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イタリア・シチリア島旅行記の第5回です。
ハンブルクから空路ミュンヘンへ。
ミュンヘンからはアルプス越えの特急列車に乗りイタリアのヴェローナを目指しました。
しかし、出発時間になっても列車が現れません。いったいどうなってしまうのでしょうか。


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■2日目 2017年9月2日 土曜日


シチリア旅行の2日目ですが、またイタリアにはたどり着いていません
現在地はドイツ北部の大都市ハンブルク。
今日はハンブルクから南下してイタリアの首都ローマへと移動します。
ローマからはシチリア島のパレルモに向かう夜行列車に乗車し、明日の昼にはパレルモに到着する予定です。
当初はハンブルクから8時間特急列車に乗ってスイスのチューリッヒに向かい、チューリッヒからゴッタルト・ベース・トンネル経由でアルプス山脈を一気に突き抜けてイタリアのミラノへと向かう予定でした。
しかし旅行直前になってドイツからスイスに向かうルートが土砂崩れのため長期運休となってしまい、ルートの見直しを余儀なくされました。
スイスまでのルートが運休してバス代行になってしまうと、鉄道のみを利用してハンブルクから23時までにローマにたどり着けるルートはありません。

そのため、やむを得ずハンブルクからミュンヘンまでは飛行機でワープ。ミュンヘンからはオーストリアのインスブルックを経由してイタリアのヴェローナへ向かうことにしました。
ヴェローナからはローマまで高速列車が2時間おきに走っています。

ハンブルク中央駅 6:04  → ハンブルク空港駅 6:29
ハンブルク空港 7:30 → ミュンヘン空港 8:45 LH2085
ミュンヘン中央駅 11:34 → ヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅 16:58 EC87
ヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅 17:52 → ローマテルミニ駅 20:45 ES8525
ローマテルミニ駅 23:00 → パレルモ中央駅 11:50 ICN1961

本当はコペンハーゲンから鉄道だけを使ってイタリアに行きたかったのですが・・・。
オーストリアのインスブルックからのアルプス越えは乗ったことがありませんし、景色がきれいだと聞いています。車窓を楽しむことにしましょう。

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朝5時に起床。今日はまずハンブルク空港発7時半のルフトハンザ航空国内線でミュンヘンへと向かいます。
ハンブルクの空港は町の中心部から近く、ハンブルク中央駅から30分足らずで行くことができます。
しかし何が起こるかわかりませんから早めの行動が安心です。ホテルの部屋でソイジョイを食べ、早々にチェックアウトしました。

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ホテルはハンブルク中央駅の目の前。9月の初めになると、朝6時前は真っ暗です。

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空港駅までの切符を自動券売機で購入し、ホームへ。

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薄暗いハンブルク中央駅のホーム。ハンブルク空港に向かう路線は通勤電車ホームから出発します。

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6時4分発の空港行き電車が入線してきました。

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6両編成ですが、空港に行く人は前方の3両に乗れと書いてあります。
指示に従い前方の車両に乗り出発。終点の一つ手前の駅で後ろ3両を切り離し、前の3両だけが空港まで行くようです。

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6:30にハンブルク中央駅に到着。ミュンヘン行き飛行機の出発は7時半。あと1時間ありますから大丈夫でしょう。

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空港駅に到着したハンブルクの通勤電車。

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ハンブルクは北ドイツの主要都市だけあって空港も大きいです。
チェックインや荷物預けはすべて自動。大して並ぶこともなく、チェックインが完了しました。
移民とテロの問題で揺れるこのご時世だけあって、セキュリティチェックはものすごく厳重でした。
金属探知機のゲートを抜けると6人分のブースがあり、探知機に反応してもしなくても全員がボディチェックを受けるのです。
今まで何度も飛行機に乗ってきましたが、全員ボディーチェックを受けたのは初めてでした。

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搭乗ゲートからバスに延々と揺られ、小型の飛行機に乗り込んで時間通りに出発。
1時間半ほどでミュンヘンの空港に到着しました。

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荷物をピックアップしたターンテーブルの近くに電車の切符の自動券売機があったので、ミュンヘン中央駅までの切符を購入。
外に出ると寒いです。9月初めのシチリア旅行ですから基本的には夏用の格好をしているのですが、現在の気温は15度。
念のため持参した千葉ロッテマリーンズのロゴが入ったフリースを着こみました。

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何やら複雑なミュンヘン近郊区間の電車路線図。右上の空港駅からミュンヘン中央駅まではS1系統とS8系統の電車に乗ればいいようです。

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時刻は9時半。1番線に停車しているS1系統の電車に乗るとすぐ発車しました。

