
BCリーグの石川ミリオンスターズでは元メジャーリーガーで千葉ロッテマリーンズでもプレーしたフリオ・フランコが選手兼任監督を務めています。
フリオ・フランコ。推定56歳。
1982年にメジャー初出場後、インディアンスやレンジャーズでプレー。
千葉ロッテマリーンズに1995年と1998年に在籍しました。
ロッテではまさにカリスマ。圧倒的な存在感でチームを牽引し、特徴的なバッティングフォームでファンからも人気を博しました。
日本を離れた後はメキシコや韓国、メジャーリーグでプレーを続け、2007年にはメジャーでの最年長ホームラン記録を48歳254日まで更新しました。
翌2008年にメキシカンリーグのキンタナロー・タイガースで現役を引退。
メジャー通算2586安打、この年までのプロ生活26年で通算4229安打。まさにメジャーの伝説的なプレーヤーでした。
しかしフランコは2012年にメキシカンリーグの監督に就任するも、2014年にアメリカ独立リーグのフォートワース・キャッツで現役復帰。
そして翌年2015年にはBCリーグの石川ミリオンスターズに選手兼任監督として入団。17年ぶりに日本でプレーすることになりました。
フリオ・フランコの経歴の詳細はこちらをご覧下さい。
フリオ・フランコがまた日本で見られる!
ロッテファンとしてこれほど嬉しい事はありません。
しかも、たまに「代打オレ」で試合に出るというレベルではないのです。
4番指名打者として大活躍しているそうなのです。
しかしBCリーグの情報は少なく、どんなプレーをしているのかわかりません。
いても立ってもいられず、休暇を取ってBCリーグを見に行ってしまいました。
観戦したのは5月22日金曜日に富山県の砺波市野球場で行われた石川対富山の試合と、5月23日に石川県立野球場で行われた石川対武蔵の試合です。
まずは金曜日、砺波で行われた石川ミリオンスターズ対富山GRNサンダーバーズの試合をご覧下さい。
なんとフリオ・フランコは4番指名打者として先発出場し、2打席連続タイムリーヒットで4打点の大活躍です。
なお、後編の記事はこちらです。
フリオフランコ!渡辺正人!小林宏之!金沢の地に元ロッテ戦士が集う。BCリーグの金沢対武蔵戦を観戦
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5月22日金曜日。私は東京から北陸新幹線に乗って北上し、新高岡駅で城端線に乗り換えました。
17時過ぎに砺波市野球場の最寄り駅である砺波駅に到着。しかし球場は駅から5キロ以上も離れています。
球場まで行く路線バスは朝10時で終わるという悲惨な状況のため、やむなくタクシーに乗りました。
球場までは10分少々、料金は2000円です。「帰りはどうすればいいんですか?」と運転手に聞いたところ、「バスはありませんからタクシー会社まで電話してください。迎えに行きます」とのこと。降りる際に電話番号を渡されました。

広大な駐車場を抜け、野球場の入口に到着。1000円のチケットを買って中に入りました。

砺波市野球場は典型的な地方球場。この球場の別名は砺波の名産にちなみチューリップスタジアムといい、照明がチューリップの形をしています。

外野は芝生です。

フリオ・フランコです!
ベンチの前でトスバッティングをしていました。

17年前と変わらない姿です。
引き締まった体つきで、胸板が厚く、余計な脂肪がありません。
本当に56歳なのでしょうか。

3塁側の石川側には応援団が数名。あとは観客がチラホラいます。
球場内で流れる音楽はマットフランコやムニスや竹原の原曲。富山サンダーバーズの音響担当の人はロッテファンなのでしょうか。

6時15分に試合開始です。

選手達が一礼。富山の監督は元近鉄の吉岡。石川の監督はフリオ・フランコで、その横にはコーチの渡辺正人がいます。
ああ渡辺正人。元千葉ロッテマリーンズの選手です。
上宮高校からのドラフト1位。内野手として期待されたのですが残念ながらレギュラーにはなりきれず、晩年は2軍でくすぶっていました。
その正人がコーチとしてがんばっているのです。ファンとしては応援したくなります。

ベンチ前に並ぶ石川の選手たち。

フリオ・フランコと渡辺正人のツーショット。マリーンズファンにはたまりません。

1回表、石川が1点を先制し、追加点のチャンスにフリオ・フランコが登場。堂々の4番指名打者です。

富山のピッチャーはアヤラという外人選手です。

打席に入るフリオ・フランコ。

フリコ・フランコが構えました。
全く変わっていません。
あの特徴的なフォームはかつての姿そのままです。

ボール球をよけるフリオ・フランコ。

悠然と構えるフランコ。

オーラが違います。いかにも打ちそう。56歳なのに。

打った!鋭いスイングだ!

