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チェコ・ハンガリー旅行記の第28回です。
7日目はブダペスト観光。
ブダペスト郊外電車は1970年代初めに製造された古い電車が今も現役で走っています。
吊り掛けサウンドを響かせながら爆走する普通列車を往復し、ゲッレールトの丘に登ってブダペスト市外を眺めました。

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■ 7日目 2014年3月19日

budapest

セーチェニ温泉を楽しんだ後は、ブダペストの郊外電車に乗りましょう。
ブダペストにはトラムや地下鉄のほかに、ヘーヴという鉄道があり、ブダペストとその近郊の町を結んでいます。
ブダペスト郊外電車は4つの路線があり、どれも市内中心部から少し外れた場所に始発駅があります。このためブダペスト郊外電車に乗るためには地下鉄やトラムに乗って始発駅にいかなければなりません。日本ならブダペスト中心部に乗り入れるのですが、どうしてこんな不便な状態のまま放置してあるのでしょう。

4つある路線のうち、一番観光客に縁があるのはドナウ川沿いのバッチャーニ広場とかわいらしい観光地の町センテンドレを結ぶ路線でしょう。

地下鉄M2線の終点ウルシュ・ヴェゼール広場からはグドゥルーまでの路線が延びています。終点のグドゥルーにはオーストリア・ハンガリー帝国の王妃エルジェーベトが過ごしたグドゥルー宮殿があり、観光名所となっています。エルジェーベトはハンガリー読みであり、ドイツ語読みではエリザヴェート、愛称シシィです。

中心部の南にあるヴァーゴー橋からはラーツケヴェに向かう比較的長い距離の路線があります。ラーツケヴェはドナウ川に浮かぶ大きな島で、オスマン帝国によって住む地を追われたセルビア人が作った町です。ハンガリー唯一のセルビア正教会や、バロック様式の美しいサヴォイ城があり、多くの観光客が訪れます。

そして最後にこれから私が乗る路線はペトゥーフィ橋のたもとのボラロス広場からチェペルに向かう路線です。観光的な要素は一切無く、住宅地を走るだけ。
ですが、ほかの路線はブダペスト市内を出てしまうので私が持っている乗り放題券でカバーできず、追加料金が必要になります。このチェペル線は全線ブダペスト市内の短い路線ですから、乗り放題券を持っていればOKです。


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というわけで、時刻は13時前。ブダペスト郊外電車のチェペル線の乗り場へやってきました。ブダペスト中心部のオクタゴンから4番トラムに乗りペトゥーフィ橋の手前まで下車。階段を下りると郊外電車の乗り場があります。
切符を売る小さな小屋があるだけで、ホームに屋根はありません。
ベンチに座っていた兄ちゃんに「ニーハオ」と声を掛けられましたが無視して乗り込みましょう。

この電車は1980年代初めに作られた車両で、3両編成を2本繋いでいます。1両目と3両目はモーターがあり、日本では珍しくなった釣り掛けサウンドを聞くことができます。2両目はパンタグラフがあるものの、モーターは無いので静かです。

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釣り掛けサウンドを響かせて発車。実にいいです。車内は無骨なデザインで、向かい合わせの座席が並んでいます。冷房は無いようですね。

せっかくですので車窓を動画で撮影してみました。
釣り掛けモーターの音も元気ですね。ただ、残念ながら終点の駅に止まる直前でカメラの電池が切れてしまいました。






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列車はドナウ川沿いの荒地や工業地帯を走り、やがて団地が並ぶ住宅街に入り、15分ほどで終点のチェペルに到着しました。
共産主義国的なデザインの無骨な団地が並ぶ、住宅地の駅です。

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チェペル駅の奥には車庫がありました。

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左側の電車は70年代に作られたブダペスト郊外線で最も古い電車です。

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チェペル駅の駅舎。売店が入っています。

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チェペルに何かあるわけではないので、来た電車に乗って引き返しましょう。

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5分ほどの折り返し時間でチェペル駅を出発。団地の中を走ります。

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地元の人の生活路線なのでしょう。途中の駅で結構乗り降りがあります。

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ドナウ川を渡るあたりで荒地と工業地帯になります。

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工場へと続く引込み線。

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駅の待合スペースは落書きだらけ。

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ドナウ川へと続く水門が見えています。

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ドナウ川沿いを北上。まもなく終点です。

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終点のボラロス広場に到着。車両が古くて無骨でいい感じでした。
時刻は14時半。ドナウ川を渡り、ゲッレールトの丘からブダペストの街を見下ろしてみましょう。

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トラムに乗って橋を渡り、ゲッレールト温泉の近くで下車。坂道を登っていくと、朝入ったゲッレールト温泉の屋外プールが見えました。プールは夏のみオープンです。

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丘の上まではひたすら上り坂。ですが景色がいい場所なので観光客が結構います。

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絶景スポット。いちゃつくカップルがいます。

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ブダペスト市内。高い建物がありません。

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登ること10分。丘の上にある「しゅろの葉を持つ女性の像」が見えてきました。
ブダペストを代表する展望スポットです。

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この女性像は1945年にナチスからブダペストを開放したソ連軍の慰霊碑として建てられたもので、ブダペストの自由の象徴です。手前の台座にはソ連兵の銅像もあったのですが、1989年の民主革命後に撤去されました。

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カメラを縦にしました。かなり巨大な台座です。

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ゲッレールトの丘から眺めるドナウ川。鎖橋が見えています。

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ブダペスト旧市街方面。いい景色です。

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巨大なイシュトバーン教会。夜はここでオルガンコンサートがあります。

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ドナウ川沿いに並ぶ歴史ある建物。

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トラムが走っています。

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お土産屋がありました。

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ゲッレールトの丘の頂上にある建物はツィタデッラというかつての要塞で、ハプスブルク家がブダペストを監視するために造った物です。
現在内部は博物館やレストランになっています。

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建物沿いの道を歩きます。

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戦車が展示されていました。

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女性像のある広場からやや北にある展望台からドナウ川とブダペスト旧市街を眺めます。

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天気にも恵まれ、ブダペストの町並みが良く見えます。

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午前中に見学した国会議事堂が見えています。

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こちらは王宮。明後日行く予定です。

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丘を下ったところにある聖ゲッレールトの像。11世紀に初代ハンガリー王イシュトバーンが招いたイタリア人宣教師ですが、反キリスト教の人々によって殺されてしまったそうです。

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ギリシャ・ローマの神殿のような雰囲気です。

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階段を下りて、トラムに乗りました。途中でホテルを通るので部屋に戻って一休み。

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再びとラムに乗ってバッチャーニ広場にやってきました。
次回はここからドナウ川沿いの小さな町センテンドレに向かいます。
センテンドレはかわいらしい旧市街が残り、観光地として人気があるそうです。