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チェコ・ハンガリー旅行記の第35回です。
8日目はハンガリーの海と言われるバラトン湖を鉄道に乗って一周します。
いよいよ謎の軽便鉄道、バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道に乗車します。
日本語による乗車記は本邦初。どうぞご覧下さい。

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■ 8日目 2014年3月21日



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バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道の始発駅、バラトンフェニヴェシュ駅で16:15発の列車を待ちます。
小さな駅舎には駅員がおり、トイレも無料で使えました。

Balatonfenyvesi Gazdasai Vasut
https://hu.wikipedia.org/wiki/Balatonfenyvesi_Gazdas%C3%A1gi_Vas%C3%BAt
日本語訳
https://translate.google.co.jp/translate?sl=hu&tl=ja&js=y&prev=_t&hl=ja&ie=UTF-8&u=https%3A%2F%2Fhu.wikipedia.org%2Fwiki%2FBalatonfenyvesi_Gazdas%25C3%25A1gi_Vas%25C3%25BAt&edit-text=

ハンガリー語のwikipediaによると、バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道はバラトン湖畔の開墾や農作物の運搬のために建設された軽便鉄道で、第2次世界大戦ごろに建設されました。その後一度廃線となりますが、1950年に線路幅760mmの軽便鉄道として運行を再開。1956年からは旅客営業も始まりました。
その後貨物の輸送量が低下する一方で観光需要が増加。観光客目当てに蒸気機関車が運行されたこともあるようです。2012年にはハンガリー国鉄による運行となり現在に至っています。

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レールがヨレヨレ。本当に列車がやってくるのか心配になります。

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待合室に貼ってあったバラトン湖の観光案内ポスター。

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バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道の路線図です。緑色のマーカーで塗られている部分のみ営業しており、分岐する路線は休止しているようです。

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時刻表。左が到着時刻。右側の黄色い部分が発時刻です。6往復運転されますが、平日は11:00の便が運休するため5往復になります。

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終点で方向転換をする必要があるためでしょう。駅舎を取り囲むデルタ線になっています。

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やがて16:15発の列車がやってきました。ほぼ時間通りです。
ディーゼル機関車がたった1両の客車を引っ張っています。

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乗客を降ろし、デルタ線を通り方向転換をします。

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行先表示。

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駅舎の前で停車。

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駅舎の前に止まるバラトンフェニュヴェシュ産業鉄道の列車。
子供たちが駅の周りで遊んでいます。

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バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道の客車に乗り込みました。
木造の椅子が並んでいます。客車の中央に設置されたストーブがいい味を出していますね。
車端部にはトイレもありました。
乗客は親子連れや老人が数人。観光客は私以外いません。

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レトロ感あふれる客車ですね。
発車間際になると列車の周りで遊んでいた子供たちも乗ってきたので、10人ほどになりました。

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16:15、時間通りに発車。バラトンフェニュヴェシュ駅南側の住宅地を抜け、田園地帯を走ります。

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時速20キロ程度でゆっくりと走ります。
70歳近いであろう老車掌が検札にやってきました。私の切符はインターネットで購入し、自宅のプリンターで印刷したEチケット。これに印字されたバーコードを車掌が持つ端末で読み込んで検札をします。しかしこの老車掌は私の切符をチラッと見ただけ。いいのでしょうか。

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車内の様子。子供たちの声で社内が賑やかです。老車掌は子供たちとにこやかに話をしています。まるで子供たちみんなのおじいさんであるかのようです。

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一つ目の駅が見えてきました。小さな待合室が有るだけの駅です。駅に到着すると、乗っていた子供たちが全員降りました。駅で待っていたのは乗る客ではなく、この駅で降りる子供たちの保護者だったようです。

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1つ目の駅を出発。子供たちを降ろして乗客は爺さん1人と婆さん1人。静かになりました。

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廃止された支線が分岐していきます。ボランティアが今も整備しているようですね。復活の噂もあるようです。


車窓を動画で撮影してみました。何にも無い田園地帯をのんびり走る軽便鉄道。最高です。

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2つ目の駅に到着。小さな待合室が有るだけの駅です。自転車を引いたおじいさんが列車を待っていました。

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おじいさんが自転車ごと乗り込んできました。

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原っぱを走るバラトンフェニュヴェシュ産業鉄道の列車。

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鹿がいました。

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3つ目の駅。駅名票と時刻表が地面に刺さっているだけで、他には何もありません。待合室もありません。

