ペルー・ボリビア旅行記の第1回です。
2018年1月末。奇跡的に長期休暇が取れたため、長年の夢だった南米への旅行に出かけました。
2週間のツアーに参加し、マチュピチュ、アンデスの高山列車、ナスカの地上絵、ウユニ塩湖などを巡ります。
まずは成田からメキシコ経由でペルーの首都リマへと向かいました。
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私の少年時代の愛読書は宮脇俊三氏の鉄道紀行文学でした。
大人になったら世界中の鉄道に乗って旅をしてみたい。
子供のころの夢をかなえるべく、大人になった私は日本はもちろん世界の鉄道に乗るべく旅をしてきました。
しかし社会人として仕事をしながらではなかなか行けない場所、それが南米でした。
宮脇俊三さんの著作「汽車旅は地球の果てへ」の第1章はアンデスの高山列車です。
「鉄道旅行の好きな者が世界地図を眺めていて、思わず生唾を飲むのは、アンデス越えの各線であろう。それは山男にとってのヒマラヤのような存在かと思われる」という一文から始まる旅行記は、普段は枯淡の境地に達した宮脇さんが珍しく興奮している様が文脈から伝わってきました。
ああ、乗りたい。
アンデスを走るペルーの列車に乗りたい。
2006年にチベットの青蔵鉄道が開通するまで鉄道の世界最高地点はペルー中央鐵道のリマ〜ワンカーヨ間のチクリオ峠で標高4783メートルでした。
しかしリマー〜ワンカーヨ間の定期旅客列車は1990年代に運行を終了し、現在は貨物列車が走るのみ。
一応1か月に1、2日程度不定期の観光列車が運行しているものの、毎月運行しているわけではないらしく、簡単に乗車できる状態ではなくなってしまいました。
現在ペルーの定期旅客列車で行ける国内最高地点はララヤ峠の標高4319メートル。かつてインカ帝国の首都だったクスコとチチカカ湖畔のプーノを結ぶペルー南部鉄道です。
これならば乗れます。
そして南米に行くのであれば是が非でも見たいものがありました。
歴史好きとしてはナスカの地上絵を見ないわけにはいきません。
謎に包まれたマチュピチュ遺跡。どうしても行きたい場所の一つでした。
あとはボリビアのウユニ塩湖。南北約100km、東西約250km、面積約10,582平方kmの広大な塩の大地で、雨期になると数センチほどの水が張り、広大な鏡張りの湖になるのです。
その美しさはインスタ映えどころの騒ぎではなく、一度写真を見れば行かずにはいられなくなります。
ただし、ウユニ塩湖の雨季である1月から3月に行かないと鏡張りのウユニ塩湖は見られないのです。
しかしこの時期には連休がありません。どうやって休めばいいものか・・・。
マチュピチュ、ナスカの地上絵、ペルー南部鉄道のララヤ峠越え、ボリビアのウユニ塩湖。
ペルーもボリビアも治安が悪く、英語も通じませんから個人で行くならスペイン語が必須です。
英語もおぼつかない人間が個人旅行で訪れるのは無謀でしょう。ツアーを探すしかありません。
しかしツアーで行くとなると旅行代金が非常に高額となり、しかも日数も相当かかります。
ウユニだけ、あるいはウユニとマチュピチュだけなら10日弱で帰ってこれますが、ナスカとララヤ峠越えの鉄道も入れると旅程は2週間となり、費用も1人参加の割り増しを含め100万円近くになってしまいます。
高い・・・。
訪問個所を絞り日数を少なくすることも考えましたが、そうなると別の問題が発生します。
それは高山病です。
ペルーの首都リマは海沿いですが、古都クスコは標高3400メートル。チチカカ湖畔のプーノは3800メートル。ウユニ塩湖は3700メートル。
そしてなんとボリビアの首都ラパスのエル・アルト空港は標高4061メートルもあります。
ボリビアの玄関口の空港が富士山より高い場所にあるなんて!
