昨日は会社を休んで芝生席の横の内野自由席で観戦。いやぁ感動しました。
 試合は潮崎と1番ショートに入った佐藤幸彦の対決からスタート。引退選手同士の対決は幸彦がライトフライに倒れ潮崎の勝ち。お互いがっちり握手した後、二番手張がマウンドへ。ここからが真の勝負だったのですが・・・。

 絶対に負けられない試合にもかかわらず2回にカブレラとホセの一発で3点のリードを許してしまいます。しかもマリーンズ打線は張の前にポップフライの山を築き、4回終わってノーヒット。左翼席からは早くもブーイングです。

 ところが5回張が突然制球を乱し2四球、やっとめぐってきたチャンスに井上純がきっちりとタイムリーを放ち3−1となります。そして6回表2死ランナーなし、ここから今季最大の奇跡が起こります。マリーンズ公式サイトの実況がその場の雰囲気を良く伝えていますので引用します。
 
4番 ベニー レフトスタンドへ豪快反撃ホームラン!!マリーンズの決意と覚悟を見よ!これが我々の闘志だ!
5番 フランコ ライトスタンドへ叩き込む同点ホームラン!全身血液逆流の興奮弾!うりゃぁああ!
6番 李 ライトスタンドへ勝ち越しのホームラン!!大地を揺るがす三連発!今のマリーンズに微塵の迷いもなし!四の五の言わずに3発で決める!
(ライオンズ 投手・張→長田)
7番 サブロー 空振り三振。チェンジ。
全マリーンズ人総決起!


史上初となる外国人による3連発で4対3!逆転です。レフトスタンドは「奇跡じゃぁ!」と大騒ぎ。シーズン中は苦しんだ国民的ですが、この日のホームランは完璧でしたし、あとで魂のこもった激走も見せました。パワーがあるのはファンはみんな知っています。あとはこの感触を来季につなげてほしい。
その後もマリーンズ打線は生まれ変わったかのように堀のタイムリー、小坂の犠牲フライで2点を追加します。すべての得点に絡むヒットを放った井上純、珍しく送りバントを2回も決めた橋本、グッジョブです。

しかし西武も負けられません。3回以降立ち直った直行が7回に捕まりツーアウトながら1、3塁のピンチを招きます。ここで2番手藤田登場も貝塚の代打犬伏に打たれ5対4、1点差につめよられます。絶対に負けられない!この大ピンチを救ったのは薮田神でした。カブレラを歩かせ満塁としますが続く和田をフォークで追い込みストレートで見逃し三振に仕留めます。続く8回もあっという間に2人を討ち取り、とどめは野田のバットをへし折って三者凡退!気迫のこもったすばらしいピッチングをみせてくれました。去年の今頃、薮田がここまでやると誰が予想したでしょうか。負けている試合でしか好投しない、チキンな薮田はもういません。今年一番成長したのは間違いなく薮田でしょう。

 9回に1点を追加して6対4としますが、ここですんなり勝てないのがマリーンズ。9回裏、満を持して登板のコバマサがコバスコ劇場の最終章を盛大に開いてしまいます。連打を浴び1点を失い、2死1塁でカブレラをむかえます。サヨナラのピンチでしたが、コバスコが踏ん張りサードゴロ。強烈な打球で今江がはじいてしまいますが、何とか送球が間に合いゲームセット。95年、ボビー政権以来の借金無しでレギュラーシーズンを終えることとなりました。

試合後はまずボビーがマリーンズの選手たちを促し全員でレフトスタンドへ。引退する幸彦を胴上げ、家族からは花束が渡されました。球場の電光掲示板には「佐藤選手18年間お疲れ様でした」の文字、そしてライトスタンドからの幸彦コール。敵地なのにありがたいことです。
 そして、今度はライオンズナインによるサインボール投げ入れ、伊東監督による挨拶の後、潮崎投手の引退セレモニーが始まりました。バックスクリーンのビジョンには潮崎の活躍したシーンが流れます。日本シリーズで駒田や原を討ち取るシーン、デストラーデが、秋山が、清原がいる。なつかしかったです。あの頃の西武は本当に強かった。そして潮崎投手のスピーチ。「15年間完全燃焼した。悔いはない。」と話す潮崎投手の顔は心なしか晴れ晴れとしていました。
 スピーチが終わると2人の子供さんとともにスタジアムを一周します。ライトスタンドはもちろん、試合後もマリサポで埋まったままのレフトスタンドから絶え間なく湧き上がる潮崎コール、大歓声に手を振って応えながらゆっくりと進む潮崎投手、そしてただ一人ベンチからグラウンドに出てじっと潮崎投手を見つめる初芝さん。あの時初芝さんの胸に去来したものはなんだったのでしょうか。感動すると同時に、少しだけさびしい気分になりました。

そしてライオンズナインによる胴上げを受けた潮崎投手はビクトリーロードへ消えました。去年ならここでエール交換ですが今年はそのまま解散。プレーオフで再び合間見えることを信じつつ、興奮冷めやらぬままスタジアムを後にしました。

最後の球場のアナウンスにも感動しました。

「野球を愛する千葉ロッテマリーンズ、西武ライオンズのファンの皆様、本日は最後まで応援ありがとうございました」

本当にそうです。自由席無料とはいえ、西武ドームは平日にも関わらず3万人以上のお客さんで埋まりました。みんな野球が好きなんです。それなのに、オーナーが野球を愛していない。自チームのファンを平気で捨てるようなまねをする。悲しいし、やりきれません。

 これでマリーンズはレギュラーシーズンを終了。後はファイターズが2連敗ならプレーオフ進出決定、1敗1分けなら3位決定戦となります。ただそれはともかく来季につながる試合ができた、去年より一歩前進できたということが何よりもうれしいです。プレーオフに出られればもっとうれしいですけど、今はファイターズの負けを願うと言うより人事をつくして天命を待つといった心境ですね。

あと、この日のセレモニーの様子をコイバットさんがばっちり撮影しておられます。ぜひご覧下さい。

潮崎投手

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