
ノルウェー旅行記の第20回です。
スウェーデンの首都ストックホルムから北へ1600キロ。欧州最北端の駅ナルヴィクに向かう夜行列車ノールランストーグ号に乗車します。
ボーデン駅でボスニア湾の港町ルーレオに行く客車を切り離し、いよいよ北極圏へ。
巨大な鉄鉱石鉱山のあるキルナに到着します。
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■ 6日目 2015年8月12日 水曜日

子供のころからの念願がかない、スウェーデンの首都ストックホルムからヨーロッパ最北端の駅ナルヴィクまでの1600キロを走破する夜行列車ノールランストーグ号に乗車しています。奮発して1人用1等個室寝台車にしました。
ストックホルムを昨日の17:55に出発。これからボーデンやキルナを経由し、ナルヴィク到着は夕方4時の見込みです。

朝7時半に起床。朝ごはんを食べに食堂車に向かうも満席です。

係員に切符を見せると紙袋を渡されました。袋の中に朝ご飯が入っているので、部屋に持って帰って食べろとのことです。

中身はパンやサンドイッチ、ヨーグルトです。そしてやはりゆで卵にたらこペーストがついています。
北欧の朝ごはんでは欠かさず卵とたらこペーストが出てきますね。北欧人はこのセットを食べないと1日が始まらないのでしょうか。

列車は森の中を走っています。

おしゃれなペンションのような駅に止まりました。

雲一つない晴天です。

どこまでも続く原野。雄大な景色です。

ところどころに人家があります。

大きな湖にさしかかりました。

湖の水は紺色。濃い青です。

畑の向こうに小さな家が見えます。

人家がぽつぽつ見えてくると駅に止まります。意外と途中で乗り降りがありますね。

出発します。

静かな湖を横目に列車は北上します。

長大な貨物列車。北欧の山々で伐採された木材を運びます。

戦車を積んだ貨物列車とすれ違いました。

時刻は9時。徐々に人家が増えたかと思うと、突然マンション群が見えてきました。
まもなく沿線随一の大都市ボーデンに到着です。

少年たちが池の周りでゴミ拾いをしています。いいことです。

列車は池のほとりを速度を落としながら進みます。

9時15分。ボーデンに到着しました。

20分ほど止まるようなのでホームに出てみました。

ボーデンからはオーフォート線に入ります。
オーフォート線はボスニア湾の港町ルーレオと大西洋側の港町ナルヴィクを結んでいます。
途中にあるキルナ鉱山が産出する鉄鉱石を港まで運ぶために建設されました。
ボスニア湾のルーレオは冬になると海が凍ってしまうのですが、ルーレオよりも北にある大西洋沿いのナルヴィクは北大西洋海流の関係で冬でも凍らないため、険しい山を越えるルートで建設されました。
私が乗ってきたノールランストーグ号はナルヴィク行とルーレオ行の客車を連結しているため、後方のルーレオ行の客車をここで切り離すようです。隣にはルーレオから来たらしい列車が停車中です。
ルーレオはこの列車の進行方向後方です。

ボーデンからノールランストーグ号をけん引してきた黒い電気機関車が切り離され、列車から離れていきます。

隣のホームの列車の赤い電気機関車も切り離され、客車だけが残されました。

前方へと進む赤い機関車。

黒い電気機関車が側線を後ろへと進んでいきます。

赤い電気機関車がノールランストーグ号に近づいてきました。

連結作業を行います。
どうやら機関車を隣のホームの列車と入れ替えたようです。また隣のホームのナルヴィク行客車をノールランストーグ号に連結し、ノールランストーグ号のルーレオ行を隣の列車に連結し、黒い電気機関車が後方のルーレオ方に連結されたようです。
複雑な入れ替え作業ですね。
実は、地球の歩き方の地図を見るとストックホルムからボーデンに停車しナルヴィクに向かう列車はここで向きを変えなければならないように書かれており、逆に港町ルーレオへはそのまままっすぐ進めばいいようになっていました。
しかし実際は逆で、ナルヴィク方面が直進、ルーレオ方面が折り返しです。
最初は地球の歩き方の地図を見ていたので何が起きているのかわかりませんでした。またしても地球の歩き方に騙されましたよ。地図の間違いは困ります。