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電車は田園地帯を走ります。

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あいにくの雨模様。そして寒いです。

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10時10分にミュンヘン中央駅に到着。
これから乗る列車は11:34発ヴェネチア行き特急EC87列車。
ドイツのミュンヘンからオーストリアのインスブルックを経由し、アルプスを越えてイタリアのヴェローナ、ヴェネチアへと至る列車です。
私は途中のヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅でローマ行きの高速列車に乗り換えますが、ヴェローナ着は16:58。
約5時間半の列車の旅です。

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1時間ほど時間があるので駅構内のバーガーキングで昼食をとりました。
店内にはネズミがうろついており、落ち着けません。

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11:25。ミュンヘン発ヴェネチア行きの列車が出発する14番ホームへと向かいました。
しかし、11:34発の始発列車であるにもかかわらず、まだホームに列車が入線していません。
嫌な予感がします。

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出発時間を過ぎました。定刻から10分経ってもヴェネチア行き列車は入線してきません。
放送もなく、何が起きているのかわかりません。遅れなのか、運休なのか・・・。
ホームの出発案内表示には相変わらず「11:34 ヴェネチア行き」と表示されたままです。
運休されると今日のスケジュールがすべて狂ってしまうのですが、どうなるのでしょう。

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11:54になってようやくヴェネチア行きの列車は入線してきました。
オーストリアを経てイタリアへと向かう国際列車ですが、車両はオーストリア国鉄の車両でした。
私が予約したのは6人掛けのコンパートメント車両の指定席。
閉じられた空間で6時間過ごすのは気まずいのですが、2列2列の解放座席車はすべて売り切れていました。
イタリア国内へ向かう場合は全席指定となっているため、座席指定せざるを得なかったのです。

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始発列車なのに出発時間から20分遅れて入線してきたヴェネチア行き国際列車は12:15になってようやく発車。
すでに40分も遅れています。遅れを取り戻すことはできるのでしょうか。
ローマ行きの列車に乗り換えるヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅では1時間の待ち時間がありましたから駅前でも散策しようかと思っていましたが、そんな余裕はなくなりました。
列車は特に急ぐでもなく、12:53にローゼンハイム駅に到着。定刻は12:14ですから40分弱遅れています。

6人掛けのコンパートメント座席に座っているのは私を含めて4人。
若いイギリス人の兄ちゃんは私と同じくイタリアのヴェローナまで乗るとのことです。
兄ちゃんが土足のまま前の座席に足を延ばすと、隣に座っているドイツ人のおっさんが「土足のまま座席に足を乗せるのはやめなさい。次の人も使うのだから」と注意していました。
さすがドイツ人。まじめです。

やがて列車はドイツからオーストリアへ。アルプスのチロル地方へと入っていきます。
遅れは1時間。少しでも遅れを取り戻してくれることを祈るばかりです。

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しかし、列車はクーフシュタイン駅で急停車。停車駅ではありますが、止まり方が急すぎます。
そして停車したまま10分近く発車しません。またなにか起きたのでしょうか。
しばらくするとドイツ語で車内放送があり、ドイツ人のおっさんが「クーフシュタイン駅で機関車のエンジントラブルがあったので、別の機関車に付け替えたらしいですよ」と内容を教えてくれました。

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13:45、クーフシュタイン駅を1時間遅れて発車。
運転打ち切りにはなりませんでしたが、遅れは広がる一方です。
イギリス人の兄ちゃんは「今日は朝から9時間も列車に乗りっぱなしなんだ。疲れたよ」と言い残し、荷物を網棚に置いたままどこかに行ってしまいました。食堂車にでも行ったのでしょう。

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14:00にイェンバッハ駅に到着。チロル地方の観光拠点となる駅で、アッヘンゼー湖に至る観光用のSL列車の始発駅です。
イェンバッハ駅には2011年に訪れ、SL列車に乗車したことがあります。懐かしいです。

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列車は遅れを取り戻さないまま走ります。こうなったらもう車窓を楽しむしかありません。
山間に佇むアルプスの古城。ロマンチックです。

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晴れていれば絶景なのですが、残念ながら外は雨。厚い雲に覆われています。

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川の水量も多く、つい最近大雨があったことをうかがわせる水の色です。

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14:20にインスブルック駅に到着。オーストリア西部の古都で、冬季オリンピックが開催されたこともあります。
2011年にこの町を訪れ、登山鉄道や旧市街の町並みを楽しみました。
この駅で乗客の半分近くが入れ替わりました。
食事に行っているイギリス人の兄ちゃんの席にもほかの客が座ろうとしたので、「この席の人は食堂車で食事していますよ」と教えてあげました。

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インスブルックを1時間遅れで発車。ここからはブレンナー線に入ってアルプスを南下し、ブレンナー峠を越えてイタリアへと入っていきます。

