娘をベンチ入りさせるなどの公私混同ぶりが批判されたことにより退任した河合氏に代わり、ロッテHD代表取締役社長の玉塚元一氏が千葉ロッテマリーンズのオーナー代行を兼務することになりました。
オーナーは韓国ロッテ会長の重光昭夫、本名辛東彬氏ですが、重光氏は韓国を拠点としており通常日本にはいないため、オーナー代行という不思議な役職が必要になるのです。

【ロッテ】玉塚元一氏、取締役オーナー代行に就任 今後はロッテHD代表取締役社長などと兼務(ニッカン)
ロッテは11月30日付で、玉塚元一氏(60)が取締役オーナー代行に就任すると発表した。

玉塚オーナー代行は慶大卒業後、旭硝子株式会社(現AGC)、日本IBMを経て、98年に株式会社ファーストリテイリングに入社。02年11月に同社の代表取締役社長兼COOに就任した。その後も株式会社ローソンの代表取締役会長CEOなどを歴任し、21年6月に株式会社ロッテホールディングスの代表取締役社長に就任した。

今後はロッテホールディングスの代表取締役社長と、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン理事長、公益財団法人経済同友会副代表幹事を兼務する。


玉塚氏と言えば企業再生会社のリヴァンプの創業者。すでに球団社長に就任している高坂氏もリヴァンプからの移籍組です。
オーナー代行と社長がそろってリヴァンプ出身というのはどのような意味を持つのでしょう。
縮小均衡による収益の改善を図るのではなく、愛されるチーム作りと両立した経営健全化を目指してほしいです。

ちなみに、玉塚氏とはこのような人物です。

ロッテ新社長・玉塚元一氏とはどのような人物なのか ファーストリテイリング、ローソン…名だたる企業のトップを歴任(DCSオンライン)
菓子大手ロッテ(東京都/牛膓栄一社長)などを傘下に持つロッテホールディングス(東京都/重光昭夫会長兼社長)は、6月下旬の株主総会を経て、玉塚元一氏が同社の代表取締役社長に就任すると発表した。重光昭夫氏は会長職に専念することになる。ファーストリテイリング(山口県/柳井正会長兼社長)、ローソン(東京都/竹増貞信社長)という日本を代表する企業のトップを歴任してきた玉塚元一氏は、いったいどんな人物なのだろうか?

玉塚元一氏は1962年5月23日生まれの59歳。慶應義塾普通部(中学)からラグビーを始め、慶應義塾大学3年生時にフォワード(フランカー)のレギュラーを獲得。4年生時には、関東大学対抗戦を全勝優勝し、大学選手権では準優勝を果たした。「目標を決めて、努力すれば必ず結果が得られるという自信がついた」(玉塚氏)。また、「One for all. All for one.」というチームプレーの原点も学んだという。

 1985年、海外で活躍したいという思いを胸に旭硝子(現AGC:東京都/平井良典社長)に入社する。千葉県市原市の工場に配属され、生産・物流管理を学ぶ。工場の現場で「モノ作りの原点」を2年間勉強。その後の現場主義の原点になる。その後27歳の時にシンガポールに駐在し、化学品の事業に携わる。駐在の4年間にビジネスマンとしての力不足を痛感し、帰国3年後に米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学大学院に留学しMBA(経営学修士)を、またサンダーバード大学大学院で国際経営学修士号を取得。帰国後に旭硝子を退社する。

 1998年、情報システム関係について学ぶために日本IBM(東京都/山口明夫社長)に入社。3社目に営業したクライアントがファーストリテイリングで、柳井正社長に魅かれ転職を決める。

 ファーストリテイリングには、1998年から2005年まで7年間在籍。入社当時の売上高は800億円、利益は60億円の中堅企業。その後、フリースブームが到来し、1000億円の売上高が2年間で4000億円に成長。ブームが去った後の2002年に39歳で社長に就任。売上減が止まらなかったファーストリテイリングを再生軌道に立て直した。「さまざまな経験を柳井さんと一緒にして、本当に鍛えられた。柳井さんからは商売の原理原則、経営者のあるべき姿など、強烈に指導してもらった。売上が急降下して莫大な在庫が積み上げる中、もう一度お客様のニーズに立ち戻り多くの取り組みを実施した。当時のあのステージのユニクロの中では、ひとつのミッションをやり遂げたなと思っている。柳井さんには大変感謝している」(玉塚氏)。

 2005年、一念発起して再生会社リヴァンプ(東京都/湯浅智之社長)を立ち上げる。ロッテリアの再生やクリスピー・クリーム・ドーナツの日本展開を手掛けた。「リヴァンプではヒト、モノ、カネがない中で知恵を絞り、『人間力』で新規事業を生み出すノウハウを学んだ」(玉塚氏)。

そして2010年、ローソンに入社。社長就任までの3年半の主な実績を列挙すると…。

ゲンコツメンチや黄金チキンなどファストフードの大型ヒット商品を開発
コンビニコーヒーの火付け役「MACHI cafe」事業拡大と店舗の接客レベル改善
店内調理の厨房事業を軌道に乗せ2000店舗規模に拡大
原材料管理、製造ベンダーや物流の可視化を推進、サプライチェーンマネジメント全体の需給バランス適正化の仕組みを構築
Pontaカード分析機能強化、商品開発や自店Ponta会員レポートに活用
多店舗経営者であるMO制度を推進し、約90人の経営者を育成
エリア会やオーナーズミーティングに積極的に参加し、支店や加盟店の士気を向上
 社長就任前の玉塚氏のローソン社内評は、「加盟店とのスキンシップを重んじ、信頼が厚い」「組織や人財を引っ張る新しいリーダー。チームワーク、組織力を重視している」「明るく元気でローソン内に希望を与えられる人」「バイタリティにあふれている。年末年始も店舗巡回の合間に早朝5時から1時間のランニングを毎日していた」「家族を大切にしている」「過去の自慢話は一切しない」と非常に多岐にわたっていた。

 社長就任会見では、「私が幸運だと思うのは、柳井正さん、新浪剛史(現サントリーホールディングス社長)さんという日本を代表する経営者に直接、薫陶を受けられたこと。やりたくてもやれない。そのなかでさまざまな経験をさせてもらった。この学びのエキスとエッセンスのすべてを今後のローソンの飛躍にぶつけていきたい」と抱負を語っていた。

 しかしながら、2016年にローソン代表取締役会長に就いたものの2017年には退任。玉塚氏の“プロ経営者”としての力量に疑問符をつけてしまった。同じ2017年、IT企業のハーツユナイテッドグループ(現デジタルハーツホールディングス)の社長に就任し、現在に至っている。

 玉塚氏の経歴を振り返れば、非常に魅力的な人間であろうことがうかがえる。そして、新天地のロッテホールディングス――。見事、捲土重来を果たすことになるのだろうか?その経営手腕には、経済界からの視線が集まる。


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