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タイ旅行記の第6回です。
2015年の1月にタイに行ってきました。
2日目は太平洋戦争中に日本軍がタイとビルマの間に建設した旧泰緬鉄道ナムトク線に乗車します。
バンコクのトンブリー駅から客車列車に乗車し、ナムトクを目指しました。


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■ 2日目 2015年1月18日 日曜日

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朝6時に起床。タイ旅行も2日目になりました。
今日はタイから南西に向かい、ナムトク線に乗車します。

ナムトク線は太平洋戦争中に日本軍が建設した泰緬鉄道の一部です。
泰はタイ、緬は当時のビルマを表しています。つまり、タイとビルマを結ぶべく建設された鉄道でした。

泰緬鉄道は拡大するビルマ戦線への物資輸送を目的とし、1942年7月に大本営により建設命令が下されました。
日本軍は連合国から中国へのルートを遮断すべくビルマへ侵攻していましたが、タイからビルマへの一般的な輸送ルートであるシンガポール経由の海路は連合軍の艦船や潜水艦による攻撃により危険を極めていました。そのためタイとビルマを結ぶ陸路による輸送手段が必要だったのです。
泰緬鉄道が開通すれば輸送距離の大幅な短縮につながりますが、タイとビルマの国境はマラリアなどの風土病が蔓延する熱帯の山岳地帯。
十分な建設機械を持たなかった日本軍は6万人にも及ぶ連合軍の捕虜や20万人を超す現地人の労働者を投入し突貫工事を行いました。
その現場は苛烈を極め、栄養失調やマラリア・コレラにより数万人の死者が出ました。
この年は雨期が例年より早く到来して交通が途絶してしまい食料や医薬品の確保が困難だったこと、衛生状態が悪化し疫病が突発的に流行したこと、大本営から過酷な工期短縮指令が発出されたことなどが多大な死者を出した理由と言われているそうです。
泰緬鉄道は莫大な犠牲者を出しつつ工事開始から1年余りの1943年10月に完成。当初5年は必要と言われていたそうですから、いかに無理をして建設されたかがわかります。

戦争終結後泰緬鉄道の建設は捕虜虐待の戦争犯罪として断罪され、連合国側による裁判の末捕虜収容所の責任者などがBC級戦犯として処刑されました。

戦後泰緬鉄道のビルマ寄りはイギリスの植民地経営の障害になるとして廃線とされ、タイ側の一部区間のみが営業路線として存続しました。
現在は沿線に慰霊碑や戦争博物館などが建ち、悲惨な歴史を現在に伝えています。ただ鉄道そのものは映画「戦場に架ける橋」で有名になった「クウェー川鉄橋」、「チョンカイの切り通し」、「アルヒル桟道橋」など見どころも多く、現在は観光地として世界中から観光客が訪れています。

紀行作家である故宮脇俊三氏も訪れた泰緬鉄道。以前から乗ってみたいと思っていましたが、ようやく念願かなうこととなりました。

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フアランポーン駅の近くになるホテル「セントラ・セントラル・ステーション・バンコク」は、地下に24時間営業のスーパーがあります。
しかもここ、日本でもおなじみのマックスバリュなんです。レジには「次のレジをご利用ください」と書かれた札や、イオンカードの宣伝があり、まるで日本にいるようです。

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早朝ですが飲み物や弁当、惣菜などが売られています。素泊まりで予約しているので、今日の朝ごはんはここで買いましょう。

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スパイシーな卵焼きがのったご飯とから揚げ。二つで50バーツ。やく150円程度です。レンジで温めてもらい、ホテルの部屋で食べました。

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さて、旧泰緬鉄道ナムトク線は本数が少なく、バンコクからナムトクまでは普通列車がわずか2往復しか走っていません。
バンコクの西部にあるトンブリー駅から7:50発と13:50発です。
13:50発だと終点ナムトクが18:30着になってしまい、しかも当日中にバンコクに戻る列車が無いため、バンコクから日帰りするためには7:50に乗る必要があります。

ただし、ナムトク線は観光路線なので土日のみバンコク中心部のフアランポーン駅からナムトクへの観光列車が運行されています。
フアランポーン駅発6:30、ナムトク・サイヨークノイ駅着11:30。途中クウェー川鉄橋で30分停車します。
帰りはナムトク・サイヨークノイ駅発14:25、フアランポーン駅着19:25となっています。

便利なのですが、問題は全席指定だということ。
タイ到着後バンコクの駅で事前に切符を買う必要がありますが、前日に切符を買うと通路側の席になってしまうかもしれません。
しかも車両が昨日乗った日本製のディーゼルカーなのです。窓が小さいですし、風情もありません。
せっかくなら定期運行の客車列車に乗りたいですし、窓側に座りたいです。
定期列車は自由席なので、早めに駅に行けば窓側の景色の良い席をゲットできるでしょう。
定期列車の場合沿線を観光する時間は無くなりますが、沿線観光より車窓の方が大事です。

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というわけで観光列車には乗らず、定期列車に乗ります。
朝6時半にホテルを出て、定期列車の始発駅であるトンブリー駅にタクシーで向かいました。
流しのタクシーに乗ってトンブリー駅まで60バーツほど。バンコクのタクシーはぼったくりが多いそうですが、私が乗ったタクシーは大丈夫でした。
タクシーはフアランポーン駅から北上します。幹線道路を通ってチャオプラヤ川を渡り、駅付近の市場を抜けて7時前にトンブリー駅に到着。フアランポーン駅から20分ほどで着きました。