10時過ぎに出発。
ホームで声をかけられた日本人の夫婦と少し話しました。目的地はナルヴィクで、泊まるホテルも同じホテルのようです。ナルヴィクはホテルが少ないですし、選択肢が限られるためこうなります。

雄大な大自然。素晴らしい景色が続きます。
しかし困ったことが起きました。この辺りはだれも住んでいないのでスマホの電波が届かないのです。
グーグルの地図アプリが全く使えず、今どこを走っているのかわかりません。
電波を求めて通路をうろうろしていたら別の個室のおばあさんから「日本人ですか?」と声をかけられました。
ストックホルム在住で、キルナに向かっているのだそうです。スウェーデンの若い男性と同室でした。娘さんがこの男性と結婚したのでしょうか。
景色を見ながら、おばあさんと少し話しました。
「ずいぶん遅れているようですが、今どこを走っているのでしょうか」
「だいたい1時間ほど遅れていますね。今イェリバーレという町に向かっています」
「スウェーデンは景色がとても素晴らしいです」
「スウェーデンを気に入ってくれてうれしいです。これからどちらへ?」
「ナルヴィクに向かいます。ナルヴィクからはバスと列車で南下してオスロに戻ります」
「あら残念。ストックホルムに戻るのなら私の家にご招待するのに」
話しているうちに「次はイェリバーレに停車します」というアナウンスがありました。

イェリバーレ駅に到着。木造の洒落た駅舎です。今12時15分。定刻では11時45分に発車ですから30分ほど遅れています。

この綴りでイェリバーレと読みます。ゲリバーレと言っても通じません。スウェーデン語は難しいです。

イェリバーレ駅を発車。北欧は本当に美しい湖が多いです。

そろそろ北極圏に入ります。木の高さがずいぶん低くなってきましたね。高山と同じです。

雄大な大自然の中をひたすら走ってきたのですが、突然景色が変わりました。
見渡す限り石だらけの荒涼とした景色です。

これがこれが世界最大級の規模を誇るキルナの鉄鉱石鉱山です。

10分ほどこんな景色が続きます。何という巨大な鉱山でしょうか。

鉱山の巨大な施設が見えました。

息をのむように景色を眺めます。
それはそうと、グーグルマップを見ると列車は線路ではない場所を走っています。
どういうことでしょう。グーグルマップを見る限りキルナ駅へは湖の右側を北上して直進するはずですが、実際は湖の左側を北上し、湖の北側からキルナ駅へ回り込もうとしています。

それにしても大きな鉱山です。
キルナはもともと先住民族のサーミ族がトナカイを放牧して暮らすのどかな土地でしたが、1900年ごろに鉄鉱石の鉱山の採掘が始まると鉱山の街として栄えるようになりました。
人口は2万人。キルナ市は1952ヘクタールあり、世界で一番大きな市なのだそうです。
ところが、鉱山の坑道が町の下に到達してしまい地盤沈下の恐れが発生したため、町全体を移転する計画が進んでいます。
線路の大幅なルート変更もそのためでしょう。

巨大な鉱山の施設が見えました。

鉄鉱石を運搬する貨物列車が止まっています。

キルナ鉱山からナルヴィクを結ぶ貨物列車でしょう。

湖が見えてきました。

側線に貨物列車が止まっています。いよいよキルナ駅です。

13:36、ほぼ15分遅れでキルナ駅に到着しました。

キルナ駅も場所が変わったようで、ホームが新しいです。
ここでお客さんのほとんどが下りました。先ほど車内で話した日本人のおばあさんも手を振りながらホームを歩いていきました。