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しかしこんな所に線路を引いて、1両の客車に車掌も乗せて6往復走らせているのです。コスト面は大丈夫なのでしょうか。日本だったらとっくの昔に廃止されていると思います。

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久々に家を見ました。

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まもなく終点です。

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16:55に終点Somogyszentpal駅に到着。何て読むのか分かりませんが、バラトン湖の南にある小さな村です。

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この列車は終点に5分ほど停車し、17:00発の列車となって折り返します。
ディーゼル機関車が切り離され、機回し線に入ろうとしていました。

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ぽつんと1両取り残された客車。

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始発駅からのったおじいさんとおばあさんが駅を後にしていきました。待合室で待っている女性3人は1人だけ乗るようです。

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ディーゼル機関車が動き出しました。

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客車の前方でストップし、バックしてきます。

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客車に連結されました。
車内に乗り込むと行きの列車に途中で乗ってきた自転車のおじいさんが乗っています。
もともと始発駅のバラトンフェニュヴェシュに行くつもりだったようです。
折り返し乗車は認められていないはずですが、ローカル線なのでそのあたりはアバウトなのでしょう。


機回しの模様を動画撮影しました。

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バラトンフェニュヴェシュ駅に向かって出発しました。
切符はバラトンフェニュベシュ駅までの片道切符で228フォリントです。1時間近く乗るのですが100円以下。とても安いですね。
途中の線路上でおじいさんが乗り込んでいきました。駅でもないのに止めるとは!乗客全員顔見知りだからできることですね。まるでローカルバスです。

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老車掌と自転車のおじいさんと今乗ってきた爺さんが賑やかに世間話をしています。土日は観光客も来るようですが、平日は完全に地元民の足となっているようです。

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だんだん日が暮れてきました。

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バラストが新しいです。線路はヨレヨレですが、きちんとメンテされているようですね。

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休止中の支線が合流してきました。

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始発駅から数えて一つ目の駅。乗客がおらず通過します。

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並木道に沿って走ります。


動画を撮影しました。カメラの電池がなくなったのでスマホに切り替えます。

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住宅地に入りました。まもなく終点のバラトンフェニュヴェシュ駅です。


終点バラトンフェニュヴェシュ駅に到着するまでを動画撮影。かなり揺れるので撮影が大変です。

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17:42に終点に到着。すぐに折り返すので、方向転換用のデルタ線に入っていきました。

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老車掌が旗を振っています。

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ポイントを切り替える老車掌。

デルタ線での方向転換を動画で撮影しました。

謎の軽便鉄道バラトンフェニュヴェシュ産業鉄道。
線路は貧弱でも、地元の人たちの生活にしっかり密着したのどかな路線でした。
こういう路線に乗ることも海外旅行の醍醐味の一つだと思います。

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国鉄駅から18:01発のブダペスト行き列車に乗車します。
1等車で料金は4050フォリント。約2000円です。終点のブダペスト着は20:29。2時間半乗って2,000円ですから安いです。

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1等車は空いていました。4人掛けの席を1人で占領です。

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夕暮れのバラトン湖。日が沈もうとしています。
列車は快調に飛ばしましたが、ブダペスト手前でのろのろ運転になり、終点のブダペストには15分遅れの20:45に到着しました。

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地下鉄に乗りデアーク広場へ。地球の歩き方のレストランのページの一番最初に載っているonixisという店に行きました。
おしゃれそうな店ですが値段を見てびっくり。メインが一皿10000フォリント以上!つまり5000円もします。
これに飲み物や前菜を入れたら10000円を超えるでしょう。高すぎるので却下です。

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というわでセーチェニ温泉のそばにあるバゴイヴァール(Bagolyvar)というハンガリー家庭料理の店に行きました。21時半ごろで、お店は空いていました。
伝統的ハンガリー料理のセット4400フォリントというのを頼み、まずはビールを一杯。

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メニューはスープとグヤーシュと言うパプリカの煮込みでした。とても美味しいです。飲み物こみで6610フォリント。約3300円です。量もかなりあり、お得なお店でした。

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地下鉄でホテルへ。この地下鉄はヨーロッパで2番目に古い地下鉄で、世界遺産になっています。
味のある駅ですね。木造の切符売り場やタイルの壁がいい感じです。

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列車はかなり小さいです。加減速が急で、転びそうになりました。

23時前にホテルに帰って就寝。

明日は最終日です。
まずはブダペスト郊外を走る「ブダペスト子供鉄道」に乗り、その後ブダ城などを見学する予定。
それにしても「ブダペスト子供鉄道」とは何でしょう。子供たちが運営する鉄道ということらしいですが。
楽しみです。


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