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イタリア・シチリア島旅行記の第12回です。
4日目はパレルモとモンレアーレを観光します。
まずはノルマン王宮とその内部にある素晴らしい黄金のモザイクで知られるパラティーナ礼拝堂を見学しました。

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■4日目 2017年9月4日 月曜日

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シチリア旅行の4日目。今日は午前中にパレルモ観光の目玉であるノルマン王宮とその内部にあるパラティーナ礼拝堂を見学します。
また昨日解放されていなかった大聖堂の霊廟や宝物庫、屋上を見学します。
午後はパレルモから路線バスに乗ってモンレアーレに向かい、パラティーナ礼拝堂に勝るとも劣らない豪勢なモザイクで知られる大聖堂を見学します。モンレアーレの大聖堂はパレルモ中央駅から乗ったタクシーの運転手も「絶対に行ったほうがいい」と言うほどですから楽しみですね。今日は聖堂尽くしの一日になります。

朝7時に起きて朝ごはん。ハムなどの種類が多く、おいしい朝ごはんでした。
ホテルの目の前にあるポリテアーマ広場前のバス停から108番のバスに乗ってノルマン王宮へ向かいます。
バスのチケットは昨日2日間乗り放題となるチケットを購入済みです。

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朝9時半にノルマン王宮に到着。入場券を買い、いよいよ中へ入ります。
ノルマン王宮の歴史は古く、カルタゴ人が2000年前に築いた城砦がルーツです。
その後ローマ帝国、ビザンチン帝国、アラブ時代と城砦として重要な役割を果たしました。
北方のノルマン人がシチリアを征服すると、初代ノルマン王のルッジェーロ2世は大規模な改築を開始。
1143年には金箔のモザイクで覆われたパラティーナ礼拝堂が完成し、豪勢な王宮として生まれ変わりました。
その後13世紀から14世紀にかけては宮殿として使用されず放置されましたが、16世紀以降は再び王宮として利用されるようになりました。
現在はシチリア州議会の議事堂として使用されているほか、王宮部部分や礼拝堂は観光客向けに一般公開されるようになりました。
そのため王宮部分の見学は議会が開催されない月、金、土曜日に限定され、火〜木曜日はパラティーナ礼拝堂のみ見学可能となっています。

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ノルマン王宮に入場すると、まず目の前に飛び込んでくるのがマクエダの中庭。
1600年に当時シチリア島の総督だったマクエダ公爵が建造を命じ、三層のアーケードで囲まれた豪勢な中庭を完成させました。
マクエダ公爵はパレルモ市内の再開発にも辣腕を発揮した人物として知られています。
中には特設ステージが設置されています。オペラか音楽会があるのでしょう。こういう場所で聞く音楽はさぞかしすばらしいことでしょう。

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中庭の回廊部分。美しい壁画が描かれています。

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回廊を歩き、パラティーナ礼拝堂へ。

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早くも荘厳な雰囲気です。パラティーナ礼拝堂の見学に向け、否応にも気持ちが高まります。

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王宮の1階にあるパラティーナ礼拝堂に入りました。
すごい!どこを向いても黄金!まぶしい!

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天井部分にも精巧な装飾が施されています。キリスト教の礼拝堂ですが、天井はイスラム風ですね。

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フランスの詩人モーパッサンはパラティーナ礼拝堂を「人間の思考による憧憬を芸術家の手によって具現化した、世界で最も美しく、最も荘厳な宗教宝石」と絶賛しました。
1143年に完成したパラティーナ礼拝堂はそれまでシチリアを支配していたギリシャ人やイスラム人が建設に携わったと言われ、ビザンチン文化、イスラム文化、ラテン文化が高度に融合したすばらしい芸術作品に仕上がっています。

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パラティーナ礼拝堂の見どころは何と言っても黄金の金箔モザイクで描かれた宗教画。
2007年に二度の修復を終えて往年の輝きを取り戻した壁画ですが、現在もこうして修復保全作業が続けられています。

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「創世記」、「キリストの生涯」、「聖ペテロと聖パオロの物語」などが描かれています。

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あまりの迫力に圧倒されますね。

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大理石で作られた説教壇もすばらしいです。

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ドームの天井部分に描かれているのは全能者キリスト。

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ドームは一面の黄金。

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天使が描かれています。

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壁一面に描かれたモザイク画。

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ノアの箱舟でしょうか。

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ひたすら上を向いてモザイク画を眺めます。首が痛くなってきました。

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ライトアップされた黄金のモザイク画が神々しく輝いています。
黄金のモザイクの下の装飾は北方ノルマンの文化の影響があるそうです。

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フラッシュ禁止ながら撮影OKなのはうれしいです。バチカンのシスティーナ礼拝堂は撮影禁止ですし。

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あまり撮影していませんが、床のモザイク装飾もすばらしいのです。

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旧約聖書の様々な場面が描かれています。すべての絵をじっくり見ていたら1日かかりますね。

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それにしてもすごい。すごいとしか言いようがありません。

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圧倒的な美しさは宗教の枠を超えますね。これをみるだけでもパレルモに来た甲斐がありました。

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パラティーナ礼拝堂を出ました。

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階段を登り、王宮内のいくつかの部屋を見学します。

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こちらはヘラクレスの間。19世紀に完成したこの部屋は1947年よりシチリア州議会の議場として使用されています。

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ヘラクレスの間にはその名の通りギリシャ深夜の英雄ヘラクレスの物語が描かれた絵画が飾られています。

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シチリア州の偉い人の肖像画。

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副王の間を歩き、次の部屋へ。

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廊下を歩き次の見学先へ。
カーテンがオシャレです。

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ここは風の間。アラブ時代に作られた塔の中にあり、美しい天井の装飾が印象的です。
グラナダのアルハンブラ宮殿を思い出しました。

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ルッジェーロの間へと歩みを進めます。

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ノルマン王宮は後世に渡り何度も改築されたため、現在残る宮殿の大部分は18世紀以降のものです。しかしこのルッジェーロの間だけはノルマン時代の装飾が今も残っています。

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パラティーナ礼拝堂の影に隠れがちですが、このルッジェーロの間の天井のモザイク装飾もすばらしいです。

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宗教的な題材ではなく、植物や動物が描かれているのが面白いですね。
かつて狩猟民族だったノルマン人の王が好んだテーマと推測されているそうです。

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こちらは東洋の間。18〜19世紀ごろに流行した中国風のインテリアです。

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中国風の衣装に身を包んだ人物が描かれています。

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中国風の部屋なのに修復中と思われるキリスト教の宗教画が置かれていました。

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こちらはポンペイの間。
1830年ごろにシチリアを治めたブルボン中尉によって作られました。
当時発見されたエルコラーノとポンペイのローマ遺跡に触発され、神話を主題とした装飾となっているそうです。

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青緑の壁に描かれた神話の絵。

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様々な調度品が展示されています。

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引き出しに描かれた絵。

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中国趣味です。

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立派なシャンデリア。

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歴代のシチリア総督の肖像画が並ぶ副王の間。

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よくわからない現代芸術の特別展示もありました。

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1時間少々見学し、10時半過ぎにノルマン王宮を出ました。
午後の目的地モンレアーレへのバスはノルマン王宮に面したインディペンデンツァ広場の向こう側のバス停から出発します。時刻表を見ると12:30のバスがちょうどよさそうです。
あと2時間。パレルモを観光しましょう。

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