列車はここで向きを変えます。機関車が編成の最後尾に連結され、私が乗っている客車が先頭から最後尾になりました。

ホームは1本しかないですが11番線となっています。離れたところに別のホームがあるのでしょうか。

最後尾になった私の客車。

13:45にキルナを発車。アビスコ国立公園を横断し、峠を越えてノルウェーのナルヴィクを目指します。
日本に帰国してから地図を確認しました。
ヤフーの地図が正しいです。
グーグルの地図が古いままです。
次回は北極圏の絶景を走ります。
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子供のころからの念願がかない、スウェーデンの首都ストックホルムからヨーロッパ最北端の駅ナルヴィクまでの1600キロを走破する夜行列車ノールランストーグ号に乗車しています。奮発して1人用1等個室寝台車にしました。
ストックホルムを昨日の17:55に出発。これからボーデンやキルナを経由し、ナルヴィク到着は夕方4時の見込みです。

朝7時半に起床。朝ごはんを食べに食堂車に向かうも満席です。

係員に切符を見せると紙袋を渡されました。袋の中に朝ご飯が入っているので、部屋に持って帰って食べろとのことです。

中身はパンやサンドイッチ、ヨーグルトです。そしてやはりゆで卵にたらこペーストがついています。
北欧の朝ごはんでは欠かさず卵とたらこペーストが出てきますね。北欧人はこのセットを食べないと1日が始まらないのでしょうか。

列車は森の中を走っています。

おしゃれなペンションのような駅に止まりました。

雲一つない晴天です。

どこまでも続く原野。雄大な景色です。

ところどころに人家があります。

大きな湖にさしかかりました。

湖の水は紺色。濃い青です。

畑の向こうに小さな家が見えます。

人家がぽつぽつ見えてくると駅に止まります。意外と途中で乗り降りがありますね。

出発します。

静かな湖を横目に列車は北上します。

長大な貨物列車。北欧の山々で伐採された木材を運びます。

戦車を積んだ貨物列車とすれ違いました。

時刻は9時。徐々に人家が増えたかと思うと、突然マンション群が見えてきました。
まもなく沿線随一の大都市ボーデンに到着です。

少年たちが池の周りでゴミ拾いをしています。いいことです。

列車は池のほとりを速度を落としながら進みます。

9時15分。ボーデンに到着しました。

20分ほど止まるようなのでホームに出てみました。

ボーデンからはオーフォート線に入ります。
オーフォート線はボスニア湾の港町ルーレオと大西洋側の港町ナルヴィクを結んでいます。
途中にあるキルナ鉱山が産出する鉄鉱石を港まで運ぶために建設されました。
ボスニア湾のルーレオは冬になると海が凍ってしまうのですが、ルーレオよりも北にある大西洋沿いのナルヴィクは北大西洋海流の関係で冬でも凍らないため、険しい山を越えるルートで建設されました。
私が乗ってきたノールランストーグ号はナルヴィク行とルーレオ行の客車を連結しているため、後方のルーレオ行の客車をここで切り離すようです。隣にはルーレオから来たらしい列車が停車中です。
ルーレオはこの列車の進行方向後方です。

ボーデンからノールランストーグ号をけん引してきた黒い電気機関車が切り離され、列車から離れていきます。

隣のホームの列車の赤い電気機関車も切り離され、客車だけが残されました。

前方へと進む赤い機関車。

黒い電気機関車が側線を後ろへと進んでいきます。

赤い電気機関車がノールランストーグ号に近づいてきました。

連結作業を行います。
どうやら機関車を隣のホームの列車と入れ替えたようです。また隣のホームのナルヴィク行客車をノールランストーグ号に連結し、ノールランストーグ号のルーレオ行を隣の列車に連結し、黒い電気機関車が後方のルーレオ方に連結されたようです。
複雑な入れ替え作業ですね。
実は、地球の歩き方の地図を見るとストックホルムからボーデンに停車しナルヴィクに向かう列車はここで向きを変えなければならないように書かれており、逆に港町ルーレオへはそのまままっすぐ進めばいいようになっていました。
しかし実際は逆で、ナルヴィク方面が直進、ルーレオ方面が折り返しです。
最初は地球の歩き方の地図を見ていたので何が起きているのかわかりませんでした。またしても地球の歩き方に騙されましたよ。地図の間違いは困ります。

10時過ぎに出発。
ホームで声をかけられた日本人の夫婦と少し話しました。目的地はナルヴィクで、泊まるホテルも同じホテルのようです。ナルヴィクはホテルが少ないですし、選択肢が限られるためこうなります。