打球はサードを強襲し外野へ抜けていきました。フリオ・フランコの2点タイムリーで3−0と石川がリードです。

すごいですね。第一打席からいきなりヒットを打ってしまいました。
せっかくだからフリオ・フランコが動く姿を見たい!
お任せ下さい。フリオ・フランコの雄姿をばっちり動画で撮影しました!
片手で動画を取りつつも片手で一眼レフを構えて写真を撮影していますので多少ぶれていますが、そこはご容赦下さい。
まずはフリオ・フランコの第一打席。
金沢のファンによる「フランコ、オイ!オイ!」のコールもロッテ時代そのまま。
1塁側の富山側で撮影していますので、富山のファンの会話が聞こえてきます。

フランコ2塁へ。膝を気にしています。痛めているのでしょうか。

3塁まで進みますが、得点はなりませんでした。

かつてのように全力で走れなくなっていますが、体つきは56歳とは思えないほど精悍です。

ADVANCE-Westで最下位の4位に沈む石川ですが、今日は守備が固いです。

ピッチャーも好投し、富山の攻撃を封じました。

ベンチで指示を出すフリオ・フランコと渡辺正人。

富山の応援団。

フリオ・フランコの第2打席は誰もが驚きました。
鋭いスイングが一閃。打球はレフトに向かってぐんぐん伸び、レフトフェンス直撃の2点タイムリーツーベースになったのです。なんと2打席連続のタイムリーヒット。4打点の大活躍です。
おまけに打球の速さ!レフトまでライナーで延びていきましたよ。どの日本人選手よりも打球が鋭いです。
レジェンド、という生易しいものではありません。次元が違います。56歳が放つ打球ではありません。
早速動画で見てみましょう。
あまりにもすごい打球に富山ファンも驚きを隠せないようでした。
後のバッターにもタイムリーが飛び出しフリオ・フランコがホームイン。
石川は1回に3点、2買いに点を入れ、7−0と序盤から大量リードを奪いました。

ベンチに戻るフリオ・フランコ。

19時になるとやや客が増えてきました。車でしか来られないスタジアムですから、まあまあ多いと思います。
なお、この日の観衆は326人でした。

暗くなってきました。

球場の周りは田んぼで、建物はまったくありません。のどかな光景です。

フリオ・フランコ第三打席。

フォアボールでした。

その後タイムリーが飛び出しフリオ・フランコホームイン。

4回に2点を追加し9−0とリードを広げます。

5回裏終了後。ホームチームの富山の選手達がグラウンド整備を行います。

この富山の選手はかつて阪神に在籍した野原です。

打った!しかし得点にはいたりません。

石川の先発長谷川は大量点に守られ安定したピッチング。

フリオ・フランコは終盤で下がり、代打にダルーという外国人選手が出てきました。
ダルーはタイのバンコク出身。2013年にはWBCタイ代表に選ばれています。アメリカのアマチュアチームであるサムライサンディエゴでプレーした後、今年から石川に加入しています。

9−0で試合終了。渡辺正人とフリオ・フランコが試合後の礼をしています。

石川はこれが今季初完封。フリオ・フランコも満足そうな顔をしています。

客席に一礼。

本日のスコアです。この球場。メンバー表に選手の名前が出ていません。

球場の外には富山の選手達が出てきて子どもたちからのサインの求めに応じていました。

子どもたちの目標となり、野球の裾野を広げていく。
とてもいい試みだと思いました。

フリオ・フランコ大活躍の余韻に浸りながら球場の外へ。
一応バス停を見ましたが、駅行きの終バスは19時ですから使い物になりません。
私はタクシー会社に電話して、砺波駅前のホテルへと戻りました。
とにかくフランコはすごい。
56歳とは思えない打棒です。
確かに足は年相応に衰えていますけど、バッティングはメジャー級。
体を鍛え、技術を磨けば年齢は無関係なんですね。
何かを言い訳しながら生きている人は、フランコの姿を見るべきです。
フランコの姿を見て元気と勇気をもらいました。
年齢を言い訳にせず、己を磨き、全力を尽くすことが大事なのですね。
フリオ・フランコ観戦記の前編はこれでお終い。
5/23日土曜の試合に続きます。