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マリーンズの平沢、酒居、種市の3選手がニュージーランドで新たに設立されたチーム、オークランド・トゥアタラに派遣され、オーストラリアン・ベースボールリーグの試合に出場することとなりました。
派遣期間は11月22日から12月24日までで、20試合に参加予定となっています。

ロッテ平沢ら豪派遣「振り負けないように鍛えたい」(ニッカン)
ロッテは酒居知史投手、種市篤暉投手、平沢大河内野手の3選手を今冬、オーストラリアのベースボールリーグに派遣することになったと17日、発表した。

派遣期間は11月22日から12月24日まで、20試合に参加予定。ニュージーランドに本拠地を置くオークランド・トゥアタラでプレーする。

3選手のコメントは以下の通り。

酒居 来年は勝負の年だと思っているので、オフの期間に実戦で投げることができるのはありがたいです。パワーのある外国人打者に対して、かわすのではなくストレートで投げ勝てるように、ストレートを磨いていきたいと思います。海外での野球でいろいろな発見をして帰ってきます。

種市 昨年は台湾のウインターリーグに参加をさせていただき、6試合に中継ぎで登板をして無失点に抑えることができたことで自信をつかむことができたので、今回もいいキッカケにしたいと思っています。ストライク先行のピッチングを心掛けて、投球技術も磨くことができればと思います。

平沢 今年、1軍で出場させてもらった中での反省と課題を踏まえて頑張りたいと思います。向こうでは内野を守らせていただく機会が多いと思いますので、実戦の中でしっかりと守備面の技術アップを図り、打撃面ではパワーのある外国人選手のボールに振り負けないように鍛えていきたいと思います。


オーストラリアン・ベースボールリーグは2010年に発足したオーストラリアのプロ野球リーグです。
南半球では夏となる11月から2月まで40試合が行われ、リーグ戦の上位4チームによるプレーオフと、それぞれの勝者によるチャンピオンシップシリーズが行われます。
地元オーストラリアの選手に加え、アメリカや日本、台湾、中南米のプロ野球選手がオフの調整を兼ねて参加することが多く、リーグのレベルはかなり高いです。
2013年に台湾で行われたアジアシリーズでは楽天を破りオーストラリアのキャンベラ・キャバルリーが優勝したのは記憶に新しいです。

オーストラリアン・ベースボールリーグは8チームで構成されています。
まずリーグ開始時に参加したのは以下の6球団です。

アデレード・バイト
ブリスベン・バンディッツ
キャンベラ・キャバルリー
メルボルン・エイシズ
パース・ヒート
シドニー・ブルーソックス

そして今年から新たに以下の2チームが加わりました。

ジーロング・コレア
オークランド・トゥアタラ

ジーロング・コレアは韓国プロ野球が出資して設立したチームで、韓国プロ野球の選手たちが主なメンバーとなります。監督は元オリックスのク・デソン。

オークランド・トゥアタラはニュージーランド初のプロ野球チームで、本拠地は北島のオークランドです。
昨年冬から参入が検討され、今年正式にプロ野球チームとしてリーグに参入することになりました。

ニュージーランドがオーストラリア野球リーグ参入を検討
現在6球団から構成されるオーストラリア野球リーグ(ABL、the今シーズンは11月16日(木)開幕) がリーグ拡張を検討しており、ニュージーランドの参入の可能性が高いとみられている。 https://www.youtube.com/watch?v=2HXTTrZGes8

この数か月話し合いを進めている」とニュージーランド野球のライアン・フリンCEは地元のメディアに伝えた。

フリン氏は、3〜4か月続くマイナーリーグシーズンにどのぐらいの予算が必要なのかまだ不確定要素が多いとしながらも、「国内で援助が得られれば」と前向きな考えをしめしている。

参入が決まった場合、ニュージーランドの選手を最小限にし、MLB選手(ニュージーランド野球はアリゾナ・ダイアモンドバックス、サンディエゴ、バルチモア・オリオールズなどと接点がある)かもしくはアジアリーグの選手から構成することになりそうだ。

しかし、出場選手を考える前に、ニュージーランドはプロ野球の試合を開催できる球場も見つけなければならない。

フリンはWBSCやMLB、さらに他の組織団体などに援助を要請する意向だ。「Regional Facilities Auckland (RFA)(州のスポーツ娯楽施設運営団体)は前向きに援助を検討してくれている。あともう少しで実現の見通しがたつのではないか。」と加えた。

ニュージーランド野球は2019ー2020年シーズンからの参入を目標としている。



ニュージーランドと言えばラグビーであり、野球は決して盛んではありません。
専用の野球場はほとんどなく、あってもラグビーとの共用であるために冬場はマウンドの土が撤去されてしまうそうです。
そんなニュージーランドにプロ野球チームができた。
これはとてもすごいことです。
野球の歴史において非常に大きな一歩と言えるでしょう。

ニュージーランドにおける野球の普及活動は1人の男を抜きに語れません。
それは現在マリーンズで投手コーチを務める清水直行です。
清水直行はマリーンズのエースとしてチームを支えたピッチャーでした。
現役引退後の2014年、野球ニュージーランド代表のコーチ兼GM補佐に就任しました。
DeNAからの戦力外通告後にニュージーランドの野球に興味を持ち、「野球への恩返しを兼ねて、野球人口の増加や、2020年夏季東京オリンピックにおける野球・ソフトボールの競技復活に携わりたい」と一大決心したそうです。
その後清水直行は野球の指導はもちろんのこと、現地でのパイプ作りや支援の輪の拡大、現地政府も巻き込んでニュージーランドで野球の普及活動を行いました。
コーチ業はもちろんのこと元ヤクルトの宮本慎也をニュージーランドに招いて野球教室も行っているんですね。
こうした地道な活動の結果、徐々にニュージーランドでも野球熱が高まっており、自治体や企業の支援も得られるようになったとのことです。
最近ではJTBもニュージーランドの野球を支援してくれています。