雄大な大自然。素晴らしい景色が続きます。
しかし困ったことが起きました。この辺りはだれも住んでいないのでスマホの電波が届かないのです。
グーグルの地図アプリが全く使えず、今どこを走っているのかわかりません。
電波を求めて通路をうろうろしていたら別の個室のおばあさんから「日本人ですか?」と声をかけられました。
ストックホルム在住で、キルナに向かっているのだそうです。スウェーデンの若い男性と同室でした。娘さんがこの男性と結婚したのでしょうか。
景色を見ながら、おばあさんと少し話しました。
「ずいぶん遅れているようですが、今どこを走っているのでしょうか」
「だいたい1時間ほど遅れていますね。今イェリバーレという町に向かっています」
「スウェーデンは景色がとても素晴らしいです」
「スウェーデンを気に入ってくれてうれしいです。これからどちらへ?」
「ナルヴィクに向かいます。ナルヴィクからはバスと列車で南下してオスロに戻ります」
「あら残念。ストックホルムに戻るのなら私の家にご招待するのに」
話しているうちに「次はイェリバーレに停車します」というアナウンスがありました。

イェリバーレ駅に到着。木造の洒落た駅舎です。今12時15分。定刻では11時45分に発車ですから30分ほど遅れています。

この綴りでイェリバーレと読みます。ゲリバーレと言っても通じません。スウェーデン語は難しいです。

イェリバーレ駅を発車。北欧は本当に美しい湖が多いです。

そろそろ北極圏に入ります。木の高さがずいぶん低くなってきましたね。高山と同じです。

雄大な大自然の中をひたすら走ってきたのですが、突然景色が変わりました。
見渡す限り石だらけの荒涼とした景色です。

これがこれが世界最大級の規模を誇るキルナの鉄鉱石鉱山です。

10分ほどこんな景色が続きます。何という巨大な鉱山でしょうか。

鉱山の巨大な施設が見えました。

息をのむように景色を眺めます。
それはそうと、グーグルマップを見ると列車は線路ではない場所を走っています。
どういうことでしょう。グーグルマップを見る限りキルナ駅へは湖の右側を北上して直進するはずですが、実際は湖の左側を北上し、湖の北側からキルナ駅へ回り込もうとしています。

それにしても大きな鉱山です。
キルナはもともと先住民族のサーミ族がトナカイを放牧して暮らすのどかな土地でしたが、1900年ごろに鉄鉱石の鉱山の採掘が始まると鉱山の街として栄えるようになりました。
人口は2万人。キルナ市は1952ヘクタールあり、世界で一番大きな市なのだそうです。
ところが、鉱山の坑道が町の下に到達してしまい地盤沈下の恐れが発生したため、町全体を移転する計画が進んでいます。
線路の大幅なルート変更もそのためでしょう。

巨大な鉱山の施設が見えました。

鉄鉱石を運搬する貨物列車が止まっています。

キルナ鉱山からナルヴィクを結ぶ貨物列車でしょう。

湖が見えてきました。

側線に貨物列車が止まっています。いよいよキルナ駅です。

13:36、ほぼ15分遅れでキルナ駅に到着しました。

キルナ駅も場所が変わったようで、ホームが新しいです。
ここでお客さんのほとんどが下りました。先ほど車内で話した日本人のおばあさんも手を振りながらホームを歩いていきました。

列車はここで向きを変えます。機関車が編成の最後尾に連結され、私が乗っている客車が先頭から最後尾になりました。

ホームは1本しかないですが11番線となっています。離れたところに別のホームがあるのでしょうか。

最後尾になった私の客車。

13:45にキルナを発車。アビスコ国立公園を横断し、峠を越えてノルウェーのナルヴィクを目指します。
日本に帰国してから地図を確認しました。
ヤフーの地図が正しいです。
グーグルの地図が古いままです。
次回は北極圏の絶景を走ります。
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自国の鉄鉱石を隣国の港から輸出するという不思議な路線ですね。
凍らない港は北国では重要です。