーは古代パンノニアと呼ばれ、紀元前1世紀にはローマ帝国の支配下となりました。
その後4世紀頃に侵入したフン族が独立国家を作るも、その後フン族が分裂しハンガリーの支配者は次々と変わりました。

9世紀になるとウラル山脈から遊牧民族であるマジャール人が移住し、西暦1000年にはイシュトバーン1世がキリスト教に改宗してハンガリー王国を建国。形の上では1918年まで続きます。
14〜15世紀は中央ヨーロッパである程度の力を持っていたものの、オスマン帝国との戦いに相次いで敗北し、1541年にはブダが陥落。国土の大半をオスマン帝国の支配を受けるにいたりました。ハンガリーにトルコの影響が残るのはこのためです。

オスマン帝国に支配されなかった国土の残りの部分はハプスブルグ家のオーストリアによって支配され、次第にオーストリアが攻勢を強めていきます。
1699年のカルロヴィッツ条約でそれまでオスマン領だったハンガリーなどがオーストリアに割譲されると、ハンガリーではオーストリアからの独立運動が繰り返されました。
勢力を弱めるオーストリアは1867年にハンガリーの大幅な自治権を認め、オーストリア=ハンガリー帝国が成立。

第1次世界大戦では敗戦国となり、オーストリアと分離してハンガリー民主共和国として独立しました。
その後1919年には共産主義革命が勃発するもルーマニアの介入で失敗、1920年にはハンガリー王国が成立します。
しかしトリアノン条約で国土の72%を失ったハンガリー王国は次第にナチスドイツとの結びつきを強め、各地に成功して一部領土の回復に成功します。
第二次世界大戦では枢軸国側で参戦。主にソビエト連邦と戦いますが戦局は劣勢となりました。
1945年にはソビエト連邦軍によってドイツ軍が駆逐され、戦後はソビエト連邦による占領下に置かれます。
1946年に社会主義国家であるハンガリー共和国が成立。ソ連の影響の下、東側の共産圏に属することになりました。
しかしハンガリー国民は幾度もソビエト連邦に反抗し、1956年にはハンガリー動乱が勃発。その後は比較的穏健な社会主義政策が取られることとなります。

1980年代後半にはソビエト連邦にゴルバチョフが登場し改革解放を旗印とするべレストロイカ政策が進められました。ハンガリーでも民主化運動が勢いを増し、1989年にはオーストリアとの国境に設けられていた鉄条網を撤去し、国境を開放。これにより西ドイツへの亡命を求める東ドイツ人が殺到し、彼らの多くがオーストリア経由での西ドイツ亡命に成功。こうした動きがベルリンの壁崩壊と東西冷戦の終結へと繋がっていきました。

1989年にはハンガリー共和国憲法が施行され、多党制に基づくハンガリー第三共和国が成立。さらなる改革解放を進め、1999年にNATOに加入。さらに2004年にはEUに加盟。2007年にはシェンゲン協定を導入し協定導入国との国境の通行が完全に自由化され、現在に至っています。


次に首都のブダペストについてです。
ブダペストはかつてドナウ川西岸のブダとオーブダ、東岸のペストという別の町でしたが、1873年に統合され現在のブダペストになりました。

旧市街は大変美しいことで知られ、ドナウの真珠」、「ドナウのバラ」、「ドナウの女王」、「東欧のパリ」など様々な異名を持っています。
特に歴史的な町並みが残るブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通りは世界遺産に指定され、世界中から観光客が訪れています。

また、歴史的な街並みだけでなく温泉の町としても知られ、市内には50近くの温泉があります。

これから向かうセーチェニ温泉はヨーロッパ最大の複合温泉施設で、屋内浴場は1913年、屋外の温水プールは1927年に作られました。まるで遊園地か宮殿のように大規模で、通年楽しめる観光スポットとしても人気を集めています。

