スポニチの横市記者が井口監督を擁護する記事を書きました。
バントばかりと嘆いたロッテファンに知ってほしい!井口野球とは…、誤算とは…(スポニチ)
井口監督の采配を批判するファンに対し、スポニチの横市記者が物申しています。
親しいメンバーをコーチにそろえたこと自体は、結果を出せば問題ありません。。
結果を出さなければオーナーから問題視されてしまうのは自明の理です。
鳥谷や福田秀などのえこひいき起用については触れていませんね。
送りバントについてはどうでしょうか。
確かにこのブログ「マリンブルーの風」においても送りバントが多すぎるとか、無死1塁か1死1塁で送りバントしないと死んじゃう病とかいろいろ書きました。
数字の上での犠打数は94とリーグ5位です。
ただ、犠打というものは、ランナーが出ないとできないのです。
ランナーを出すためにはヒットを打つか、四球を選ばなければなりません。
マリーンズの場合、四球は433とそこそこ選んでいるものの、チーム打率は.231とリーグ5位です。
しかも、せっかくランナーが出たのに送りバントが失敗してランナーを進められないケースもよくありました。
これは記録上には表れない数字なので、普段から試合を見ていないとわかりません。
また、山口に送りバントさせたり、負けている終盤で長打が期待できる井上を交代させ、ピンチバンターに柿沼を送る采配はどうなのか。
正直首をかしげざるを得ない采配がいくつかあったと思います。
最大の問題はランナーを送っても、ホームに返すバッターがいないこと。せっかくバントしても、ランナーを返せないのでは意味がありません。
昨年打ちまくったレアードとマーティンが極度の不振にあえぎ、井上が長期離脱。中村、角中も低打率。後半になってようやく安田と山口を起用するようになりましたが、遅すぎました。
両外国人が打てないのであれば、なぜシーズン途中で外国人野手を補強するよう要望しなかったのでしょうか。
漫然とレアードとマーティンを試合に出し続けたことが傷口を広げたのは明白です。
思い起こせば2012年。
あまりにも打てないマリーンズ打線に業を煮やし、2005年と2006年に在籍した夢のある長距離砲、バレンティーノ・パスクチ選手にロッテに復帰するようお願いしに行きました。
ニューヨーク州のバッファローの球場に行って、直接パスクチに声をかけたのです。
井口監督もこれぐらいしてほしかったですね。
送りバントと言えば、1死1塁で送りバントしたこともありましたね。
高校野球じゃあるまいし、なんとつまらない野球でしょうか。
もちろん終盤の点差がほとんどない競り合いの場面なら送りバントも選択肢としてあり得るでしょう。
しかし、今年のマリーンズが競り合いに弱く、負けてばかりいました。
今年のマリーンズは1点差の試合で18勝30敗、延長になった試合は5勝10敗1分でパ・リーグワーストです。
つまりパ・リーグで最も競り合いに弱かったのです。
そうなると、ランナーを進めるデメリットよりも、アウトカウントを相手に献上するデメリットの方が上回ってしまいます。
1点にこだわる野球をしても、すぐに逆転されてしまうのですから意味がありません。
確率は低くとも、もっと点を取りに行く野球をしてほしかったです。
今年のマリーンズが終盤の競り合いに弱かった原因は、打線よりもリリーフ陣にあります。
各球団の8回と9回の失点数を見ると、マリーンズがダントツで多いのです
各球団の8回と9回の失点数
千葉ロッテ 109
オリックス 72
ソフトバンク 66
埼玉西武 75
東北楽天 87
日本ハム 123
オリックスが72点、ソフトバンクが66点。
対してロッテが109点。
これでは勝てません。
守護神の益田の防御率が3点台でリードを守れないのですから、当然こうなりますよ。
しかも今年は昨年マリーンズのブルペンを支えた中継ぎが不振か離脱により戦力にならなかったのが痛いです。
国吉が制球難で長期離脱、佐々木千隼は絶不調、唐川も不調で離脱、田中靖も不調。
これでは厳しいです。ゲレーロも今一つ安定感を欠きました。代わりの廣畑らもいまいち。