日数に余裕のあるツアーであれば徐々に標高の高い場所に移動して体を慣らしていきますが、余裕のないツアーだといきなりクスコ、ラパスへと移動してしまいます。
そうなると体が順応できず高山病になる可能性が高くなります。
せっかく遠くまで来たのに高山病で景色を楽しめないのは本末転倒。それだけは避けるべきです。
日程に余裕があり、マチュピチュとナスカと鉄道とウユニ塩湖すべてを含むツアーはこれしかありませんでした。
ユーラシア旅行社の「ペルー・ボリビア、アンデス物語 14日間」です。
成田からアエロメヒコを利用し、メキシコ経由へペルーの首都リマへ。
リマを観光したのち飛行機でクスコに飛びます。
クスコ観光の後はその日のうちにバスと鉄道を乗り継いでマチュピチュへ。
翌日からマチュピチュ遺跡を1日半かけてじっくり観光したのちクスコに戻り、翌朝ペルー南部鉄道に乗車し標高4319mのララヤ峠を超えます。
終点プーノで一泊して翌朝チチカカ湖を観光したのちはバスで国境を越えボリビアのラパスへ。
ラパスからは空路ウユニに飛びウユニ塩湖を2日間観光。
ラパスに戻り1日観光し、最終日はラパスからリマ、メキシコ経由で帰国するという日程です。
2月5日の朝にラパスを出発し、成田着は2月7日。3日もかかります。南米はやはり遠いです。
文句のつけようもない理想的な日程です。アメリカを経由しないので乗り継ぎに面倒が無くESTA不要なのも良いです。
ですが連休も無い時期に2週間のツアー。
10日も有給を取るのは不可能だと半ばあきらめていたのですが、同僚や上司の理解と協力もあり、2018年になって奇跡的に休暇を取ることができました。
職場に迷惑をかけるわけですから悩んだものの、このチャンスを逃すといつ行けるかわかりません。
思い切ってツアーに申し込み、念のため黄熱病の予防接種も済ませ、出発の日を待つことにしました。
ユーラシア旅行社のツアーは催行中止が多いらしいのですが、うれしいことに今回に限っては催行が確定しています。
2018年1月25日木曜日。
1時半ごろに成田空港に集合。ツアー参加者は私を入れて16名。年齢は私を除きほぼ60代以上の方々でした。
いったいどうやって休みを取ったのかという質問にあいまいな笑みで返しつつ、搭乗ゲートへと向かいました。
まずは15:25発のアエロメヒコAM57便でメキシコシティへ。
エコノミー席ですが片道8000円の追加料金で前方通路側の席を指定したところ、なんと3列シートに私しかおらず、横になって眠ることができました。
メキシコまで12時間20分。ゆっくり横に慣れたのですからこんなに楽なことはありません。これは幸先が良いです。
12:40にメキシコシティに到着。スーツケースは一度引き取ることになっており、機内でもそのようにアナウンスされたのですが、ターンテーブルでいつまで待っても我々の荷物が出てきません。
添乗員とツアー参加者が困惑していると空港のスタッフが近寄ってきて、日本語で「皆さんの荷物は乗継便に積まれました。ここで受け取らなくて大丈夫です」とのこと。他のスタッフに確認すると22日から新ルールになったとのことです。わけがわかりませんが、これが南米クオリティなのでしょう。
メキシコへの入国を済ませてしばらく休憩し、17時にリマに向けて出発。
メキシコからペルーは近いようで遠く、5時間40分もかかります。
すっかり夜も遅くなった23時40分。リマ国際空港に到着。
心配された荷物は無事に届いていました。
空港を出てバスに乗りホテルへ。治安は良くありません。写真を撮るのも細心の注意が必要です。
リュックサックは前に抱えました。
バスは深夜のリマを疾走します。
線路を渡ります。リマとワンカーヨを結ぶ鉄道でしょう。
1か月に1度しか走らないのでは乗る機会があるのかどうか。
おそらくないでしょう。
住宅街へ通じる道に厳重なゲートがありました。泥棒除けでしょう。
治安の悪さを感じます。
深夜1時にリマのシェラトン・リマ・ホテル&コンベンションセンターに到着。
日本から24時間かけて、ついに夢だったペルーへとやってきました。
疲労はピークです。シャワーを浴びて眠りにつきました。
翌1月26日。疲労を考慮し午前中はホテルでのんびりしてよいとのことでした。
散歩したいですが、ホテル周辺の治安は悪く、特にホテルの目の前の公園には絶対行くなとの指示。
公園内にポケモンGOのジムがあるのですが、ホテルの部屋からでは届かないのです。
行きたいような気もしますが、死にたくはありませんから自重しました。
次回からペルーの首都リマを観光します。
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