今週末のストは回避される模様ですが、残念ながらバファローズの消滅は避けられず、新規参入についても決まったわけじゃありません。決して選手会が勝利したわけじゃないと思うんですが、どうなんでしょう。
 正直選手会の主張も首肯できない部分があるんですよね。12球団2リーグを維持してそれで終わりなのかと。巨人戦以外はウンコ同然と言わんばかりのマスコミの意識を変えることはできないのか。放映権料の分配を強制的にでも実現する方法はなかったのかと、いろいろ考えてしまいます。しかしマリーンズの消滅だけは何とか避けられたようですので、その点だけはよかったと思います。全体を見れば残念な結果になってますが。

 このブログでは以前から合併反対を叫び、チーム存続のためなら12球団1リーグ制やむなしと主張してきました。球団合併について感情的な論調になってしまったことは認めます。またそれが間違っているとも思いません。チームを応援すると言う行為自体が感情の発露なわけですし、大してチームを強くする努力をしてこなかったくせに、突然「俺らの本国に近い福岡でガッポガッポ稼ぐからお前らはもういらん。でもかわいそうだから2軍でもあてがってやるよ。どうせ旧マリーンズの選手は一軍には入れんだろうしな!ウェーハッハッハ!」と言われて「ふざけんな」と怒らないファンがいるかってんですよ。
 
 で、数ヶ月にわたって一マリサポとして合併問題について述べてきました。ありがたいことに多くの方からコメントやトラックバックをいただきました。正直マリサポである私のところに合併容認派の方からTB送られて対応に困った面もありましたが、いろいろと考えるきっかけにはなりましたので、ここで自分の考えを再度まとめてみたいと思います。いまさらな部分もありますが、覚書のようなものですので。

・球団を減らすメリットって誰か言ったか?
 選手会のストが支持されたのは敵失に助けられた面が多分にあると思います。経営側がきちんと説明し球団削減の意図を明らかにしていれば、ここまでの反発はなかったかもしれません。そもそも「10球団に削減することもやむなし」と言う論調はあっても、2球団削減を是とする具体的な根拠、合併反対派を納得させるに足る具体的な説明はあまりなかったと思います。強いて根拠を挙げるとすれば、レベルの底上げと赤字の解消ぐらいでしょうか。

・レベルの底上げなら球団削減よりコーチングスタッフの体系的なレベルアップでは。
 馬鹿試合の増加を根拠に球団削減によるトップリーグのレベルアップを唱える人たちがいるようです。しかし2球団減らしたぐらいでレベルアップするのでしょうか。チーム数を減らしたところで今までどおり資金力のあるチームに有望選手が集まってしまい、リーグ全体での底上げはできないんじゃないかと思います。一度縮小傾向に入ってしまえばアスリートの卵にネガティブイメージを植えつけることにもなりかねませんし、もしそうなればプロ野球を目指す少年はさらに減るでしょうね。
 また、総枠を減らせば即戦力ではない新人の門戸を確実に狭めることになります。広島の嶋のように10年目にしてブレイクする選手は出てこなくなるでしょう。
 レベルを上げるなら試合に出るのが一番ですし、レベルアップだけを考えるならチーム数を増やして1チーム当たりの支配下選手数の上限を減らした方が良いと思います。読売の2軍なんてキャッチャーが7人もいる異常な状態ですし、プロ野球にとっても損失です。まあ少なくとも飛ぶボールを止めて一部審判による可変ストライクゾーンを撤廃すれば中日のようにしまった野球ができるんじゃないでしょうか。

 私が思うにより効果的なレベルアップはコーチングスタッフの底上げでしょう。個人の勘と経験に基づくコーチングでは限界があると思います。マリーンズのコーチを見てください。見事なまでにOBばかりです。落合放出以降貧打と長打力不足に泣いてきたロッテというチームのOBにまともな長距離砲を育成できるでしょうか。チームを強くできるでしょうか。答えは否です。だから8年連続Bクラスなんです。読売だってあれだけの人材をかき集めれば投手王国になってもおかしくないのに投壊してしまう。コーチに問題があるのです。よってコーチングスタッフの底上げを図るためには今までのようにコネに頼る人選を止め、選手育成における体系的なメソードを確立し、それを学ぶ場を作る必要があるんじゃないかと思います。たとえばメジャーでは試合で活躍する能力とコーチとしての能力は別、という考えだそうです。日本もコーチのプロを育成し、そしてゆくゆくは少年野球のレベルまで指導者の教育体制を広げることによって、才能ある選手をできるだけ多くプロに送り込む体制ができればいいな、と思います。

