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ギリシャ旅行記の第52回です。
10日目はペロポネソス半島の登山鉄道乗車とと遺跡見学。
死者をも蘇らせるというギリシャ神話の名医アスクレピオスの聖地であるエピダウロス遺跡の音楽堂や治療施設などを見学し、アテネへと戻りました。

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■ 10日目 2019年9月6日 金曜日 


ペロポネソス半島にあるエピダウロス遺跡を見学しています。
医術の神アスクレピオスゆかりの地ということで、古代ギリシャ時代のエピダウロスは劇場や運動施設を備えた大規模な医療センターでした。


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ギリシャ国内の古代劇場で最も保存状態が良いとされるエピダウロスの古代ギリシャ劇場を見学した後は、古代ギリシャの医療センターだった遺跡部分を見学します。
時刻は夜19時前。だいぶ日が傾いてきました。


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医療の神アスクレピオスの聖地であるエピダウロスは古代ギリシャの時代は巨大医療センターとして名をはせており、多くの人々が訪れました。
ただの病院ではありません。宿泊施設や音楽堂、宴会場、体育館、運動場、神殿、浴場が並ぶ一大レジャー施設でもあったのです。
古代ギリシャの医療は「病は気から」という言葉通り、精神面のリラックスを最優先したため、このような娯楽施設が病院に併設されたといいます。


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このあたりは建物の基礎部分しか残っていません。


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わずかに残る音楽堂の一部。


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音楽堂の並びには体育訓練所や宴会場、闘技場が建っていました。


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こちらはスタジアム。古代ギリシャの野外運動場です。


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スタジアムの柱。


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わずかに残る観客席の遺構。


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補修作業が行われているようです。


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かつてはどのような建物だったのでしょうか。


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エピダウロスにはエジプトの神々を祀る神殿もあったそうです。
ギリシャだけでなく、世界各地から人々が訪れていたのですね。


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遺跡の最北部に整然と並ぶ柱はアバトンと呼ばれる医療施設です。


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オデオンと呼ばれる音楽堂の一部。


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説明文にかつての姿が書かれていました。


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建物の土台部分。


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ギリシャの空に月が浮かびます。
雲一つない夕暮れの空と、古代ギリシャ遺跡。とても美しい光景です。


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だいぶ暗くなってきました。


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意味ありげな一角。どのような目的の部屋だったのでしょうか。


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かつてはとても大きな建物だったのでしょう。
遺跡のガイドブックが無いので、どの建物が何なのかよくわからないのが残念です。


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石造りの土台。


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この辺りは神殿が建っていたそうです。


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エピダウロス遺跡は小高い山々に囲まれています。


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遺跡の西側にはトロスと呼ばれる円形の礼拝堂が建っています。
残念ながら足場が組まれ、修理中となっていました。


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行き止まり。これは机だったのでしょうか。


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かつては石畳の通路だったのでしょう。


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石の柱の残骸が並んでいます。


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遺跡の北東部にはエジプトの神々を祀る神殿や、古代ローマ時代の浴場跡などが発掘されています。


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エピダウロス遺跡の今日の閉館時間は19時半で、あと20分ほどしかありません。
観光客の数もだいぶ減り、落ち着いて見学できています。


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夕暮れのトロスとアバトン。


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遺跡の北西部は医療施設であるアバトンや寺院や礼拝堂など、重要な施設が並んでいました。


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円形のベンチでしょうか。


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修繕工事中の円形の礼拝堂トロス。


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トロスは柱の一部のみが復元されています。


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そしてこちらが医療施設であるアバトンです。
アバトンとは聖なる仮眠所という意味で、患者はここで眠っている間に神が夢に現れ、「お告げ」という形で治療法を告げます。
アバトンの祭司はその「お告げ」に従って患者に治療を施したのだそうです。


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格子状の壁。


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立派な建物だったことがわかります。


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夕暮れのアバトン。


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かつてはカラフルな壁だったのでしょう。


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アバトンは2階建てでした。


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階段を下りて1階部分へ。


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治療施設アバトンの1階部分。


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1階部分で実際の治療が行われたのでしょうか。


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古代ギリシャ時代の治療の様子。


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夕暮れの古代ギリシャ遺跡はとても神秘的です。


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治療施設アバトンはかなり大きな建物だったことがわかります。


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古代ギリシャ遺跡と沈む夕日。


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明日は日本に帰国しますから、今日がギリシャ最後の夜になります。
エピダウロス遺跡は劇場だけでなく、遺跡部分も素晴らしいです。

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とても神秘的で、歴史の重みを感じる景色です。
ただ、感傷に浸っていたら係員が大声を上げて観光客を追い出しにかかりました。
時刻は19時20分。閉館まであと10分です。


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閉館時刻の19:30にエピダウロス遺跡を出て、一路アテネへ。
暮れゆくエーゲ海を眺めながら、アテネに向けて飛ばします。


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21時20分。アテネに帰る途中でコリントス運河に立ち寄りました。
1893年に開削されたコリントス運河はエーゲ海と地中海を結ぶ最短ルート。
地中海のイタリア側からエーゲ海のイスタンブール方面へはペロポネソス半島に沿って南下して一回りするよりも、ペロポネソス半島の北側のコリントス湾を西に向かってコリントス運河を抜けた方が400キロも短縮できるのです。
ただ、丘陵地帯を数十メートル掘り下げて作り上げたコリントス運河ですが、昔の基準で開削されたので川幅は狭く24メートルしかありません。
大型貨物船が通れないため、現在は観光船の通過がほとんどになっているそうです。

すでに夜になっていますが、照明のおかげで切り立った崖の下にあるコリントス運河が良く見えました。
昔の人はよくもまあこんな運河を通したものです。

コリントス運河からは1時間ほどでアテネ中心部に到着。
私が泊るブレンド・ホテルは中心部のモナスティラキ駅に近く、観光に便利です。
ただ、周囲の道が狭いため車が入れません。私とドライバーさんは迷いながらもホテルに向けててくてく歩き、22時20分にようやっとホテルにたどり着きました。
別れ際には現地の旅行会社であるニャニャコスのドライバーさんを握手して、感謝を伝えました。
日本人の奥さんと営む旅行会社ニャニャコスはとても良心的。ドライバーさんは英語だけでなく簡単な日本語も少しわかるそうなので、車をチャーターしたい場合はぜひおすすめします。

ブレンド・ホテルのフロントはとてもフレンドリーで、併設するレストランの10%割引券もくれました。
しかし昨日の深夜にサントリーニ島を夜行フェリーで出発し、今日は朝からペロポネソス半島を駆け回ったので疲労困憊。
トイレとシャワー、洗面台が分かれていることに感動した私はさっさとシャワーを浴び、何も食べずに寝てしまいました。

明日はアテネを観光し、22時過ぎの便で日本に帰国します。