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というわけで早速セーチェニ温泉に向かいましょう。国会の前から地下鉄2号線に乗り、デアーク広場駅で地下鉄1号線に乗り換えました。
この1号線は建国1000年祭が行われた1896年に開業。ヨーロッパではロンドンに次いで2番目に古い地下鉄です。車両が小さく、加速がかなり急なので掴まっていないとバランスを崩します。
駅に到着してドアが開いてもすぐに閉まるので注意が必要ですね。ボーっとしていると降りそびれます。
駅は歴史を感じさせるクラシックな雰囲気。ホームの端に木製のドアがありますが、開きませんでした。

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15分ほどで最寄り駅であるセーチェニ・フェルドー駅に到着。階段を上ると、そこは市民公園でした。

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市民公園は広さ1キロ平方メートルの広大な公園で、1896年の建国1000年祭では博覧会場になりました。

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公園内をしばらく歩くと黄色い立派な建物が見えてきます。セーチェニ温泉です。

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入口がありました。早速入りましょう。

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チケット売り場は若者たちで混雑していました。水着のギャルがたくさん見られそうです。
チケット窓口で4100フォリントのチケットを購入。約2000円です。カードも使えました。

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温泉の入口でハンガーを渡されます。これに服をかけろということでしょう。
中に入ると男女共用の更衣室が並んでいます。この中で水着に着替え、服と貴重品をロッカーにしまうというシステムなのです。
更衣室には折りたたみ式の椅子があり、椅子の腰掛けの部分を降ろすと腰掛の部分が邪魔をして扉が開かないようになっています。

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着替えた後は荷物をロッカーにしまい、いざ、温泉へ!

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まずは室内浴場から入ってみます。ギリシャ・ローマ風の装飾ですね。
中央の大浴場はぬるく、30度ほどでした。

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両脇にある浴場は38度と40度。こちらの方が日本人としてはちょうどいいお湯です。

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室内浴場から屋外の温水プールに出ました。
おお!広い!まるでレジャーランドだ!
そしてビキニ姿のお姉さんがたくさんいます。目の保養になりますね。

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温水プールは3つ。真中の広いプールは泳ぐ人用のプールで、水泳帽を着用しなければなりません。お湯と言うよりは水で、3月に入るには寒いです。

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水泳用プールに面してビュッフェがありました。まるで宮殿のような建物です。

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奥のプールは待ったりゾーン。お湯も多少温かいです。
真中に小さな流れるプールがありました、流れが急なので、若者たちが遊んでいます。

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そして手前のプールではセーチェニ温泉名物が!
なんとお湯につかりながらチェスを楽しむおじいさんたちがいるのです。

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平日の昼間からビール片手に温泉入ってチェス三昧。豊かな老後ですね。うらやましいです。

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いやー。気持ちいいし、水着のお姉さんがたくさんいて目の保養にもなるし、最高。
1時間ほど入っていたでしょうか。3月のヨーロッパですから外はかなり寒いのです。
お湯から出ると寒くてたまらないのでなかなか上がれなかったというのもあります。
なお、セーチェニ温泉はカメラによる撮影が可能。日本の海水浴場でカメラを取り出すと事案になってしまいますが、ここなら大丈夫です。

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温泉を堪能した後は、地下鉄に乗って街の中心部へ。

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中心部の駅オクタゴンで下車。12時を過ぎたので、おなかが空いています。

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結局マクドナルドにしてしまいました。チーズバーガーのセットで1550フォリント。約760円。高いですね。
普通サイズを頼んだのですが、コーラが日本のLサイズ以上に巨大でした。
トイレは有料。ただし、マックのレシートにバーコードがあり、このバーコードをかざせば無料で入れます。つまりマックのお客に限り無料ということです。
店を出た後でマックの割引券をもらい、タイミングの悪さに笑ってしまいました。

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マクドナルドの前から出ている4番系統のトラムに乗りました。
風格ある旧市街の道を北上します。

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あの左側の立派な建物はマジャール劇場でしょう。

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旧市街のトラムに乗るのは大好きです。
ですが、この後はもっといいものがあります。
ブダペストの郊外を走る。ヘーブという郊外電車です。
これがまたいい感じでぼろいのです。
youtubeで見てぜひとも乗ってみたかったので、とても楽しみです。