小野と東條が奮闘してくれましたが、去年よりも少ないメンバーでブルペンを回していれば終盤疲弊するのは目に見えています。吉井コーチを閑職に追いやり、リリーフの運用が稚拙な木村コーチに代えたことも裏目に出ました。
シーズン中盤にオスナを獲得しましたから球団もやることはやったのですが、中継ぎについては坂本を獲得しただけで、しかもその坂本も戦力にはなりませんでした。
井口監督は井口監督で不調の益田にこだわりすぎましたね。見切りをつけたのが遅いです。少なくともオスナを獲った時点で守護神を即変えるべきでした。
まあ、横市記者が言いたいこともわかります。
井口監督の采配は、記事にある通り、「特に攻撃においては、理想的なものを追い求めて」おり、「強いチームの王道ともいえる作戦を貫いていた」と言えます。
つまり、井口監督の采配は、強いチームの采配です。
井口監督のロールモデルがダイエー時代の王監督ですから、そうなるのも当然でしょう。
ただ、井口監督が理想とした王監督のダイエーホークスは、典型的な強いチームでした。
井口監督が選手として在籍していた時のダイエーホークスは、ルーキーイヤーの1997こそ4位ですが、1998年からメジャーに移籍する前年の2004年までは3位、1位、1位、2位、2位、1位、1位で、日本一に2回なっています。
ツイッター上では「井口監督は弱い時代のダイエーホークスを知っている」という意見もありますが、それは明確に誤りでしょう。
村松、柴原、川崎、鳥越などのわき役が出塁してランナーを進めるチームバッティングに徹し、小久保、松中、城島、ズレータ、バルデスらの主軸がランナーを返す。
レギュラーがほぼ固定され、役割分担がしっかりできているチームでした。
井口監督の理想は今のマリーンズではできない野球です。
井口監督の問題は、強いチームの野球ができないと分かった時点で、方針を変えることができなかったことでしょう。
自分の理想にこだわるあまりに、チームの現実から目をそらし続けたことが傷口を広げました。
これも選手を引退して即監督になったことの弊害なのでしょう。
監督としての引き出しの少なさが、悪い方向で表れてしまいました。
井口監督が蒔いた種は確実にありますし、井口監督が育てた選手もいます。
来年はチームとして成長し、今年できなかったことができるようになればいいですね。
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バントばかりと嘆いたロッテファンに知ってほしい!井口野球とは…、誤算とは…(スポニチ)
3年ぶりのBクラスに低迷したロッテは今季限りで井口監督が退任し、吉井新監督が誕生。すでに新しいチームが動き出しているが、担当記者の目線で、少し井口野球を振り返りたい。
昨年、一昨年と2年連続リーグ2位に輝き、今季こそリーグ優勝と期待が大きかっただけに、ネットに書き込まれる井口監督に対するファンの声は厳しかった。プロだから結果を残すのが使命だが、違和感のある意見も目に付いた。
采配批判も多かったが、個人的な意見を言うならば、特に攻撃においては、理想的なものを追い求めていたと思う。
「バントばかり」と采配を揶揄するものも多かったが、本当にそうだろうか?犠打数94はリーグ5位と少ない。一方で、盗塁数はリーグ断トツトップの132だ。しかも、盗塁成功率78・1は、リーグ2位のソフトバンクの66・7%をはるかに上回っている。チーム打率・231はリーグ5位なのに、501得点は同3位なのだから、効率は決して悪くないだろう。
仮にバントが多かったとしても、「バントは何も悪くない」と主張したい。確かに井口監督は、驚く奇襲戦法を好まなかったが、その分、俊足が出塁すれば盗塁、エンドランを多用し、カウントによって進塁打も重視した。まさに、強いチームの王道ともいえる作戦を貫いていた。
誤算はチャンスをつくっても、走者を還せる打者がいなかった。マーティン、レアードが極度の不振に陥った。「頂点を、つかむ。」をチームスローガンに掲げ、開幕前から今季は「育成」でなく、「勝負」と宣言。ぶれずに最後まで突き進むと決めたことで、実績十分の助っ人砲の脱出を待つしか、手段がなくなってしまった。