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景色が山がちになってきました。谷間を縫うように走ります。

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美しい景色です。列車の遅れのことはひとまず忘れて、今は景色を楽しみましょう。

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教会を中心に小さな集落がありました。

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山小屋のような駅舎。

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いよいよブレンナー峠越えです。列車はゆっくりと坂を上ります。

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そして国境を越えてオーストリアからイタリアへ。

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ブレンナー駅が近づいてきました。トラックがたくさん止まっています。

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ブレンナー駅からはトンネルを通って南下するため、トラックごと貨物列車に乗せるピギーパック輸送が行われています。
道路もあるのですが山道で交通量も多いため頻繁に交通渋滞が発生しているそうですから、このような輸送形態がとられているのでしょう。

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大きなトラックを貨物列車に乗せています。トラックのドライバーは専用の客車に乗って移動します。

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ブレンナー駅に到着。イタリア語でブレンネロ。イタリア国内ではありますが、ブレンナーの住民の81%はドイツ語を話し、イタリア語で話す人は19%しかいないそうです。

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ブレンナー・ブレンネロ駅がオーストリア国鉄とイタリア国鉄の境界です。
電化方法もオーストリア側の交流電化からイタリア側の直流電化に変わります。
機関車付け替えのためしばらく停車しました。

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トンネルを抜け、イタリア国内へ。
最新鋭の通勤電車とすれ違いました。

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15:56にブレッサノーネ駅に到着。1時間遅れています。
この町の人口の3分の2がドイツ語を話すため、ドイツ語読みの地名であるブリクセンが併記されています。
イタリアでありながら、北部はドイツ語話者が多いのですね。

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急斜面に畑が広がります。食事に行っていたイギリス人の兄ちゃんが戻ってきました。

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ボルツァーノ駅に停車。比較的大きな町です。列車は1時間遅れたままです。

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荒々しい景色です。

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ロベレト駅に停車。大きな現代美術館があることで知られる谷間の町です。

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町の向こうにそびえる古城。もし時間を気にせず旅ができるのなら、あのような古城をひたすらめぐってみたいと思います。

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下車駅であるヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅が近づいてきました。
時刻は17:45。スマホで現在位置を確認したところ、ヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅まであと10分はかかりそうです。
ヴェローナの到着予定時刻は16:58ですから1時間遅れています。
果たして私が乗るローマ行きの特急列車には間に合うのでしょうか。
時刻表を調べると、ローマ・テルミニ行きのES8525列車はベルガモを16:00に出発し、ヴェローナ駅に17:44に到着。17:52に出発してしまいます。
このままいけばローマ行き列車の出発時刻までにヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァまでたどり着くことができません。
ヴェローナで降りるイギリス人の兄ちゃんも私と同じローマ行きの列車に乗るらしく、「ヤバイね」と言い合いました。
最悪乗り遅れても次の列車があります。
ヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅18:52発、ローマ・テルミニ駅着21:45着。
23時発パレルモ行き夜行列車に間に合うからこれでもよいのですが、あいにくローマ行きは全席指定。
指定席の切符を買いなおさないといけないのは面倒です。
事情を話せば切符を買わなくても乗れるかもしれませんが、イタリアの駅係員は英語を話せないことが多く、当てにならないのが正直なところです。
ああ、なんとかならないものか。ローマ行きの列車が我々の列車を待っていてくれることを祈るしかありません。

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17:58にヴェローナ・ポルタ・ヌウォーヴァ駅到着。1時間遅れです。
幸運なことにこれから私が乗るローマ行きES8525列車はホームの反対側の4番線で我々の列車を待っていてくれました。

すぐ発車するかもしれないので目の前の扉から乗りました。ここは5号車。私の座席は1等車の2号車です。
イギリス人の兄ちゃんも後ろから乗ってきました。兄ちゃんの切符は6号車と書いてあります。「乗れてよかったね。よい旅を」と声をかけ、前方の2号車へと向かいました。
しかしスーツケースを押して車内を通り2号車に行くと、「ヘイここはファーストクラスだぜ」と声がかかりました。
イギリス人の兄ちゃんです。彼の座席は後ろの6号車なのになぜ私についてきたのでしょう。
私は自分の切符を見せ、「俺は2号車、あんたは6号車。あんたの座席は後ろだよ」と説明しました。
私はヨーロッパに行くと年齢よりも相当若く見られるようなので、アジア人の若造が1等車の切符を持っていると思われなかったのでしょうか。

ローマ行きの列車は他の列車の接続も待ったらしく、定刻から20分遅れて18:12に発車。
あとはもうローマに向けて一直線です。これ以上のトラブルが無いことを祈りましょう。

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