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駅の目の前に市場があり、早朝からにぎわっていました。

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さっそく切符を買います。ナムトク線は外国人料金があり、どこからどこまで乗っても100バーツです。

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これが切符。駅名はタイ語とアルファベットが併記されておりわかりやすいです。
終点ナムトク駅は12:35着。長い旅になりそうですね。
なお、観光列車はナムトク駅から1.4キロほど先のナムトク・サイヨークノイ駅まで行きます。

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トンブリー駅の時刻表。南方に向かう普通列車が発着します。長距離の優等列車はフアランポーン駅から出発します。

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駅名票。バンコク・ノーイ駅と書かれていますね。
実はトンブリー駅はチャオプラヤ川沿いにあったのですが、2003年に西側に800メートルほど移転したそうです。

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線路を歩く人たち。

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客車列車が止まっています。わくわくしますね。

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列車を待つ人たち。皆荷物が大きいです。

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7:30発のランスワン行きの列車に乗り込む人たち。ランスワンはマレー半島にある町で、到着は18:35です。
12時間以上延々と鈍行列車に乗り続けるのはなかなか大変でしょう。

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7:40ごろ、ナムトク行きの客車列車が入線してきました。

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これは古い。塗装が剥げており外観はとても汚いです。もちろん冷房はありません。
編成は普通の客車、木製の客車、木製でロングシートの客車、普通の客車。乗務員専用の5両。後ろに何両か途中で切り離すらしい客扱いしない客車を繋いでいました。

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私は4両目の普通の客車に乗車し。アルヒル桟道で川を見下ろせる進行方向左側の席に座りました。
この客車は日本製でしょうか。扇風機や座席が日本風です。
車内は古いですが、トイレはきれいに掃除されています。

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さっそく物売りのおばさんが乗ってきました。食べ物や飲み物を売っています。

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木製の客車。車内はロングシートです。
これに5時間乗るのは勘弁ですね。

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列車は5分ほど遅れて7:55に発車。時速40キロほどでゆっくりと走ります。
座席は7割ほど埋まり、私の前にもタイ人の親子が座りました。

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バンコク近郊の区間にはディーゼルカーも走っています。

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朝の農村です。

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普通列車なので、こまめに駅に止まります。

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9:15にナコンパトム駅に到着。

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ナコンパトムにはタイ最大の仏塔プラ・パトム・チェーディーがあります。

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時刻表では8:57に到着し9:02に出発するはずですが、すでに9:15。10分ほど遅れています。
しかも停車したままで発車する気配がまったくありません。

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ぞろぞろと乗り込む客と物売りたち。

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ハタヤイ方面からバンコク行列車が9:25にやってきました。

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ナムトクからバンコクに向かう列車もやってきます。バンコク方面は10分程度の遅れです。 

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バンコク発スラーターニ行特急に追い抜かれます。時刻は9:42。もう30分停車してますが、発車する気配がありません。

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次々に列車がやってきます。いったいいつになったら発車するのでしょうか。

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遅れている理由がわかりました。スンガイ・コロク発バンコク行き特急列車が1時間半遅れの10:12にやってきたのです。
この特急列車とのすれ違いを待つために延々と止まったのでしょう。

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特急列車発車後の10:14、1時間も停車してようやく動き出しました。

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お寺の門がありました。

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白い立派なお寺です。

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普通列車とすれ違いました。時刻表を見る限り10時台にこの辺りを走る普通列車はありません。
どうやら南方面への路線は大幅にダイヤが乱れているようです。

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こういうお寺を見るとタイに来たという実感がわいてきます。

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列車はノンプラドック駅を10:38に発車。この駅から南本線から分岐してナムトク線に入ります。
定刻は9:22ですから1時間以上遅れていますが、ナムトク行き列車は遅れを取り戻そうという気配はありません。

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小さな駅にのんびりと停車しながら進んでいきます。

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タールアノーイ駅でものんびり7分停車しました。11:23着、11:30発。すれ違いはありません。
沿線の主要駅で観光の中心であるカンチャナブリー駅には10:35に着いていないといけないのですが、この調子では1時間半以上の遅れになりそうです。

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駅に掲示されている時刻表。もはや時刻表には何の意味もありません。

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のどかな光景が広がります。

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タイ国鉄は運行時刻こそ滅茶苦茶ですが、トイレがきれいなのです。これは大事です。

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やや大きな町に入りました。踏切を渡ります。

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線路の向こうに山が見えます。

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12:15にカンチャナブリー駅到着。タイ西部のミャンマー国境に近区にある町で、もともとアユタヤ王朝がビルマからの防衛のために造られた街です。
泰緬鉄道や第2次世界大戦の戦史を今に伝える施設が並ぶほか、豊かな自然を生かした観光資源が多く、タイ西部の観光地の一つとなっています。

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カンチャナブリー駅到着後、前方にツーリスト用の客車を4両増結しました。
観光バスでやってくるツアー客がここカンチャナブリーから乗車してくるのです。
観光客以外の乗客もかなり入れ替わりました。私の前に座っていた親子が降り、代わりにタイ人女子2人が座りました。車内は満席です。

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カンチャナブリー駅に掲示された時刻表。この列車はカンチャナブリー駅を10:35に発車するはずでしたが、実際に発車したのは12:30。
なんと2時間も遅れています。この先どうなるのか。はたして無事にバンコクに帰ることができるのでしょうか。
次回に続きます。


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