2年前の時点では、今季は安田、藤原がリーグを代表する打者になっていると想定しただろう。しかし、開幕前の時点で期待のプロスペクトたちが、思うような成長を示せなかったことで、井口監督は若手に切り替えづらくなった。結果的には才能ある若手を、本物のレギュラーに育成できなかったことが、最大のV逸の原因となった。
交流戦から、チームは徐々に上向いた時期もあった。その原動力となったのは、ブルペン陣だったが、結局のところは序盤の借金を返すために、早めの継投が多くなり、夏以降は多くの救援投手が失速した。先発で規定投球回に達したのは、皮肉にも今季3勝11敗に終わった小島だけ。毎日、試合を見ている記者としては、このペースではシーズン最後までリリーフ陣はもたないと危惧した。これもまた、負の連鎖といえた。
井口監督が辞任したことにより、古巣ダイエー時代や母校・青学大時代の同志たちだったコーチ陣は、今季限りで球団を去った。一部では、「お友達」とも皮肉ったが、これに関しては「別にいいのではないか」と思っている。どこの球団だって、監督の近しい人物がコーチにいるし、その理由は目指すべき野球を、共有できるからである。
それでも、鳥越2軍監督は「5年間で優勝できなかった。結果を残せなかったということ」と、イースタン・リーグで昨年優勝、今年も2位に導きながらも辞任を選んだ。来季こそ井口監督がまいた種に、水をあげて、大きく育ててほしい。吉井新監督は選手のモチベーションを上げるのが、巧みな人物だ。(記者コラム・横市 勇)
井口監督の采配を批判するファンに対し、スポニチの横市記者が物申しています。
親しいメンバーをコーチにそろえたこと自体は、結果を出せば問題ありません。。
結果を出さなければオーナーから問題視されてしまうのは自明の理です。
鳥谷や福田秀などのえこひいき起用については触れていませんね。
送りバントについてはどうでしょうか。
確かにこのブログ「マリンブルーの風」においても送りバントが多すぎるとか、無死1塁か1死1塁で送りバントしないと死んじゃう病とかいろいろ書きました。
数字の上での犠打数は94とリーグ5位です。
ただ、犠打というものは、ランナーが出ないとできないのです。
ランナーを出すためにはヒットを打つか、四球を選ばなければなりません。
マリーンズの場合、四球は433とそこそこ選んでいるものの、チーム打率は.231とリーグ5位です。
しかも、せっかくランナーが出たのに送りバントが失敗してランナーを進められないケースもよくありました。
これは記録上には表れない数字なので、普段から試合を見ていないとわかりません。
また、山口に送りバントさせたり、負けている終盤で長打が期待できる井上を交代させ、ピンチバンターに柿沼を送る采配はどうなのか。
正直首をかしげざるを得ない采配がいくつかあったと思います。
最大の問題はランナーを送っても、ホームに返すバッターがいないこと。せっかくバントしても、ランナーを返せないのでは意味がありません。
昨年打ちまくったレアードとマーティンが極度の不振にあえぎ、井上が長期離脱。中村、角中も低打率。後半になってようやく安田と山口を起用するようになりましたが、遅すぎました。
両外国人が打てないのであれば、なぜシーズン途中で外国人野手を補強するよう要望しなかったのでしょうか。
漫然とレアードとマーティンを試合に出し続けたことが傷口を広げたのは明白です。
思い起こせば2012年。
あまりにも打てないマリーンズ打線に業を煮やし、2005年と2006年に在籍した夢のある長距離砲、バレンティーノ・パスクチ選手にロッテに復帰するようお願いしに行きました。
ニューヨーク州のバッファローの球場に行って、直接パスクチに声をかけたのです。
井口監督もこれぐらいしてほしかったですね。
送りバントと言えば、1死1塁で送りバントしたこともありましたね。
高校野球じゃあるまいし、なんとつまらない野球でしょうか。
もちろん終盤の点差がほとんどない競り合いの場面なら送りバントも選択肢としてあり得るでしょう。
しかし、今年のマリーンズが競り合いに弱く、負けてばかりいました。
今年のマリーンズは1点差の試合で18勝30敗、延長になった試合は5勝10敗1分でパ・リーグワーストです。