・合併すると赤字が減るんですか?収入が増えないのに?
 これも良く分かりません。まあ試合をすれば赤字のパリーグだから、と言う考えもあるでしょうけど、合併したところで収入は増えないでしょうし、また後で述べる予定ですが頼みの巨人利権だって怪しいと思うんですが。セリーグの球団は減収でしょうし、この主張も自分から観れば根拠がはっきりしません。

・年俸の高騰が球団合併を招いたとするのは詭弁。
そもそも元木に1億も払う新聞がこんなこと言っても説得力皆無なんですがね。
知ってましたか?1億円プレーヤーの数でみれば広島より近鉄、オリックス、ロッテの方が少ないんです。
 ちなみにロッテの1億円プレーヤーは監督2億、国民的2億、福浦15500万、小坂10800万、コバスコ23000万、清水直行10300万です。福浦と小坂はもらいすぎのような気もしますが、国民的の年俸は韓国の放映権料で元が取れます。8年前の96年は伊良部13000万、小宮山12000万、前年ベストナインで打点王の初芝様11000万。前年2位にもかかわらずこんなもんです。コバスコを除けばあまり変わっていないような気がします。
 つまり一部の選手の年俸が突出していますが、それ以外の選手のレベルは少なくともパリーグではあまり変わってません。逆にセリーグではベンチウォーマどころか2軍の選手にも億単位の金を注ぎ込んで平気な顔をしている。巨人は論外ですが、横浜もひどいです。石井20000万、鈴木尚22000万、中村12500万、斉藤隆24000万、若田部1億、ギャラード10800万、。これだけ払っても球団経営を続けられるセリーグと、活躍しなければ容赦なくベテランの高年俸選手を切り捨ててきたパリーグ。このゆがんだ現状、採算を度外視して数億もの大金を払う経営側、さらに年俸高騰の先鞭をつけた読売こそ糾弾されるべきではないかと。

 もちろん選手に責任はないなどと言うつもりはありません。FA残留なんてやってれば「金の亡者」と言われても仕方ないでしょうね。選手側の意識改革と経営についての勉強も必要だと思います。減額制限の緩和よりむしろ撤廃するべきでしょう。

・巨人戦利権はすでに死んでいる。
9月21日の巨人横浜戦が17000人、同日の西武ロッテ戦が32000人。落ちたものですね。
もはや在京球団では巨人、阪神戦以外セリーグもパリーグも観客動員は同じです。そしていまや巨人戦より阪神戦の方が観客動員は多いんです。巨人戦だから満員になる時代はもう終わりました。この現実が果して見えているのか。
 旧パリーグのチームと巨人の試合については放映権料を下げると言われていますが、その旧パリーグのチームとの試合と、旧セリーグとの試合で、視聴率が変わらなかったらどうなるか。おそらく放映権料は減少し、セリーグ各球団の赤字を増大させるでしょうね。

・12球団1リーグ制を誰も主張しないのは何故。
そして「なんで10球団1リーグは良くて12球団1リーグじゃだめなの」と言う疑問に対する答えはどこにもないんですよ。1リーグにするためには12球団じゃ多すぎるとナベツネさんも言ってますけど、「なぜ多いのか」誰も説明していない。なんででしょう。
 自分はマリーンズ消滅には断固反対ですが、あまりリーグ数に関しては固執してないです。そりゃパファンですからパリーグが残ってくれればいいですけど、正直存続しても未来は決して明るくないでしょう。少なくとも、今の経営陣がのさばる限りは。だから各球団のエゴの発生要因たる2リーグ制を維持するよりは、1リーグにしてしまったほうが改革を進めやすいと思うんですが、マスコミで12球団1リーグ案を取り上げた人はいないような気がします。

とまあまとまりのない文章を長々と書きましたが、要は理由も示さずに「プロ野球の延命のためにお前の好きな球団なんぞ消滅してしまえ」と言われても納得できません、ってことです。
 

〜追記〜
レベル低下の一例として、昔広島と巨人で投手戦が多かったと言う人がいるみたいですけど、昔のクリーンナップって巨人が駒田、原、コトー、広島がロードン、アレン、小早川とかってレベルじゃなかったっけ。フツーに打てないと思うんですが。日本シリーズじゃ西田が4番打ってたし。

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