JTBニュージーランドはベースボールニュージーランドと清水直行さんの活動を応援しています
日本の野球技術者は800万人(スポーツ財団調べ)。
比べ、ニュージーランドは野球人口が約5,000人(BNZ調べ)といわれている、野球振興国です。

ニュージーランドでは、政府機関から野球への援助が少なく、子どもたちの野球をする環境は整わず、練習に使う球場はラグビーと共有。冬になれば、マウンドもラグビー用に平たく戻してしまいます。

そのような環境の中、元千葉ロッテマリーンズの清水直行さんが、ベースボールニュージーランドのゼネラルマネージャー補佐に就任し、ニュージーランドに日本野球を広める活動をされています。

JTBニュージーランドは、ニュージーランドの子どもたちに日本で人気のある野球を学んでもらうため、ベースボール基金を開設いたしました。
全ての寄付金はニュージーランド野球連盟に寄贈され、ニュージーランドのこどもたちの野球用品や遠征などに利用されます。

寄付にご協力いただける方はこちらからお願いいたします。

JTBニュージーランドは、ベースボールニュージーランドナショナルチームのユニフォームを提供し,野球関連旅行を企画しています。


清水直行の熱意が多くの人を動かしてきたのですね。
上記記事によるとニュージーランドの野球人口は5000人。
wikipediaには2000人とありますから、増えています。徐々に野球が根付いているということでしょう。

清水直行のニュージーランドでの活動はこちらにまとめられています。
ぜひお読みください。

"世界の野球"清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記

今年、清水直行の努力はプロ野球チームの発足と言う形で花を咲かせました。
実際のところニュージーランドの野球の実力はオーストラリアには及びません。
2016年に行われたWBC予選は1回戦で南アフリカに敗れたものの、敗者復活1回戦ではフィリピンに17-7で勝利。敗者復活2回戦で南アフリカに敗れ予選敗退となりました。
ただ、もともとニュージーランドはソフトボールが強い国ですからポテンシャルはあります。
現にニュージーランド出身選手でアメリカのマイナーリーグで3Aまで昇格した選手もおり、今年はBCリーグの新潟でも新たに選手がプレーしていますから、トップクラスの選手はプロでも十分にやっていけるのです。
今後プロ野球チームの誕生により野球のすそ野が一気に広がるかもしれません。
その新しいプロ野球チームに日本の1軍クラスの選手が参加するということもニュージーランド野球にとって大きな刺激になるでしょう。

平沢らの加入はームのホームページや地元メディアで平沢の顔写真とともに報じられています。
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Tuatara sign deal with Japanese club Three Chiba Lotte Marines to play in Auckland

Baseball: Star Chiba Lotte Marines infielder Taiga Hirasawa headlines Japanese trio signing with Auckland Tuatara(ニュージーランド・ヘラルド)

球団の記事によると、マリーンズの林本部長がニュージーランドで球団とニュージーランド野球と協定を結んだそうです。
協定の内容はオークランド・トゥアタラへのマリーンズの選手の派遣、マリーンズによる地元でのスカウト活動、オークランド北岸での球場建設に向けた支援、ニュージーランドのコーチや選手への技術指導などです。
また、清水直行が新規参入に向けた協議で重要な役割を果たしたと書かれています。
マリーンズファンとしてはとてもうれしい話です。

さて、オーストラリアン・ベースボールリーグは11月から2月まで行われますが、マリーンズの3選手は12月下旬に帰国するため、シーズン前半のみの参加となるそうです。

平沢、酒居、種市が参加する試合は以下の通り。
各カードとも4試合。ホームのオークランドでは金土日の3日間試合が行われます。
開始時刻は一部未確定ですが、金曜と日曜は14時開始、土曜は11時からと14時からのダブルヘッダーとなるようです。

ホーム(NZ・オークランド)
11/23〜11/25 ブリスベン・バンディッツ戦
11/30〜12/02 キャンベラ・キャバルリー戦
12/07〜12/09 シドニー・ブルーソックス戦
12/21〜12/23 アデレード・バイツ戦

ビジター(AL・ジーロング)
12/13〜12/16 ジーロング・コレア戦(20時開始)

球場は球団ホームページに当初記載されていたオークランド北部のQBEスタジアムではなく、オークランド西部にあるMCLEOD PARK STADIUMでした。お詫びして訂正します。
中心部のブリトマートからは133番系統のバスに乗るか、郊外電車West線Henderson駅下車徒歩35分です。





球場はオークランド北部のアルバニー(Albany)にあるQBEスタジアム。

地図を見ると立派なラグビー場の隣に円形の広場があるので、おそらくそこでしょう。
マウンドなどの設備はこれから作るのでしょうか。

アルバニー(Albany)へのアクセスは鉄道が無いためバスになります。
オークランド中心部のブリトマート駅バスターミナルからNX1系統に乗ってアルバニーバスターミナル下車徒歩15分。バスは所要34分。8〜10分毎の運行です。徒歩も入れると中心部からの所要時間は1時間程度でしょう。
NX1系統はノーザンバスウェイと呼ばれ、高速道路脇のバス専用道路を高速運行する基幹バス路線です。オークランド工科大学付近からアルバニーまで運行されるNX2系統もあり、こちらは平日10分毎、土日15分毎です。中心部からのアクセスであればNX1系統に乗車すればよいでしょう。



平沢、酒居、種市の3人がニュージーランドでどのようなプレーをするのか。
この3人がニュージーランド野球のどのような影響を与えていくのか。
今からとても楽しみです。

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