つまりパ・リーグで最も競り合いに弱かったのです。
そうなると、ランナーを進めるデメリットよりも、アウトカウントを相手に献上するデメリットの方が上回ってしまいます。
1点にこだわる野球をしても、すぐに逆転されてしまうのですから意味がありません。
確率は低くとも、もっと点を取りに行く野球をしてほしかったです。
今年のマリーンズが終盤の競り合いに弱かった原因は、打線よりもリリーフ陣にあります。
各球団の8回と9回の失点数を見ると、マリーンズがダントツで多いのです
各球団の8回と9回の失点数
千葉ロッテ 109
オリックス 72
ソフトバンク 66
埼玉西武 75
東北楽天 87
日本ハム 123
オリックスが72点、ソフトバンクが66点。
対してロッテが109点。
これでは勝てません。
守護神の益田の防御率が3点台でリードを守れないのですから、当然こうなりますよ。
しかも今年は昨年マリーンズのブルペンを支えた中継ぎが不振か離脱により戦力にならなかったのが痛いです。
国吉が制球難で長期離脱、佐々木千隼は絶不調、唐川も不調で離脱、田中靖も不調。
これでは厳しいです。ゲレーロも今一つ安定感を欠きました。代わりの廣畑らもいまいち。
小野と東條が奮闘してくれましたが、去年よりも少ないメンバーでブルペンを回していれば終盤疲弊するのは目に見えています。吉井コーチを閑職に追いやり、リリーフの運用が稚拙な木村コーチに代えたことも裏目に出ました。
シーズン中盤にオスナを獲得しましたから球団もやることはやったのですが、中継ぎについては坂本を獲得しただけで、しかもその坂本も戦力にはなりませんでした。
井口監督は井口監督で不調の益田にこだわりすぎましたね。見切りをつけたのが遅いです。少なくともオスナを獲った時点で守護神を即変えるべきでした。
まあ、横市記者が言いたいこともわかります。
井口監督の采配は、記事にある通り、「特に攻撃においては、理想的なものを追い求めて」おり、「強いチームの王道ともいえる作戦を貫いていた」と言えます。
つまり、井口監督の采配は、強いチームの采配です。
井口監督のロールモデルがダイエー時代の王監督ですから、そうなるのも当然でしょう。
ただ、井口監督が理想とした王監督のダイエーホークスは、典型的な強いチームでした。
井口監督が選手として在籍していた時のダイエーホークスは、ルーキーイヤーの1997こそ4位ですが、1998年からメジャーに移籍する前年の2004年までは3位、1位、1位、2位、2位、1位、1位で、日本一に2回なっています。
ツイッター上では「井口監督は弱い時代のダイエーホークスを知っている」という意見もありますが、それは明確に誤りでしょう。
村松、柴原、川崎、鳥越などのわき役が出塁してランナーを進めるチームバッティングに徹し、小久保、松中、城島、ズレータ、バルデスらの主軸がランナーを返す。
レギュラーがほぼ固定され、役割分担がしっかりできているチームでした。
井口監督の理想は今のマリーンズではできない野球です。
井口監督の問題は、強いチームの野球ができないと分かった時点で、方針を変えることができなかったことでしょう。
自分の理想にこだわるあまりに、チームの現実から目をそらし続けたことが傷口を広げました。
これも選手を引退して即監督になったことの弊害なのでしょう。
監督としての引き出しの少なさが、悪い方向で表れてしまいました。
井口監督が蒔いた種は確実にありますし、井口監督が育てた選手もいます。
来年はチームとして成長し、今年できなかったことができるようになればいいですね。
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いつも楽しく拝読しております。
お書きの通り、不調な選手を外さず、使い続けたのが敗因だと思います。
理想は良いですが、臨機応変ができなかった。
また、奇襲に対する対応力もありませんでした。これは普段から奇襲を考えていないからだと思っています。
いずれにしても、不調選手が出たところで代わりの選手を補充できなかったのが、今季の大失速につながったのだと思います
柔軟なアタマがあれば、少なくともAクラスには入れたでしょう。